日産 キャラバン中古車完全ガイド|選び方・弱点・維持費まとめ

Nissan Caravan

日産 キャラバンは、トヨタ ハイエースの長年の競合車種として知られる、商用バン(1・4ナンバー)・ワゴン(3・5・7ナンバー)・マイクロバスなどを設定した1BOX系の車です。中古車市場では、4代目(E25型、2001〜2012年)と、現行の5代目(E26型、2012年〜)が中心になります。5代目は、当初「NV350キャラバン」という車名で、2021年10月・2022年4月のマイナーチェンジで「キャラバン」に戻りました。この記事では、世代・年式ごとの違い、選び方、確認したい注意点を、公開情報をもとに整理しました。

📋 この記事の要点

✔ 現行は5代目のE26型(2012年〜)。4代目はE25型(2001年4月〜2012年6月)、3代目はE24型(1986年9月〜2001年)

✔ 5代目は「NV350キャラバン」の車名で発売。ガソリン車は2021年10月、ディーゼル車は2022年4月のマイナーチェンジで「キャラバン」に戻った

✔ 2021年10月のマイナーチェンジ(ガソリン車)で、マニュアルトランスミッションを廃止し7速ATに一本化。助手席SRSエアバッグも全車標準装備になった

✔ 2022年4月のディーゼル車のマイナーチェンジで、尿素SCRシステムを採用した三菱の4N16型エンジンに換装

✔ 2026年9月10日には、4N16ディーゼル車(2022年3月〜2025年9月製造)のバキュームポンプの改善対策が届け出られた。暖房補助用PTCヒーターのリコールも、2019年9月と2024年10月に届け出られている

1. 世代の早見表

📊 キャラバンの世代別早見表

世代・型式 販売時期 エンジン・構成 主な特徴
初代 E20型 1973年2月〜1980年 1.5LのJ15型、1.6LのJ16型 バン・コーチ(9人乗り)・マイクロバスを設定。スライドドアのレールを隠すモールが特徴
2代目 E23型 1980年8月〜1986年 バンはJ16型・H20型ガソリンとSD22型ディーゼル。コーチはZ20型ガソリンなど バンにウォークスルー機構を採用。型式の命名規則を、この代から変更
3代目 E24型 1986年9月〜2001年 発売当初、バンはTD23型ディーゼル・Z20型ガソリン。1999年6月以降のバンは、KA20DE/KA24DEガソリンとQD32ディーゼル 完全な1BOX型。1997年5月に、乗用専用の「キャラバン・エルグランド」が登場。1999年6月に、ホーミーをキャラバンに統合し、乗用モデルの「コーチ」は製造終了
4代目 E25型 2001年4月(発売は5月)〜2012年6月 KA24DE型・KA20DE型のガソリンと、ZD30DD型直噴ディーゼル(のちにZD30DDTi型に)。2007年8月以降、ガソリンはQR型に変更 クラッシャブルゾーンを設けた1.2BOX型に変更。ロングボディは4ナンバーサイズ(全長4.7m以下)。荷室長は先代比200mm減の2,800mm。いすゞ コモとしてOEM供給
5代目 E26型 2012年6月〜現行 ガソリン車とディーゼル車を設定(ガソリン車の型式・出力は情報源に記載なし)。ディーゼル車は2022年4月以降、三菱の4N16型(尿素SCRシステム) 11年ぶりのフルモデルチェンジで「NV350キャラバン」に改名。縦置きトーションバースプリングのダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションと、リーフスプリングのリジッド式リアサスペンション

※表は横にスクロールできます

📌 補足

5代目の発売時期は、当初ガソリン車のロングボディ・標準ルーフ仕様のみで、ディーゼル車とスーパーロングボディ・ハイルーフ仕様は7月13日の発売でした。ボディ種別は、バン(1・4ナンバー)、ワゴン(3・5・7ナンバー)、コーチと呼ばれるバス(2ナンバー)に大別されます。中古車では、ボディ・登録区分・エンジンの組み合わせが多岐にわたるため、車検証で確認しましょう。

2. 5代目(E26型)の改良の流れ

📊 5代目の主な改良(時系列)

時期 主な内容(日本語版Wikipediaの記載)
2012年6月 「NV350キャラバン」として発売。「NV」は日産のバン、「350」は車両総重量3,500kgクラスを意味する
2021年10月20日 ガソリン車をマイナーチェンジ。車名が「キャラバン」に。フロントフェイスを刷新。インテリジェント エマージェンシーブレーキを、ミリ波レーダーとカメラのフュージョン方式に変更して歩行者を検知。一部グレードにインテリジェント ルームミラーを標準装備。マニュアルトランスミッションを廃止し、7速の「7M-ATx」に一本化。助手席SRSエアバッグを全車標準装備。4WD車の設定を拡大
2022年2月28日発表(4月下旬発売) ディーゼル車をマイナーチェンジし、車名が「キャラバン」に。排気後処理に尿素SCRシステムを採用した、三菱の4N16型(タイ製)に換装。トランスミッションを7M-ATxに一本化。ディーゼル車はバンのみの設定に
2022年7月7日 ガソリン車を一部仕様向上。燃料消費率が向上。一部グレードにステアリングスイッチを追加。カスタムカー「AUTECH」を追加
2023年9月・10月 初代誕生50周年の特別仕様車「50th Anniversary」を発表(10月10日発売)。「MYROOM」(車内カーテンやウッドブラインドなどの専用オプションを標準装備した仕様)を正式発表
2024年5月15日 一部仕様変更(6月上旬発売)。各種法規への適合化。バックビューミラー(ルームミラー投影式)を一部グレードに設定
2025年7月17日 一部仕様向上(8月25日発売)。ガソリン車に、小型貨物車の4ナンバーバンクラス初となるインテリジェント クルーズコントロールを採用。先行車発進お知らせ、タイヤ空気圧警報システムなども新たに標準装備

💡 ポイント

5代目は、2021年10月(ガソリン車)・2022年4月(ディーゼル車)を境に、車名・エンジン・変速機・安全装備が大きく変わっています。2021年10月より前の年式の安全装備・エンジンの詳細は、この記事の情報源に記載がないため、年式・グレードごとに、カタログや販売店で確認しましょう。

3. 世代・用途ごとの選び方

📊 目的別の選び方

重視すること 考え方の目安
安全装備を重視したい 5代目の2021年10月以降(ガソリン車)/2022年4月以降(ディーゼル車)は、歩行者検知対応のインテリジェント エマージェンシーブレーキ、助手席SRSエアバッグの全車標準装備など。2025年8月以降のガソリン車は、インテリジェント クルーズコントロール等が加わる
マニュアル(MT)車がほしい 2021年10月(ガソリン車)のマイナーチェンジでMTが廃止され、7速ATに一本化。MTを希望する場合は、それ以前の年式が対象
ディーゼルを選びたい 2022年4月以降は、尿素SCRシステム採用の4N16型(バンのみの設定)。年式による仕様差が大きいため、整備記録・警告灯・尿素水の補給状況を確認
多人数・乗用で使いたい ワゴン(3・5・7ナンバー)を検討。「MYROOM」や車中泊仕様車(マルチベッド)、福祉車両「ライフケアビークル」も設定されている
荷物を積む(商用) バン(1・4ナンバー)を検討。標準ルーフ・ハイルーフ・スーパーロングなど、ボディの組み合わせが多いため、積みたい荷物の寸法で選ぶ
価格を抑えたい 4代目(E25型)以前は選択肢が広い一方、年式が古いため、整備記録・使用歴・消耗品の状態を重点的に確認

4. 弱点・注意したいポイント

📊 注意したいポイント

項目 内容 購入前の確認方法
4N16ディーゼルのバキュームポンプ(改善対策、2026年10月) ブレーキを助ける部品が熱で劣化して壊れると、ブレーキを踏む力が余計に必要になり、止まるまでの距離が長くなるおそれがある。4N16ディーゼルエンジン搭載車(2022年3月〜2025年9月製造、36,766台)が対象(国土交通省の届出資料) ディーゼルの中古車は、対策が実施済みかを、車台番号と整備記録簿で確認
ディーゼルのエンジン制御コンピューター(2023年6月) 4N16ディーゼル車のエンジン制御コンピューターに関する届け出(国土交通省の届出資料) 対象車か、対応済みかを、車台番号で確認
PTCヒーターのリコール(2019年9月) 暖房補助用のPTCヒーターのハーネス電線径の不足に関し、NV350キャラバン、およびいすゞ向けコモのPTCヒーター付き仕様車が対象。1車種5型式28,099台分と記載 対象車か、対応済みかを、車台番号で確認
PTCヒーターのリコール(2024年10月) 暖房補助用のPTCヒーターの制御不適切に関し、NV350キャラバン/キャラバン、およびコモのPTCヒーター付き仕様車が対象。2車種8型式40,135台分と記載 対象車か、対応済みかを、車台番号で確認
年式による装備差(5代目) 2021年10月(ガソリン車)・2022年4月(ディーゼル車)を境に、安全装備・変速機・助手席エアバッグの標準化などが変わった 年式・グレードごとの装備を、カタログ・販売店で確認
4代目の初期のエアバッグ 4代目(E25型)は、発売当初、GXとDXのエアバッグがオプション設定だった(のちに標準装備) 購入予定の個体に、エアバッグが装備されているか確認
使用歴・走行距離 業務用として長く使われた個体もあるため、走行距離に比べて、足回り・エンジン・荷室の消耗が進んでいる場合がある 整備記録簿・使用歴(商用/自家用)・荷室内の傷み・スライドドアのレールを確認
ディーゼルの排気後処理 年式によって、排気後処理システムの仕様が異なる。2022年4月以降は、尿素SCRシステムを採用 警告灯・整備履歴を確認。古いディーゼル車は、登録地域の排出ガス規制も、販売店に確認
後付け架装(ベッドキット・キャンピング仕様など) 車中泊仕様などのカスタムは、施工内容・重量・乗車定員が、個体ごとに異なる 架装の内容・検査記録・保証の有無を、販売店で確認

⚠️ 注意

リコールの対象や内容は、車台番号ごとに異なります。上記のほかにも、リコールが届け出られている可能性があります。「対象外だから安心」と決めつけず、国土交通省・ディーラーで、車台番号による確認をしてください。

5. 購入前チェックリストと、進め方

📝 実車を確認するときのチェックリスト

☑️ 整備記録簿・点検記録簿の有無と内容を確認した

☑️ 使用歴(商用・自家用)と、走行距離のわりに消耗していないかを確認した

☑️ 登録区分(1・2・3・4・5・7ナンバー)が、用途に合っているか確認した

☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した

☑️ リコール・改善対策(PTCヒーター、4N16ディーゼルのバキュームポンプ等)の対応状況を、車台番号で確認した

☑️ ディーゼル車の場合、警告灯・排気後処理まわりの整備履歴を確認した

☑️ スライドドア・荷室・シートの状態、試乗時の異音・振動を確認した

☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した

🧭 購入の進め方

1

用途とボディの種類を決める

荷物を積むのか、人を乗せるのか。バン・ワゴン・ロング/スーパーロング・ルーフ高を、用途で絞ります。

2

候補を複数探し、条件をそろえて比べる

同じ世代・グレード・走行距離で、車両状態を比べます。

3

実車確認と試乗をする

チェックリストに沿って確認します。

4

総額(車両価格+諸費用+次回車検)で判断する

見積もりの内訳を、必ず確認します。

6. 維持費の考え方

📊 維持費の主な項目

項目 考え方
自動車税(種別割) 登録区分(乗用/貨物)・排気量・登録時期によって、税額の扱いが異なる。具体額は、当サイトの税額表の記事や車検証で確認
車検費用 法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・印紙代)に、車検基本料金・整備費用が加わる。詳しくは、普通車の車検費用の記事を参照
任意保険 型式・等級・使用状況で異なる。複数社の見積もりで比較
燃料代 ガソリン車とディーゼル車で、燃料の種類・燃費が異なる。ディーゼル車(2022年4月以降)は、尿素水の補給も必要

📌 補足

貨物(4ナンバー)と乗用(3・5・7ナンバー)では、税金・車検の期間・費用の扱いが異なる場合があります。購入前に、車検証で登録区分を確認し、次回車検の時期と費用を、販売店に確認しましょう。

7. ライバル・関連車との比較

📊 ライバル・関連車

車種 位置づけ 詳しいガイド
トヨタ ハイエース 長年の競合車種。キャラバンと1BOX系バンの市場で比較されやすい ハイエース中古車ガイド
日産 エルグランド 1997年5月に、乗用専用の「キャラバン・エルグランド」として登場した、キャラバン系の派生車 エルグランド中古車ガイド
いすゞ コモ キャラバンのOEM車(1995年8月に「ファーゴ」として供給開始、2001年5月に「コモ」へ名称変更)。当サイトに専用ガイドはありません –

8. よくある質問

Q. キャラバンは、どの世代・年式を選べばよいですか?

A. 安全装備を重視するなら、5代目の2021年10月以降(ガソリン車)/2022年4月以降(ディーゼル車)が目安です。価格を抑えるなら、それ以前の年式や4代目も候補ですが、使用歴と整備記録の確認が欠かせません。

Q. 「NV350キャラバン」と「キャラバン」は、別のモデルですか?

A. 5代目(E26型)の車名の違いです。2012年6月に「NV350キャラバン」として発売され、ガソリン車は2021年10月、ディーゼル車は2022年4月のマイナーチェンジで「キャラバン」に戻りました。同じ系統ですが、車名が変わった年式を境に、仕様が大きく変わっています。

Q. ディーゼル車は、中古でも問題ありませんか?

A. 年式によって、エンジンや排気後処理システムの仕様が異なります。整備記録簿・警告灯・使用歴を確認し、ディーゼルの扱いに慣れた販売店で相談すると安心です。

Q. ハイエースとキャラバン、どちらを選ぶべきですか?

A. 装備・荷室寸法・使い勝手・流通量・販売店の対応は、世代や年式で異なります。実車を見比べ、用途に合う方を選びましょう。

🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)

この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。

日産公式(リコール情報) 車台番号を入力して、対象・実施状況を確認できます
国土交通省「リコール情報検索」 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます
国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます
日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 メーカーと車台番号を入力して検索できます

まとめ

キャラバンは、現行が5代目(E26型)で、2021年10月・2022年4月を境に、車名・変速機・安全装備・ディーゼルエンジンが大きく変わりました。中古車では、年式による装備差、使用歴、PTCヒーターのリコール対応、ディーゼル車の改善対策(2026年10月届出)と整備履歴を必ず確認しましょう。用途とボディの種類を決めてから、条件をそろえた個体を、実車確認と総額で比べて選ぶのが、失敗しないコツです。

※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。

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