Photo: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0
マツダ ロードスターは、1989年に登場した、オープンタイプのライトウェイトスポーツカーです。「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネス世界記録の認定を受けたことでも知られます。中古車市場には、初代(NA系)から4代目(ND系)までの4つの世代が並び、エンジン・ボディサイズ・安全装備・ルーフ形式が世代ごとに大きく異なります。この記事では、世代ごとの違い・選び方・確認したい注意点を、公開情報をもとに整理しました。
📋 この記事の要点
✔ 初代NA系は1989年9月(「ユーノス・ロードスター」)、2代目NB系は1998年1月、3代目NC系は2005年8月25日、4代目ND系は2015年5月に発売
✔ 2代目から「マツダ・ロードスター」の名称に。3代目のNCで、初めて3ナンバー(全幅1,720mm)に
✔ 4代目は発売時に衝突被害軽減ブレーキがなく、2018年6月の商品改良で「i-ACTIVSENSE」が標準装備に
✔ ソフトトップの「ロードスター」と、電動格納式ハードトップの「ロードスターRF」(4代目は2016年12月発売)がある
✔ 2025年9月に、2015年3月〜2018年6月に製作されたND系の燃料パイプのブラケットに関するリコールが届け出られている
📑 目次
1. 世代の早見表
📊 ロードスターの世代別早見表
| 世代・型式 | 販売時期 | エンジン・駆動 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 初代 NA系(NA6CE/NA8C) | 1989年9月〜1998年1月 | FR。1.6L直4のB6型(NA6CE)。1993年7月から、1.8LのBP型(NA8C) | 「ユーノス・ロードスター」として発売。リトラクタブルヘッドライト。手動のソフトトップ。トランスミッションは当初5速MTのみで、1990年3月に4速ATを追加。車重は、NA6CEで940〜950kg(AT車は980kg) |
| 2代目 NB系(NB6C/NB8C) | 1998年1月〜2005年 | FR。1.6L(NB6C型、5速MT)と、1.8L(NB8C型、6速MT) | 「マツダ・ロードスター」の名称に。リトラクタブルライトを廃止し、全車エアバッグを標準装備。2000年にマイナーチェンジ(NB2型)。2003年12月に限定車「ロードスターターボ」 |
| 3代目 NC系 | 2005年8月25日〜2015年5月 | FR。2.0L直4のL型(日本仕様は2.0Lのみ)。5速/6速MT、6速AT | 新プラットフォーム。全幅が1,720mmとなり、ロードスター初の3ナンバー仕様。2006年8月に、電動格納式ハードトップ(パワーリトラクタブルハードトップ、RHT)を追加。2008年12月にマイナーチェンジ |
| 4代目 ND系 | 2015年5月〜現行 | FR。1.5Lの「SKYACTIV-G 1.5」。RFは2.0Lの「SKYACTIV-G 2.0」 | 「SKYACTIV TECHNOLOGY」を全面採用。「S」は初代NA8C型のMT車と同等の990kg。2016年12月に、電動格納式ハードトップの「ロードスターRF」を発売 |
※表は横にスクロールできます
📌 補足
日本仕様の出力は、ND系のみ情報源に記載があります。4代目のソフトトップは、2018年6月の改良で最高出力132PS/最大トルク15.5kgf・m、RFは184PS/20.9kgf・mに向上(それ以前のRFは158PS/20.4kgf・m)。2023年10月の大幅改良では、1.5Lエンジンの出力が、ハイオクガソリンに合わせた専用セッティングで3kW向上したと記載。それ以外の世代の出力・燃費は、グレード・年式で異なるため、カタログや販売店で確認してください。
2. 4代目(ND系)の改良の流れ
📊 4代目の主な改良(時系列)
| 時期 | 主な内容(日本語版Wikipediaの記載) |
|---|---|
| 2015年5月20日 | フルモデルチェンジ(発売は21日)。「S」「S Special Package」「S Leather Package」の3グレード。1.5L・6速MTを全グレードに設定 |
| 2015年9月・10月 | モータースポーツ向けの「NR-A」、最上位の「RS」を追加 |
| 2016年12月22日 | 「ロードスターRF」を発売。2.0Lで、「S」「VS」「RS」の3グレード |
| 2017年11月10日 | 商品改良。アダプティブ・LED・ヘッドライトを新採用。特別仕様車「RED TOP」を設定 |
| 2018年6月7日 | 商品改良。RFは2.0Lエンジンを改良し184PSに。ソフトトップは1.5Lを132PSに。「i-ACTIVSENSE」を標準装備化(アドバンストSCBSなどを新採用)。テレスコピックステアリングを、歴代で初めて全グレードに標準装備。燃料消費率・排出ガス性能がWLTCモードに対応 |
| 2019年11月14日 | 商品改良。アドバンストSCBSが夜間歩行者検知機能に。マツダコネクトがApple CarPlay・Android Autoに対応 |
| 2021年12月16日 | 商品改良。キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)を全モデルに採用。特別仕様車「990S」「Navy Top」を発表 |
| 2023年10月5日 | 大幅商品改良(2024年1月中旬発売)。マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)を設定。全ランプ類をLED化。MT車に、アシンメトリックLSDを設定(「S」を除く) |
| 2024年12月25日 | 初代発売35周年の特別仕様車「35周年記念車」を発表。同時に商品改良(Apple CarPlayのワイヤレス接続機能を追加) |
| 2026年6月26日 | 商品改良を発表(9月上旬発売)。レブリミット直前まで出力を絞らない制御に変更。車外騒音規制に対応。特別仕様車「PS」を設定(ソフトトップのみ) |
💡 ポイント
4代目は、同じ世代でも年式によって安全装備が大きく変わります。発売当初(2015年)は衝突被害軽減ブレーキがなく、2018年6月の商品改良でi-ACTIVSENSEが標準装備になりました。日常の足としても使うなら、年式ごとの装備の違いを、必ず確認しましょう。
3. 世代ごとの違いと、おすすめの選び方
📊 目的別の選び方
| 重視すること | 考え方の目安 |
|---|---|
| 安全装備を重視したい | 4代目の2018年6月以降は、アドバンストSCBS・SCBS R・AT誤発進抑制制御・リアパーキングセンサーなどを標準装備。2023年10月の大幅改良で、MRCCも設定。2代目では、全車エアバッグが標準装備 |
| 価格を抑えたい | 2代目・3代目は選択肢が広い一方、年式が古いため、整備記録・幌の状態・下回りの状態を重点的に確認 |
| ボディサイズを重視したい | 2代目のNB系は、2019年5月時点で、日本市場で最後の5ナンバーサイズのFRスポーツカーと記載。3代目のNC系は全幅1,720mmの3ナンバー |
| 軽さ・純粋な走りを楽しみたい | 初代NA系は、車重が940〜950kg(NA6CE)。4代目の「S」も、990kgと記載。試乗で走りの感覚を確認 |
| オープンとクーペの両方を楽しみたい | 電動格納式ハードトップ。3代目の「RHT」(2006年8月〜)、4代目の「ロードスターRF」(2016年12月〜)がある。開閉にかかる時間は、RHTが約12秒、RFが約13秒と記載 |
| マニュアル(MT)/オートマ(AT)を選びたい | 初代は当初MTのみで、1990年3月にATを追加。3代目・4代目にもMT/ATの設定がある(グレードによって異なる) |
| 特別仕様車・記念車を探したい | 初代には、限定車が多数存在。4代目にも「RED TOP」「Caramel Top」「990S」などがあり、内容・限定台数は個体ごとに異なる |
📌 補足
4代目ND系をベースに、フィアット124スパイダー(2016年〜)が開発されました。日本には、アバルト仕様の「アバルト・124スパイダー」のみが導入されたと記載されています。ロードスターとは、外板パネル・エンジン・足回りのセッティングなどが異なります。
4. 弱点・注意したいポイント
📊 注意したいポイント
| 項目 | 内容 | 購入前の確認方法 |
|---|---|---|
| ND系のリコール(2025年9月) | 2025年9月に、ND系のフューエルパイプのブラケットの保持力が低いものがあり、サーキット走行などでエンジン高回転域を繰り返し使用すると、亀裂が生じて燃料が漏れるおそれがあるとして、リコールが届け出られた(2015年3月〜2018年6月製造、18,491台。マツダ・国土交通省の公表) | 対象車か、対応済みかを、車台番号でマツダのリコール検索・ディーラーで確認 |
| ソフトトップの経年劣化 | 幌の破れ・雨漏りが起きることがある。初代NA系は、幌まわりに入った雨水を、車体内部の経路で排出する構造と説明されているため、経路の詰まりや、ウェザーストリップの状態も確認したい | 幌の破れ・縫い目・リアウィンドウの状態、室内の水濡れ跡を、実車で確認。自動洗車機の使用可否は、取扱説明書で確認 |
| 電動ルーフの作動(3代目RHT・4代目RF) | 電動格納式ルーフは、作動部品が多いため、経年で不具合が出ることがある(個体差) | 開閉を複数回作動させ、異音・引っかかり・ロックの状態を確認 |
| サーキット走行歴・スポーツ走行 | スポーツ走行に伴い、タイヤ・ブレーキ・エンジンなどの消耗が進んでいる場合がある | サーキット走行歴・改造の有無を、販売店・整備記録で確認 |
| 下回りのサビ(古い世代) | 古い年式ほど、下回りの状態を確認したい | 車体下回り・サスペンション取り付け部を、リフトアップして確認 |
| 3代目(NC系)の、スペアタイヤの代わり | 3代目は、スペアタイヤの代わりにパンク修理キットを装備 | パンク修理キットの有無・使用期限を確認 |
| ND系の型式指定問題(2024年6月) | 2024年6月に国土交通省が、ロードスターRFの型式指定を巡る不正行為が見つかったとして、出荷停止を指示。6月28日に解除され、出荷・生産を再開したと記載 | 新車・登録済未使用車を検討する場合は、販売店に経緯と対応を確認 |
⚠️ 注意
リコールの対象や内容は、車台番号ごとに異なります。上記のほかにもリコールが届け出られている可能性があります。「対象外だから安心」と決めつけず、マツダのリコール検索(車台番号)で確認してください。
5. 購入前チェックリストと、進め方
📝 実車を確認するときのチェックリスト
☑️ 整備記録簿・点検記録簿の有無と内容を確認した
☑️ ソフトトップ(またはRF/RHTのハードトップ)の状態・雨漏りの跡を確認した
☑️ サーキット走行歴・改造(足回り・マフラー等)の有無を確認した
☑️ リコールの対応状況を、マツダのリコール検索(車台番号)で確認した
☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した
☑️ 下回りのサビ・損傷がないか確認した
☑️ 試乗で、クラッチ・シフトフィール・異音・警告灯を確認した
☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した
🧭 購入の進め方
世代と予算の目安を決める
安全装備・装備の新しさ・価格のバランスを考えます。
候補を複数探し、条件をそろえて比べる
同じ世代・グレード・走行距離で、車両状態を比べます。
実車確認と試乗をする
チェックリストに沿って確認します。
総額(車両価格+諸費用+次回車検)で判断する
見積もりの内訳を、必ず確認します。
6. 維持費の考え方
📊 維持費の主な項目
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 自動車税(種別割) | 排気量・登録時期によって税額が異なる。具体額は、当サイトの税額表の記事で確認。登録から長期間が経過した車は、税額の扱いが異なる場合があるため、あわせて確認 |
| 車検費用 | 法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・印紙代)に、車検基本料金・整備費用が加わる。詳しくは、普通車の車検費用の記事を参照 |
| 任意保険 | 型式・等級・使用状況で異なる。複数社の見積もりで比較 |
| 燃料代 | 世代・エンジンによって燃費が異なる。ND系はWLTCモードで燃費が表示される(2018年6月以降)。実燃費は、走り方で大きく変わる |
📌 補足
古い世代のNA系は、マツダE&Tによる初代ロードスターのレストアサービス(2017年12月開始)や、再生産が可能な純正部品の再供給(NA6CE用アルミホイール、タイヤ、フロアマット、ビニールソフトトップなど)が案内されています。部品の入手・修理の可否は、購入前に、専門店・ディーラーで確認しましょう。
7. ライバル・スポーツカーとの比較
📊 ライバル・関連車
| 車種 | 位置づけ | 詳しいガイド |
|---|---|---|
| スバル BRZ | 同じFRの、2ドアクーペスポーツ | BRZ中古車ガイド |
| 日産 フェアレディZ | 国産の、FRスポーツカー | フェアレディZ中古車ガイド |
| BMW Z4 | 輸入車の、オープン2シーターのスポーツカー | Z4中古車ガイド |
8. よくある質問
🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)
この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。
| マツダ公式(リコール等情報検索) | 車台番号を入力して、対象・実施状況を確認できます |
| 国土交通省「リコール情報検索」 | 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます |
| 国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 | 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます |
| 日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 | メーカーと車台番号を入力して検索できます |
まとめ
ロードスターは、初代NA系から4代目ND系まで、エンジン・サイズ・安全装備・ルーフ形式が世代ごとに異なります。4代目は、2018年6月の商品改良で安全装備が大きく充実しました。購入前には、幌(またはハードトップ)の状態、サーキット走行歴、リコール(ND系の燃料パイプ)の対応を確認しましょう。世代と予算の目安を決め、実車確認と総額で比べて選ぶのが、失敗しないコツです。
※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。


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