スバル BRZは、2012年に登場した、トヨタ自動車と共同開発した後輪駆動(FR)のスポーツカーです。トヨタ 86(2021年からは2代目のGR86)とは姉妹車の関係にあります。中古車市場には、初代(ZC6型、2012年〜2020年)と2代目(ZD8型、2021年〜)が並びます。この記事では、公開情報をもとに、GR86との違い・世代ごとの違い・選び方・確認したい注意点を整理しました。
📋 この記事の要点
✔ 初代(ZC6型)は2012年3月28日に発売。2.0Lの水平対向エンジン(FA20型)を搭載し、日本国内の受注は2020年7月20日に終了
✔ 2代目(ZD8型)は2021年7月29日にフルモデルチェンジを正式に発表。2.4L(FA24型)に拡大し、先代の課題だった中回転域の「トルクの谷」の改善を図ったと記載
✔ 運転支援システム「アイサイト」は、初代には未搭載で、2代目に搭載。MT車には2023年9月から搭載
✔ GR86とは、基本部分が共通。外観・色・グレード・足回りの一部(2代目)などが異なる
✔ 競技のベース車・STI架装車は仕様が特殊。リコールは、初代・2代目ともに届け出あり(スバル公式)。車台番号で確認を
📑 目次
1. 世代の早見表
📊 BRZの世代別早見表
| 世代・型式 | 販売時期 | エンジン・駆動 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 初代 ZC6型 | 2012年3月28日〜(日本国内の受注終了は2020年7月20日、在庫販売の終了は11月30日) | FA20型 2.0L水平対向4気筒(FB20型をベースに、トヨタのD-4Sを組み合わせ)。FR。6速MT・6速AT | スバルの量産車で初めてFRを採用。開発費は、両社で折半。アイサイトは未搭載。2019年4月にWLTCモードに対応し、排出ガス記号がDBAから4BAに変更 |
| 2代目 ZD8型 | 2021年7月29日にフルモデルチェンジを正式に発表〜現行 | FA24型 2.4L水平対向4気筒。FR。6速MT・6速AT。出力はGR86の項で235PS(173kW)/250N・mと記載(BRZ単独の数値は取得した範囲では記載なし。基本部分は同一と記載) | 先代より全長+30mm・全高-10mm・車両重量+20kg。液晶メーター、8インチのタッチスクリーン。アイサイトを搭載(MT車は2023年9月から) |
※表は横にスクロールできます
📊 年次改良(型)の一覧
| 型 | 初代(ZC6)の時期と主な内容 | 2代目(ZD8)の時期と主な内容 |
|---|---|---|
| A型 | 2012年3月 発売 | 2021年7月 発表(日本仕様。排出ガスは平成30年規制適合) |
| B型 | 2013年9月 「S」にフルフロアアンダーカバーが標準装備 | 2022年5月 ライティングスイッチの操作方法を変更 |
| C型 | 2014年6月 ダンパーのチューニング、シャークフィンアンテナ | 2023年9月 アイサイトをMT車にも搭載。「STI Sport」を追加 |
| D型 | 2015年4月 「RA」を廃止し、「R Customize Package」を新設。「S」にクルーズコントロールを標準装備 | 2024年7月 MT車に「SPORT」モード、ウインカーレバーの操作方法をロック式に変更、電動パワーステアリングの特性を最適化 |
| E型 | 2016年8月 マイナーチェンジ。MT車の出力を+5kW(7PS)、トルクを+7N・m向上。ヘッドランプなどをLED化 | 2025年5月 点火系回路を改良(万一の故障時も、故障した回路の気筒のみを停止し、退避走行が可能に) |
| F型 | 2017年10月 ボディ剛性の向上。「STI Sport」を追加 | 2026年7月30日 アイサイトを機能強化(SUBARU製MT車で初の広角単眼カメラ)。「Cup Car Basic」を廃止 |
| G・H型 | 2018年9月(G型)、2019年4月(H型。WLTC対応) | (記載なし) |
2. GR86との違いと、選び方
📊 BRZとGR86(86)の違い
| 項目 | スバル BRZ | トヨタ 86/GR86 |
|---|---|---|
| 販売時期(初代) | 2012年3月28日〜2020年11月30日 | 86:2012年4月6日〜2021年10月27日に販売終了 |
| 販売時期(2代目) | 2021年7月29日に先行してフルモデルチェンジ | GR86:2021年10月28日にフルモデルチェンジ。車名を86から「GR86」に変更 |
| エンジンなどの基本部分 | FA20型(初代)→FA24型(2代目)。2代目は235PS/250N・m(GR86の項の記載) | 同じ。エンジンを含む、基本部分は同一と記載 |
| 外観・内装 | フロントバンパー・ヘッドライト・フォグランプの形状などが異なる | 同左(GR86は「FUNCTIONAL MATRIX GRILL」を採用したバンパー) |
| ボディカラー(2代目) | BRZのみ:イグニッションレッド、WRブルー・パール | GR86のみ:ブライトブルー、スパークレッド。他の5色は共通 |
| 足回り(2代目) | フロントのハブハウジング・ナックルがアルミ製。リアスタビライザーは、サブフレームを介してボディに取り付け | フロントは鋳鉄製。リアスタビライザーは、サスペンションメンバーに取り付け。BRZと部品の共用はできない |
| グレード(2代目) | R・S・STI Sport(2023年9月〜)・Cup Car Basic(2026年7月に廃止) | RC・SZ・RZ・GR86 Cup Car Basic。競技用の「RC」に相当するグレードは、BRZにはない |
| 6速ATのセッティング | GR86より、緻密にセッティングされていると記載 | — |
| 乗り味(初代) | 86が「ドリフト志向」、BRZが「グリップ重視の安定志向」と評されることが多い | 86の開発責任者は、わずかな違い(情報・フィーリングの演出)で、リアの安定性の高さは両車同じ、と説明(日本語版Wikipediaの記載) |
📊 目的別の選び方
| 重視すること | 考え方の目安 |
|---|---|
| 予算を抑えたい | 初代が候補。年式が古い分、整備記録・消耗品・改造歴・リコール対応を、重点的に確認 |
| 中回転域のトルク・走りの余裕 | 2代目(2.4L)。排気量拡大により、先代の課題だった「トルクの谷」の改善を図ったと記載 |
| 運転支援システムがほしい | 2代目(アイサイト搭載)。初代は、アイサイト未搭載。2代目のMT車は、2023年9月以降にアイサイトを搭載(一部の機能はAT車と異なる) |
| MTで乗りたい/ATがよい | 初代・2代目ともに、6速MTと6速ATを設定(一部グレードでMTのみの設定)。MT車のアイサイトは、AT誤発進抑制制御・後退時ブレーキアシストが非装備で、クルーズコントロールは追従機能付になる |
| 最上位の仕様がよい | 「STI Sport」(初代は2017年10月、2代目は2023年9月〜)。STI専用チューニングのダンパー、18インチのアルミホイールなどを装備 |
| サーキット・競技に使いたい | 競技のベース車として「RA Racing」「Cup Car Basic」などがある。公道の使用条件・保険・車検の対応を、販売店で確認 |
3. 弱点・注意したいポイント
📊 注意したいポイント
| 項目 | 内容 | 購入前の確認方法 |
|---|---|---|
| 競技ベース車・STI架装車の仕様 | 「RA Racing」は、ロールケージ装着のため、サイド・カーテンエアバッグが機能せず、乗り降りしづらくなる。トランスポートフック・4点式シートベルトは競技専用で、公道走行時は取り外す必要がある。「Cup Car Basic」は、エンジンに封印が施され、STI架装のため持ち込み登録となる | 一般の公道使用に適する仕様か、登録の内容・装備を、販売店で確認 |
| リコール(公表されているもの) | 初代:2018年11月1日にバルブスプリング(折損のおそれ)。2021年7月29日・2024年1月26日に低圧燃料ポンプ。2代目(ZD8):2023年8月31日にリヤコンビネーションランプの電子回路設定。いずれも、対象は限られた製作期間・車台番号(スバル公式リコール情報) | 車台番号で、対象かどうか・対策済みかを、スバル公式の検索・販売店で確認 |
| サーキット走行・スポーツ走行の使用歴 | タイヤ・ブレーキ・クラッチなどの消耗品や、足回りへの負荷は、使われ方で大きく変わる(一般的な傾向) | 整備記録簿・使用歴・消耗品の交換履歴を確認 |
| MT車のクラッチ | MT車は、クラッチの消耗状態が、個体ごとに異なる(一般的な傾向) | 試乗で、ミートポイント・滑り・異音を確認 |
| 改造・カスタム車 | スポーツカーは、マフラー・足回りなどの改造車も多い(一般的な傾向) | 改造の内容・車検適合・純正部品の有無を確認 |
| 年式による装備の違い | 初代はアイサイト未搭載。2代目もA型〜F型で、装備・仕様が変わっている(2023年9月のMT車のアイサイトなど) | 型・年式・装備表で確認 |
⚠️ 注意
リコールの対象や内容は、車台番号ごとに異なります。「対象外だから安心」「対象だから避ける」と決めず、対応済みかどうかを、記録簿や販売店で確認してください。
4. 購入前チェックリストと、進め方
📝 実車を確認するときのチェックリスト
☑️ 世代(初代/2代目)・型式・年式・グレードが、希望どおりか確認した
☑️ 整備記録簿・点検記録簿の有無と内容を確認した
☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した
☑️ リコール(バルブスプリング・低圧燃料ポンプ・リヤランプなど)の対応状況を確認した
☑️ サーキット走行歴・改造歴の有無を確認した
☑️ MT車は、クラッチの状態を確認した
☑️ 試乗で、異音・振動・変速感・ハンドリングを確認した
☑️ 競技ベース車・STI架装車は、公道使用の仕様・登録の内容を確認した
☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した
🧭 購入の進め方
世代と予算の目安を決める
安全装備・装備の新しさ・価格のバランスを考えます。
候補を複数探し、条件をそろえて比べる
同じ世代・グレード・走行距離で、車両状態を比べます。
実車確認と試乗をする
チェックリストに沿って確認します。
総額(車両価格+諸費用+次回車検)で判断する
見積もりの内訳を、必ず確認します。
5. 維持費の考え方
📊 維持費の主な項目
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 自動車税(種別割) | 排気量・登録時期によって税額が異なる。具体額は、当サイトの税額表の記事で確認。登録から長期間が経過した車は、税額の扱いが異なる場合があるため、あわせて確認。初代の2.0Lと、2代目の2.4Lで、排気量の区分が異なる |
| 車検費用 | 法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・印紙代)に、車検基本料金・整備費用が加わる。詳しくは、普通車の車検費用の記事を参照 |
| 任意保険 | 型式・等級・使用状況で異なる。複数社の見積もりで比較 |
| 燃料代・電気代 | 指定燃料・燃費は、年式・グレードで異なるため、車検証・取扱説明書・公式情報で確認。2代目の「S」は、215/40R18のタイヤなど、タイヤサイズが大きく、タイヤ代が高くなる傾向(一般的な傾向) |
6. ライバル・兄弟車との比較
📊 ライバル・兄弟車
| 車種 | 位置づけ | 詳しいガイド |
|---|---|---|
| トヨタ GR86(86) | 共同開発の姉妹車。基本部分は同一 | 当サイトに、独立した中古車ガイドはありません |
| マツダ ロードスター | 同じ、2ドアのスポーツカー(オープン)として、比較されやすい | ロードスター中古車ガイド |
| 日産 フェアレディZ | FRのスポーツカーとして、比較されやすい | フェアレディZ中古車ガイド |
| トヨタ GRヤリス | GRブランドの、走りを重視したモデル | GRヤリス中古車ガイド |
| スバル WRX S4 | 同じスバルの、走りを重視したセダン | WRX S4中古車ガイド |
7. よくある質問
🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)
この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。
| スバル公式(リコール情報) | 車台番号を入力して、対象・実施状況を確認できます |
| 国土交通省「リコール情報検索」 | 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます |
| 国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 | 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます |
| 日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 | メーカーと車台番号を入力して検索できます |
まとめ
BRZは、初代(ZC6型)と2代目(ZD8型)があり、エンジン(2.0L→2.4L)とアイサイトの有無が大きく異なります。GR86とは基本部分が共通ですが、外観・グレード・足回りの一部が異なります。中古車では、リコール(バルブスプリングなど)の対応、使用歴・改造歴、競技ベース車の仕様の確認が大切です。世代・グレードをそろえて比べ、実車確認と総額で選びましょう。
※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。


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