メルセデス・ベンツ Eクラスは、Eセグメントの車種で、日本語版Wikipediaによると、メルセデス・ベンツの中核モデルです。中古車市場には、W211・W212・W213・W214など複数の世代が混在し、世代ごとにエンジン・安全装備・電動化の内容が異なります。この記事では、世代ごとの違い・選び方・輸入車ならではの確認ポイントを、公開情報をもとに整理しました。ステーションワゴンは、別記事で詳しく解説しています。
📋 この記事の要点
✔ 初代(W124)は1985年にドイツで発売、日本では1986年に発売。1993年のマイナーチェンジを機に「Eクラス」に名称が移行した
✔ 5代目(W213)は、日本でセダンが2016年7月27日、ステーションワゴンが同年11月29日、オールテレインが2017年9月26日に登場。6代目(W214)は、2024年1月に発表され、2月から発売
✔ 3代目(W211)は、SBC(電子制御ブレーキ)の不具合で大規模リコールが2回行われたと記載。2006年のマイナーチェンジでSBCは廃止され、前期と後期でブレーキ構造が異なる
✔ 5代目(W213)は、2020年9月10日のマイナーチェンジでV6エンジンが廃止され、直列6気筒(M256型)が追加。2022年12月には12Vバッテリーの固定方法に関するリコールが届け出られた
✔ 輸入車のため、正規ディーラー車か並行輸入車か、整備記録・保証・部品の入手性を購入前に確認
📑 目次
1. 世代の早見表
📊 Eクラスの世代別早見表(セダンを中心に整理)
| 世代・型式 | 日本での販売時期 | エンジン・パワートレイン | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 初代 W124/S124 | 1986年〜(セダン)。ステーションワゴン(230TE)は1988年に追加。1993年にEクラスへ名称移行 | 1986年の日本発売時は230E・300E・300Dターボ。1987年に260E・300CE、1991年に500E・400Eを追加 | バブル期に多数輸入され、正規輸入車・並行輸入車ともにバラエティに富むと記載。良好な個体は減少傾向。500Eは正規未導入で、多数が並行輸入された |
| 2代目 W210/S210 | 1995年8月〜(セダン)。ステーションワゴンは1996年11月。1999年10月にマイナーチェンジ | E230(直4)・E320(直6)でスタート。1996年10月にE400(V8)、1997年8月にV6化と4MATIC設定 | ラック&ピニオン式ステアリング、ドア内蔵サイドエアバッグ。内装のコストダウンが指摘され、後期型で品質改善がなされたと記載。1999年10月にESPが全車標準 |
| 3代目 W211/S211 | 2002年6月(セダン)。ステーションワゴンは2003年8月。2006年8月28日にマイナーチェンジ | E240・E320・E500でスタート。2005年にE350/E280。2006年8月にディーゼルのE320 CDIが追加された | SBC(電子制御ブレーキ)で大規模リコールが2回。電装系(CAN・SAM)の障害も指摘。ワゴンは後輪エアサスによるセルフレベリング機構、7人乗りも導入 |
| 4代目 W212/S212/C207/A207 | 2009年〜(セダン)。ステーションワゴンは2010年2月。2013年5月14日にマイナーチェンジ | E350・E550・E250 CGI(2009年)。2010年2月にE350ブルーテック(ディーゼル)。2013年にE250が2.0L(M274型)に、セダンにE400ハイブリッド。2015年3月にE220ブルーテック(2.2L) | COMANDシステムを搭載。2011年11月にレーダーセーフティパッケージ(日本初のセダン・ワゴン設定)。デザインが不評で、2012年にヘッドランプ・プレスラインが改められた |
| 5代目 W213/S213/C238/A238 | 2016年7月27日(セダン)。ステーションワゴンは同年11月29日、オールテレインは2017年9月26日。2020年9月10日に後期型 | 前期はE200・E220 d・E250・E400 4MATICなど。2017年8月にPHEVのE350 e、2019年10月にディーゼルPHEVのE350 deを追加。後期型でV6が廃止され、直列6気筒(M256型)のE450 4MATICなどに | レーダーセーフティパッケージを全モデルに標準装備(前期)。後期型でMBUXと、日本の乗用車で初のARナビゲーションを採用 |
| 6代目 W214/S214 | 2024年1月に発表(セダンとステーションワゴン同時)。予約受付は同日から、2月より発売 | 全モデルで電動化 | MBUXスーパースクリーン、日本初の路面描画機能付きヘッドライト、格納型のドアハンドルなどを搭載 |
※表は横にスクロールできます
📌 補足
Eクラスのクーペとカブリオレは、初代および4〜5代目に用意されていました(2〜3代目はCLKクラス、現在はCLEに統合)。5代目では、歴代かつメルセデス初となるオールテレインが登場したと記載されています。日本語版Wikipediaでは、2006年8月から2008年1月まで、日本で販売される乗用車として唯一ディーゼルエンジン車(E320 CDI)を用意していたとされています。
2. 世代ごとの違いと、おすすめの選び方
📊 目的別の選び方
| 重視すること | 考え方の目安 |
|---|---|
| 安全装備を重視したい | 4代目は、2011年11月にレーダーセーフティパッケージがオプション設定され、2013年5月のマイナーチェンジで、E250を除く全車に標準装備。5代目は前期から全モデルに標準装備。5代目後期(2020年9月〜)は、歩行者・飛び出し・右折時の対向車の検知に対応したアクティブブレーキアシストなどを装備 |
| ディーゼルを選びたい | 3代目後期のE320 CDI(2006年8月)、4代目のE350ブルーテック(2010年2月)・E220ブルーテック(2015年3月)、5代目のE220 dがある。5代目後期(2020年9月〜)にも、E220 dが設定されている |
| 電動化・環境性能を重視したい | 4代目にE400ハイブリッド(セダン)、5代目にPHEVのE350 e(2017年8月)、ディーゼルPHEVのE350 de(2019年10月)がある。6代目は全モデルが電動化。PHEVは、自宅などの充電環境の確認が大切 |
| 雪道など4WDを選びたい | セダンとステーションワゴンには、4MATIC(四輪駆動)の設定がある。5代目から右ハンドルも選べるようになったと記載。年式・グレードごとの設定は、販売店で確認 |
| 乗り心地・エアサスペンションを重視したい | 5代目のE400 4MATIC エクスクルーシブは、マルチチャンバーエアサスペンション「AIR BODY CONTROL」を装備。装備の有無は、グレード・個体で異なるため、実車で確認 |
| 走りを重視したい(AMG) | E63 S 4MATIC+(4.0L V8ツインターボ)、E53 4MATIC+(直6+ISG)などのAMGモデルがある。整備実績のある販売店で状態を確認 |
💡 ポイント
Eクラスは、世代によって大きなトピックが異なります。3代目はブレーキ(SBC)・電装、5代目は12Vバッテリー固定のリコールなど、世代ごとの注意点を、「弱点・注意したいポイント」の表で確認してから、実車を見に行きましょう。
3. 弱点・注意したいポイント
📊 注意したいポイント
| 項目 | 内容 | 購入前の確認方法 |
|---|---|---|
| 3代目(W211)のSBC(電子制御ブレーキ) | 接触不良やノイズの影響で警告とともにパワーアシストが切れる問題が多発し、大規模なリコールが2回行われたと記載。2005年8月以降は信頼性が改善され、2006年のマイナーチェンジでSBCは廃止された。前期と後期でブレーキ構造が異なる | SBC搭載車(前期)は、リコール対応の実施記録を、車台番号で正規ディーラーに確認。試乗でブレーキの効きと警告灯を確認 |
| 3代目(W211)の電装系 | CAN通信を使う電気機器の駆動で、SAMと呼ばれるシステムなどの障害が多発したと記載 | 電装品(パワーウィンドウ・シート・ライト・警告灯など)の動作を、実車で一通り確認 |
| 5代目(W213)の12Vバッテリー固定リコール | 2022年12月13日、12Vバッテリーの固定方法が不適切で、事故などの衝突時の負荷に耐えられない可能性があるため、リコールが国土交通省に届け出られたと記載(対象の範囲の詳細は記載なし) | 対象かどうか・対応済みかを、車台番号で正規ディーラーに確認 |
| エアサスペンション装備車 | 5代目のE400 4MATIC エクスクルーシブなどのAIR BODY CONTROL装備車、3代目以降のワゴンなどの後輪エアサスペンション。装備のない個体と点検内容が異なる | 装備の有無を確認し、試乗で車高・乗り心地に違和感がないかを確認 |
| PHEV・電動化仕様 | 駆動用バッテリーを搭載する。年数・使い方で状態が異なる | 保証の内容・残り期間、充電環境と充電履歴を確認 |
| 輸入車の整備・部品・保証 | 正規ディーラー車か並行輸入車かで、整備の受けやすさや保証が異なる。新車の正規販売車には、一部車種を除き「メルセデス・ケア」(3年間の購入保証システム)が付属と記載。中古車で使えるかは条件次第 | 整備記録簿・保証書を確認し、保証の継承条件と、近くに整備を任せられる店があるかを確認 |
⚠️ 注意
リコール・改善対策の対象は、型式・製作期間・車台番号ごとに異なります。「対象外だから安心」「対象だから避ける」と決めず、対応済みかどうかを、記録簿や正規ディーラーで確認してください。ここに挙げたもの以外にも届出がある可能性があるため、最新・全件は国土交通省のリコール情報とメルセデス・ベンツ日本の正規ディーラーで確認しましょう。
4. 購入前チェックリストと、進め方
📝 実車を確認するときのチェックリスト
☑️ 正規ディーラー・専門店での整備記録簿の有無と内容を確認した
☑️ 認定中古車(Mercedes-Benz Certified等)か、一般の中古車販売店経由かを確認した
☑️ 正規ディーラー車か並行輸入車かを、車検証・保証書で確認した
☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した
☑️ リコール・改善対策の対応状況を、車台番号で確認した
☑️ 3代目(W211)前期は、SBC関連のリコール対応の記録を確認した
☑️ エアサスペンション装備車は、車高・乗り心地に異常がないか確認した
☑️ PHEV仕様は、保証と充電環境を確認した
☑️ セダンかステーションワゴンか、ボディが用途に合っているか確認した
☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した
🧭 購入の進め方
世代と予算の目安を決める
安全装備・ディーゼルかガソリンか電動化か・ボディタイプ(セダンかステーションワゴンか)を整理し、予算とのバランスを考えます。
候補を複数探し、条件をそろえて比べる
同じ世代・グレード・走行距離で、車両状態と保証内容を比べます。正規ディーラー車か並行輸入車かも、ここで確認します。
実車確認と試乗をする
チェックリストに沿って、外装・内装・走行時の状態を確認します。整備記録簿は、必ず現物を見せてもらいましょう。
総額(車両価格+諸費用+次回車検・整備)で判断する
見積もりの内訳を、必ず確認します。輸入車は、購入後の整備費用も見込んでおくと安心です。
5. 維持費の考え方
📊 維持費の主な項目
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 自動車税(種別割) | 世代・グレードによって、1.5L〜2.0L台の直列4気筒から、3.0L台の直列6気筒・V6、AMGの4.0L V8まで幅広く、排気量区分で決まります。登録時期によって扱いが異なる場合があるため、当サイトの税額表の記事で確認してください(具体額は本記事では記載しません) |
| 車検費用 | 法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・印紙代)に、車検基本料金・整備費用が加わります。輸入車は、整備費用・部品代が国産車と異なる場合があるため、事前に見積もりを取りましょう。詳しくは、当サイトの車検費用の記事を参照 |
| 任意保険 | 型式・等級・使用状況で異なります。複数社の見積もりで比較 |
| 燃料代・整備費 | 燃料の種類(ガソリン・ディーゼル・PHEV)と、走行の仕方(街乗り中心か高速中心か)で変わります。輸入車は、部品代・整備工賃が国産車と異なる場合があるため、購入前に整備費用の見積もりを取っておくと安心です |
| PHEVの充電 | PHEVは電気代(自宅充電か外部充電か)と、充電設備の設置費用も考慮が必要 |
6. ライバル・兄弟車
📊 ライバル・兄弟車
| 車種 | 位置づけ | 詳しいガイド |
|---|---|---|
| メルセデス・ベンツ Eクラス ステーションワゴン | 同じEクラスのワゴンボディ。荷室の使い方を重視する場合の比較候補 | Eクラス ステーションワゴン中古車ガイド |
| メルセデス・ベンツ Cクラス | ひとつ下のクラス。EクラスはCクラスとSクラスの間に位置すると記載 | Cクラス中古車ガイド |
| メルセデス・ベンツ Sクラス | ひとつ上のクラスで、メルセデス・ベンツのフラッグシップ | Sクラス中古車ガイド |
| メルセデス・ベンツ CLEクラス | Eクラスのクーペ・カブリオレが統合された | CLEクラス中古車ガイド |
| BMW 5シリーズ | 同クラスの輸入セダンとして、比較される | BMW 5シリーズ中古車ガイド |
| アウディ A6 | 同クラスの輸入セダンとして、比較される | アウディ A6中古車ガイド |
| レクサス ES | 国産プレミアムセダンとして、比較される | レクサス ES中古車ガイド |
| レクサス LS | より上級の国産フラッグシップセダン | レクサス LS中古車ガイド |
7. よくある質問
🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)
この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。
| 国土交通省「リコール情報検索」 | 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます |
| 国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 | 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます |
| 日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 | メーカーと車台番号を入力して検索できます |
輸入車は、正規ディーラーに車台番号を伝えて、リコール・サービスキャンペーンの対象か照会できます。
まとめ
Eクラスは、1985年登場の初代(W124)から、2024年に日本で発表された6代目(W214)まで、世代ごとに安全装備・エンジン・電動化が異なります。3代目はSBC、5代目は12Vバッテリー固定のリコールなど、世代ごとの注意点があります。選ぶときは、世代・型式・装備を整理し、正規ディーラー車か並行輸入車か、整備記録と保証、車台番号でのリコール確認を大切にしましょう。
※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。


コメント