メルセデス・ベンツ Gクラス中古車完全ガイド|選び方・輸入車の注意点まとめ

Mercedes-Benz G-Class

Photo: Matti Blume / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0

メルセデス・ベンツ Gクラスは、軍用車両の「ゲレンデヴァーゲン」を源流とする、高級SUVです。「G」は、ドイツ語でオフローダーを意味する「ゲレンデヴァーゲン」の頭文字と、日本語版Wikipediaに記載されています。中古車市場には、旧型の初代(W460)・2代目(W463)と、2018年登場の3代目(W463A/W465)が混在し、世代によってエンジン・足回り・装備が大きく異なります。この記事では、世代ごとの違い・選び方・輸入車ならではの確認ポイントを、公開情報をもとに整理しました。

📋 この記事の要点

✔ 初代(W460)は1979年に登場。日本では、1983年に少数輸入制度を利用して300GDが導入され、1987年1月に230GEが導入された

✔ 2代目(W463)は日本で1991年6月に導入され、2018年まで長期にわたって販売。2011年5月に、ショートボディの生産が「BA3ファイナルエディション」をもって終了した

✔ 3代目(W463A)は2018年1月に発表され、日本では2018年6月6日に発表。新設計のラダーフレーム、フロントのダブルウィッシュボーン独立懸架、9速ATなどが特徴。2024年のフェイスリフトで、型式がW465になった

✔ ディーゼルは、2013年9月に23年ぶりの日本導入となったG350 BlueTEC以降、G350 d・G400 d・G450 dなど。2024年10月には、電気自動車の「G 580 with EQ Technology」も導入された

✔ 輸入車のため、正規ディーラー車か並行輸入車か、左右ハンドル、悪路走行の使用歴、整備記録・保証を購入前に確認

1. 世代の早見表

📊 Gクラスの世代別早見表

世代・型式 日本での販売時期 エンジン・パワートレイン 主な特徴
初代 W460型 日本では1983年に300GDを少数輸入、1987年1月に230GEを導入。1988年に230GEアンファング・230GEロングを追加、1990年に230GEプレディカートを輸入 230GE:2.3L直4ガソリン(120PS)。300GD:3.0L直5ディーゼル(88PS)。1988年モデルは全車が右ハンドル・4速ATと記載 軍用車両のゲレンデヴァーゲンを民生用にアレンジしたものが源流。日本仕様の300GDロングは、5ナンバー枠に収めるため、オーバーフェンダーとアルミホイールが装備されなかった
2代目 W463型 1991年6月に300GE・300GEロングを導入(〜2018年)。2011年5月にショートボディが生産終了 1995年1月に3.2L(G320)、1997年10月にV6+5速AT、1998年8月にG500。AMGはG36(1995年)、G55、G63/G65(2012年〜)。2009年3月に5.5L(G550 ロング)。2013年9月にG350 BlueTEC(ディーゼル)。2015年12月にG550が新開発ツインターボ(176型)に フルタイム4WD、オーバーフェンダーとサイドステップ、乗用車然とした内装。2001年5月に内装を大幅変更(AVN採用)し、電子制御5速ATに。日本仕様は保安基準に準拠し、フェンダー部分にサイドアンダーミラーを装着。2018年4月のG 350 d Heritage EditionなどがW463型ベースの最後の特別仕様車
3代目 W463A/W465型 2018年6月6日に発表(当初はG 550とAMG G 63、W463も当面併売)。2019年4月にG 350 d、2021年5月にG 400 dを追加。2024年7月に改良、同年11月にG 450 dとAMG G 63の通常グレード 3.0L直6ディーゼル(OM656型)、4.0L V8ツインターボ(M176型)、AMG G63用のM177型(585PS・850Nm)。2024年のW465で、ISG搭載による電動化。2024年10月にG 580 with EQ Technology(電気自動車) 新設計のラダーフレーム、フロントのダブルウィッシュボーン独立懸架、リアのリジッドアクスル、9速AT、電動機械式ラック&ピニオン。3つのデフロック。片側84個のLEDを個別制御するマルチビームLEDヘッドライト

※表は横にスクロールできます

📌 補足

Gクラスには、限定台数の特別仕様車が多数あります(例:2014年のG 63 AMG 6×6、2016年の「G 550 4×42」の期間限定販売、2018年の「G 350 d Heritage Edition」など)。特別仕様車は、装備・ボディカラーが通常のグレードと大きく異なるため、車両ごとに内容を確認してください。

2. 世代ごとの違いと、おすすめの選び方

📊 目的別の選び方

重視すること 考え方の目安
ディーゼルを選びたい 2013年9月に、日本仕様のGクラスでは23年ぶりとなるディーゼル(G350 BlueTEC、右ハンドル)を導入。その後G350 d、3代目でG350 d(2019年4月)・G400 d(2021年5月)・G450 d(2024年)。走行距離や使われ方の確認が大切
V8・AMGモデルを選びたい 3代目には、4.0L V8ツインターボ(M176型)と、AMG G 63用のM177型(585PS)がある。2代目ではG500/G550、G55/G63/G65 AMGなど。年式・グレードによって、エンジンの世代が異なる
電気自動車を選びたい 2024年のフェイスリフト(W465)で、歴代初の電気自動車「G 580 with EQ Technology」が登場。4輪独立式モーターを搭載し、最大渡河水深は850mm(内燃機関モデルは700mm)と記載。自宅などの充電環境と、駆動用バッテリーの保証確認が大切
右ハンドルを選びたい 2代目のG350 dは右ハンドル専用。AMG G 63は、2017年6月に右ハンドル仕様が追加。3代目のG 400 dは、左右のステアリング設定と記載。ハンドル位置は、グレード・年式ごとに異なるため、個体で確認
悪路走行の性能を重視したい 3代目は、3つのデフロックや「Gモード」などを備える。使い方によって、足回り・駆動系の消耗が異なるため、使用歴と整備記録の確認が大切
運転支援装備を重視したい 3代目は、電動機械式ラック&ピニオンとなり、パーキングアシストやアクティブレーンキーピングアシストなどの運転支援システム「インテリジェントドライブ」の搭載が可能になったと記載。2代目でも、2016年11月の改良でCarPlay/Android Auto対応のCOMANDシステムを標準装備

💡 ポイント

Gクラスは、旧型(W460・W463)と3代目(W463A/W465)で、足回りや装備の設計が大きく異なります。同じ「Gクラス」でも、年式・グレード・特別仕様車で内容が違うため、車検証の型式と装備一覧を照らし合わせて確認しましょう。

3. 弱点・注意したいポイント

📊 注意したいポイント

項目 内容 購入前の確認方法
悪路走行の使用歴・足回り 3つのデフロック、リアのリジッドアクスルなど、機械的に複雑な機構を備える(3代目)。悪路を走った個体は、足回り・駆動系の状態が異なる場合がある 整備記録簿・下回りの状態(サビ・オイル漏れ・シール類)を確認。オフロードに詳しい整備工場で診てもらう
旧型(W460・W463)の経年劣化 旧型は、年式が古い個体が多い。長期にわたり基本設計が踏襲されているため、年式ごとの違い(エンジン・装備)も大きい 整備記録簿・消耗品の交換履歴を確認し、年式・型式・エンジンを車検証で確認
日本仕様の保安基準対応部品 2代目の日本仕様は、保安基準に準拠して、フェンダー部分にサイドアンダーミラーを装着すると記載 装備の有無と、動作・破損を実車で確認。特別仕様車は、カメラ式などに変更されている場合もある
電気自動車(G 580)の駆動用バッテリー 4輪独立式モーターと専用の駆動用バッテリーを搭載する。年数・使い方で状態が異なる バッテリーの保証内容・残り期間、充電環境(普通充電・急速充電)を確認
限定車・並行輸入車 特別仕様車は、限定台数や取り扱い店が限られる場合がある。並行輸入車は、保証・部品・整備の体制が異なる 保証書・車検証・整備記録で、正規販売か並行輸入か、限定車の内容を確認
輸入車の整備・部品・保証 正規ディーラー車か並行輸入車かで、整備の受けやすさや保証が異なる。新車の正規販売車には、一部車種を除き「メルセデス・ケア」(3年間の購入保証システム)が付属と記載。中古車で使えるかは条件次第 整備記録簿・保証書を確認し、保証の継承条件と、近くに整備を任せられる店があるかを確認
公表リコールの有無 参照した情報源(日本語版Wikipedia)には、Gクラスのリコールの記載は確認できなかった。ただし届出がないという意味ではない 公表リコールの有無は、車台番号で国土交通省・正規ディーラーに確認

⚠️ 注意

リコール・改善対策の対象は、型式・製作期間・車台番号ごとに異なります。「対象外だから安心」「対象だから避ける」と決めず、対応済みかどうかを、記録簿や正規ディーラーで確認してください。ここに挙げたもの以外にも届出がある可能性があるため、最新・全件は国土交通省のリコール情報とメルセデス・ベンツ日本の正規ディーラーで確認しましょう。

4. 購入前チェックリストと、進め方

📝 実車を確認するときのチェックリスト

☑️ 正規ディーラー・専門店での整備記録簿の有無と内容を確認した

☑️ 認定中古車か、一般の中古車販売店経由かを確認した

☑️ 正規ディーラー車か並行輸入車かを、車検証・保証書で確認した

☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した

☑️ リコール・改善対策の対応状況を、車台番号で確認した

☑️ 悪路走行の使用歴と、下回り(サビ・オイル漏れ)の状態を確認した

☑️ ハンドル位置(左右)と、世代・型式・エンジンが用途に合っているか確認した

☑️ 電気自動車(G 580)は、駆動用バッテリーの保証と充電環境を確認した

☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した

🧭 購入の進め方

1

世代と予算の目安を決める

世代(旧型か3代目か)・エンジン(ガソリン・ディーゼル・電気)・ハンドル位置を整理し、予算とのバランスを考えます。

2

候補を複数探し、条件をそろえて比べる

同じ世代・グレード・走行距離で、車両状態と保証内容を比べます。正規ディーラー車か並行輸入車かも、ここで確認します。

3

実車確認と試乗をする

チェックリストに沿って、外装・内装・走行時の状態を確認します。整備記録簿は、必ず現物を見せてもらいましょう。

4

総額(車両価格+諸費用+次回車検・整備)で判断する

見積もりの内訳を、必ず確認します。輸入車は、購入後の整備費用も見込んでおくと安心です。

5. 維持費の考え方

📊 維持費の主な項目

項目 考え方
自動車税(種別割) 世代・グレードによって、2.3L直4から、3.0L直6ディーゼル、4.0L V8などまで幅広く、排気量区分で決まります。登録時期によって扱いが異なる場合があるため、当サイトの税額表の記事で確認してください(具体額は本記事では記載しません)
車検費用 法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・印紙代)に、車検基本料金・整備費用が加わります。輸入車は、整備費用・部品代が国産車と異なる場合があるため、事前に見積もりを取りましょう。詳しくは、当サイトの車検費用の記事を参照
任意保険 型式・等級・使用状況で異なります。複数社の見積もりで比較
燃料代・整備費 燃料の種類(ガソリン・ディーゼル・電気)と、走行の仕方(街乗り中心か高速中心か)で変わります。悪路走行の機構を備えた車のため、点検・整備の費用も国産車と異なる場合があります。購入前に整備費用の見積もりを取っておくと安心です
タイヤ・ブレーキ・電気自動車の扱い 車両重量のある車は、タイヤ・ブレーキの状態と、交換費用の見積もりを事前に確認。電気自動車(G 580)の税の扱いは、税額表の記事や販売店で確認

6. ライバル・兄弟車

📊 ライバル・兄弟車

車種 位置づけ 詳しいガイド
トヨタ ランドクルーザー 国産の本格SUVとして、比較される ランドクルーザー中古車ガイド
レクサス LX 国産プレミアムSUVとして、比較される レクサス LX中古車ガイド
レクサス GX 国産プレミアムSUVとして、比較される レクサス GX中古車ガイド
メルセデス・ベンツ GLS メルセデス・ベンツの上位SUV。日本語版Wikipediaによると、GLクラス(現GLS)は2006年にGクラスの生産終了を意図して投入されたが、Gクラスは継続された GLS中古車ガイド

7. よくある質問

Q. Gクラスは、どの世代がおすすめですか?

A. 悪路走行の機構や運転支援装備を重視するなら、新設計の3代目(2018年〜)が目安です。旧型の2代目も候補ですが、年式が古いほど整備記録・使用歴・下回りの状態の確認が大切です。

Q. ガソリン・ディーゼル・電気の、どれを選べばよいですか?

A. 3代目には、ガソリン(G 550など)、ディーゼル(G 350 d/G 400 d/G 450 d)、電気自動車(G 580 with EQ Technology)があります。走行距離・使い方・充電環境で、合うものが変わります。

Q. Gクラスと、AMG G 63は、どう違いますか?

A. AMG G 63は、M177型4.0L V8ツインターボ(585PS)を搭載する高性能グレードです。専用の足回りやブレーキも備えるため、消耗品・整備の費用も通常グレードと異なる場合があります。

Q. 左ハンドルと右ハンドルは、どう選べばよいですか?

A. 2代目のG350 dは右ハンドル専用、AMG G 63は2017年6月に右ハンドルが追加されました。3代目のG 400 dは左右から選べます。ハンドル位置は、グレード・年式で異なるため、個体ごとに確認しましょう。

🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)

この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。

国土交通省「リコール情報検索」 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます
国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます
日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 メーカーと車台番号を入力して検索できます

輸入車は、正規ディーラーに車台番号を伝えて、リコール・サービスキャンペーンの対象か照会できます。

まとめ

Gクラスは、軍用車両を源流とし、初代(W460)・2代目(W463)・3代目(W463A/W465)で、足回り・エンジン・装備が大きく異なります。3代目には、ディーゼルや電気自動車(G 580)もあります。選ぶときは、世代・エンジン・ハンドル位置と、悪路走行の使用歴・下回りの状態を確認し、正規ディーラー車か並行輸入車か、整備記録と保証、車台番号でのリコール確認を大切にしましょう。

※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。

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