Photo: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0
トヨタ プリウスPHVは、プリウスをベースにしたプラグインハイブリッド車です。中古車としては、3代目プリウスをベースにしたZVW35型(2012年〜2016年)と、4代目をベースにした2代目のプリウスPHV(ZVW52型、2017年2月〜2023年2月)が中心です。2023年には、5代目プリウスに「PHEV」として統合された形で、新しい世代が登場しています。この記事では、世代ごとの違いと、PHVならではの確認ポイントを、公開情報をもとに整理しました。
📋 この記事の要点
✔ 3代目ベースのPHV(ZVW35型)は、2012年1月30日に一般向けの市販を開始(それ以前の2009年12月からはリース販売)
✔ 2代目プリウスPHV(ZVW52型)は、2017年2月15日にフルモデルチェンジ。JC08モードのEV走行距離は、先代の26.4kmから68.2kmに向上したと記載
✔ 2代目は急速充電・V2Hへの対応(グレード・年式により異なる)や、2019年5月の一部改良で乗車定員が4名から5名に変更されたことが、選び方のポイント
✔ 5代目(2023年3月15日発売、型式MXWH61)は、専用車名ではなく「プリウス」のPHEV仕様。急速充電・V2Hには非対応
✔ 充電環境(自宅・職場)があるかどうかで、PHVの活かし方が大きく変わる
📑 目次
1. 世代の早見表
📊 プリウスPHVの世代別早見表
| 世代・型式 | 時期 | パワートレイン・電池 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 3代目ベース PHV(ZVW35型) | 2009年12月〜リース販売。2012年1月30日〜市販。2016年春に販売終了(4月・5月と、資料で表記が異なる) | 2ZR-FXE型 1.8L系のハイブリッド+外部充電。三洋電機製のリチウムイオン電池(市販仕様) | 市販仕様のEV走行可能距離は、満充電状態で26.4km。2012年11月の一部改良で、AC100V・1500Wの電源をオプションで選択可能に。グレードは「S」「G」(2012年11月に「L」を追加、2015年6月に「S」「G」へ集約) |
| 2代目 プリウスPHV(ZVW52型) | 2017年2月15日〜2023年2月 | 1.8L 2ZR-FXE型(98PS)+駆動用モーター1NM型(72PS)+発電用モーター1SM型(31PS)。駆動用バッテリー容量は、先代の21.5Ahから25Ahに増加 | JC08モードのEV走行距離は、先代の26.4kmから68.2kmに向上したと記載。デュアルモータードライブシステム、ヒートポンプオートエアコンを採用。ソーラー充電システム(メーカーオプション)。Toyota Safety Sense Pを全車に標準装備(「S」は非装備を選択可能) |
| 5代目 プリウス PHEV(MXWH61型) | 2023年3月15日〜現行 | 2.0L M20A-FXS型。駆動用バッテリーの容量は51Ah(2代目プリウスPHVの2倍以上)。システム最高出力223PS(164kW) | 専用車名ではなく、プリウスのPHEV仕様。前輪駆動のみ。EVモードの走行距離は、2代目プリウスPHVより大幅に向上したと記載。急速充電・V2Hには非対応。グレードは「G」(2024年10月1日追加)と「Z」 |
※表は横にスクロールできます
📌 補足
プリウスPHVという専用の車名は、2代目(2017年2月〜2023年2月)までです。5代目では、「プリウス」のPHEV仕様として設定されています。この記事は、専用車名の時代のプリウスPHV(ZVW35型・ZVW52型)を中心に、5代目PHEVとの違いも整理しています。
2. 2代目(ZVW52型)の年式別の違い
📊 2代目プリウスPHVの年式別の違い
| 時期 | 区分 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2017年2月15日 | フルモデルチェンジ | 基本の3グレードは「S」「A」「Aプレミアム」。「A」は、充電インレットに急速充電機能を追加した上級グレードと記載。衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車に標準装備 |
| 2017年9月19日 | 「GR」追加 | スポーツコンバージョン車「G’s」に替わるシリーズ。「S」「S ナビパッケージ」をベースにした「GR SPORT」 |
| 2017年12月25日 | 特別仕様車 | 「S “Safety Plus”」等を設定。急速充電インレットやアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)などを特別装備 |
| 2019年5月9日 | 一部改良 | 乗車定員を4名から5名に変更。急速充電インレットに外部給電装置(V2H)をオプション設定。リアクロストラフィックアラート、パノラミックモニターなどを追加。専用通信機DCMを全車に搭載 |
| 2020年7月1日 | 一部改良 | Toyota Safety Senseの機能向上、急アクセル時加速抑制「プラスサポート」を採用。アクセサリーコンセントを全車標準装備化。WLTCモードに対応 |
| 2021年6月3日 | 一部改良 | 8インチディスプレイオーディオを全車に、「ナノイー」を「A」「Aプレミアム」に標準装備 |
3. 目的別の選び方
📊 目的別の選び方
| 重視すること | 考え方の目安 |
|---|---|
| EV走行距離を重視したい | 3代目ベースは26.4km(満充電状態)、2代目はJC08モードで68.2kmと記載。5代目PHEVは、2代目より大幅に向上したと記載。使い方(通勤距離・充電頻度)に合わせて検討 |
| 5人乗りが必要 | 2代目プリウスPHVは、2019年5月9日の一部改良で、乗車定員が4名から5名に変更。2019年5月より前の年式は4名。定員は、車検証で確認 |
| 急速充電・V2Hを使いたい | 2代目は、「A」など急速充電機能付きのグレードがある。V2Hは2019年5月以降、オプション設定。5代目PHEVは急速充電・V2Hに非対応。グレード・年式・オプションを、実車で確認 |
| 家庭用電源の給電(災害時など) | 2代目・5代目には、外部給電機能(最大1,500W)がある。3代目ベースも、2012年11月の一部改良でAC100V・1500Wをオプション設定。装着の有無は、個体ごとに確認 |
| 価格を抑えたい | 3代目ベース(ZVW35型)や2代目の初期の年式は、選択肢が広い一方、年式が古く、バッテリーの状態・保証・整備記録を重点的に確認 |
| 充電環境がない | PHVは、充電しなくてもハイブリッド車として走行できるが、EV走行のメリットは活かしにくい。通常のプリウス(ハイブリッド)との比較も検討 |
💡 ポイント
専用車名の「プリウスPHV」は2代目までです。「プリウスPHV」で探すと、3代目ベース(ZVW35型)・2代目(ZVW52型)が対象で、5代目は「プリウス」のPHEVとして別に探すことになります。
4. 弱点・注意したいポイント
📊 注意したいポイント
| 項目 | 内容 | 購入前の確認方法 |
|---|---|---|
| 駆動用バッテリーの状態 | 年数・走行距離・充電の使われ方で、EVで走れる距離は新車時より短くなることがある | メーカー保証・販売店保証の内容と、残り期間を確認。点検記録・診断結果があれば確認 |
| 充電まわりの部品 | 通常のハイブリッド車にはない、充電ケーブル・充電インレット(充電口)・コネクターがある | 充電ケーブルが付属しているか、実際に充電が始まるかを確認 |
| 充電方法の違い | 2代目は、AC200V(16A)・AC100V(6A)の普通充電に対応。急速充電はグレードにより異なる。5代目PHEVは、急速充電・V2Hに非対応 | 自分の使い方に合った充電方法に対応しているか、グレード・年式ごとに確認 |
| 12V補機バッテリー | 弱っていると、システムの起動不良につながることがある(一般的な傾向) | 交換時期・状態を確認 |
| 5代目のリコール(2026年1月) | 2026年1月28日、トヨタは、プリウスのリコールを届け出た。対象は2022年11月から2025年11月に製造された車両で、23万9,504台。後部座席のドアスイッチの設計が不十分で、水が溜まった状態でドアを強く閉めると電子回路がショートし、最悪の場合、走行中にドアが勝手に開くおそれがあるという内容(参照した情報源では、対象がPHEVを含むかどうかは明記されていない) | 5代目を検討する場合は、対象かどうか・対応済みかを、車台番号で確認 |
| 2代目・3代目ベースのリコール | 参照した情報源では、プリウスPHV(ZVW35型・ZVW52型)の公表リコールは確認できなかった | 公表リコールの有無は、車台番号で国土交通省・ディーラーに確認 |
⚠️ 注意
リコールの対象や内容は、車台番号ごとに異なります。対応済みかどうかを、記録簿や販売店で必ず確認してください。また、バッテリーの保証内容は、年式・販売形態(認定中古車か一般の中古車か)で異なるため、書面で確認しましょう。
5. 購入前チェックリストと、進め方
📝 実車を確認するときのチェックリスト
☑️ 世代(ZVW35型・ZVW52型・5代目)と、乗車定員(4名か5名か)を車検証で確認した
☑️ 駆動用バッテリーの保証内容と、残り期間を確認した
☑️ 充電ケーブル・充電口の状態と、実際に充電できるかを確認した
☑️ 急速充電インレット・V2H・外部給電機能の有無を確認した
☑️ 12V補機バッテリーの状態・交換時期を確認した
☑️ 整備記録簿・点検記録簿の有無と内容を確認した
☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した
☑️ リコール・改善対策の対応状況を確認した
☑️ 自宅・近隣の充電環境が確保できるか確認した
☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した
🧭 購入の進め方
年式・グレードと、充電環境から絞り込む
自宅・職場・よく行く場所で、どの充電方法が使えるかを先に整理します。
候補を複数探し、条件をそろえて比べる
同じ年式・グレード・走行距離で、車両状態とバッテリーの情報を比べます。
バッテリー・保証・リコール対応を確認する
保証の残り期間と条件、リコールの対応状況を、書面や販売店で確認します。
実車確認と試乗をする
チェックリストに沿って確認します。
総額(車両価格+諸費用+充電設備の費用+次回車検)で判断する
見積もりの内訳を、必ず確認します。
6. 維持費の考え方
📊 維持費の主な項目
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 自動車税(種別割) | 排気量・登録時期によって税額が異なる。具体額は、当サイトの税額表の記事で確認。登録から長期間が経過した車は、税額の扱いが異なる場合があるため、あわせて確認。プリウスPHVは、3代目ベース・2代目が1.8L、5代目PHEVが2.0Lで、排気量の区分が異なる |
| 車検費用 | 法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・印紙代)に、車検基本料金・整備費用が加わる。詳しくは、普通車の車検費用の記事を参照 |
| 任意保険 | 型式・等級・使用状況で異なる。複数社の見積もりで比較 |
| 燃料代・電気代 | 外部充電によるEV走行分は電気代、それ以外はハイブリッド走行としてガソリン代がかかる。自宅で充電できるかで、費用は大きく変わる |
| 駆動用バッテリー | 保証の内容(期間・条件)と残り期間を確認。交換が必要になった場合の扱いも、事前に確認しておく |
- 自動車税・軽自動車税の税額表
- 普通車の車検費用相場
- プリウスPHV 値引き相場情報(新車)
- プリウスPHV 型式・年式別 下取り・買取相場 完全ガイド
- プリウス 中古車ガイド(通常のハイブリッド・5代目PHEV含む)
7. ライバル・兄弟車との比較
📊 ライバル・兄弟車
| 車種 | 位置づけ | 詳しいガイド |
|---|---|---|
| トヨタ プリウス(通常のハイブリッド・5代目PHEV含む) | ベース車。充電環境がない場合は、通常のハイブリッドを検討。5代目には、HEVとPHEVがある | プリウス中古車ガイド |
| 日産 リーフ | 完全なEV(電気自動車)。ガソリンを使わず、充電が前提。比較検討する人がいる選択肢の一例 | リーフ中古車ガイド |
8. よくある質問
🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)
この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。
| トヨタ公式(車台番号検索) | 車台番号を入力して、対象・実施状況を確認できます |
| 国土交通省「リコール情報検索」 | 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます |
| 国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 | 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます |
| 日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 | メーカーと車台番号を入力して検索できます |
まとめ
プリウスPHVは、3代目ベース(ZVW35型)と2代目(ZVW52型)で、EV走行距離・電池容量・充電方法・乗車定員が大きく異なります。2代目は2019年5月の一部改良で乗車定員が5名になり、急速充電・V2Hの対応も年式・グレードで異なります。駆動用バッテリーの保証、充電まわりの部品、リコール対応、充電環境を確認し、実車確認と総額で選びましょう。
※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。


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