Photo: Alexander Migl / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0
トヨタ MIRAIは、水素と酸素の化学反応で発電して走る、高級セダン型の燃料電池自動車(FCV)です。中古車では、初代(JPD10型、2014年〜2020年)と2代目(JPD20型、2020年〜)が中心になります。ガソリン車やEVとは、燃料の入手・点検・整備の考え方が大きく異なるため、この記事では世代ごとの違い、FCVならではの確認事項を、公開情報をもとに整理しました。
📋 この記事の要点
✔ 初代(JPD10型)は2014年12月15日発売。2020年6月19日に生産終了、11月30日に販売終了
✔ 2代目(JPD20型)は2020年12月9日発売。後輪駆動(GA-Lプラットフォーム)で、乗車定員は5人
✔ 2代目は、水素ステーションが存在しない地域では取り扱われないと記載。購入前に「生活圏に水素ステーションがあるか」の確認が大前提
✔ 初代の高圧水素タンクは、高圧ガス保安法により、初回4年1か月以内・以降2年3か月ごとの点検、15年以内の交換が定められていると記載
✔ 燃料電池スタック・駆動用電池・水素タンクの保証や点検記録は、車両ごとに異なるため、販売店で書面確認が必須
📑 目次
1. 世代の早見表
📊 MIRAIの世代別早見表
| 世代・型式 | 販売時期 | 燃料電池・航続距離など | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 初代 JPD10型 | 2014年12月15日〜2020年(6月19日生産終了、11月30日販売終了) | 自社開発のトヨタフューエルセルシステム(TFCS)。水素タンク圧力70MPa、水素充填約3分、走行距離約650km(JC08モード) | 前輪駆動、定員4人。リアにマフラーがない。2018年10月30日の一部改良で、歩行者・自転車検知に対応した「Toyota Safety Sense」へグレードアップ |
| 2代目 JPD20型 | 2020年12月9日〜現行 | 航続距離は、「G」で約850km、他グレードは約750km(先代比+約30%)と記載 | 後輪駆動(GA-Lプラットフォーム)、定員5人。FC昇圧コンバーターへのSiC半導体の採用、リチウムイオン二次電池の採用。「空気清浄システム」をトヨタ車で初採用。DC外部給電(最大9kW)、アクセサリーコンセント(AC100V・1,500W)を備える |
※表は横にスクロールできます
📊 2代目の改良の流れ(年式による装備差の目安)
| 時期 | 2代目の主な改良・変更 |
|---|---|
| 2021年4月 | 高度運転技術「Toyota Teammate」の追加機能「Advanced Drive」を搭載した「Z”Advanced Drive”」などを追加(4月12日発売) |
| 2022年12月19日 | 12.3インチ高精細HDワイドディスプレイのディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plusを搭載。フロントドアガラスにIRカット・高遮音機能を追加 |
| 2023年12月(18日発売) | 「Toyota Safety Sense」が最新化(発進遅れ告知機能を全車、緊急時操舵支援・プロアクティブドライビングアシストを「Advanced Drive」以外に追加など)。デジタルキーをオプション設定 |
| 2024年12月18日 | グレードが「G」「Z」「Z”Advanced Drive”」の3種類に整理。19インチタイヤ&アルミホイールが全車標準。初代発売10周年記念の「BLACK PACKAGE」を「Z」に設定 |
| 2025年12月22日 | FCEVエンブレムの位置をリア右下のみに集約、ボディカラーは全5色に整理。スマートフォンのカーナビアプリ「moviLink」との連携に対応し、ルート検索時の水素ステーション立ち寄り提案が可能に |
📌 補足
MIRAIは、クラウン(16代目のセダン)にも燃料電池車(FCEV)が設定されています。この記事では、セダン型FCVのMIRAIを中心に解説します。各改良の内容は日本語版Wikipediaの記述に基づいており、実際の個体の装備は、グレード・年式・仕様で異なるため、販売店で確認してください。
2. 目的別の選び方
📊 目的別の選び方
| 重視すること | 考え方の目安 |
|---|---|
| 水素ステーションの利用しやすさ | 世代を問わず最優先。自宅・職場・よく行く場所の近くに、水素ステーションがあるかを、購入前に確認。営業日・営業時間・料金・混雑は、ステーションごとに異なる |
| 航続距離・走行性能 | 2代目が候補。航続距離は「G」で約850km、他グレードで約750kmと記載。後輪駆動化で、前後の重量配分50:50を実現と記載 |
| 安全装備・先進装備 | 2代目の年式が新しいほど、Toyota Safety Senseの機能が拡充されている(2023年12月の改良で最新化)。「Advanced Drive」搭載車は、渋滞時支援などのToyota Teammate機能が充実 |
| 災害時・外部給電 | 2代目は、DC外部給電(最大9kW)、AC100V・1,500Wのアクセサリーコンセントを備える(最大4日間の供給が可能と記載)。使い方・機材の適合は、販売店で確認 |
| 初代を検討する | 初代は、発売から年数が経過。水素タンクの点検・交換期限、燃料電池スタックの状態と保証、当時の安全装備(2018年10月に「Toyota Safety Sense」へ)を、個体ごとに確認 |
💡 ポイント
MIRAIは、購入する車と同じくらい「水素をどこで入れるか」が大切です。試乗や見積もりの前に、生活圏の水素ステーションの場所・営業日・料金を確認しておくと、購入後の使い勝手を具体的に想像できます。
3. 弱点・注意したいポイント(FCVならでは)
📊 注意したいポイント
| 項目 | 内容 | 購入前の確認方法 |
|---|---|---|
| 水素ステーションの有無・数 | 水素ステーションの数は、ガソリンスタンドやEV充電スポットと比べて少なく、地域による偏りもある。2代目は、水素ステーションが存在しない地域では取り扱われないと記載 | 自宅・行動範囲内の水素ステーション、営業日・営業時間、料金を確認。実際に給水素できる見込みを試算 |
| 高圧水素タンクの点検・交換 | 初代について、高圧ガス保安法により、水素タンク容器の初回点検は製造日から4年1か月以内、以降2年3か月ごと、15年以内の交換が定められていると記載。点検で水素ガスの漏れや凹みなどの異常があれば、交換が必要 | 製造年月日、点検・交換の履歴、次回期限を、書面で確認。2代目を含め、期限・費用は個体ごとに異なるため、見積もりも確認 |
| 燃料電池スタックの保証 | 燃料電池スタックの保証内容・残り期間は、メーカー保証・販売店保証・認定中古車で異なる可能性がある(ここでは断定しない) | 保証書・保証内容の範囲(スタック、水素タンク、駆動用電池、補機類)と、残り期間を確認 |
| 駆動用電池・補機類 | 2代目は、リチウムイオン二次電池を採用と記載。FCV特有の点検項目もあるため、一般的なガソリン車と同じ感覚で整備できるとは限らない | 整備記録簿、FCVに対応できる正規ディーラーでの整備歴を確認 |
| 整備・修理の体制 | FCV特有の部品は、正規ディーラーでの点検が基本。地域によって、対応できる店舗が限られる可能性がある | 購入予定の販売店と、近くの整備拠点が、MIRAIの点検・修理に対応できるかを確認 |
| リコール・改善対策 | 公表リコールの有無は、車台番号ごとに異なる | 車台番号で、国土交通省・トヨタのリコール検索、ディーラーに確認 |
⚠️ 注意
水素ステーションの利用が難しい環境では、MIRAIは走らせられない車になってしまいます。購入前に、生活圏でのステーションの場所・営業状況・料金の見通しを、必ず自分の目で確認してください。
4. 購入前チェックリストと、進め方
📝 実車を確認するときのチェックリスト
☑️ 自宅・行動範囲内に水素ステーションがあり、営業日・営業時間・料金を確認した
☑️ 整備記録簿・点検記録簿の有無と内容を確認した
☑️ 燃料電池スタック・水素タンク・駆動用電池の保証内容と、残り期間を確認した
☑️ 高圧水素タンクの製造年月日、点検・交換の履歴、次回期限を確認した
☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した
☑️ リコール・改善対策の対応状況を、車台番号で確認した
☑️ 正規ディーラーで整備を受けられるか、近くの整備拠点を確認した
☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した
🧭 購入の進め方
水素ステーションの利用見込みを確認する
生活圏の水素ステーションの場所・営業状況・料金を確認します。
世代と予算の目安を決める
初代か2代目か、航続距離・安全装備・保証のバランスで考えます。
保証と点検履歴を書面で確認する
燃料電池スタック・水素タンクなどの保証内容と、点検履歴を確認します。
実車確認と試乗をする
チェックリストに沿って、警告灯や作動状態を確認します。
総額で判断する
車両価格+諸費用+次回車検・点検の費用を比べます。
5. 維持費の考え方
📊 維持費の主な項目
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 水素代 | ガソリン代・電気代とは料金体系が異なる。利用予定の水素ステーションの料金設定で変わるため、当サイトでは具体額を断定しない |
| 自動車税・重量税・補助制度 | 税額や、FCVに対する優遇制度・補助金の有無・内容は、登録時期・年式で異なる場合がある。最新の制度は、販売店・自治体で確認。税額表は当サイトの記事を参照 |
| 車検費用 | 法定費用に、車検基本料金・整備費用が加わる。FCV特有の点検項目もある。詳しくは普通車の車検費用の記事を参照 |
| 任意保険 | 型式・等級・使用状況で異なる。複数社の見積もりで比較 |
| 水素タンクなどの点検・交換費用 | 点検・交換の時期と費用は、個体ごとに異なる。販売店の見積もりで確認 |
6. ライバル・比較検討したい車
📊 比較検討したい車
| 車種 | 位置づけ | 詳しいガイド |
|---|---|---|
| 日産 リーフ | 充電インフラが整った、一般的なEV。水素ステーションではなく、充電設備で使える | リーフ中古車ガイド |
| トヨタ bZ4X | トヨタのEV。自宅・外出先の充電環境が整っていれば、水素ステーションを探す必要がない | bZ4X中古車ガイド |
| トヨタ プリウス | 燃料インフラの心配がないハイブリッド車。長距離移動が多い方の選択肢 | プリウス中古車ガイド |
| トヨタ クラウン | 16代目クラウンのセダンには、燃料電池車(FCEV)の設定がある(型式KZSM30と記載) | クラウン中古車ガイド |
7. よくある質問
🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)
この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。
| トヨタ公式(車台番号検索) | 車台番号を入力して、対象・実施状況を確認できます |
| 国土交通省「リコール情報検索」 | 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます |
| 国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 | 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます |
| 日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 | メーカーと車台番号を入力して検索できます |
まとめ
MIRAIは、水素ステーションの利用可否が、購入の大前提になる車です。初代・2代目の違いを理解したうえで、燃料電池スタック・水素タンク・駆動用電池の保証、高圧水素タンクの点検・交換の履歴、整備記録簿を、書面で確認しましょう。生活圏の水素ステーションを確認し、実車確認と総額で判断するのが、失敗しないコツです。
※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。


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