メルセデス・ベンツ Eクラス ステーションワゴン中古車完全ガイド|選び方・弱点・維持費まとめ

Mercedes-Benz E-Class Wagon

Photo: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0

メルセデス・ベンツ Eクラス ステーションワゴンは、Eクラスのワゴンボディです。型式では、セダンが「W」、ステーションワゴンが「S」で表され、5代目ならセダンがW213、ステーションワゴンがS213です。日本語版Wikipediaによると、現在はセダンとステーションワゴン、オールテレインが用意されています。中古車市場には、S211・S212・S213・S214などが混在し、ステーションワゴンの日本発売がセダンより遅れた世代もあります。この記事では、ワゴンの型式・日本での発売時期・選び方・輸入車ならではの確認ポイントを、公開情報をもとに整理しました。

📋 この記事の要点

✔ ステーションワゴンの日本発売は、初代(S124)が1988年(セダンの2年後)、2代目(S210)が1996年11月、3代目(S211)が2003年8月、4代目(S212)が2010年2月と、セダンより遅れる世代が多かった

✔ 5代目(S213)は、日本で2016年11月29日に発売。後席は40:20:40の3分割可倒式で、最大1,820L(VDA方式)。EASY-PACK自動開閉テールゲートと、電子制御式セルフレベリング機構付きのリアエアサスペンションを全車に採用

✔ 2017年9月26日には、メルセデス・ベンツ初のクロスオーバーモデル「E220 d 4MATIC オールテレイン」が登場。ステーションワゴンより最低地上高が25mm高い

✔ 6代目(S214)は、2024年1月にセダンと同時に発表され、2月から発売。全てのモデルで電動化された

✔ 3代目(W211)はSBC(電子制御ブレーキ)の大規模リコールが2回、5代目(W213)は2022年12月に12Vバッテリー固定のリコールが届け出られたと記載。対象の確認は車台番号で行う

1. 世代の早見表(ステーションワゴン)

📊 Eクラス ステーションワゴンの世代別早見表

世代・型式 日本での販売時期(ワゴン) エンジン・パワートレイン 主な特徴
初代 S124 1988年に230TEを追加(セダンは1986年発売)。1989年に300TEを追加 記述は230TE・300TEのみ(排気量・出力の記載なし) 5ドアのステーションワゴン。バブル期に多数輸入され、正規輸入車・並行輸入車ともにバラエティに富むと記載。良好な個体は減少傾向
2代目 S210 1996年11月(セダンは1995年8月)。1999年10月にマイナーチェンジ E230ステーションワゴンで発売。1997年8月にV6化(E240・E320)と4MATIC設定。1998年8月にE430ステーションワゴンを追加 内装のコストダウンが指摘され、後期型で品質改善がなされたと記載。1999年10月にESPが全車標準
3代目 S211 2003年8月(セダンは2002年6月)。2006年8月28日にマイナーチェンジ E240・E320アバンギャルドで発売。2003年11月にE320 4マチック・E500・E55 AMGを追加。2005年にE350、同年8月にE280。2007年11月にE250 後輪にエアサスペンションによるセルフレベリング機構を採用。日本には、5人乗りに加え、荷室に2人用座席を格納・設置した7人乗りも導入。SBCの大規模リコール、電装系の障害も記載
4代目 S212 2010年2月にフルモデルチェンジ(セダンは2009年)。2013年5月14日にマイナーチェンジ E250・E300・E350・E350 ブルーテック・E550・E63 AMGなど7グレードで発売。2013年5月にE250が2.0L(M274型)に。2015年2月にE400、同年3月にE220 ブルーテック(2.2L直4、177PS・400Nm) 2011年11月にレーダーセーフティパッケージをオプション設定(日本初のセダン・ワゴン設定)。2013年5月のマイナーチェンジで、E250を除く全車に標準装備。E300 4MATICのワゴンも設定
5代目 S213 2016年11月29日(セダンは同年7月27日)。2017年9月26日にオールテレイン。2020年9月10日に後期型 前期はE200・E220 d・E250・E400 4MATIC・AMG E43など。2018年8月にE450 4MATIC、同年9月にAMG E53 4MATIC+。後期型:E200(1.5L直4+BSG+48V)、E300(2.0L直4)、E450(直6+ISG+48V)、E220 d 後席40:20:40の3分割可倒式。最大1,820L(VDA方式)。EASY-PACK自動開閉テールゲートとフットトランクオープナー。全車にセルフレベリング機構付きのリアエアサスペンション。前期はレーダーセーフティパッケージを全モデルに標準装備
6代目 S214 2024年1月に発表(セダンとステーションワゴン同時)。予約受付は同日から、2月より発売 全モデルで電動化 MBUXスーパースクリーン、日本初の路面描画機能付きヘッドライト、格納型のドアハンドルなどを搭載(セダンと共通の記述)

※表は横にスクロールできます

📌 補足

PHEV(E350 e・E350 de)は、参照した情報源では、セダンの設定として記載されています。ステーションワゴンのPHEVの設定は、情報源には記載がありませんでした。ステーションワゴンの詳しい荷室寸法(6代目など)も同様のため、カタログや実車で確認しましょう。

2. 世代ごとの違いと、おすすめの選び方

📊 目的別の選び方

重視すること 考え方の目安
荷室の使い勝手を重視したい S213は、後席が40:20:40の3分割可倒式で、バックレストはラゲッジルーム左右または後席左右のスイッチで倒せる。全て倒すと、最大1,820L(VDA方式)。EASY-PACK自動開閉テールゲートは全車標準。3代目(S211)は、7人乗りも日本に導入された
安全装備を重視したい S212は、2013年5月のマイナーチェンジで、E250を除く全車にレーダーセーフティパッケージを標準装備。S213は前期から全モデルに標準装備。後期(2020年9月〜)は、歩行者・飛び出し・右折時の対向車の検知に対応したアクティブブレーキアシストなどを装備
ディーゼルを選びたい S212にE350 ブルーテック(2010年2月)・E220 ブルーテック(2015年3月)。S213にE220 d。後期(2020年9月〜)にもE220 dがある
悪路・雪道を意識したい S213のオールテレイン(2017年9月26日〜)は、E220 d 4MATICで、ステーションワゴンに比べて全長・全幅が10mm、全高が30mm大きく、最低地上高が25mm高い。5代目Eクラスでは唯一の4WDクリーンディーゼルと記載。通常のワゴンにも、4MATICの設定がある
乗り心地・エアサスペンションを重視したい S213は、全車にセルフレベリング機構付きのリアエアサスペンション。E400 4MATIC エクスクルーシブは、マルチチャンバーエアサスペンション「AIR BODY CONTROL」も装備
ハンドル位置を選びたい S213のステーションワゴンは、E400 4MATIC ステーションワゴン エクスクルーシブ以外は、右ハンドルのみと記載(発売当初)。グレード・年式ごとに異なるため、個体で確認
走りを重視したい(AMG) S212にE63 AMG、S213にAMG E43 4MATIC(2018年9月にE53 4MATIC+へ)、AMG E63 S 4MATIC+(2017年8月)。整備実績のある販売店で状態を確認

💡 ポイント

ステーションワゴンは、型式が「S」で始まります。中古車の掲載情報では、セダンとワゴンが混在しやすいため、型式と車検証の記載で、ボディタイプを確認しましょう。オールテレインは、標準のワゴンより全高が高いため、立体駐車場を使う場合は、高さ制限の確認も大切です。

3. 弱点・注意したいポイント

📊 注意したいポイント

項目 内容 購入前の確認方法
3代目(S211/W211)のSBC・電装系 SBC(電子制御ブレーキ)の不具合で大規模リコールが2回行われ、2006年のマイナーチェンジで廃止。電装系(SAMなど)の障害も記載(W211全体の記述) SBC搭載車(前期)は、リコール対応の実施記録を確認。電装品の動作を、実車で一通り確認
5代目(W213)の12Vバッテリー固定リコール 2022年12月13日、12Vバッテリーの固定方法が不適切で、事故などの衝突時の負荷に耐えられない可能性があるため、リコールが国土交通省に届け出られたと記載(Eクラス(W213)の記述。対象の範囲の詳細は記載なし) 対象かどうか・対応済みかを、車台番号で正規ディーラーに確認
リアエアサスペンション S211以降のワゴンは、荷物積載時の姿勢変化を抑えるため、後輪にエアサスペンションによるセルフレベリング機構を採用。S213は全車に装備 荷物を積んだ状態と空車で、車高の変化や異音がないかを確認。整備記録で交換歴を確認
EASY-PACK自動開閉テールゲート S213は全車標準。ボタン操作のほか、足を近づけて開閉するフットトランクオープナーもある。使用頻度が高い装備 テールゲートの自動開閉・任意の角度での停止・フットトランクオープナーの動作を、実車で確認
オールテレインの使用歴 専用の19インチホイール、アンダーライドガード、ブラックのホイールアーチカバーなどを装備。悪路を走った個体は、足回り・下回りの状態が異なる場合がある 下回り(アンダーガード・サビ・オイル漏れ)、足回りの状態を確認
パノラミックスライディングルーフ装着車 特別仕様車「ローレウスエディション」などでは、ワゴンに標準装備。装着の有無は個体ごとに異なる 開閉動作・異音・水漏れ痕を、実車で確認
輸入車の整備・部品・保証 正規ディーラー車か並行輸入車かで、整備の受けやすさや保証が異なる。新車の正規販売車には、一部車種を除き「メルセデス・ケア」(3年間の購入保証システム)が付属と記載。中古車で使えるかは条件次第 整備記録簿・保証書を確認し、保証の継承条件と、近くに整備を任せられる店があるかを確認

⚠️ 注意

リコール・改善対策の対象は、型式・製作期間・車台番号ごとに異なります。「対象外だから安心」「対象だから避ける」と決めず、対応済みかどうかを、記録簿や正規ディーラーで確認してください。ここに挙げたもの以外にも届出がある可能性があるため、最新・全件は国土交通省のリコール情報とメルセデス・ベンツ日本の正規ディーラーで確認しましょう。

4. 購入前チェックリストと、進め方

📝 実車を確認するときのチェックリスト

☑️ 正規ディーラー・専門店での整備記録簿の有無と内容を確認した

☑️ 認定中古車(Mercedes-Benz Certified等)か、一般の中古車販売店経由かを確認した

☑️ 正規ディーラー車か並行輸入車かを、車検証・保証書で確認した

☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した

☑️ リコール・改善対策の対応状況を、車台番号で確認した

☑️ 型式(S211・S212・S213・S214など)と、年式・グレード、安全装備の有無を確認した

☑️ テールゲートの開閉・荷室のシートアレンジ(3分割可倒式など)の動作を確認した

☑️ リアエアサスペンションの車高・乗り心地に異常がないか確認した

☑️ オールテレイン仕様か標準仕様か、駐車場の高さ制限に合うかを確認した

☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した

🧭 購入の進め方

1

世代と予算の目安を決める

ワゴンとして使いたい用途(荷室・アウトドア・通勤)と、安全装備・ディーゼルかガソリンか・オールテレインか標準かを整理し、予算とのバランスを考えます。

2

候補を複数探し、条件をそろえて比べる

同じ世代・グレード・走行距離で、車両状態と保証内容を比べます。正規ディーラー車か並行輸入車かも、ここで確認します。

3

実車確認と試乗をする

チェックリストに沿って、外装・内装・走行時の状態を確認します。整備記録簿は、必ず現物を見せてもらいましょう。

4

総額(車両価格+諸費用+次回車検・整備)で判断する

見積もりの内訳を、必ず確認します。輸入車は、購入後の整備費用も見込んでおくと安心です。

5. 維持費の考え方

📊 維持費の主な項目

項目 考え方
自動車税(種別割) 世代・グレードによって、1.5L〜2.0L台の直列4気筒から、3.0L台の直列6気筒・V6、AMGの4.0L V8まで幅広く、排気量区分で決まります。登録時期によって扱いが異なる場合があるため、当サイトの税額表の記事で確認してください(具体額は本記事では記載しません)
車検費用 法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・印紙代)に、車検基本料金・整備費用が加わります。輸入車は、整備費用・部品代が国産車と異なる場合があるため、事前に見積もりを取りましょう。詳しくは、当サイトの車検費用の記事を参照
任意保険 型式・等級・使用状況で異なります。複数社の見積もりで比較
燃料代・整備費 燃料の種類(ガソリン・ディーゼル)と、走行の仕方(街乗り中心か高速中心か)で変わります。輸入車は、部品代・整備工賃が国産車と異なる場合があるため、購入前に整備費用の見積もりを取っておくと安心です
タイヤ・荷物を積む使い方 荷物を多く積んで走る使い方をする場合は、タイヤ・ブレーキの消耗の目安を、販売店で確認

6. ライバル・兄弟車

📊 ライバル・兄弟車

車種 位置づけ 詳しいガイド
メルセデス・ベンツ Eクラス(セダン) 基本の世代・エンジンの違いを確認したい場合の記事。セダンは独立したトランクが特徴 Eクラス中古車ガイド
メルセデス・ベンツ Cクラス ステーションワゴン ひとつ下のクラスのワゴン Cクラス ステーションワゴン中古車ガイド
メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレーク メルセデス・ベンツの別のワゴンタイプのモデルとして、比較される CLAシューティングブレーク中古車ガイド
BMW 5シリーズ 同クラスの輸入車(ツーリング)として、比較される BMW 5シリーズ中古車ガイド
アウディ A6 同クラスの輸入車(アバント)として、比較される アウディ A6中古車ガイド

7. よくある質問

Q. Eクラス ステーションワゴンは、どの世代がおすすめですか?

A. 安全装備や荷室の使い勝手を重視するなら、S213(2016年11月〜)の後期型や、S214が目安です。予算を抑えたい場合はS212以前も候補ですが、年式が古いほど整備記録と保証内容の確認が大切です。S211は、ブレーキ(SBC)関連のリコール対応の確認を優先しましょう。

Q. オールテレインは、通常のステーションワゴンとどう違いますか?

A. 2017年9月26日に日本で発売されたE220 d 4MATIC オールテレインは、ワゴンに比べて全長・全幅が10mm、全高が30mm大きく、最低地上高が25mm高いと記載されています。専用の19インチホイールやアンダーライドガードなども装備されます。全高が高くなるため、駐車場の高さ制限も確認しましょう。

Q. 荷室は、どのくらい使いやすいですか?

A. S213は、後席が40:20:40の3分割可倒式で、全て倒すと最大1,820L(VDA方式)と記載されています。EASY-PACK自動開閉テールゲートも全車標準です。実際の使い勝手は、実車で荷物を積んで確認しましょう。

Q. 古いステーションワゴン(S211など)を買うとき、特に気をつけることは?

A. S211は、SBC(電子制御ブレーキ)の大規模リコールが2回あったと記載されています。後輪のエアサスペンションも含め、対応済みかどうかと、動作を、記録簿と実車で確認しましょう。

🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)

この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。

国土交通省「リコール情報検索」 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます
国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます
日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 メーカーと車台番号を入力して検索できます

輸入車は、正規ディーラーに車台番号を伝えて、リコール・サービスキャンペーンの対象か照会できます。

まとめ

Eクラス ステーションワゴンは、1988年に日本で追加された初代(S124)から、2024年に発表された6代目(S214)まで、型式ごとに発売時期・エンジン・装備が異なります。5代目(S213)は、3分割可倒式の後席と最大1,820Lの荷室、全車リアエアサスペンションが特徴で、オールテレインも設定されました。選ぶときは、型式・年式・グレードを整理し、正規ディーラー車か並行輸入車か、整備記録と保証、車台番号でのリコール確認を大切にしましょう。

※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。

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