Photo: Charles (Port Chester, New York) / Wikimedia Commons, CC BY 2.0
BMW 5シリーズは、日本語版Wikipediaで、欧州のEセグメントに属する上級セダンとされ、主なライバルにメルセデス・ベンツ Eクラスやアウディ A6が挙げられています。中古車では、E60・F10・G30・G60などの世代が並び、世代ごとにパワートレインや日本での設定が大きく異なります。この記事では、世代・選び方・確認したい注意点を、公開情報をもとに整理しました。
📋 この記事の要点
✔ 日本語版Wikipediaの世代表記は、6代目(F07/F10/F11、2009〜2017年)、7代目(G30/G31/F90、2016〜2024年)、8代目(G60/G61/G90、2023年〜)
✔ 7代目G30は、日本で2017年1月12日にセダンを発表。6速MTと3.0Lディーゼルは日本に導入されず。2020年9月28日にフェイスリフト(LCI)を発表し、販売開始
✔ 8代目G60は、日本で2023年7月13日にセダンを正式発表・発売。日本仕様のエンジンは全て4気筒(6気筒は導入されず)で、BEVの「i5」も同時に設定
✔ 6代目F10の550iに搭載されたエンジン(N63B44A)は、欠陥があり、エンジンブローが多発したと記載。2012年以降の550iは、改良型を搭載
✔ 輸入車のため、整備・部品・保証、正規ディーラー車か並行輸入車かの確認が大切
📑 目次
1. 世代の早見表
📊 5シリーズの世代別早見表(日本語版Wikipediaの記載)
| 世代・型式 | 年(日本語版Wikipedia) | ボディ・パワートレインなど | 日本での主な記載 |
|---|---|---|---|
| 4代目 E39 | 1996年〜2003年 | 直6にはASC+T、V8にはDSCを装備。エアバッグは初期の4個から、最終的にITSヘッド・エアバッグを含む10個に。2000年にフェイスリフト(前期:1996〜2000年、後期:2000年以降。後期は「コロナ・リング」が初めて装備) | 1996年6月に日本導入開始。日本仕様は、ダンパーの減衰力を落とし、専用のオールシーズンタイヤを採用(1998年にサマータイヤへ変更)。1997年に直6のツーリングを追加、1999年にMスポーツを初導入。2000年のM54搭載と同時に、ATがZF製へ切り替わった |
| 5代目 E60/E61 | 2003年〜2010年 | E60=セダン、E61=ツーリング。Aピラーより前はアルミ構造。アクティブステアリングとiDriveを搭載。2005年にエンジンを一新、2007年にマイナーチェンジ | 2003年にセダンの日本販売が開始、2004年にツーリングとMスポーツ仕様を追加。全モデルATのみで、アクティブステアリングは標準装備 |
| 6代目 F07/F10/F11 | 2009年〜2017年 | F10=セダン、F11=ツーリング、F07=グランツーリスモ。7シリーズ(F01)とコンポーネントを共用と記載。ハイブリッドの「ActiveHybrid 5」あり。2013年にフェイスリフト(LCI) | 2010年3月25日にセダンを発表(528i・535i・550i)、7月に523iを追加。2010年9月にツーリング発売。2011年10月・11月に523i・528iのエンジンを2.0L直4ターボへ変更。2012年3月にActiveHybrid 5、8月に523d BluePerformance(ディーゼル)。2013年9月12日にLCI。GTは2009年11月26日に発表 |
| 7代目 G30/G31/F90 | 2016年〜2024年 | G30=セダン、G31=ツーリング。エンジンはB48(1.6L/2.0L)、B58(3.0L)、N63(4.4L)のガソリンと、B47(2.0L)、B57(3.0L)のディーゼル(いずれも日本以外を含む)。2020年5月に本国でLCIを発表 | 2017年1月12日にセダンを発表(523d・530i・540i・530e・523i)。6速MTと3.0Lディーゼルは導入されず。2017年6月にツーリング。2018年10月に「M Spirit」を追加。2020年9月28日にLCIを発表・販売開始 |
| 8代目 G60/G61/G90 | 2023年〜現行 | G60=セダン、G61=ツーリング。BEVの「i5」を歴代で初めて同時設定。全ての「ガソリン・ディーゼルモデル」に48Vマイルドハイブリッドを搭載。全幅は7シリーズ並みの1,900mmに | 2023年7月13日にセダンを正式発表・発売(i5、523i、523d xDrive)。2024年2月7日にツーリング(i5、523d xDrive)、2025年1月27日にツーリングへ523iを追加。2025年4月24日にロングホイールベースの「525Li」「i5 eDrive35L」 |
※表は横にスクロールできます
📌 補足
E12(1972年〜)・E28・E34の各世代も日本語版Wikipediaにあります。E28では、日本で正規ディーラー網が未整備で内外価格差が大きかったため、並行輸入も盛んだったと記載されています。高性能版のM5は別モデルとして、この記事では標準の5シリーズを中心に解説します。
2. 世代・目的別の選び方
📊 目的別の選び方
| 重視すること | 考え方の目安 |
|---|---|
| 年式が古めの世代を検討 | E60・F10世代は、年式が進んでいるため、整備記録・部品の入手・経年劣化の状態が、より重要になる。F10の550iは、エンジンの問題が記載されているため、対策・整備の履歴を確認 |
| ディーゼルを選びたい | F10は、2012年8月に523d BluePerformance。G30は523d(日本導入時から設定)。LCI以降(2020年9月〜)のディーゼルは、全車4輪駆動と記載。G60は523d xDrive |
| プラグインハイブリッド | G30の530eは、日本導入時(2017年1月)から設定。前期は、9.2kWhのリチウム電池で、急速充電には非対応。LCIでは、システム総出力252psから292ps、電池容量10.2kWh、EV走行可能距離54km(WLTCモード)と記載 |
| 電気自動車(EV) | G60のi5(eDrive40 Excellence/eDrive40 M Sport/M60 xDrive)。i5ツーリング(2024年2月〜)は、日本初かつBMW初のBEVステーションワゴンと記載 |
| 荷室・ワゴンが必要 | ツーリング。G60ツーリングは、ラゲッジルーム570L、最大1,700L(日本語版Wikipedia)。G30ツーリングは、リヤに自動車高調整機能付きのエアサスと記載 |
| 後席の広さを重視 | G60のロングホイールベース(525Li、i5 eDrive35L)は、2025年4月24日に日本で発表・発売。通常モデルより、全長115mm・ホイールベース110mm延長。G30世代のロング(G38)は、中国市場向けと記載 |
| 運転支援・安全装備を重視 | G30のLCI(2020年〜)は、3眼カメラとレーダーによる「ドライビングアシスト・プロフェッショナル」を全車標準装備し、渋滞時に手放し運転が可能と記載。G60は、ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能などを装備 |
💡 ポイント
G30は、前期とLCI後で、装備・グレード構成が大きく異なります(LCIで、キドニーグリルが左右一体型に、iDriveが7.0に更新、BMWデジタルキーが使用可能に、など)。広告のグレード名だけで判断せず、初度登録年月と装備を、車検証・装備一覧で確認しましょう。
3. 弱点・注意したいポイント
📊 注意したいポイント
| 項目 | 内容 | 購入前の確認方法 |
|---|---|---|
| 整備・部品・修理の体制 | 輸入車のため、部品の取り寄せや修理の対応は、国産車と異なる場合がある。整備できる範囲や体制は、店舗ごとに違う | 販売店に整備体制を聞き、近くの正規ディーラーや輸入車を扱う整備工場を先に確認 |
| F10 550iのエンジン(N63B44A) | 日本語版Wikipediaに「欠陥があり、エンジンブローが多発」と記載。2012年以降の550iは、改良型のN63B44Bを搭載 | 車台番号・年式と、対策・整備の履歴を確認 |
| 530e(G30前期)の充電 | 前期は、急速充電に非対応(電池容量9.2kWh)。LCIで、電池容量が10.2kWhに増量と記載 | 自宅などの充電環境と、駆動用バッテリーの保証を確認 |
| ディーゼル・排出ガス関連部品 | ディーゼルは、排出ガスを処理する装置などの点検・整備が必要になる(一般的な傾向) | 整備記録簿で、点検・部品交換の履歴を確認 |
| エアサス・4輪操舵(主にツーリング) | G30ツーリングのリヤは、エアサス。LCI後のツーリングは、廉価ディーゼル以外で、4輪操舵システムとリヤ・エアサスを装備と記載。2022年より、523dのMスポーツは、4輪操舵の設定が削除 | 車高の左右差、警告灯、乗り心地、整備履歴を確認 |
| EV(G60のi5) | バッテリー・充電システムの保証、充電環境の確認が必要。急速充電の対応や充電時間は、日本語版Wikipediaの5シリーズ記事に記載なし | 駆動用バッテリーの保証、充電規格・充電時間を、販売店で確認 |
| 正規ディーラー車か並行輸入車か | 同じ車名でも、仕様・保証・整備の扱いが異なることがある | 車検証・新車保証書・整備記録簿で確認 |
| 保証・認定中古車 | 認定中古車か、一般の中古車販売店経由かで、保証の範囲・期間が異なる。電装系・駆動系など、対象外の部位がないかも大切 | 保証書の内容・免責事項・保証継承の可否を確認 |
| 公表リコール・改善対策 | この記事では、日本語版Wikipediaに明記されていないため、特定のリコールは取り上げていない | 公表リコールの有無は、車台番号で国土交通省・ディーラーに確認 |
⚠️ 注意
リコールの対象や内容は、車台番号ごとに異なります。「対象外だから安心」「対象だから避ける」と決めず、対応済みかどうかを、記録簿やディーラーで確認してください。輸入車は、部品・修理の対応や保証の範囲も、購入前に確認しましょう。
4. 購入前チェックリストと、進め方
📝 実車を確認するときのチェックリスト
☑️ 整備記録簿・点検記録簿の有無と内容を確認した
☑️ 正規ディーラー車か並行輸入車かを、車検証・新車保証書で確認した
☑️ 認定中古車か一般販売店経由かを確認し、保証の範囲・期間を確認した
☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した
☑️ リコール・改善対策の対応状況を、車台番号で確認した
☑️ 世代(E60・F10・G30・G60などの型式)、LCI前後、初度登録年月を確認した
☑️ PHEV・EV(530e・i5)の場合、駆動用バッテリーの保証と、充電環境を確認した
☑️ ツーリングの場合、エアサス・4輪操舵の動作と警告灯を確認した
☑️ 試乗で、異音・警告灯・変速・ブレーキ・iDriveなど電装系の動作を確認した
☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した
🧭 購入の進め方
世代・ボディタイプ・予算の目安を決める
世代(F10・G30・G60など)、ボディ(セダン/ツーリング)、パワートレイン(ガソリン/ディーゼル/PHEV/EV)の目安を決めます。
認定中古車と一般中古車を比べる
保証を重視するなら認定中古車、価格重視なら一般の販売店(整備記録は必須)が目安です。
整備を任せられる先を、先に確認する
購入前に、点検・修理を頼める正規ディーラーや、輸入車を扱う整備工場が近くにあるかを確認します。
実車確認と試乗をする
チェックリストに沿って確認します。
総額で判断する
車両価格+諸費用+次回車検の費用を比べます。
5. 維持費の考え方
📊 維持費の主な項目
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 自動車税(種別割) | 排気量ごとに税額が決まる。日本語版Wikipedia記載の日本仕様の排気量は、G60はエンジンが全て4気筒(523iは2.0L直4)、F10には直6(2.5L・3.0L)やV8(4.4L)がある。具体額は、当サイトの税額表の記事で確認(登録時期によって扱いが異なる場合がある)。実際の排気量は、車検証で確認 |
| 車検費用 | 法定費用に、車検基本料金・整備費用が加わる。輸入車は、部品代・整備費用が国産車と異なる場合があるため、見積もりで確認。詳しくは、普通車の車検費用の記事を参照 |
| 燃料代 | ガソリン・ディーゼル・PHEV・EVで大きく異なる。EVは、電気代と充電環境が中心。使い方で変わる |
| タイヤ・消耗品 | M SportやG60の大径ホイールなどは、タイヤ交換費用が変わる場合がある。装着タイヤの種類・サイズを確認 |
| 任意保険 | 型式・等級・使用状況で異なる。車両保険を含めて、複数社の見積もりで比較 |
6. ライバル・兄弟車との比較
📊 ライバル・兄弟車
| 車種 | 位置づけ | 詳しいガイド |
|---|---|---|
| メルセデス・ベンツ Eクラス | 日本語版Wikipediaで、5シリーズの主なライバルとして挙げられている。輸入車のため、整備・部品・保証の確認が別途必要 | Eクラス中古車ガイド |
| アウディ A6 | 同じく、主なライバルとして挙げられている輸入プレミアムセダン | A6中古車ガイド |
| レクサス ES | 国産のプレミアムセダンの選択肢の一例。整備・部品・保証の条件が、輸入車と異なる | レクサス ES中古車ガイド |
| BMW 3シリーズ | ひとつ下のクラス(欧州のDセグメント)のセダン。取り回しやサイズで、比べる人がいる | BMW 3シリーズ中古車ガイド |
| BMW 7シリーズ | ひとつ上のクラスの大型高級セダン。G60はシャシーを7シリーズと共用と記載 | BMW 7シリーズ中古車ガイド |
7. よくある質問
🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)
この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。
| 国土交通省「リコール情報検索」 | 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます |
| 国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 | 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます |
| 日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 | メーカーと車台番号を入力して検索できます |
輸入車は、正規ディーラーに車台番号を伝えて、リコール・サービスキャンペーンの対象か照会できます。
まとめ
BMW 5シリーズは、世代ごとに日本での設定が大きく異なります。F10の550iのエンジン問題、G30の530eの充電、G60のi5のバッテリー保証など、世代・グレード別の確認点があります。整備記録・保証・正規ディーラー車か並行輸入車かを確かめ、認定中古車と一般の中古車を比べて、実車確認と総額で選びましょう。
※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。


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