デイライト(DRL)、なぜ昼間も点灯しているのか

最近の車には、エンジンをかけると、昼間でも自動的に点灯する白い小さなライトが付いているものがあります。これは「デイライト(昼間走行灯、DRL)」と呼ばれる装備です。なぜ、明るい昼間にも点灯しているのでしょうか。この記事では、日本での位置づけ(2016年の保安基準改正)、国連規則で示されている基準、オートライトとの違い、後付けするときの注意点を、国土交通省、EU、UNECE(国連欧州経済委員会)の公開情報で整理しました。

📋 この記事の要点

✔ 国土交通省は2016年10月7日に、昼間走行灯に関する基準を導入。昼間走行灯を「備えることができる」とした(義務化ではない)

✔ 国連規則第87号では、照明部の面積は25〜200平方センチメートル、光度は軸上で400カンデラ以上・1,200カンデラ以下、色は白

✔ EUでは、2011年2月7日から、新型の乗用車と小型商用車にデイライトの装備が義務(欧州委員会)

✔ オートライト(周囲の明るさで前照灯を自動点灯する機能)は、別の基準。新型車は2020年4月から(一部の大型車等は2021年4月から)義務

✔ 常時点灯している小さなライトが、すべてデイライトとは限らない

1. デイライトとは何か。何のための灯火か

デイライト(Daytime Running Lamp、DRL)は、昼間に走行しているときに点灯させ、その車の存在を、ほかの人から見つけやすくするための灯火です。国連規則第87号(昼間走行灯)は、この灯火を、前方に向けて昼間に走行するときに車を見つけやすくするためのもの、と位置づけています。

ヘッドライトとは別に、バンパー付近などに独立して付いていることが多い灯火ですが、車種によって形は異なります。「昼間に点灯している」というだけで、すべてがデイライトであるとは限りません。国の基準に適合した昼間走行灯かどうかは、車の仕様やメーカーの説明で確認します。

2. 日本での位置づけ(2016年の保安基準改正)

国土交通省の資料(平成28年10月)によると、日本は、国連の「車両等の型式認定相互承認協定」に基づく協定規則を、段階的に採用しています。2016年の改正では、「デイタイムランニングランプ(昼間走行灯)に係る協定規則(第87号)」を新たに採用し、昼間走行灯の基準を新設しました。灯光の色や明るさ等はこの規則に、取付位置や取付方法等は「灯火器の取付けに係る協定規則(第48号)」に適合する昼間走行灯を、備えることができる、とされています。

📊 日本の昼間走行灯の位置づけ(確認日: 2026年9月25日)

項目 内容 出典
公布・施行 2016年(平成28年)10月7日 国土交通省 報道発表資料
昼間走行灯の扱い 協定規則第87号と第48号の要件に適合する昼間走行灯を、備えることができる 同上
適用範囲 自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、被牽引自動車を除く) 同上
現在の細目告示 第46条の2(昼間走行灯)は、協定規則第148号を引用している(2024年6月14日版) 国土交通省 細目告示

📌 補足

「備えることができる」は、装着を義務づけるものではありません。国土交通省の資料で確認できる範囲では、昼間走行灯を新車に必ず装着するように義務づける内容は含まれていません。

3. 国連規則で示されている基準

日本の昼間走行灯の基準は、協定規則を引用する形で定められています。国連規則第87号(EUR-Lexに掲載された条文)では、次の基準が示されています。

📊 国連規則第87号の主な基準(確認日: 2026年9月25日)

項目 基準(国連規則第87号) 出典
照明部の面積 25平方センチメートル以上、200平方センチメートル以下 UN規則第87号(EUR-Lex)
光度(軸上) 400カンデラ以上 同上
光度(最大) どの方向でも1,200カンデラを超えない 同上
灯光の色 白色 同上

⚠️ 日本の現行の基準は、規則第148号を確認してください

日本の細目告示は、2024年6月14日版で、昼間走行灯を協定規則第148号を引用して定めています。上の数値は、2016年の採用時に参照された第87号の内容です。現在の日本の基準の細かな数値は、第148号と細目告示で確認してください。

4. デイライト・ポジションランプ・オートライトの違い

似た名前の装備がいくつかありますが、目的と基準が異なります。国土交通省の資料では、2016年の改正で、昼間走行灯と同時に、すれ違い用前照灯(ロービーム)のオートライト機能の基準も新設されました。

📊 似た装備の違い(確認日: 2026年9月25日)

装備 主な目的・特徴 出典
昼間走行灯(デイライト) 昼間の走行中に、車の存在を見つけやすくする。協定規則第87号などに適合するものを備えることができる 国土交通省、UNECE
オートライト(前照灯の自動点灯) 周囲の明るさ(照度)に応じて、すれ違い用前照灯(ロービーム)を自動で点灯・消灯する機能。自動点灯は手動で解除できない 国土交通省
車幅灯(ポジションランプ) 車の幅などを示す灯火。デイライトとは別の装備 一般的な説明

📊 オートライトの要件と適用時期(平成28年10月の国土交通省資料。確認日: 2026年9月25日)

オートライトの要件(国土交通省) 内容
周囲の照度が1,000ルクス未満 すれ違い用前照灯が点灯する。応答時間は2秒以内
周囲の照度が1,000ルクス以上7,000ルクス以下 自動車製作者の定めるところによる
周囲の照度が7,000ルクス超 すれ違い用前照灯が消灯する。応答時間は5秒超300秒以内
適用時期(新型車) 乗用車のうち乗車定員11人以上のもの等と、貨物車のうち車両総重量3.5t超のもの: 2021年4月(平成33年4月)。上記以外の自動車: 2020年4月(平成32年4月)
適用時期(継続生産車) 乗用車のうち乗車定員11人以上のもの等と、貨物車のうち車両総重量3.5t超のもの: 2023年10月(平成35年10月)。上記以外の自動車: 2021年10月(平成33年10月)

5. 海外の義務化の状況

欧州委員会の道路安全のページによると、EUでは、2011年2月7日から、すべての新型の乗用車と小型商用車(小型のデリバリーバン)に、デイライトの装備が義務づけられています。

📊 義務化の状況(確認日: 2026年9月25日)

地域 内容 出典
EU 2011年2月7日から、すべての新型の乗用車と小型商用車にデイライトが義務 欧州委員会 道路安全ポータル
北欧諸国など 要確認 –
日本 備えることができる(義務ではない)。国土交通省が2016年10月7日に基準を導入 国土交通省

💡 ポイント

国や地域によって、義務の対象(新型車か、すべての車か)、車種の範囲、時期が異なります。輸出仕様や海外メーカー車では、標準装備のデイライトが付いていることがありますが、仕様は車種によって異なります。

6. 後付けするときの注意点

デイライトが付いていない車に、後から灯火類を付けるときは、車検に通る基準を満たしているかどうかの確認が必要です。国土交通省の細目告示では、昼間走行灯の灯光の色や明るさ、取付位置や取付方法について、協定規則などの基準に適合するものと定められています。

📊 後付けの確認ポイント(確認日: 2026年9月25日)

確認ポイント 内容 出典
色と明るさ 国連規則第87号(現在の日本の基準は第148号を確認)で、白色、光度の範囲などが定められている UNECE、国土交通省
取付位置・取付方法 細目告示の別添「灯火器及び反射器並びに指示装置の取付装置の技術基準」などに適合する必要がある 国土交通省 細目告示
製品の適合 製品が基準に適合しているかは、メーカーの表示や販売店で確認する 一般的な確認方法
車検での扱い 基準に合わない灯火を付けると、車検に通らない可能性がある。取付前に、整備工場や販売店に確認する 一般的な確認方法

📝 デイライトを後付けする前のチェックリスト

☑️ 基準(色・明るさ・面積・取付位置)に適合する製品か、販売店に確認した

☑️ 取付位置が、細目告示の技術基準に合っているか確認した

☑️ 車検で問題にならないか、整備工場や販売店に確認した

☑️ 取付後に、点灯の状態(ほかの灯火との干渉など)を確認した

☑️ 取付作業の安全性(配線・電装品)に不安がある場合は、専門店に依頼すると決めた

⚠️ 注意

電装品の取付は、配線の不良で不具合や火災のおそれがあります。作業に不安がある場合は、専門店に依頼してください。基準の詳細は、国土交通省の細目告示と、販売店や整備工場でご確認ください。

7. よくある質問

Q. デイライトは、日本では義務ですか?

A. 義務ではありません。国土交通省が2016年10月7日に昼間走行灯の基準を導入し、基準に適合する昼間走行灯を「備えることができる」としました。

Q. デイライトとオートライトは、同じものですか?

A. 別の装備です。デイライトは昼間の走行中に車を見つけやすくする灯火です。オートライトは、周囲の明るさに応じて、すれ違い用前照灯(ロービーム)を自動で点灯・消灯する機能で、新型車は2020年4月から(一部の大型車等は2021年4月から)、備えなければならないこととされています(国土交通省の資料)。

Q. 常時点灯している小さなライトは、すべてデイライトですか?

A. そうとは限りません。昼間走行灯として基準に適合したものかどうかは、車の仕様やメーカーの説明で確認する必要があります。

Q. デイライトを後付けしても、車検は通りますか?

A. 色、明るさ、取付位置などが基準に適合していれば問題になりにくいと考えられますが、製品や取付方法で異なります。取付前に、整備工場や販売店に確認してください。

まとめ

デイライト(昼間走行灯)は、昼間の走行中に車を見つけやすくするための灯火で、日本では2016年10月7日の保安基準改正で、備えることができる装備として位置づけられました。義務ではありません。基準の数値は、国連規則を引用して定められているため、現在の基準は細目告示と協定規則で確認する必要があります。オートライトとは別の装備であることも、押さえておきましょう。後付けは、基準への適合を販売店や整備工場で確認してからが安心です。

※本記事は、国土交通省、欧州委員会、UNECE(EUR-Lex掲載の国連規則)などの公開情報をもとにした一般的な情報です。基準は改正されることがあります。最新の内容や個々の車の適合は、国土交通省、メーカー、販売店にご確認ください(2026年10月時点)。

アイキャッチ画像: Daytime running lamp by Deloreanman14, CC BY-SA 2.5, via Wikimedia Commons

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