車検証の「型式指定番号」「類別区分番号」とは

自動車保険の見積りや車の手続きで、車検証を見ながら「型式指定番号」「類別区分番号」を入力するよう求められることがあります。この記事では、車検証の「型式」「型式指定番号」「類別区分番号」の違い、型式指定制度との関係、電子車検証での扱い、そして保険料に関わる「型式別料率クラス」の仕組みを、国土交通省と損害保険料率算出機構の資料で整理しました。

📋 この記事の要点

✔ 「型式指定番号」は、国土交通大臣の型式指定を受けた自動車に付く番号。型式指定車は、新規検査で現車の提示が省略される(完成検査終了証を提出)

✔ 電子車検証の二次元コードでは、型式車の場合、型式指定番号と類別区分番号を結合して10桁以内で設定する(国土交通省の項目定義)

✔ 保険料に反映される「型式別料率クラス」は、車検証の「型式」単位で決まる。型式指定番号・類別区分番号の組み合わせで決まるという記述は、公的資料では確認できなかった

✔ 型式別料率クラスは、自家用乗用車は1〜17、自家用軽四輪乗用車は1〜7で、毎年1月に見直される(損害保険料率算出機構)

✔ 自賠責保険の基準料率は、用途・車種で区分され、型式別料率クラスの対象は任意保険の対人・対物・人身傷害・車両保険

動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

1. 3つの欄の違い:型式・型式指定番号・類別区分番号

車検証には、名前がよく似た欄が並んでいます。それぞれ意味が違うため、まず整理します。

📊 車検証の3つの欄(確認日: 2026年9月25日)

欄 内容 出典
型式 基本的な車両構造等に基づいて自動車を分類する公的な単位。車検証に記載されている。損害保険料率算出機構の資料では、排出ガス規制の識別記号とハイフンを除いた部分を指す(例:車検証の「DBA-ABC123」なら「ABC123」の部分) 損害保険料率算出機構
型式指定番号 国土交通大臣から型式の指定を受けた自動車に付く番号。国土交通省の公表資料の書式では5桁の数字が並ぶ 道路運送車両法 第75条、国土交通省の公表資料
類別区分番号 型式指定番号と組み合わせて記録される番号。国土交通省の公表資料の書式では4桁の数字が並び、同じ型式の中で燃費値などが異なる行を区別している 国土交通省の公表資料、電子車検証の項目定義

📌 補足

国土交通省の公表資料(軽乗用車の一覧表。過去のエコカー減税関係の資料)には、指定番号「17853」、型式「DBA-LA710S」、類別区分番号「0001」「0002〜0003」のように、同じ型式でも類別区分番号ごとに燃費値が違う行が並んでいます。これは書式の例で、今の車種の情報ではありません。

2. 型式指定制度とは:型式指定番号が付く車

型式指定制度は、道路運送車両法第75条に基づく制度です。国土交通大臣は、申請に係る自動車の構造・装置・性能が保安基準に適合し、かつ、その自動車が均一性を有するかどうかを判定して、自動車を型式について指定します。

📊 型式指定制度のポイント(確認日: 2026年9月25日)

項目 内容 出典
審査の内容 構造・装置・性能が保安基準に適合すること、均一性(同じ品質で作られること)を判定 道路運送車両法 第75条第3項
完成検査終了証 指定を受けた自動車を譲渡する際、製作者が1台ずつ保安基準適合を検査し、適合すれば完成検査終了証を交付する 道路運送車両法 第75条第4項
新規検査での扱い 型式指定自動車は、完成検査終了証を提出することで、新規検査時の現車提示が省略される 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト
対象車の例 主に、同一モデルが大量生産される乗用車に利用される制度 国土交通省 完成検査の改善・合理化に関する検討会 中間とりまとめ(令和2年4月)
型式指定を受けていない車 型式指定番号・類別区分番号は設定されない(一般車) 国土交通省 電子車検証の項目定義

並行輸入車や少数生産の車など、型式指定を受けていない車では、型式指定番号・類別区分番号が設定されず、空欄になることがあります。この場合の手続きは、保険会社や販売店の窓口で確認しながら進めるのが確実です。

3. 電子車検証での扱いと、確認のしかた

電子車検証では、国土交通省の項目定義書(2023年1月版)に、二次元コード3の項目として、次の内容が定められています。

📊 電子車検証の二次元コード3(確認日: 2026年9月25日)

項目 内容(項目定義書)
型式指定番号・類別区分番号 型式車の場合、型式指定番号と類別区分番号を結合して設定する。可変長・最大10桁の半角数字(例:123450234)
一般車の場合 設定しない(型式指定車以外の車の総称)

🧭 番号を確認するときの流れ

1

車検証を手元に用意する

電子車検証をお使いの場合は、国土交通省が案内する「車検証閲覧アプリ」で内容を確認できます。閲覧のしかたは、国土交通省の電子車検証のポータルサイトを参照してください。

2

「型式」欄を確認する

保険料の型式別料率クラスは、この欄の型式で決まります。排出ガス規制の識別記号とハイフンを除く点に注意します。

3

型式指定番号・類別区分番号を確認する

型式指定車であれば、番号が記載(記録)されています。空欄の場合は、備考欄などに別の記載がないか、販売店・保険会社に確認します。

4

入力欄の指示に従う

どの番号を入力するかは、保険会社・代理店・手続きの窓口によって異なります。入力欄の案内を優先します。

💡 ポイント

従来の紙の車検証には、「型式」「型式指定番号」「類別区分番号」の各欄が並んでいます(損害保険料率算出機構の資料の見本)。電子車検証では、記録内容の確認のしかたが従来と異なるため、閲覧アプリや保険会社の案内もあわせて確認してください。

4. 保険料との関係:型式別料率クラス

型式別料率クラスは、自動車保険における自動車ごとのリスクを、1、2、3などのクラスで示したものです。損害保険料率算出機構は、この制度について次のように説明しています(2025年1月1日以降に保険期間の始期を有する契約の場合)。

📊 型式別料率クラスの仕組み(確認日: 2026年9月25日)

項目 内容(損害保険料率算出機構)
何で決まるか 車検証の「型式」単位。形状・構造・装備・性能や、その車のユーザー層によるリスクの差を、型式ごとに評価する
対象 自家用乗用車(自家用普通乗用車・自家用小型乗用車)と自家用軽四輪乗用車
対象の補償 対人賠償責任保険・対物賠償責任保険・人身傷害保険・車両保険
クラスの数(自家用乗用車) 1〜17の17クラス。クラス1が最も安く、クラス17が最も高い。各クラス間の保険料率の較差は約1.1倍、最も安いクラスと高いクラスの較差は約4.3倍
クラスの数(自家用軽四輪乗用車) 1〜7の7クラス。各クラス間は約1.1倍、最も安いクラスと高いクラスの較差は約1.7倍
見直し 毎年1月に、直近の保険データに基づくリスク実態と適用クラスが見合っているか確認する「クラス見直し」を行う
新発売の型式 保険データがないため、自家用乗用車は排気量・新車価格・発売年月などで決め、自家用軽四輪乗用車は一律クラス4を適用
補完の仕組み 「衝突被害軽減ブレーキ(AEB)の装着の有無」や「初度登録後経過期間」を料率区分として別に設けている
各保険会社の使用 機構が示すクラスは参考純率で、使用は各保険会社の判断による

同じ機構の資料には、クラスが高いからといって、その自動車自体が危ない自動車であるということではない、とも書かれています。クラスにはユーザー層など人の要素も含まれると説明されています。

📊 任意保険と自賠責保険の違い(区分の考え方)

保険 保険料の区分の考え方 出典
任意保険(対人・対物・人身傷害・車両) 型式別料率クラスを、保険料の区分の一つとして使う 損害保険料率算出機構
自賠責保険 基準料率は、営業用・自家用や車種(軽自動車など)の区分ごとに定められる 国土交通省 自動車損害賠償責任保険基準料率

⚠️ 個別の保険料や必要な入力項目は、保険会社・代理店で確認を

この記事は一般的な制度の説明です。実際の保険料や、見積りでどの番号を入力するかは、契約する保険会社・代理店・専門家にご確認ください。

5. 見積り・手続き前のチェックリスト

📝 車検証を見ながら確認すること

☑️ 車検証(電子車検証の場合は閲覧アプリの表示)を用意した

☑️ 「型式」欄を確認し、排出ガス規制の識別記号とハイフンを除く部分を確認した

☑️ 型式指定番号と類別区分番号が記載(記録)されているか確認した

☑️ 空欄・一般車の場合は、保険会社や販売店に相談する準備をした

☑️ 入力欄の案内(どの番号が必要か)を確認した

☑️ 保険の見積りでは、他の条件(等級・年齢条件など)も別に確認した

📊 状況別の考え方(一般的な整理)

状況 考え方の目安
型式指定番号・類別区分番号が記載されている 一般には型式指定を受けた車。保険会社や手続き窓口の案内どおりに入力する
空欄になっている 並行輸入車や少数生産車など、型式指定を受けていない車の可能性。備考欄などを含め、窓口で確認する
保険料の違いが気になる 型式別料率クラスは毎年1月に見直される。同じ条件でも、更新のタイミングで保険料が動く場合がある

6. よくある質問

Q. 「型式」と「型式指定番号」は同じものですか?

A. 別のものです。「型式」は車両構造等に基づく自動車の分類の単位で、車検証に記載されています。「型式指定番号」は、国土交通大臣の型式指定を受けた自動車に付く番号です。

Q. 保険料は、型式指定番号と類別区分番号で決まるのですか?

A. 損害保険料率算出機構の資料では、型式別料率クラスは車検証の「型式」単位で決まるとされています。保険料には、他にも等級・年齢条件などが関係します。見積りでの入力項目は、保険会社の案内に従ってください。

Q. 型式指定番号・類別区分番号が空欄の車があるのはなぜですか?

A. 型式指定を受けていない自動車(一般車)には、型式指定番号・類別区分番号が設定されないためです。並行輸入車や少数生産車が該当することがあります。保険や手続きの窓口に確認してください。

Q. 自賠責保険にも、型式別料率クラスは使われますか?

A. 型式別料率クラスの対象は、任意保険の対人賠償・対物賠償・人身傷害・車両保険です。自賠責保険の基準料率は、国土交通省の資料で、営業用・自家用や車種などの区分ごとに定められています。

まとめ

車検証の「型式」「型式指定番号」「類別区分番号」は、それぞれ意味が違います。型式指定番号と類別区分番号は、国土交通大臣の型式指定を受けた車に記録され、電子車検証の二次元コードでは、結合して10桁以内で設定されます。保険料に関わる型式別料率クラスは、車検証の「型式」単位で決まり、毎年1月に見直されます。見積りや手続きでどの番号が必要かは、窓口の案内に従いましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。

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