走行中や停車中に、セレナからいつもと違う音が聞こえると、不安になるものです。音の原因は、タイヤ・ブレーキ・エンジン・足まわりなど複数の部位にまたがり、音の聞こえ方だけで原因を決めつけることはできません。この記事では、JAFの「クルマのトラブル診断」、JAFと日産の公式サイト・取扱説明書、国土交通省令(自動車点検基準)で確認できた内容だけを使い、音を聞いたときの動き方、ブレーキまわりの音の考え方、e-POWER車の特有の音、点検を依頼するときの伝え方を整理しました。
📋 この記事の要点
✔ JAFは、エンジン付近の「ガラガラ音」をエンジンオイルの不足や潤滑不良、「キュルキュル音」をベルトの滑りの可能性としている。どちらも点検が必要
✔ ハンドルを回したときの異音は、JAFによると、ハンドル(ステアリング)機構の異常の可能性がある。ハンドル操作ができなくなるおそれがあり、走行は大変危険とされている
✔ ブレーキの「キーキー音」は、パッドウェアインジケーターが摩耗を知らせる音の場合がある。JAFは、パッドの残量が2mm以下程度で交換するよう定められているとしている
✔ セレナe-POWERの取扱説明書には、エンジンの始動・停止の音や振動など、e-POWER特有の音や振動が6項目載っている
✔ 音がしたら、いつ・どこから・どんな音かをメモして、点検を依頼する。原因の断定は、整備工場・日産販売会社で行う
1. 異音を聞いたときの、JAFの案内を確認する
JAFは、「クルマのトラブル診断」で、異音がする場面ごとの原因と対処方法を公開しています。セレナに限らず、クルマ全般に当てはまる公開情報として、確認できた内容を表にまとめました。
📊 JAFが公開している、異音の原因と対処方法(2026年9月25日確認)
| 音がする場面 | 音の例 | JAFが示す原因の例 | JAFの案内 |
|---|---|---|---|
| エンジン付近 | ガラガラ音 | エンジンオイルの不足や潤滑不良の可能性。潤滑が不十分だと、金属部品同士が接触して焼き付きが起こることがあり、最終的にエンジンが始動しなくなる危険がある | 点検が必要な状態。JAFへ救援要請 |
| エンジン付近 | キュルキュル音 | ベルトが滑っている可能性。エンジンベルトの張力低下や摩耗が主な要因 | 点検が必要な状態。JAFへ救援要請 |
| ハンドルを回したとき | (JAFのページでは、音の種類の区別はない) | ハンドル(ステアリング)機構に異常が発生している可能性。ほかに、ハンドル操作時の振動や、ハンドルが重い症状が出る場合がある | ハンドル操作ができなくなる可能性があり、走行は大変危険。点検が必要 |
| 走行中のタイヤ付近 | (JAFのページでは、音の種類の区別はない) | タイヤに異物が刺さっている、走行関係の部品が傷んでいるなど、原因は多岐にわたり、複数が推測される | 点検が必要な状態 |
| ブレーキをかけたとき | キーキー音 | ブレーキパッドが減り、パッドウェアインジケーターがブレーキディスクに接している場合がある | 早急に、整備工場で点検・交換(JAF「ブレーキパッドの磨耗状態はどこで分かりますか?」) |
※表は横にスクロールできます
🧭 異音に気づいたときの、動き方の流れ
安全な場所に止まる
走行中に異音に気づいたら、無理に走り続けず、周囲の安全を確認して、安全な場所に止まります。ハンドルが重い・ブレーキの効きが悪いなどの症状が同時にある場合は、走行を続けません。
警告灯・表示を確認する
ブレーキ警告灯・油圧警告灯など、メーターの警告灯が点灯していないか確認します。警告灯の意味は、取扱説明書で確認できます。
音の状況をメモする
いつ(冷間時・走行中・停車中)、どこから(前・後・運転席の下・タイヤ付近)、どんな操作で(ブレーキ・ハンドル・加速)、どのくらいの頻度で聞こえるかを書き留めます。可能であれば、音の録音や動画も残します。
走行の可否を判断し、相談する
走行してよいか迷うときは、JAF・日産販売会社・整備工場に相談します。JAFは、点検が必要な状態として、救援要請を案内しています。
点検結果を記録する
原因と、行った整備の内容を、整備記録簿などに残します。次に同じ音がしたとき、比べやすくなります。
2. ブレーキまわりの音:パッド・ブレーキ液の目安と、一時的な音
ブレーキの音は、「摩耗のサイン」の場合と、「湿気などによる一時的な音」の場合があります。JAF・日産の公式情報で確認できた内容を整理します。
📊 ブレーキまわりの音と、パッド・ブレーキ液の目安(2026年9月25日確認)
| 項目 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| パッドの交換の判断 | ブレーキパッドの残量は、ホイールを外し、ブレーキキャリパーの点検用の窓から確認する。残量が2mm以下程度になったら交換するよう定められており、そのまま使うと、ブレーキの効きが悪くなり、重大な事故につながるおそれがある | JAF |
| パッドウェアインジケーター | ほとんどの国産車に付いている。パッドの残量が少なくなると、ブレーキディスクに直接接して「キーキー」と音を出し、交換時期を知らせる。ブレーキ液がリザーバータンクの下限ラインを下回り、ブレーキ警告灯が点灯する場合もある | JAF |
| 日産の交換の目安 | ブレーキパッド(ディスクパッド):残厚5mmまたは30,000km走行ごと。ブレーキフルード(ブレーキ液):車検時。ブレーキパッドの症状として「ブレーキを踏むとタイヤ付近からキーキー音がする」が挙げられている | 日産「メンテナンス|ブレーキ」 |
| 湿気による一時的な音 | 朝一番、長時間駐車後の走り始め、降雨後や洗車後など湿気が多いときに、ブレーキペダルを踏むと「キー」という音がする場合がある。ブレーキパッドが水分を吸収し、表面の摩擦力が一時的に変化するためで、異常ではない。頻繁に音がする場合は、すみやかに日産販売会社で点検を受ける | 日産ノートの取扱説明書(日産公式) |
| 「カチッ」という音 | ブレーキペダルをゆっくり奥まで踏み込むと、「カチッ」という音と、ペダルにわずかな振動を感じることがある。ブレーキアシスト機構が正常に作動しているためで、異常ではない | 日産ノートの取扱説明書(日産公式) |
⚠️ 注意
「日産の交換の目安」は、日産が一般的に示している目安です。セレナの年式・グレード・使い方で異なる場合があるため、ご自身の車の取扱説明書・メンテナンスノートも確認してください。また、湿気による音の記載は、日産ノートの取扱説明書のものです。セレナの取扱説明書で、同じ記載があるかを確認し、音が頻繁にするときは、自己判断せずに点検を受けましょう。
3. e-POWER車の「特有の音や振動」
セレナe-POWER(C27型は2018年3月発売)は、エンジンで発電し、モーターで走る仕組みのため、ガソリン車とは違う音や振動を感じる場合があります。日産のセレナe-POWER取扱説明書には、次の項目が「e-POWERシステム特有の音や振動」として載っています。
- エンジンルームからのモーター音
- エンジンの始動・停止による音や振動
- アクセルペダルから足を離したときや、ブレーキを踏んだときの作動音やモーター音
- 急加速時のエンジン音
- フロントシート下からのファン作動音
- 歩行者に車両の接近を知らせるための音
📌 補足
同じ取扱説明書には、従来のガソリン車に比べて、アイドリング時のエンジン回転数が高めに設定されているのは、リチウムイオンバッテリーを充電するためで、異常ではないという説明もあります。
📊 セレナの世代とパワートレイン(日産の発表・FAQと、日本語Wikipediaで確認。二次情報を含む)
| 世代(型式) | 販売時期 | パワートレイン |
|---|---|---|
| 4代目 C26型 | 2010年11月〜2016年8月 | 2.0Lガソリン(MR20DD型)。2WD車のスマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)を追加 |
| 5代目 C27型 | 2016年8月〜2022年12月 | 2.0Lガソリン(MR20DD型・S-HYBRIDを含む)。2018年3月に、e-POWERを追加(HR12DE型・1.2L発電用エンジン) |
| 6代目 C28型 | 2022年12月22日〜(発表:2022年11月28日) | ガソリン(MR20DD型)/ e-POWER(HR14DDe型・1.4L発電用エンジン)。e-POWERの4WD(e-4ORCE)は、2024年11月に追加 |
💡 ポイント
e-POWER車の音が、特有の音なのか、故障の音なのかの判断がつかないときは、取扱説明書の項目と照らし合わせたうえで、日産販売会社に相談しましょう。音や振動が出る状況(始動時・減速時・急加速時など)をメモしておくと、伝えやすくなります。
4. 国の点検基準で、音に関係しやすい部位を確認する
自家用乗用車(セレナのような普通車も含む)の定期点検は、自動車点検基準(別表第6)で、1年ごとと、2年ごとの点検項目が定められています。国土交通省は、1年ごとに29項目、2年ごとには1年ごとの項目を含む計60項目としています。異音の原因になり得る部位の点検項目を、表にまとめました。
📊 異音に関係しやすい部位と、法定の点検項目(2026年9月25日確認)
| 部位 | 点検項目(自動車点検基準 別表第6) | 点検時期 |
|---|---|---|
| ブレーキ・パッド | ディスクとパッドとのすき間、パッドの摩耗(※) | 1年ごと |
| ブレーキ・ディスク | ディスクの摩耗及び損傷 | 2年ごと |
| ホイール・タイヤ | タイヤの状態(※)、ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み(※) | 1年ごと |
| ホイール・ベアリング | フロント・ホイール・ベアリングのがた(※)、リヤ・ホイール・ベアリングのがた(※) | 2年ごと |
| かじ取り装置 | ハンドルの操作具合、ロッド及びアーム類の緩み・がた・損傷(※)、ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀裂及び損傷 | 2年ごと |
| 緩衝装置 | 取付部及び連結部の緩み・がた・損傷、ショック・アブソーバの油漏れ及び損傷 | 2年ごと |
| パワー・ステアリング装置 | ベルトの緩み及び損傷(1年ごと)、油漏れ及び油量・取付けの緩み(2年ごと)。※ベルトや油量の項目は、油圧式の装置に当てはまる内容 | 1年ごと・2年ごと |
📌 補足
※印:自動車検査証の交付を受けた日または当該点検を行った日以降の走行距離が1年当たり5千km以下の自動車は、前回の点検を行うべき時期に行わなかった場合を除き、行わないことができる(別表第6の注)
5. 点検を依頼するときのチェックリストと、失敗しやすいこと
📊 失敗パターンと対策
| よくある失敗 | 防ぐための考え方 |
|---|---|
| 音の聞こえ方だけで、原因を決めつけて走り続ける | 音の表現は人によって違い、原因は複数あり得る。JAFは、異音を、点検が必要な状態としている |
| ブレーキの音を、「湿気による一時的な音」と決めつける | 日産は、一時的な音は異常ではないが、頻繁にする場合はすみやかに点検を受けるよう案内している |
| ハンドルや足まわりの異音を、放置する | ハンドル(ステアリング)機構の異常は、ハンドル操作ができなくなるおそれがあるとJAFは説明している |
| e-POWER特有の音と、故障の音を混同する | 取扱説明書の6項目と照らし合わせる。判断がつかないときは、販売会社に相談 |
| 音の状況を、伝えられない | いつ・どこ・どんな操作のときかをメモし、可能なら録音・動画を残す |
📝 異音の点検を依頼する前のチェックリスト
☑️ 警告灯が点灯していないか確認した
☑️ 音がする状況(いつ・どこから・どんな操作で・どのくらいの頻度)をメモした
☑️ 音の録音、または動画を残した
☑️ ブレーキ・ハンドルの異常(効きの悪さ、重さ、振動)が同時にないか確認した
☑️ 前回の点検・整備の時期を、整備記録簿で確認した
☑️ ご自身のセレナの型式(C26・C27・C28)と、パワートレイン(ガソリン・e-POWER)を伝えられる
☑️ 見積もりの内訳(点検料・部品代・工賃)を、事前に確認した
⚠️ 注意
異音は、車が出しているサインの一つです。ハンドル操作が重い、ブレーキの効きが悪い、警告灯が点灯しているなど、安全に関わる症状が同時にある場合は、走行を続けず、JAFや販売会社に連絡しましょう。この記事は、一般的な情報の整理であり、個別の車の診断ではありません。
6. よくある質問
まとめ
セレナの異音は、音の聞こえ方だけでは、原因を決められません。JAFの案内では、エンジン付近のガラガラ音・キュルキュル音、ハンドルを回したときの異音、走行中のタイヤ付近の異音は、いずれも点検が必要な状態です。ブレーキの音は、摩耗のサインの場合と、湿気による一時的な場合があり、頻繁にするときは点検を受けます。e-POWER車は、特有の音や振動が取扱説明書に載っています。音の状況をメモして、整備工場・日産販売会社・JAFに相談しましょう。
※本記事は、JAF・日産自動車・国土交通省(e-Gov法令検索を含む)の公開情報をもとにした一般的な情報で、個別の車両の診断・整備指示ではありません(2026年9月25日確認)。交換の目安・点検内容は、車種・年式・使用状況で異なります。個別の判断は、取扱説明書、整備工場、日産販売会社でご確認ください。
アイキャッチ画像: Nissan Serena HighwaySTAR V (FC28) by Tokumeigakarinoaoshima, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons


コメント