首都高速や東名高速のように、車で「高速道路」と呼んでいる道路には、実は「高速自動車国道」と「自動車専用道路」という2つの種類があります。どちらも自動車のみが通行できる道路ですが、制限速度や料金、根拠となる法律などが異なります。この記事では、JAFの解説や警察・関係機関の公表情報をもとに、2つの道路の違い、制限速度、通行できない車両、料金の考え方を整理しました。確認できなかった点は、その旨を明記しています。
📋 この記事の要点
✔ 高速自動車国道は、都道府県をまたいで全国に展開する高速道路。自動車専用道路は、市街地とその周辺の地域交通のための道路(JAF)
✔ 標識・標示のない区間では、普通乗用車の最高速度は、高速自動車国道の本線車道で100km/h、自動車専用道路で60km/h(JAF)
✔ 高速自動車国道の本線車道には最低速度50km/hがあるが、自動車専用道路には法定の最低速度はない(標識で指定される場合はそれに従う)
✔ どちらも、歩行者・軽車両・原動機付自転車(125cc以下の二輪など)は通行できない(JAF)
✔ 高速自動車国道の有料期間は、2023年の法改正により、最長で2115年9月30日まで延長された
📑 目次
1. 高速自動車国道と自動車専用道路の位置づけ
JAFの「クルマ何でも質問箱」は、普段何気なく「高速道路」と呼んでいる道路が、高速自動車国道と自動車専用道路の2種類に分けられると説明しています。どちらも、一般道路に比べて高い速度域で走行できますが、最高速度や料金などに違いがあります。
📊 高速自動車国道と自動車専用道路の違い(JAFの解説より)
| 比較項目 | 高速自動車国道 | 自動車専用道路 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 都道府県をまたいで、全国的に展開する高速道路のネットワーク | 交通が集中し、渋滞や騒音の影響が大きい市街地やその周辺で、自動車だけが通行できるよう指定された道路。距離は比較的短い |
| 根拠となる法令(JAFの解説) | 高速自動車国道法(第5条、第10条など) | 道路法(第48条の2、第48条の3) |
| 管理・料金 | 高速道路会社が管理。有料。有料期間は2115年9月30日まで(2023年の法改正)。国と地方自治体が費用を負担する「新直轄方式」で、無料の区間もある | 高速道路会社は関与していない。無料の区間も多い |
| 標識のない場合の最高速度(普通乗用車) | 本線車道・加速車線・減速車線で、100km/h | 60km/h(標識で70km/h、80km/hに指定している区間もある) |
| 最低速度 | 本線車道で、50km/h | 法定の最低速度はない(標識で指定される場合はそれに従う) |
| 通行できない車両 | 歩行者・軽車両・原動機付自転車 | 同じ(歩行者・軽車両・原動機付自転車) |
この2つは、あわせて「高規格幹線道路」と呼ばれます。JAFによると、高規格幹線道路は、全国で約14,000kmの道路網として整備されています。
📌 確認できなかった点
2. 制限速度の違いと、標識の優先
高速道路では、法律で決められた「法定速度」と、標識・標示で指定された「指定速度」があります。JAFは、標識や標示で最高速度が指定されている場所では、指定が法定最高速度より優先されると説明しています。
📊 普通乗用車の最高速度
| 道路・区間 | 普通乗用車の最高速度(標識・標示がない場合) | 補足 |
|---|---|---|
| 高速自動車国道の本線車道 | 100km/h | 一部の区間には、標識で最高速度120km/hを指定している区間もある(JAF) |
| 高速自動車国道の登坂車線・対面通行区間 | 60km/h | 登坂車線は本線車道に含まれない(JAFの解説) |
| 自動車専用道路 | 60km/h | 標識で70km/hや80km/hに指定している区間もある |
📊 高速自動車国道の車種別の最高速度
| 車種(高速自動車国道) | 最高速度 | 施行日・補足 |
|---|---|---|
| 大型貨物自動車・特定中型貨物自動車(けん引するものを除く) | 90km/h | 2024年4月1日から、80km/hを90km/hに引き上げ(千葉県警察) |
| トレーラ(けん引車)・大型特殊自動車・三輪の自動車 | 80km/h | 従来のとおり(千葉県警察) |
| その他の自動車 | 100km/h | 従来のとおり(千葉県警察) |
⚠️ 自動車専用道路でも、速度に注意
自動車専用道路は「高速道路」の一種のため、感覚でスピードを出しすぎないよう注意が必要です(JAFの解説)。標識に従い、最高速度を守りましょう。一部の自動車専用道路には、標識で最低速度が指定されている区間もあります。
📌 天候による規制
千葉県警察は、天候などの状況によって、速度規制が変更される場合があると案内しています。走行前に、現地の標識で確認しましょう。
3. 通行できる車両と、通行できない車両
JAFは、高速自動車国道も自動車専用道路も、自動車のみが通行できる道路として定義されており、歩行者・軽車両・原動機付自転車は通行できないと説明しています。
📊 高速自動車国道・自動車専用道路を通行できないもの
| 通行できないもの | 内容(JAFの解説) |
|---|---|
| 歩行者 | 通行できない |
| 軽車両 | 自転車・荷車など。通行できない |
| 原動機付自転車 | 二輪は総排気量125cc以下、二輪以外(ミニカーなど)は総排気量50cc以下の車両を指す。通行できない |
📌 首都高速の例
首都高速道路株式会社は、首都高速道路への歩行者・自転車・原付(125cc以下の二輪車)の進入が禁止されていると案内しています原付二種でも通行できないため、ナビの案内にも注意しましょう。
⚠️ 「125ccなら大丈夫」ではありません
排気量が125cc以下の二輪車は、高速自動車国道にも自動車専用道路にも入れません。ナビゲーションの経路に、これらの道路が含まれていないかを、出発前に確認してください。
4. 料金の考え方と、無料の区間
📊 料金の考え方
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 高速自動車国道の料金の根拠 | 道路整備特別措置法で定められている | JAFの解説 |
| 有料期間 | 従来は2065年までの予定だったが、2023年の道路整備特別措置法などの改正(2023年5月31日成立、6月7日公布)により、最長で2115年9月30日まで延長された | JAF Mate Online、日本自動車会議所などの報道 |
| 新直轄方式の区間 | 高速道路会社を通さず、国と地方自治体が建設費用を負担する方式。無料の区間がある | JAF |
| 自動車専用道路の料金 | 高速道路会社が関与しておらず、無料の区間も多い。一方、有料の道路もある | JAF |
⚠️ 「高速道路=有料」とは限りません
自動車専用道路には無料の区間が多くあります。反対に、橋やトンネルなどの一般有料道路には、歩行者や軽車両が通行できるものもあります。高速道路かどうかと、有料かどうかは、別の問題です(JAFの解説)。
📌 確認できなかった点
具体的な料金の水準(1kmあたりの料金など)は、道路会社ごとに異なり、割引の適用条件も複雑なため、この記事では扱っていません。料金は、各高速道路会社の料金案内でご確認ください。
5. 走行前の判断フローと、チェックリスト
🧭 高速道路を走る前の確認手順
走る道路の種類を確認する
ナビや案内標識で、高速自動車国道か自動車専用道路かを確認します。都市部では、自動車専用道路と一般道が近接しています。
自分の車が通行できるか確認する
軽車両・原動機付自転車・125cc以下の二輪車は通行できません。
標識・標示の最高速度を確認する
標識があれば、それが優先されます。標識がない場合は、道路の種類ごとの法定速度に従います。
登坂車線・対面通行区間に注意する
高速自動車国道でも、登坂車線・対面通行区間は、60km/hです。
料金と割引を確認する
有料区間か、無料区間かを、ルート検索などで確認します。
📝 出発前のチェックリスト
☑️ 走行ルートに、高速自動車国道・自動車専用道路が含まれるか確認した
☑️ 同乗する二輪車や原付が、通行できない車両ではないことを確認した
☑️ 標識・標示で指定された速度を、走行中に確認する
☑️ 大型貨物・特定中型貨物などの場合、車種別の最高速度を確認した
☑️ 有料か無料かを確認し、ETCカードなど支払い手段を用意した
6. よくある質問
まとめ
高速自動車国道は、全国を結ぶ高速道路網で、標識がなければ本線車道の最高速度は100km/hです。自動車専用道路は、市街地とその周辺の地域交通のための道路で、標識がなければ60km/hです。どちらも、歩行者・軽車両・原動機付自転車(125cc以下の二輪など)は通行できません。走行前に道路の種類と標識を確認し、速度と料金を把握しておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供です。速度規制や通行できる車両は、法令の改正や標識・標示によって変わることがあります。走行時は、必ず現地の標識・標示に従ってください。法令の適用に関する個別の判断は、警察・道路管理者などの窓口にご相談ください(JAF、千葉県警察、国土交通省関係資料等の確認日:2026年9月25日)。
参考: JAF「クルマ何でも質問箱」高速自動車国道と自動車専用道路の違いとは?(出典: NEXCO西日本「よくあるご質問」、国土交通省「Ⅱ.道路の種類」)
アイキャッチ画像: 塩沢石打インターチェンジ(関越自動車道) by Tail furry, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(新潟県南魚沼市で撮影)


コメント