パンク応急修理キット、刺さった釘は抜く?直した後は何km/hまで?トヨタ・ホンダ・マツダ・日産の取扱説明書で確認

タイヤがパンクしたとき、スペアタイヤの代わりに積まれている「パンク応急修理キット」。刺さった釘は抜くのか、直したあとは何km/hで何kmまで走れるのか、どんなパンクなら直せるのか。YouTubeのショート動画で紹介した「落とし穴3つ」を、取扱説明書やJAFの検証でさらに詳しく確かめ直しました。

この記事では、トヨタ・ホンダ・マツダ・日産の取扱説明書(ウェブ版・PDF)、JAFのユーザーテスト(2022年)、国民生活センターの発表(2019年)、ブリヂストン・ダンロップの公式ページを突き合わせ、動画では触れられなかった他社の記載の違いも整理します。数値は車種やキットで違うため、最終的には自分の車の取扱説明書が基準です。

📋 この記事の要点

✔ 刺さった釘やネジは抜かない。確認したトヨタ・ホンダ・マツダ・日産の取扱説明書は、そろって「抜かずに応急修理」と案内している。JAFのテストでも、異物を抜くと応急修理できなかった

✔ キットで直せないパンクがある。タイヤ側面など接地面以外の損傷、2本以上のパンク、約4mm以上の切り傷・刺し傷、補修液の有効期限切れなど(日産の旧型NOTEのウェブ版取扱説明書だけは「約6mm以上」)

✔ 直したあとは速度と距離に制限がある。確認した4社の取扱説明書にはいずれも「80km/h」が出てくる。トヨタは「約5km走って空気圧を再確認(130kPa未満は不可)→販売店まで約100km以内」。ホンダ・マツダ・日産は走る距離・時間の書き方が違う

✔ 補修液には有効期限がある。ボトルに表示されている。国民生活センターのアンケートでは、キット付属を把握している人の73%が期限の存在を知らなかった。使ったタイヤは、国民生活センターが「タイヤ自体の交換が必要になる可能性」を指摘し、ダンロップ(スポンジ付きタイヤのFAQ)は「修理・継続使用はできない」とするなど、交換が前提

✔ 数値は車種・キットごとに違う。作業に不安なとき、高速道路など危険な場所では、無理をせずJAFなどのロードサービスへ

🎬 動画で見る(ショート)

この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。

▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

動画の補足:動画では、トヨタの取扱説明書(NOAH 2025年9月〜、ヤリス クロス)とJAFのテストにもとづいて、3つの落とし穴を紹介しました。今回、2026年10月にあらためて確認したところ、動画で挙げた「刺さった異物は抜かない」「4mm以上の傷は直せない」「約5km・80km/h以下」「130kPa」「約100km以内・80km/h以下」「補修液の有効期限」は、トヨタの取扱説明書の記載どおりでした(NOAH・シエンタ・RAV4・ハリアー・ヤリス クロスの各ページで確認)。動画の誤りは見つかっていません。ただし、これらはトヨタの数字です。他社の取扱説明書では、走る距離・時間、傷の大きさ、充填できる時間などの書き方が違います(第2章・第3章で比べます)。

1. 刺さった釘は抜かない(取扱説明書とJAFテスト)

タイヤの断面と、応急修理キットの対象になる接地面・対象外の側面
図:応急修理キットの対象は接地面(トレッド)に刺さった釘・ネジなどの軽度のパンク。側面の損傷や約4mm以上の傷は対象外(自作イラスト。実際のタイヤの構造とは異なります)

パンクの原因が釘やネジなら、見つけた瞬間に抜きたくなるものです。ところが、確認したメーカーの取扱説明書は、どれも抜かずに応急修理するように書いています。

📊 刺さった釘・ネジの扱い(取扱説明書・JAF・国民生活センター・ブリヂストン)

出典 記載の内容(要旨)
トヨタ(NOAH 2025年9月〜) 釘やネジなどが刺さっている場合のみ応急修理する。刺さっている釘やネジは抜かない。抜くと穴が大きくなりすぎ、応急修理ができなくなることがある
ホンダ(N-BOX 2024) タイヤに刺さったクギなどは抜かない。抜くと、応急修理キットでは応急修理が不可能になる場合がある
マツダ(CX-30) キットは接地面に刺さった釘やネジなどによる軽度のパンクを一時的に修理するもの。釘やネジなどを抜かず、応急修理する
日産(NOTE 取扱説明書2210版) 釘やネジが刺さっている場合は、抜いてしまうとパンク穴が大きくなり空気が漏れやすくなるため、抜かずに応急修理する
JAFユーザーテスト(2022年5月18日) テストでは、異物を抜いてしまうと応急修理できなかった
国民生活センター(2019年1月17日) 傷が小さくても、刺さっていた釘やネジなどを抜いてしまった場合は補修ができない
ブリヂストン(タイヤの解説ページ) 穴の広がりを避けるため、釘などの異物は取り除かないようにする

なぜ抜いてはいけないのか

JAF Mate Onlineの説明では、応急修理キットは、タイヤの穴に補修液が入り込み、走行したときにかかる力で補修液が凝固して穴をふさぐ仕組みです。異物が抜けた状態では、穴の大きさや位置によって補修液が漏れ、うまく応急修理できませんでした。逆に、釘やネジが刺さったままのパンクは、それらが多少太くても応急修理できる可能性があるとしています。

穴の位置にも注意:JAF Mate Onlineによると、4mmの穴でも、穴の位置が下部にあると充填中に補修液が漏れ出すことがありました。トヨタの取扱説明書には、パンク箇所が分かっている場合は、補修液がもれないよう、パンク箇所が上になるように車両を移動するという記載があります(これは、安全な場所に止まったあとの、ごくわずかな位置合わせの話です。パンクしたまま走り続けることは避け、不安なときや狭い場所ではロードサービスを呼んでください)。

パンクしたまま走らない

トヨタの取扱説明書は、タイヤがパンクした状態での走行を続けないよう警告しています。短い距離でも、タイヤとホイールが修理できないほど損傷することがあり、パンクしたまま走り続けるとタイヤ側面に円周状の溝ができる場合があること、その状態で応急修理キットを使うとタイヤが破裂する危険があることも書かれています。見つけたら、安全な場所へ移動して止まり、キットを使うか、ロードサービスを呼ぶかを判断します。

2. キットで直せないパンクとは?(各社の比較)

応急修理キットで直せるのは、取扱説明書では、接地面(トレッド)に釘やネジが刺さった程度の軽度なパンクです。それ以外は、メーカーが「直せない」と書いています。国民生活センターのテストでも、接地表面の大きな傷によるパンクは補修できませんでした。次の表は、4社の取扱説明書を並べたものです。

📊 応急修理キットで直せないパンク(取扱説明書の記載の比較)

項目 トヨタ(NOAH 2025年9月〜) ホンダ(N-BOX 2024) マツダ(CX-30) 日産(NOTE 2210版)
切り傷・刺し傷の大きさ 4mm以上 約4mm以上 約4mm以上 約4mm以上
側面など接地面以外の損傷 不可(タイヤ側面など、接地面以外に穴や損傷) 不可(路面接地部以外の損傷) 不可(接地部以外の損傷) 不可(タイヤのサイド部の損傷)
2本以上のパンク 不可 不可 不可 不可
タイヤがホイールから外れている 不可 不可 不可 不可
ホイールの破損 不可 不可 不可(ホイールやバルブの破損) 不可
空気が抜けた状態で走行した 不可(空気圧が不十分な状態で走行し、タイヤが損傷しているとき) 不可(ほとんど空気が抜けた状態で走行したとき) 不可(パンクしたまま走行し、タイヤ側面が損傷しているとき) 不可(ほとんど空気が抜けた状態で走行したとき)
1本に2か所以上の傷 不可 確認したページに記載なし 確認したページに記載なし 確認したページに記載なし
補修液の有効期限切れ 使用不可 不可 不可 不可
充填しても空気圧が上がらない 25分以上充填しても指定空気圧にならないとき(NOAH。シエンタ2026年8月〜は35分以上) 10分以内に指定空気圧にならないとき 10分以内に適正空気圧にならないとき 10分以内に180kPaまで昇圧できないとき

どの会社も、4mm前後の傷を境目にしています。日産については、旧型NOTE(E12型)用のウェブ版取扱説明書には「約6mm以上の切り傷や刺し傷」と書かれており、同じメーカーでも、車種や版によって数値が違うことが分かります。ホンダ・マツダ・日産のページで、トヨタにある「1本のタイヤに2か所以上の切り傷や刺し傷」の項目は、今回確認した範囲では見つけられませんでしたが、国民生活センターの発表(表1)には、この項目が補修できない状態として挙げられています。

JAFのテストでは「4mm以上でも直せた」ことも

JAFのユーザーテストでは、8種類のパンクしたタイヤで応急修理を試しました。まとめには、4mm以上の傷でも応急修理できた場合もあったが、取扱説明書には4mm以上の傷は修理できないと書かれているので、使用上の注意点は事前に把握しておくことが大切、とあります。一方、金属片(大)による裂傷とタイヤの側面の傷は直せず、穴から抜ける空気の量が多くて、走り出せる状態まで空気圧を上げられませんでした。「テストでは直せたから大丈夫」ではなく、メーカーの基準を守るという読み方になります。

国民生活センターは、タイヤ販売店などで正式なパンク修理をすれば継続使用できる状態のタイヤでも、応急修理キットで補修すると継続使用できなくなる可能性がある、とも注意しています。また、同センターのアンケートでは、キット付属を把握している1,096人のうち910人(83%)が、「1本のタイヤに2か所以上の傷があると補修できない」といった、補修できないパンクの例を知りませんでした。

3. 直したあとの走り方(速度・距離・空気圧の再確認)

応急修理は、空気を指定の空気圧まで入れたら終わり、ではありません。補修液をパンク箇所に行き渡らせるため、ただちに走り出し、一定の距離を走ってから空気圧を再確認する手順が必要です。トヨタ NOAH(2025年9月〜)の取扱説明書の流れを図にしました。

トヨタNOAHの取扱説明書にある、応急修理後に走る流れ
図:トヨタ NOAH(2025年9月〜)の取扱説明書に書かれている応急修理後の流れ。数値は車種・キットで異なる(自作イラスト)
手順 トヨタ NOAH 2025年9月〜の記載(要旨)
1. 充填 指定空気圧になるまで補修液と空気を充填する。充填に必要な時間は約5〜20分(外気温により異なる)。25分以上充填しても指定空気圧にならなければ、応急修理できない
2. すぐに走る 補修液を均等に広げるため、ただちに約5km、速度80km/h以下で安全に走行する
3. 空気圧を再確認 平坦な場所に停車して空気圧を確認する。130kPa未満:応急修理できない。130kPa以上で指定空気圧未満:指定空気圧まで充填し、再度約5km走行してからやり直す。指定空気圧:次へ
4. 販売店へ 急ブレーキ・急加速・急ハンドルを避け、走行距離約100km以内、80km/h以下の速度で、トヨタ販売店まで慎重に運転する。修理・交換の際は、パンク補修液が注入済みであることを必ず伝える

このほか、運転席から見やすい位置に付属の速度制限ラベルを貼ることも手順に入っています。ただし、ハンドルのパッド部分には貼らないことが、トヨタ・ホンダ・マツダ・日産のどの取扱説明書にも書かれています(4社とも、エアバッグが正常に作動しなくなるおそれがあるためと説明しています)。

走り出すまでの時間も大事:JAF Mate Onlineのテストでは、初めてキットを使うモニター3名が補修液と空気の充填を終えるまでに15分前後かかりました。充填を終えてから走り出すまでに4分ほどかかった人もいて、JAFは、その間にもタイヤの空気は抜け続けている可能性があるため、なるべく早く走り出すように、と伝えています。

4社の「点検走行」の書き方

トヨタ・ホンダ・マツダ・日産の取扱説明書にある点検走行の距離・時間の比較
図:4社の取扱説明書にある、補修液を広げるための走行の距離・時間と、走行後の空気圧の確認(自作イラスト。確認日2026年10月)

📊 応急修理後の走行(取扱説明書の記載の比較)

項目 トヨタ(NOAH ほか) ホンダ(N-BOX 2024・CIVIC 2025) マツダ(CX-30) 日産(NOTE 2210版)
補修液を広げる走行 約5km 10分または5km 10分間もしくは5km程度 3km程度(同じ取扱説明書にも、キットのタイプにより「10分間または3km程度」の記載あり。リーフのウェブ版は10分間または3km程度)
走行中の速度 80km/h以下 法定速度を守る。高速道路では80km/h以下を厳守 80km/h以下(80km/h以上で車体が振動することがある) 80km/h以下
走行後の空気圧 130kPa未満は応急修理できない 130kPa未満は応急修理できない 130kPa以下に低下していたら運転を中止 130kPa未満は応急修理できない
販売店・修理工場まで 約100km以内、80km/h以下 Honda販売店または専門修理工場に到着するまで、空気圧の確認などを繰り返す。距離の数値は確認できなかった すみやかにマツダ販売店まで慎重に運転。距離の数値は確認できなかった すみやかに日産販売会社または専門の修理業者まで慎重に運転。距離の数値は確認できなかった(修理後に長期間の走行はできない)

「約100km以内」という数字は、今回確認した4社のうち、トヨタの取扱説明書にだけ書かれていました(NOAH・シエンタ・RAV4・ハリアー・ヤリス クロスで同じ)。ホンダ・マツダ・日産は、距離ではなく「速やかに」「到着するまで」といった書き方でした。動画では、トヨタの数字として「約100km以内」を紹介しましたが、他の車にそのまま当てはめることはできません。

国民生活センターも、補修作業後の走行の内容(距離や時間)や確認作業、指定の空気圧や応急修理ができない空気圧などは、車種や付属の応急修理キットによって異なると述べ、上限速度は80km/h以下で、道路交通法の制限速度内で走行するよう説明しています。また、キットには、修理剤と空気を同時にタイヤへ充填するタイプと、修理剤を先に入れてから空気を入れるタイプなどがあり、手順も違います。マツダCX-30の取扱説明書には、バルブコアを外して補修液のボトルを注入してから、コンプレッサーで空気を入れる手順も載っています。

走行中に異変を感じたら:トヨタの取扱説明書は、補修液を広げる走行中に、車がまっすぐ走らなかったりハンドルをとられたりするときは運転を中止し、タイヤがホイールから外れていないか、空気圧が130kPa未満になっていないか確認するよう求めています。130kPa未満の場合は、タイヤが大きなダメージを受けている可能性があるとしています。

4. 補修液の有効期限と、使ったあとのタイヤ

補修液には有効期限がある

トヨタの取扱説明書は、パンク補修液の有効期限の確認を定期的に行うよう求めています。有効期限はボトルに表示されていて、期限が切れたパンク補修液は、応急修理が正常にできない場合があるため使用しないこと、期限が切れる前に交換することが書かれています。ホンダ(ボトルの有効期限表示)、マツダ(ボトルのラベルの表示)、日産の取扱説明書にも、有効期限が切れたものは使えないとあります。

国民生活センターのアンケート(2018年実施・インターネット調査、自家用車所有者5,000人のうち、自分の車の装備が応急修理キットだと把握していた人)では、1,096人のうち、796人(73%)が、修理剤に有効期限があることを知りませんでした。同センターは、定期点検や車検のときに、修理剤の有効期限を確認するよう勧めています。また、補修液ボトル1本で修理できるのは、タイヤ1本につき1回です(トヨタ)。JAF Mate Onlineも、実際の車には基本的にタイヤ1本分の補修液しかなく、失敗したら応急修理できなくなる、と指摘しています。

使ったあとのタイヤは、修理できる?

応急修理をしたタイヤの扱いは、メーカーや案内によって表現が違いますが、「そのまま使い続けない」「専門店・販売店で見てもらう」という点は共通しています。

出典 記載の内容(要旨)
トヨタ 応急修理したタイヤの修理・交換は販売店に相談する。応急修理キットを使用したときは、タイヤのバルブを新品に交換する。補修液は環境に有害な物質を含むため、廃棄は販売店または許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼する
日産・マツダ できるだけ早く新しいタイヤに交換するのをすすめる(マツダ)。修理して再使用する場合は専門の修理業者と相談する。ホイールは付着した修理剤をふき取れば再使用できるが、バルブは新品に交換する
ダンロップ(公式FAQ) スペアレス車の応急パンク修理剤は「液体タイプ」は使えるが、「ムース(泡状)タイプ」はスポンジ付きタイヤには使えない。新車装着の応急パンク修理液を使用した場合、その後のタイヤの修理・継続使用はできない。使用後は必ず新品のタイヤに交換する
ブリヂストン(タイヤの解説ページ) 修理キットの使用後は、修理もしくは交換の必要があるので、必ずタイヤ専門店等で見てもらう。修理可能な状態でも交換が必要になるケースがあり、自分で判断しない
国民生活センター 一時的な応急用で、パンクを完全に補修するものではない。一度使うとタイヤ自体の交換が必要になる可能性がある。テストでは、補修後のタイヤとホイールの間に、充填した修理剤が液体のまま付着していた

ダンロップの記載は、スポンジ付きタイヤに関するQ&Aの中にあるもので、他社のタイヤにそのまま当てはまるとは限りません。使ったタイヤを修理できるかどうかは、タイヤ専門店やディーラーの判断になります。パンク修理より費用がかかる場合があることも、国民生活センターは指摘しています。

5. 不安なとき・高速道路・危険な場所では

JAF Mate Onlineによると、2021年度のJAFロードサービスの出動件数のうち、タイヤのパンク・バーストや空気圧不足(二輪と四輪の合計)は401,290件で、バッテリーのトラブルに次いで2位、全体の約19%でした。パンクは、誰の車にも起こりうるトラブルです。

JAFのユーザーテストのまとめは、作業に不安を感じたり、安全な環境が確保できないという場合は、無理をせずJAFへの救援要請をおすすめするとしています。テストに参加したモニターからも、「実際にいつパンクするか分からないので、外出先で作業をするのは不安」という声がありました。JAF Mate Onlineは、高速道路や幹線道路など、作業に危険が生じる場合も、救援要請を勧めています。

項目 内容
JAFのパンク対応(会員) パンク応急修理(会員無料)、または最寄りの修理工場等へのけん引・搬送(20kmまで会員無料)。応急修理はタイヤ外側から行う外面修理(ゴム栓を詰める方法)で、後日、タイヤ専門店等で点検を受ける。タイヤの状態やパンクの状態によっては、作業を断る場合がある(JAFのFAQ。2026年8月更新)
応急修理ができないタイヤトラブル 四輪車は、会員向けのタイヤ貸し出しサービスがある(貨物車は対象外、タイヤのサイズなどで利用できない場合がある)
高速道路(ブリヂストンの案内) 高速道路でパンクした場合、近くにサービスエリアがあれば入り、自分でスペアタイヤに交換するか、ロードサービスに連絡する。修理キットは高速走行には適していないため使用しないよう案内している

高速道路上で故障・パンクして止まったときの動き(非常電話の設置間隔、#9910、停止表示の義務など)は、別の記事でまとめています。高速の非常電話は何mおき?本線1km・トンネル200mの根拠と、運用停止・#9910の使い分けもあわせてご覧ください。

6. よくある質問

Q. 刺さった釘は、抜いたほうがよいですか?

A. 確認したトヨタ・ホンダ・マツダ・日産の取扱説明書は、いずれも抜かずに応急修理するよう案内しています。抜くと穴が大きくなり、応急修理ができなくなることがあるためです。JAFのテストでも、異物を抜くと応急修理できませんでした。ただし、パンクしたまま走り続けるのは避け、安全な場所に止まってからキットを使うかロードサービスを呼びます。

Q. 釘を抜いてしまったら、キットは使えませんか?

A. 穴の大きさや位置によっては、補修液が漏れてうまく修理できないことがあります。トヨタの取扱説明書は「応急修理ができなくなることがある」、国民生活センターは「補修ができない」と述べています。使えるかどうかは状況によるため、補修液が漏れ続けるなどの様子があれば、無理に繰り返さず、JAFなどに連絡してください。

Q. 直したあと、何km/hで何kmまで走れますか?

A. 車種・キットによって違います。トヨタの取扱説明書(NOAHなど)では、補修液を広げるために約5km、そのあと販売店まで約100km以内で、いずれも80km/h以下です。ホンダ・マツダ・日産の取扱説明書にも80km/hの記載がありますが、距離は「10分または5km」「3km程度」のように書き方が違い、販売店までは「速やかに」などの書き方です。自分の車の取扱説明書で確認してください。

Q. 応急修理したタイヤは、そのまま使い続けられますか?

A. 使い続けるのは避け、できるだけ早く販売店やタイヤ専門店で見てもらってください。国民生活センターは、使うとタイヤ自体の交換が必要となる可能性があると述べ、ダンロップは、スポンジ付きタイヤに関するFAQで、新車装着の応急パンク修理液を使った場合の修理・継続使用はできないとしています。ブリヂストンも、使用後は修理もしくは交換の必要があるとしています。

Q. 補修液の有効期限は、どこで確認できますか?

A. ボトルに表示されています(トヨタ、ホンダ、マツダの取扱説明書)。期限が切れた補修液は使えません。定期的に確認し、切れる前に販売店で交換してください。

まとめ

パンク応急修理キットの落とし穴を整理します。(1)刺さった釘やネジは抜かない。確認した4社の取扱説明書がそろって、抜かずに修理するよう案内しています。(2)側面の損傷、2本以上のパンク、約4mm以上の傷(日産の旧型NOTEのウェブ版は約6mm以上)、補修液の期限切れなどは、キットでは直せません。(3)直したあとは、ただちに走って補修液を広げ、空気圧を再確認します。4社とも「80km/h」が出てきますが、距離・時間の書き方は違い、「約100km以内」はトヨタの取扱説明書にあった数字です。(4)補修液には有効期限があり、使ったタイヤは販売店・専門店で見てもらいます。

動画で紹介した数字は、トヨタの取扱説明書のとおりでした。ただ、車によって数字が違うからこそ、いざというときに慌てないよう、自分の車の取扱説明書で、キットの場所・使い方・補修液の有効期限を前もって確かめておくことが、いちばんの備えになります。不安なときは、無理をせずロードサービスを使いましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。応急修理キットの手順・数値は、車種・年式・キットの種類によって異なり、取扱説明書の改訂で変わることもあります。必ずお車の取扱説明書とキット本体の表示をご確認ください。作業に不安がある場合や、安全な場所を確保できない場合は、無理をせずJAFなどのロードサービスへ連絡してください。記載内容は2026年10月17日に確認したものです。

参考(取扱説明書・公的機関・JAF・タイヤメーカー): トヨタ NOAH 2025.09〜 取扱説明書 パンクしたときは(タイヤパンク応急修理キット装着車)/トヨタ ヤリス クロス HEV 2026.08〜 取扱説明書/トヨタ シエンタ 2026.08〜 取扱説明書/Honda N-BOX 2024 取扱説明書 パンクしたとき/Honda CIVIC 2025 取扱説明書 パンクしたタイヤの応急修理/マツダ CX-30 取扱説明書 タイヤパンク応急修理キットについて/同 使いかた/日産 NOTE 取扱説明書(2210版)/日産 NOTE(E12型)ウェブ版取扱説明書/日産 リーフ ウェブ版取扱説明書/JAFユーザーテスト「パンク応急修理キットでどこまで修理できる?」/JAF Mate Online 「JAFユーザーテスト パンク応急修理」/JAF FAQ「スペアタイヤが搭載されていない車がパンクした場合、ロードサービス可能ですか。」/国民生活センター「自動車のタイヤパンク発生時の対応方法に注意」(報道発表資料PDF)/ブリヂストン タイヤがパンクしたらどうすればいい?/ダンロップ よくあるご質問

図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。実際のタイヤの構造や、キットの形・手順は車種によって異なります。

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