Photo: Tokumeigakarinoaoshima / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0
トヨタ センチュリーは、1967年から製造・販売されている、トヨタ最上級のショーファー・ドリブン・カー(運転手付きで乗る車)です。日本国内の官公庁・企業での公用車・社用車を主な用途として、後部座席の広さや乗降のしやすさを重視した作りが特徴です。中古車では、初代(1967年〜1997年)・2代目(1997年〜2017年)・3代目(2018年〜)があり、パワートレインが大きく異なります。この記事では、世代ごとの違い、確認したい注意点を、公開情報をもとに整理しました。
📋 この記事の要点
✔ 初代(VG20系〜VG40系)は1967年〜1997年。30年間フルモデルチェンジなしで生産された
✔ 2代目(GZG50型)は1997年〜2017年。日本製市販乗用車で初めて、V型12気筒エンジン(1GZ-FE型・5.0L・280PS)を搭載
✔ 3代目セダン(UWG60型)は2018年6月22日発売。V8 5.0L(2UR-FSE型)のハイブリッドで、システム最高出力は431PS
✔ 2023年9月にSUVタイプ(GRG75型)を追加。3.5L V6のプラグインハイブリッドで、電気式四輪駆動「E-Four Advanced」
✔ 2025年10月に、トヨタが、センチュリーを独立したブランドとして育てていく方針を発表した(公式サイトでは、現在もトヨタの車種として案内されている)
1. 世代の早見表
📊 センチュリーの世代別早見表
| 世代・型式 | 販売時期 | パワートレイン | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 初代 VG20系〜VG40系 | 1967年9月発表(11月発売)〜1997年4月 | 3V型OHV 3.0L→4V型 3.4L→5V-EU型 4.0L(排出ガス対策等で排気量拡大) | 1997年まで30年間、フルモデルチェンジなし。1982年の大規模マイナーチェンジで、フロントサスペンションをダブルトレーリングアームからマクファーソンストラットに改め、構成部品を簡便化。1989年にリムジン、1990年にロングボディを追加 |
| 2代目 GZG50型 | 1997年4月〜2017年 | 1GZ-FE型 V型12気筒 5.0L・280PS(日本製市販乗用車で初のV12)。2005年1月に6速AT。2003年1月に圧縮天然ガス(CNG)仕様を追加(2005年に廃止) | 初代のデザインテイストをほとんど踏襲。片バンクの6気筒に不具合があっても、残りの6気筒で走行できる設計、ブレーキなど走行機器の多くを2重系統化。フェンダーミラーを標準採用(フロアシフト車に限り、ドアミラーをオプション)。2017年2月4日に販売終了 |
| 3代目 セダン UWG60型 | 2018年6月22日〜 | V型8気筒 5.0L(2UR-FSE型)+ハイブリッド(2段変速リダクション機構付THS-II)。システム最高出力431PS(317kW) | 4代目レクサスLS(ロングボディ)用のプラットフォームを、センチュリー用に最適化。AVS機能付電子制御エアサスペンション。全車ドアミラー。JC08モード燃費は、先代の7.6km/Lから13.6km/Lに(トヨタ公式の現行の数値は、WLTCモードで11.2km/L)。2025年12月1日に「Toyota Safety Sense」を強化 |
| 3代目 SUV GRG75型 | 2023年9月6日に初公開〜 | 3.5L V型6気筒(2GR-FXS型)+フロント・後輪側e-Axleのモーター=PHEV、電気式四輪駆動「E-Four Advanced」 | GA-Kプラットフォームを、重量増加に対応した専用品で採用。セダンの縦置きFRとは異なる横置きFF。2025年6月23日に、リアドアガラスとリアクォーターガラスに3段階調光機能付プライバシーガラスを採用。正式名称はセダンと同じ「センチュリー」で、トヨタ公式では「SUV」という呼称は用いていない |
※表は横にスクロールできます
📌 補足
センチュリーは、2代目までの内外装にトヨタのCIマーク(三つの楕円)を使わず、「鳳凰」のオーナメントを使用。3代目でも同様です。また、皇室の御料車専用車種「センチュリーロイヤル」(2代目ベース)もあります。2025年10月には、センチュリーを独立したブランドとして育てていく方針と、クーペのコンセプトが披露されました(クーペの発売時期は、公式では確認できていません)。年月・数値は日本語版Wikipediaの記述に基づきます。
2. 世代・用途別の選び方
📊 目的別の選び方
| 重視すること | 考え方の目安 |
|---|---|
| V型12気筒の味わい | 2代目(1997年〜2017年)。日本製市販乗用車で初のV型12気筒(5.0L・280PS)。整備に対応できる工場と、部品の入手性を、購入前に確認 |
| 燃費・最新の安全装備 | 3代目セダン(2018年〜)。V8 5.0L+ハイブリッド、システム最高出力431PS。「Toyota Safety Sense」を、センチュリーで初めて採用(2018年)。2025年12月の改良で、機能が強化 |
| 広い室内・電動化 | 3代目のSUVタイプ(2023年〜)。PHEV、電気式四輪駆動。2025年6月に、調光機能付プライバシーガラスを採用 |
| クラシックなセンチュリーを楽しむ | 初代(1967年〜1997年)。30年間の生産で、細部の改良が多い(1982年に足回り・操舵系の構成が簡便化)。年式相応の整備・部品調達の見通しが重要 |
| オーナー自身で運転したい | 運転席は質感より実用性を重視した作りと記載。2代目は、ショーファードリブン時とオーナードリブン時とで走行性能を切り替える機能もある。試乗で、運転席・後席の両方の乗り味を確認 |
| 公用車・法人用途の使用歴 | 公用車・社用車として使われた個体は、使用歴・整備記録が残っていることが多い(個体差)。法人所有だった個体の、走行距離・整備歴を確認 |
💡 ポイント
センチュリーは、運転手が運転し、後席に乗る使い方を想定した車です。後席の乗り心地・装備(オットマン、VIPシートなど)の作動を、後席に実際に座って確認するのが、他の車種とは違う大切なポイントです。
3. 弱点・注意したいポイント
📊 注意したいポイント
| 項目 | 内容 | 購入前の確認方法 |
|---|---|---|
| 整備できる工場・部品の入手性 | 専用設計のボディ・内装や、V12(2代目)などの特殊なパワートレインは、対応できる整備工場が限られることがある。初代は、初期に複雑なメカニズム(エアサスペンション、特殊な操舵系)を採用し、整備性の悪化を招いたと記載 | トヨタ正規ディーラー・レクサス系列など、対応可能な整備先が近くにあるか、部品の入手性を、販売店に確認 |
| エアサスペンション・電子制御サスペンション | 3代目は、AVS機能付電子制御エアサスペンション。初期の初代にも、エアサスペンションを組み込んだトレーリングアーム式があった。乗り心地・車高の作動は、個体の状態で異なる | 車高の変化・乗り心地・警告灯を、試乗で確認。整備記録簿での点検歴 |
| ハイブリッド・PHEVの電池 | 3代目セダン(ハイブリッド)、SUV(PHEV)は、駆動用電池の保証・状態が、走行性能と維持費に影響する | 保証内容・残り期間、交換歴、充電(PHEV)の状態を確認 |
| 後席装備・内装 | 本木目パネル・本革シート・オットマンなど、手作業で作られた内装が使われる。使用歴や保管状態で、傷み方が異なる | 後席のオットマン・VIPシート・空調・電動装備の作動、内装の傷み・臭いを確認 |
| 塗装・外装の状態 | 3代目の塗装は、7層の塗装を含む手作業の工程で、40時間をかけると記載。補修の内容・状態で、見た目や再現性が異なる可能性がある | 塗装の艶・ムラ・補修跡、事故歴・修復歴を確認 |
| 2代目のCNG仕様(2003年〜2005年) | 官公庁向けに追加された圧縮天然ガス仕様(1GZ-FNE型)。2005年に廃止された仕様と記載 | CNG仕様の場合は、燃料タンクの検査・燃料補給の環境を確認 |
| リコール・改善対策 | トヨタ公式のリコール等情報に、セダンは低圧燃料ポンプ(2020年10月・2023年11月)と緊急通報装置(2021年9月)、新型はメーター表示(2025年7月)とパノラミックビューモニター(2025年10月)の届け出がある。対象は車台番号ごとに異なる | 車台番号で、国土交通省・トヨタのリコール検索、ディーラーに確認 |
⚠️ 注意
「センチュリーだから高品質で安心」と決めつけず、整備記録・使用歴・後席装備の作動を確認できる個体を選んでください。対応できる整備先が近くにあるかも、購入前に確認しておくと安心です。
4. 購入前チェックリストと、進め方
📝 実車を確認するときのチェックリスト
☑️ 整備記録簿・点検記録簿の有無と内容を確認した
☑️ 対応可能な整備工場・部品の入手性を確認した
☑️ 事故歴・修復歴の有無を確認した
☑️ 後席装備(オットマン、VIPシート、空調など)の動作を確認した
☑️ ショーファー使用歴(法人所有・運転手常駐・公用車など)と、走行距離を確認した
☑️ エアサスペンションの作動、車高・乗り心地・警告灯を確認した
☑️ 3代目は、ハイブリッド/PHEVの駆動用電池の保証・状態を確認した
☑️ 車検の残り期間と、次回車検の費用の見積もりを確認した
🧭 購入の進め方
世代と予算の目安を決める
V12の味わい(2代目)、最新の安全装備・燃費(3代目)、電動化(SUV)などを考えます。
候補を複数探し、条件をそろえて比べる
同じ世代・グレード・走行距離で、使用歴と整備状態を比べます。
後席に座って、実車確認と試乗をする
チェックリストに沿って、後席装備・乗り心地を含めて確認します。
総額で判断する
車両価格+諸費用+次回車検・整備の費用を比べます。
5. 維持費の考え方
📊 維持費の主な項目
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 自動車税(種別割) | 排気量ごとに税額が決まる。5.0L(2代目・3代目セダン)と3.5L(SUV)で区分が異なる。具体額は、当サイトの税額表の記事で確認(登録時期によって扱いが異なる場合がある) |
| 車検費用 | 法定費用に、車検基本料金・整備費用が加わる。大型・大排気量の車は、重量税や整備費用も高めになる傾向がある。詳しくは普通車の車検費用の記事を参照 |
| 整備・部品代 | 専用設計のボディ・内装や、特殊なパワートレインのため、一般的な国産車より高くなる傾向がある。対応できる整備先の確認も大切 |
| 燃料代・任意保険 | 3代目セダンのJC08モード燃費は13.6km/L(先代の7.6km/Lから改善)と記載。保険は、型式・等級・使用状況で異なるため、複数社で見積もりを比較 |
6. ライバル・比較したい車
📊 ライバル・関連車種
| 車種 | 位置づけ | 詳しいガイド |
|---|---|---|
| メルセデス・ベンツ Sクラス | 輸入車のフラッグシップセダンとして、比較される。輸入車のため、整備・部品・保証、正規ディーラー車か並行輸入車かの確認が大切 | Sクラス中古車ガイド |
| BMW 7シリーズ | 輸入車のフラッグシップセダンとして、比較される。Sクラス同様、整備・部品・保証の確認が大切 | 7シリーズ中古車ガイド |
| レクサス LS | 3代目センチュリー(セダン)は、4代目レクサスLSのプラットフォーム・パワートレインをベースにしたと記載 | レクサスLS中古車ガイド |
| トヨタ クラウン | 同じトヨタの、歴代のクラウンと比べる場合 | クラウン中古車ガイド |
7. よくある質問
🛠 リコール情報の確認先(公的・公式)
この記事で紹介しているリコールは、公開情報のうち確認できたものに限られます。中古車を選ぶときは、車検証の車台番号で、対象のリコール・改善対策が実施済みかを、次のページで確認しましょう。
| トヨタ公式(車台番号検索) | 車台番号を入力して、対象・実施状況を確認できます |
| 国土交通省「リコール情報検索」 | 車名・型式などから、届出されたリコール情報を検索できます |
| 国土交通省「車台番号検索ページ一覧」 | 各メーカーの、車台番号での検索ページにまとめてアクセスできます |
| 日本自動車整備振興会連合会「リコール情報検索」 | メーカーと車台番号を入力して検索できます |
まとめ
センチュリーは、初代・2代目(V12)・3代目セダン(V8ハイブリッド)・SUV(PHEV)と、世代でパワートレインが大きく異なります。整備記録・使用歴、後席装備の作動、対応できる整備先、駆動用電池の保証を確認しましょう。後席に座って試乗し、条件をそろえて候補を比べ、実車確認と総額で選ぶのが、失敗しないコツです。
※世代・年式・仕様は、日本語版Wikipedia等の公開情報をもとに2026年10月時点で整理したものです。グレード・年式・個体ごとに装備や状態は異なります。中古車の価格は状態・地域・時期で大きく変わるため、当サイトでは特定の金額を断定していません。購入前に、販売店・メーカー公式情報で最新の内容をご確認ください。


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