台風で車庫から車が出し入れできないときの対処法

台風の強風で車庫のシャッターが変形したり、停電で電動ゲートが動かなくなったり、出入口に倒木がかかったり、周辺道路が冠水したりして、「車を出せない」「入れられない」状況になることがあります。この記事では、シャッターメーカー・気象庁・JAF・国土交通省などの公開情報をもとに、状況ごとの対処と、やってはいけないことを整理しました(2026年9月25日確認)。

📋 この記事の要点

✔ 電動シャッターは、非常開放機構がある製品なら、停電時に手動で開けられる。ただし、サイズや仕様によっては非常開放機構がなく、手動で開けられないものがある(YKK AP)

✔ 停電時の手動操作は、高所・暗所の作業で危険が伴う。緊急でなければ、復旧を待つ(文化シヤッターサービス)

✔ 気象庁の風の表では、平均風速20〜25m/sで「何かにつかまっていないと立っていられない」「飛来物によって負傷するおそれがある」。嵐の最中の屋外作業は避ける

✔ 道路上の倒木は、道路緊急ダイヤル「#9910」へ。私道は対象外(政府広報オンライン)

✔ 水位が上がってからの自動車避難は大変危険。冠水路に遭遇したら、安易に進入せず迂回する(JAF)

1. まず、状況を見極めて、無理をしない

車庫から車が出せないとき、多くの人が「何とかして動かそう」と考えがちですが、台風の最中や直後は、無理な作業そのものが危険です。状況ごとに、最初にすることを整理しました。

📊 状況別の最初の対応

状況 まずすること 避けたいこと
強風・暴風の最中で、扉やシャッターが変形・動かない 嵐が収まるまで、屋外・車庫周辺での作業を見合わせる。気象庁の風の表では、平均風速20〜25m/sで、何かにつかまっていないと立っていられず、飛来物によって負傷するおそれがある 力ずくでこじ開けようとする。強風の中でシャッターや扉に近づく
停電で電動シャッター・ゲートが動かない 取扱説明書を確認し、手動への切り替えが可能かを確認する。緊急でなければ、停電の復旧を待つ(文化シヤッターサービスの案内) 無理な体勢・暗い中での作業。一次側の電源を切らずに作業する
出入口に倒木や障害物がある 敷地外の道路上であれば、道路緊急ダイヤル「#9910」へ。私道は対象外(政府広報オンライン) 電線や電柱がからんでいる木に近づく
車庫の周辺が冠水している 無理に車を出さない。JAFは、冠水路は水深や水中の様子が分からないため、安易に進入せず迂回するよう案内している 冠水した道へ車を出す
電線が垂れ下がっている 近づかない。電力会社へ連絡する(産業保安監督部・九州電力送配電の案内) 触れる、近づく、自分で除去する

2. 電動シャッター・電動ゲートが停電で動かないとき

電動式のシャッターは、製品によっては、停電時に手動へ切り替えられます。ただし、操作方法は製品ごとに異なり、手動で操作できない製品もあります。メーカーの公式案内で確認できた内容を整理します。

📊 メーカー公式の案内(停電時の電動シャッター)

項目 メーカー公式の案内
手動で開けられるか YKK APは、非常開放機構があるシャッターなら、手動で開けることが可能で、室内側にある非常開放機構を操作して手動へ切り替えるとしている。操作方法は商品ごとに異なり、商品名は室内側の下部にある商品ラベルで確認する
手動で開けられないもの YKK APは、サイズや仕様により、非常開放機構のないシャッターがあり、その場合は手動で開けることはできない、非常開放機構は後付けできない、としている。文化シヤッターサービスも、一部の製品は手動で操作できない場合があるとしている
手動錠(座板の錠) YKK APは、シャッターの座板の手動錠をロックしている場合は、ツマミを操作して解除してから、シャッターを開けるとしている
作業の危険性 文化シヤッターサービスは、停電時の操作は高所で暗いところの作業となり危険が伴うため、緊急必要時以外は停電復帰を待つようにとしている。やむを得ず操作する場合は、足場と照明を確保し、墜落・転落事故を予防する
作業前の確認 文化シヤッターサービスは、操作の前に必ずシャッターの一次側電源を切る、シャッターの下に人や物がないことを確認する、操作が終わるまで他の人が押しボタンスイッチを操作しないよう周知する、としている
一部商品の注意 YKK APは、一部の商品について、シャッターが全閉の場合に、非常開放の操作でシャッターカーテンが急激に巻き上がりケガをするおそれがあり、大きな音が発生するが異常ではない、としている
停電が復旧したとき 文化シヤッターサービスは、停電が復旧した際は、必ず手動操作から電動操作へ切り替えるとしている。切り替えないと、復旧しても電動でシャッターが動かなくなる

🧭 停電時の手動操作の流れ(メーカーの案内をもとにした整理)

1

取扱説明書と商品ラベルを確認する

お使いの製品の型番を、室内側のラベルなどで確認し、取扱説明書の停電時の項目を読みます。

2

一次側の電源を切る

操作の途中で停電が復旧する場合があるため、メーカーの案内に従って、操作前に一次側電源を切ります。

3

足場と照明を確保し、下に人や物がないかを確認する

暗い場所や高所での作業は、墜落・転落の危険があります。無理だと感じたら、作業を中止します。

4

取扱説明書の手順で、手動に切り替える

製品ごとに手順が異なるため、必ず取扱説明書またはメーカーの案内に従います。

5

停電の復旧後は、手動から電動へ戻す

戻さないと、電動で動かなくなります。

6

迷う・異常を感じる場合は、メーカーや施工業者に連絡する

文化シヤッターサービスは、地震時の停電ではシャッターが損傷していることもあり、少しでも異常を感じたり不明な点があれば、問い合わせるよう案内しています。

⚠️ メーカーごとに手順・条件が異なります

ここで示したのは、YKK AP・文化シヤッターサービスの案内で確認できた内容です。他社製品や、住宅用のガレージ・ゲートは、手順が異なります。必ず、お使いの製品の取扱説明書・メーカーの案内に従ってください。

3. 出入口の倒木・障害物への対応

📊 倒木・障害物の連絡先

状況 連絡先・対応 出典・補足
道路上(国道・都道府県道・市区町村道)の倒木や落下物 道路緊急ダイヤル「#9910」(全国共通・24時間受付・無料)。LINEでの通報も可能 国土交通省、政府広報オンライン。都道府県等が管理する道路では、夜間・土日祝は早急に対応できない場合もある(国土交通省)
私道・自宅敷地内の倒木 #9910の対象外(政府広報オンライン)。所有者・管理者、お住まいの自治体の窓口、専門の業者などへ相談する 具体的な窓口は、自治体ごとに異なるため、確認できた公的資料は限られる
倒木が電線や電柱にかかっている 近づかず、電力会社へ連絡する 切れた電線には電気が流れている可能性がある(九州電力送配電)。感電するおそれ(産業保安監督部)
事故が起きた・人がけがをした 警察(110番)へ連絡する 国土交通省は、事故情報は警察へ連絡するよう案内している

📌 確認できなかった点

自宅の敷地内にある大きな倒木の撤去や、費用の負担について、公的機関の統一的な案内は、今回確認できませんでした。お住まいの自治体の窓口などにご確認ください。

4. 周辺が冠水しているとき、車を出す?出さない?

車庫の周辺が冠水しているとき、「車を高い場所へ移したい」と考える方もいますが、水位が上がってからの車での避難は大変危険です。JAF・国土交通省・気象庁の情報を整理します。

📊 冠水時の判断に使える公的情報

情報 内容 出典
冠水路の走行 冠水した道路は、見た目だけでは水深をはかれず、思いのほか深いことがある。運転席にいる限り、床面以上の水深でも、ただちには浸水してこないため、危険を察知するころには車が浮いて動かなくなり、エンジンが停止して立ち往生することがある JAF「台風・大雨時のクルマに関する注意点」
水位が上がってからの車避難 水位が上がってからの自動車避難は大変危険なため、控える。水位が上がり始める前に避難することが重要 JAF(同上)
水深とドア 水深がドアの下端にかかると、車外の水圧により内側からドアを開けることが困難になり、ドア高さの半分を超えると、内側からほぼ開けられなくなる 国土交通省「水深が床面を超えたら、もう危険!」
雨の強さ 1時間雨量が50〜80mm(非常に激しい雨)では、水しぶきで視界が悪くなり、車の運転は危険 気象庁「雨の強さと降り方」
警戒レベル レベル4は「危険な場所から全員避難」、レベル5は「命の危険、直ちに安全確保」 気象庁「気象警報・注意報」

💡 移動が必要なときの考え方

車を出せない、または出さないと決めたときは、車以外の手段を検討します。家族・近隣の協力を得る、公共交通機関の運行状況を確認するなどが考えられます。運行状況は台風の進路や規模で変わるため、事業者の公式情報で確認してください。

5. 車庫のトラブルに備えるチェックリスト、参考リンク

📝 台風シーズン前のチェックリスト

☑️ 電動シャッター・ゲートの取扱説明書を保管し、停電時の手動操作の手順を確認した(非常開放機構の有無も確認)

☑️ 手動錠のロックの解除方法を確認した

☑️ シャッター・ゲートの動作確認と、異常の有無を点検した

☑️ 車庫周辺のハザードマップ(洪水・土砂災害・高潮)を確認した

☑️ 車庫が冠水しやすい場所かどうかを把握している

☑️ 出入口付近に、飛びやすい物(植木鉢・ゴミ箱など)を置かない

☑️ JAFのロードサービスなど、車両トラブル時の連絡先を控えた

6. よくある質問

Q. 停電で電動シャッターが動かないとき、必ず手動で開けられますか?

A. いいえ。YKK APは、サイズや仕様により、非常開放機構のないシャッターがあり、その場合は手動で開けられない、非常開放機構は後付けできない、としています。文化シヤッターサービスも、一部の製品は手動で操作できないとしています。お使いの製品の取扱説明書で確認してください。

Q. 強風の中、シャッターや扉を無理に動かしてもよいですか?

A. 避けてください。気象庁の風の表では、平均風速20〜25m/sで何かにつかまっていないと立っていられず、飛来物によって負傷するおそれがあるとされています。嵐が収まるのを待ってから、状況を確認しましょう。

Q. 周辺が冠水しているとき、車を高い場所に移したほうがよいですか?

A. JAFは、水位が上がってからの自動車避難は大変危険なため控えるよう案内し、水位が上がり始める前に避難することが重要としています。すでに周辺が冠水している場合は、安易に進入せず、無理に車を出さない判断をしてください。

Q. 出入口に倒木があるとき、自分で撤去してもよいですか?

A. 公的資料で、一般の方が撤去してよい条件を示したものは確認できませんでした。電線や電柱がからんでいる場合は、感電のおそれがあるため、絶対に近づかず、電力会社へ連絡してください。道路上の倒木は「#9910」へ通報できます。

まとめ

台風で車庫から車が出し入れできないときは、無理に力技で動かそうとせず、状況を見極めることが大切です。電動シャッターは、非常開放機構があれば停電時に手動で開けられますが、製品によってはできず、作業自体に危険が伴います。倒木は「#9910」へ、電線は電力会社へ、周辺が冠水しているときは、無理に車を出さない判断も含めて、安全を最優先にしましょう。

※本記事は、メーカー・気象庁・JAF・国土交通省などの公開情報を整理した一般的な情報提供です。シャッターやゲートの操作は、製品ごとに異なり、危険を伴う場合があります。必ず取扱説明書・メーカーの案内に従い、判断に迷うときは施工業者・メーカーへご相談ください(2026年10月時点)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました