セルフスタンドでの給油、正しい手順と注意点

セルフ式のガソリンスタンドは、自分で給油する分、料金を抑えられる一方、ガソリンという危険物を、ドライバー自身が扱うことになります。この記事では、JAF・消防庁・東京消防庁の公表情報をもとに、給油の手順、ノズルの色、静電気対策、油種の入れ間違いへの対処、セルフスタンドでやってはいけないことを整理しました。確認できなかった点は、その旨を明記しています。

📋 この記事の要点

✔ ガソリンは、マイナス40℃でも気化する危険物。気化したガスは空気より重く、低い所にたまり、離れた火元でも引火するおそれがある(JAF)

✔ 給油前にエンジンを止め、給油機の静電気除去シート(なければ車の金属部分)に触れて、静電気を取り除く

✔ ノズルの色は、レギュラーが赤、ハイオクが黄、軽油が緑(JAFの案内)。色を確認してから給油する

✔ 給油が自動停止した後の「注ぎ足し」は、吹きこぼれのおそれがあるため、しない(東京消防庁・JAF)

✔ 油種を間違えたときは、エンジンをかけずに、スタッフやJAFに連絡する。携行缶へのガソリンの給油は、セルフスタンドではできない

1. セルフスタンドの仕組みと、ガソリンの危険性

消防庁によると、ドライバーが自分で給油するセルフスタンドは、平成10年(1998年)4月から認められた、比較的新しい形態です。一定の安全対策をとることで、従来のフルサービススタンドと同等の安全性を確保できることが確認され、導入されました。セルフスタンドでは、店舗側が給油の状況を監視し、給油できる状態にする操作を行います。

📊 セルフスタンドの仕組み(消防庁の通知より)

項目 内容 出典
店舗側の役割 制御卓で、顧客の給油作業を直視またはモニターカメラで監視する。火気がないことなどを確認し、給油の許可スイッチで、給油できる状態にする。インターホンで必要な指示も行う 消防庁の通知(消防危第25号、平成10年3月13日)
監視する人 危険物取扱者の立会いとして行う。監視する者は甲種または乙種の危険物取扱者であることが必要(複数で監視する場合は、うち1名が危険物取扱者) 同上
給油量・時間の上限 通知では、標準として、ガソリン60リットル、軽油100リットル、給油時間4分とされている。実際の設定は、店舗ごとに異なる場合がある 同上(「標準」として示された数値)
誤給油の防止 ガソリンと軽油の誤給油を、有効に防止できる構造とすることが求められている 同上

📊 ガソリンが危険な理由

ガソリンの性質 内容 出典
気化しやすさ マイナス40℃という低温でも気化する、爆発性の高い物質 JAF
気化したガスの動き 空気より重く、地面付近やくぼみにたまりやすい。離れた場所にある火元でも引火するおそれがある JAF
給油中の気化 目に見えなくても、給油中は常に気化している。あふれた場合は、一度に大量に気化するため、特に注意が必要 JAF
静電気 静電気の火花が、給油口から出るガソリン蒸気に引火して事故につながるおそれがある JAF、東京消防庁、消防庁

📌 セルフスタンドの火災について

消防庁の資料(消防の動き 2014年12月号)は、セルフスタンドの火災の発生割合がフルサービススタンドに比べて高いことから、平成19年(2007年)に危険物の規制に関する規則を改正し、給油ノズルの静電気除去構造や、吹きこぼれたガソリンが顧客に飛散しない措置などを求めたと説明しています。ドライバー側の注意が大切な理由でもあります。

2. 給油の手順(静電気対策から給油完了まで)

JAFと東京消防庁の案内をもとに、給油の手順をまとめます。給油機の画面に手順が表示される場合は、その指示にも従ってください。

🧭 セルフスタンドでの給油手順

1

白線などで示された場所に停車し、エンジンを止める

東京消防庁は、白線などで示された場所に停車し、必ずエンジンを停止するよう案内しています。

2

窓とドアを閉める

JAFの案内。給油口を開ける前に、窓とドアを閉めておきます。

3

静電気除去シートに触れる

給油キャップを開ける前に、給油機の静電気除去シートや、車の金属部分に触れて、体にたまった静電気を取り除きます。静電気は、給油口から出るガソリン蒸気への引火の原因になるためです(JAF、東京消防庁)。

4

給油の油種を確認して、ノズルを取る

車の給油口付近や取扱説明書で、指定の燃料を確認します。給油機に表示された油種と、ノズルの色を確かめてから、ノズルを持ち上げます。

5

ノズルを給油口の奥まで差し込み、レバーを握る

東京消防庁は、ノズルを給油口の奥まで差し込み、レバーをしっかり握って給油するよう案内しています。JAFも、レバーを止まるまで引くとしています。

6

自動で止まったら、そこで終える

満タンになると、給油は自動で止まります。自動停止の後に「注ぎ足し」をすると、燃料が吹きこぼれることがあるため、しません(東京消防庁・JAF)。

7

ノズルを戻し、給油キャップを閉める

給油が終わったら、給油キャップの置き忘れに注意します(東京消防庁)。

8

料金を精算する

給油機や精算機の案内に従います。

⚠️ 子どもを近づけない

JAFは、給油作業中は、子どもが近づかないよう注意することを案内しています。同乗者にも、給油中に車の外へ出て給油機の周りを動き回らないよう伝えておきましょう。

3. ノズルの色と、油種の見分け方

JAFは、セルフスタンドでは油種を間違えないよう、ノズルの色が決められていると案内しています。給油の前に、色を必ず確認してください。

📊 ノズルの色と油種(JAFの案内)

油種 ノズルの色 主な使用先 ポイント
レギュラーガソリン 赤 ガソリン車(オクタン価が低いガソリン) 車の指定が「無鉛レギュラー」の場合
ハイオクガソリン 黄 ガソリン車(オクタン価が高いガソリン) 車の指定が「無鉛プレミアム(ハイオク)」の場合
軽油 緑 ディーゼル車 「軽」の字が入っていても、軽自動車用の燃料ではない

※表は横にスクロールできます

📌 軽自動車の燃料は、すべてガソリンです

JAFは、軽自動車は、名前が似ている「軽油」と間違えて給油されるケースがあると注意しています。軽自動車の燃料は、すべてガソリンです。車の大きさと燃料の種類には、直接の関係がありません。

📌 確認できなかった点

ノズルの色分けについて、JAFは「法令で定められている」と案内していますが、根拠となる条文までは、公式資料で確認できませんでした。実際のスタンドでは、給油機の油種表示も併せて確認してください。

4. 油種を入れ間違えたときと、あふれたときの対応

油種の入れ間違いで、特に重要なのは、エンジンをかけないことです。JAFは、エンジンを始動する前に、速やかに燃料を入れ替え、タンクを洗浄することが重要と説明しています。

📊 誤給油で起こることと、対処

入れ間違い 起こりうる症状 対処(JAF)
ガソリン車に軽油 軽油はガソリンエンジンで燃えにくいため、出力が下がり、加速が鈍くなる。軽油の割合が高くなると、黒い排気ガスが出て、やがてエンジンが止まる 始動前なら、そのままエンジンをかけず、スタッフやJAFに連絡。燃料の入れ替えとタンクの洗浄が必要
ディーゼル車にガソリン 力がなくなり、エンジン音が高くなり、白い排気ガスが出て、エンジンが止まる。ガソリンには潤滑性がないため、ポンプやノズルの交換が必要になる場合がある 同上

🧭 誤給油に気づいたときの対応

1

給油中に間違いに気づいたら、給油を止める

ノズルを戻し、そのまま店舗のスタッフに、インターホンなどで連絡します。

2

エンジンをかけない

燃料が入れ替わる前にエンジンをかけると、被害が大きくなります(JAF)。

3

店舗のスタッフやロードサービスに連絡する

スタッフに状況を伝え、対応を相談します。JAFなどのロードサービスへの連絡も、選択肢のひとつです。

⚠️ ガソリンがあふれたとき

JAFは、給油口からあふれたときは、一度に大量のガソリンが気化するため、特に注意が必要であり、セルフスタンドでも店員が常駐しているので、すぐに連絡するよう案内しています。火気は絶対に近づけないでください。

5. セルフスタンドで、してはいけないこと

📊 セルフスタンドでの禁止事項

禁止・注意事項 内容 出典
火気の使用 指定された場所以外での喫煙や、ライターの使用は禁止。給油中は、火気厳禁 JAF、消防庁
エンジンをかけたままの給油 給油中は、エンジンを止める 東京消防庁、JAF
注ぎ足し給油 自動停止の後に、給油を続けると、吹きこぼれのおそれがある 東京消防庁、JAF
携行缶などへの、ガソリンの小分け セルフスタンドでは、顧客がガソリンを容器に詰め替えることはできない(消防庁の通知)。JAFは、消防法関係の規則第28条の2の4に基づくと案内 消防庁、JAF
自動車・二輪車以外への給油 顧客が給油できるのは、自動車と二輪車(原動機付自転車を含む)。水上バイクなどへの給油は行わない 消防庁、JAF
ナンバープレートのない車両への給油 できない JAF

📝 給油前のチェックリスト

☑️ 車の指定燃料(レギュラー/ハイオク/軽油)を確認した

☑️ エンジンを止め、窓とドアを閉めた

☑️ 静電気除去シートに触れた(なければ車の金属部分)

☑️ ノズルの色と、給油機の表示が、給油する油種と一致している

☑️ 同乗の子どもが、給油機の近くにいない

☑️ 自動停止したら、そこで給油を終える

☑️ 給油キャップを閉めた

💡 ガソリンを携行缶に入れたいとき

携行缶へのガソリンの給油は、セルフスタンドではできません。必要な場合は、スタンドの窓口で、対応の可否や条件を確認してください。具体的な条件は、公式資料では確認できていません(要確認)。

6. よくある質問

Q. セルフスタンドで、最初にやることは何ですか?

A. 白線などで示された場所に車を停め、エンジンを止めます。窓とドアを閉め、給油機の静電気除去シートに触れて静電気を取り除いてから、給油口を開けます(東京消防庁、JAF)。

Q. レギュラーとハイオクは、ノズルの色で区別できますか?

A. JAFの案内では、レギュラーは赤、ハイオクは黄、軽油は緑です。ただし、色は給油前の確認のひとつです。給油機の表示も、あわせて確認してください。

Q. 満タンで止まった後に、もう少し入れてもよいですか?

A. 入れないでください。自動停止の後の注ぎ足しは、燃料が給油口から吹きこぼれるおそれがあります(東京消防庁)。

Q. 軽自動車に、軽油を入れてしまいそうです。

A. 軽自動車の燃料は、すべてガソリンです。「軽」の字が入っていても、軽油はディーゼルエンジン用の燃料で、軽自動車には使えません。給油の前に、ノズルの色を確認してください(JAF)。

Q. 油種を間違えて給油してしまいました。どうすればよいですか?

A. エンジンをかけずに、スタッフやJAFなどのロードサービスに連絡してください。エンジンを始動する前に、燃料の入れ替えとタンクの洗浄をすることが重要です(JAF)。

まとめ

セルフスタンドでは、ガソリンの危険性を理解して、手順を守ることが大切です。エンジンを止め、静電気を除去し、ノズルの色と油種を確認してから給油しましょう。自動停止の後の注ぎ足しは避け、携行缶へのガソリンの給油はできません。油種を間違えたときは、エンジンをかけずに、スタッフやロードサービスに連絡してください。

※本記事は一般的な情報提供です。給油機の操作方法や表示、給油量・時間の設定は、スタンドや機種によって異なります。現地の表示と、店舗スタッフの案内に従ってください。事故・故障の際の判断は、消防・ロードサービス・スタンドの窓口にご相談ください(JAF、消防庁、東京消防庁の公式ページの確認日:2026年9月25日)。

参考: JAF「クルマ何でも質問箱」セルフスタンドでの給油の注意点について(出典: 一般社団法人日本自動車工業会、消防危第25号)

アイキャッチ画像: Gas Station Self-Service & Full-Service Sign by 円周率3パーセント, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(名古屋市守山区で撮影)

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