「ダイハツ・タントのパワーステアリングフルード」を調べている方は、最初に、「そもそも、現行のタントにパワーステアリングフルードがあるのか」を確認する必要があります。ダイハツ公式サイトの主要装備一覧では、タントは「電動式パワーステアリング」が全車標準装備で、取扱説明書(2026年8月版)は「EPS(エレクトリックパワーステアリング)は、電気式モーターを利用して、ハンドル操作を補助します」と説明しています。取扱説明書のメンテナンスデータ(指定オイル・液類の一覧)には、パワーステアリングフルードは載っていません。ネット上の解説などにある「ATFをパワーステアリングフルードとして使う」「20,000〜30,000kmまたは2〜3年ごとに交換」「フルードの補充・交換手順」などの内容は、確認できなかったため、この記事では取り上げていません。この記事は、ダイハツの公式資料・JAF・国土交通省令で確認できたことをまとめています。確認日は2026年9月25日です。
📋 この記事の要点
✔ ダイハツ公式の主要装備一覧では、タントは「電動式パワーステアリング」が全車標準装備。取扱説明書のメンテナンスデータの液類に、パワーステアリングフルードは載っていない
✔ JAFによると、パワーステアリングは、油圧式・電動油圧式・電動式に分かれ、フルード(油)を使うのは油圧式・電動油圧式。電動式は、モーターで直接アシストする
✔ パワーステアリング警告灯が赤色に点灯したときは、EPSの異常で、ただちにダイハツサービス工場で点検。黄色に点灯したときは、電圧不足またはパワーステアリングのオーバーヒートで、しばらくハンドル操作を控えると、約10分で通常の重さに戻る(取扱説明書)
✔ ハンドルをいっぱいに回した状態を、長く続けないこと。パワーステアリングモーターの損傷を防ぐための注意(取扱説明書)
✔ ネット上の解説などにある「ATFをパワステフルードにも使う」「20,000〜30,000km・2〜3年で交換」は、確認できず、この記事では取り上げていません
1. タントのパワーステアリングは電動式:公式資料で確認できること
パワーステアリング(パワステ)には、エンジン駆動のオイルポンプの油圧でハンドル操作を助ける「油圧式」、オイルポンプを電動にした「電動油圧式」、モーターで直接助ける「電動式(EPS)」があります(JAF)。タントの方式を、ダイハツの公式資料で確認しました。
📊 タントのパワーステアリングに関する、ダイハツ公式資料の記載(2026年9月25日確認)
| 資料 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 主要装備一覧(ダイハツ公式サイト) | 「電動式パワーステアリング」が、全車標準装備 | ダイハツ タント 主要装備一覧(PDF) |
| 主要諸元表(ダイハツ公式サイト) | ステアリング形式は「ラック&ピニオン」(5BA-LA650S・5BA-LA660S) | ダイハツ タント 主要諸元表(PDF) |
| 取扱説明書(2026年8月版)P.382 | 「EPS(エレクトリックパワーステアリング):電気式モーターを利用して、ハンドル操作を補助します」 | ダイハツ タント取扱説明書 |
| 取扱説明書 P.202 | パワーステアリングモーターの損傷を防ぐため、ハンドルをいっぱいに回した状態を長く続けない | ダイハツ タント取扱説明書 |
| 取扱説明書 P.509・P.515 | パワーステアリング警告灯(赤色/黄色)と、点灯したときの対処(次の章で紹介) | ダイハツ タント取扱説明書 |
| 取扱説明書 P.560〜564(メンテナンスデータ) | 指定燃料・エンジンオイル・ラジエーター(冷却水)・トランスミッション(CVTフルード)・トランスファー・リヤディファレンシャル・ブレーキフルード・バッテリー・ウォッシャータンクなどが掲載。パワーステアリングフルードの記載はない | ダイハツ タント取扱説明書 |
📊 パワーステアリングの3つの方式(JAF クルマ何でも質問箱、2025年7月現在)
| 方式(JAF) | 仕組み | フルード(油)との関係 |
|---|---|---|
| 油圧式 | エンジン駆動のオイルポンプで発生した油圧で、操舵をアシストする | 油(フルード)を使う |
| 電動油圧式 | オイルポンプを電動としたタイプ | 油(フルード)を使う |
| 電動式(EPS) | モーターで直接アシストする。電動化によって、エンジンの負担が抑えられ、環境性能が向上する | 油圧でアシストする方式ではない |
⚠️ 誤って、フルードを補充・交換しないでください
取扱説明書のメンテナンスデータに、パワーステアリングフルードの記載はありません。ネット上の解説などにある「ATFを補充・交換する」手順を試そうとせず、ハンドルの重さや異音を感じたら、ダイハツ販売店・整備工場に点検を依頼してください。なお、取扱説明書に載っている「アミックスATF D3-SP」は、4WD車の駆動系(トランスファー・リヤディファレンシャル)の項に載っている油で(P.562)、パワーステアリング用として載っているものではありません。
2. よくある説明と、公式資料での確認結果
📊 よくある記述と、確認結果
| よくある記述 | 確認結果 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| タントは、ATFをパワーステアリングフルードとしても使うことが多い | 電動式パワーステアリングのため、パワーステアリングフルードの記載がない。取扱説明書のATF D3-SPは、4WD車の駆動系(トランスファー・リヤディファレンシャル)の項に載っており、パワーステアリング用ではない | 削除 |
| フルードの交換は、20,000〜30,000kmごと、または2〜3年ごと | フルードを使わない電動式のため、当てはまらない。公式にも確認できない | 削除 |
| 最低でも半年に一度は、フルードのレベルと状態をチェックする | リザーバータンクや、フルードのレベル点検の記載がない | 削除。国の点検基準の日常点検項目に置き換え |
| フルードの色や質感(透明〜黄色がかった色、暗くなる)で、状態を判断する | 公式に確認できない | 削除 |
| フルード漏れの修理(ホースの締め直し、シールの交換など)、DIYの交換手順 | 電動式のため、当てはまらない。公式にも確認できない | 削除 |
| ハンドルが重いときは、フルードの補充・交換で解決することが多い | ハンドルが重いときの対処は、取扱説明書では、警告灯の色ごとに案内されている | 取扱説明書の案内に置き換え |
| DIYと専門家の使い分け、メンテナンス記録の保持 | 一般的な内容で、タントの公式資料では確認できない | 削除(記録の保持は、点検整備記録簿の項で紹介) |
3. ハンドルが重いとき:警告灯と、取扱説明書の案内
電動パワーステアリングに異常があると、パワーステアリング警告灯が点灯します。タントの取扱説明書(P.509)には、次のように書かれています。
📊 パワーステアリング警告灯(タント取扱説明書P.509)
| 警告灯の色 | 状況(取扱説明書) | 対処(取扱説明書) |
|---|---|---|
| 赤色(警告ブザーあり) | EPS(エレクトリックパワーステアリング)の異常 | ただちにダイハツサービス工場で点検を受ける |
| 黄色(警告ブザーあり) | 電圧不足・パワーステアリングのオーバーヒート | ハンドル操作が重くなるため、しばらくハンドル操作を控える。約10分経過すると、通常の重さに戻る |
| 黄色が、消灯しない・繰り返し点灯する | (取扱説明書 注記) | ダイハツサービス工場で点検を受ける |
⚠️ 警告灯が点灯したときは、ハンドルをしっかり持ってください
取扱説明書P.515によると、黄色に点灯したときは操舵力補助が制限され、赤色に点灯したときは操舵力補助がなくなります。ハンドル操作が通常より重いときは、ハンドルをしっかり持ち、通常より強く操作してください。
📊 ハンドルが重い・異音のとき(取扱説明書・JAFの案内を整理)
| 状況 | 考えられること | 対応 |
|---|---|---|
| ハンドルをいっぱいに回した状態を、長く続けた | パワーステアリングモーターの損傷を防ぐための注意がある(P.202)。黄色の警告灯は、パワーステアリングのオーバーヒートを示すことがある | ハンドル操作を控える。約10分で通常の重さに戻る(取扱説明書) |
| 赤色の警告灯が点灯し、ハンドルが重い | EPSの異常 | ただちにダイハツサービス工場で点検。JAFなどのロードサービスの利用も検討 |
| ハンドルを回すと、異音がする | ステアリング機構に異常が発生している可能性(JAFの一般的な説明) | 走行は危険なため、安全な場所に停車し、点検を依頼 |
🧭 ハンドルが重くなったときの動き方(取扱説明書の案内を整理)
安全な場所に停車する
ハンドルが重くなったときは、急にハンドルを切らず、周囲の安全を確認して、減速・停車します。
警告灯の色を確認する
赤色か、黄色かを確認します。赤色のときは、ただちに点検が必要です。
黄色の場合は、ハンドル操作を控える
約10分で、通常の重さに戻ります。消灯しない、または繰り返し点灯する場合は、ダイハツサービス工場で点検を受けます。
赤色の場合は、販売店に連絡する
ダイハツサービス工場で点検を受けます。走行が不安なときは、ロードサービスに連絡します。
症状をメモして、伝える
いつ(据え切りのあと、エンジン始動時など)、どんな症状かを、伝えます。
4. 国の点検基準での位置づけ
自動車点検基準(国土交通省令)の別表第6(自家用乗用自動車等の定期点検基準)では、かじ取り装置に関する項目が、次のように定められています。e-Gov法令検索で確認しました。パワー・ステアリング装置の項目は、油圧式の装置を前提にした内容も含まれます。
📊 自動車点検基準 別表第6のかじ取り装置の項目(e-Gov法令検索、2026年9月25日確認)
| 点検の種類 | 点検項目 | 備考 |
|---|---|---|
| 1年ごと | パワー・ステアリング装置のベルトの緩み及び損傷 | 油圧式など、ベルト駆動の装置に当てはまる内容 |
| 2年ごと(1年ごとの項目に加えて) | パワー・ステアリング装置の油漏れ及び油量、取付けの緩み(※) | 油漏れ・油量は、油圧式の装置に当てはまる内容 |
| 2年ごと | ハンドルの操作具合、ギヤ・ボックスの取付けの緩み(※)、ロッド及びアーム類の緩み・がた・損傷(※)、ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀裂及び損傷、かじ取り車輪のホイール・アライメント(※) | ― |
📌 補足
※印:自動車検査証の交付を受けた日または当該点検を行った日以降の走行距離が、1年当たり5千km以下の自動車は、前回の点検を行うべき時期に行わなかった場合を除き、行わないことができます(別表第6の注)。日常点検基準(別表第2)には、ハンドルに関する項目はなく、ブレーキ・タイヤ・バッテリー・原動機・灯火・ウォッシャー・ワイパーなどが定められています。
JAFは、パワーステアリングのベルトが切れると、操作は可能だが、突然、驚くほどハンドルが重くなり、危険度は高い、と説明しています。ただし、これは、ベルト駆動の油圧式が前提の説明です。タントは、電動式のため、ハンドルが重くなったときは、警告灯の点灯の有無を確認し、取扱説明書の案内に従ってください。
📝 タントのハンドルまわりのチェックリスト
☑️ 取扱説明書P.382で、電動式(EPS)であることを確認した
☑️ パワーステアリング警告灯(赤色・黄色)の意味と、点灯したときの対処を、把握している
☑️ ハンドルをいっぱいに回した状態を、長く続けないようにしている(据え切りを繰り返さない)
☑️ ハンドルの異音・重さ・ふらつきを感じたら、点検を依頼する
☑️ メンテナンスノートで、法定点検(12か月・24か月)の実施記録を確認した
☑️ パワーステアリングフルードの補充・交換は、行わない(取扱説明書に記載がない)
5. 確認できなかったこと・中古のタントを選ぶとき
📊 確認できなかった項目
| 項目 | 確認結果 |
|---|---|
| 旧型のタント(現行より前の世代)のパワーステアリングの方式 | この記事では確認できなかった(要確認)。ご自身の車の方式は、取扱説明書・メンテナンスノートで確認 |
| 油圧式のフルードの規格・交換時期(ネット上の解説などにある「20,000〜30,000km」) | 公式に確認できないため、記載しない |
| パワーステアリング関連の修理費用 | 公式に確認できないため、記載しない。店舗の見積もりで確認 |
| 電動パワーステアリングの点検・交換の周期 | 取扱説明書に記載なし。メンテナンスノートと、販売店で確認 |
💡 中古のタントを検討するとき
ハンドルの重さや異音、警告灯の点灯の有無は、試乗で確認できます。パワーステアリング警告灯は、作動確認のため、エンジンスイッチをONにすると点灯し、数秒後またはエンジンをかけると消灯します。点灯しない場合や、点灯したままのときは、システム異常のおそれがあるため、点検を受けます(取扱説明書P.74の注記)。点検整備記録簿に、法定点検の記録があるかも、あわせて確認すると安心です。
6. よくある質問
まとめ
ダイハツ公式サイトの主要装備一覧では、タントは「電動式パワーステアリング」が全車標準装備で、取扱説明書のメンテナンスデータに、パワーステアリングフルードの記載はありません。ハンドルが重いときは、パワーステアリング警告灯の色で、対応が分かれます(赤色はただちに点検、黄色はしばらく操作を控える)。ハンドルをいっぱいに回した状態を、長く続けないことも大切です。ネット上の解説などにある「ATFの使用」「20,000〜30,000kmでの交換」「補充・交換手順」は、確認できなかったため、この記事では取り上げていません。
※本記事は、ダイハツ工業(タント取扱説明書2026年8月版、主要装備一覧、主要諸元表)、JAF(クルマ何でも質問箱)、国土交通省令(自動車点検基準、e-Gov法令検索)が公開している情報を、当サイトが整理したものです(確認日:2026年9月25日)。年式・仕様によって、装備は異なります。お乗りの車の取扱説明書・メンテナンスノートと、販売店・整備工場の案内をご確認ください。


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