高速道路の制限速度は本当に100km/h?正しい速度ルール

高速道路の制限速度といえば「100km/h」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、100km/hは、標識や標示による指定がない高速自動車国道の本線車道で、車種が特定の区分に当てはまる場合の法定最高速度です。標識で指定されていればそちらが優先され、車種によっても異なります。この記事では、道路交通法・同施行令、警察庁・各都道府県警・JAFの資料にもとづいて、高速道路の速度ルールを整理します。

📋 この記事の要点

✔ 道路交通法第22条により、標識・標示で最高速度が指定されている道路では、その指定が優先される

✔ 指定がない高速自動車国道の本線車道では、普通自動車などは最高速度100km/h、最低速度50km/h(道路交通法施行令第27条・第27条の3)

✔ 大型貨物自動車と特定中型貨物自動車は、令和6年(2024年)4月1日から90km/hに引き上げ(以前は80km/h)。トレーラ・大型特殊自動車・三輪の自動車は80km/hのまま(警察庁)

✔ 新東名(御殿場JCT付近〜浜松いなさJCT付近)、東北道(佐野藤岡IC付近〜岩槻IC付近)、東関東道(四街道IC付近〜成田JCT付近)では、標識により120km/hに指定されている区間がある。120km/hでの走行は義務ではない

✔ 路面が乾燥しタイヤが新しい場合の車間距離の目安は、100km/hで約100m、80km/hで約80m。濡れやタイヤの摩耗で約2倍程度が必要となることがある(警察庁の教則)

1. 法定最高速度と指定最高速度:100km/hが当てはまる条件

JAFは、高速道路は、道路法上の「高速自動車国道」と「自動車専用道路」の両方を指すと説明しています。最高速度は、次のように決まります。

📊 高速道路の速度ルールの整理

用語 内容 根拠
法定最高速度 標識・標示で最高速度が指定されていない場合に適用。高速自動車国道の本線車道と、これに接する加速車線・減速車線を通行する場合の速度は、車種ごとに施行令で定められている 道路交通法施行令第27条
指定最高速度 標識・標示で指定された最高速度。この場合は、指定された速度が優先され、これを超えて運転してはいけない。都道府県公安委員会が道路の構造等に応じて指定するもの、気象や交通状況に応じて警察が指定するものがある 道路交通法第22条、NEXCO中日本の案内
自動車専用道路の最高速度 法定最高速度は60km/h(標識で引き上げられる場合がある)。最低速度の法定規定はない 施行令第11条、JAF
最低速度 高速自動車国道の本線車道では、標識で指定がなければ50km/h。標識で最低速度が指定されている区間ではその速度。法令の規定による減速や、危険防止のためやむを得ない場合を除く 道路交通法第75条の4、施行令第27条の3

⚠️ 「最高速度100km/h」には条件があります

100km/hは、①高速自動車国道の本線車道(またはこれに接する加速車線・減速車線)で、②標識・標示による指定がなく、③車種が特定の区分に当てはまる場合の速度です。また、本線車道が往復の方向別に分離されていない区間(対面通行区間)では、この表は適用されず、一般道路と同じ扱いになります(警察庁の教則の備考)。

2. 車種別の法定最高速度(現行)

📊 高速自動車国道の本線車道における車種別の法定最高速度(道路交通法施行令第27条、警察庁・警視庁・各県警の案内より。標識・標示による指定がない場合)

車種 最高速度 最低速度
大型乗用自動車、中型自動車(特定中型貨物自動車を除く)、準中型自動車、普通自動車(いずれも三輪のもの・牽引するものを除く)、大型自動二輪車、普通自動二輪車 100km/h 50km/h
大型貨物自動車、特定中型貨物自動車(三輪・牽引を除く) 90km/h(令和6年4月1日から。以前は80km/h) 50km/h
上記以外の自動車(トレーラ、大型特殊自動車、三輪の自動車など) 80km/h 50km/h

📌 補足

施行令第27条によると、中型自動車のうち、専ら人を運搬する構造のもの、または車両総重量8,000kg未満・最大積載量5,000kg未満・乗車定員10人以下のものは100km/hです。それ以外の中型自動車(特定中型貨物自動車)と大型貨物自動車は、90km/hの区分に入ります。

⚠️ 「大型貨物は80km/h」は、令和6年4月1日より前の内容です

警察庁の案内によると、令和6年(2024年)4月1日から、高速自動車国道の本線車道を通行する大型貨物自動車と特定中型貨物自動車(車両を牽引するものを除く)の法定最高速度は、80km/hから90km/hに引き上げられました。トレーラ、大型特殊自動車、三輪の自動車は80km/h、その他の自動車は100km/hのままです。

なお、警察庁の教則によると、高速道路では、ミニカー、小型二輪車(125cc以下など)、一般原動機付自転車は通行できません。また、構造上、毎時50km/h以上の速度が出ない自動車や、ほかの車を牽引しているため50km/h以上で走れない自動車も、高速自動車国道を通行できません。他の車を牽引して走ることができるのは、牽引するための構造と装置のある車が、牽引されるための構造と装置のある車を牽引する場合に限られます。

3. 標識が優先:120km/h区間と、速度規制の見方

一部の区間では、標識により最高速度が120km/hに指定されています。都道府県警察の案内では、次の区間が示されています。

📊 最高速度120km/hの区間の例(各県警察の案内より。ほかの区間や最新の状況は、警察庁・各県警・NEXCOの案内でご確認ください)

区間 内容(都道府県警察の案内)
新東名高速道路(御殿場JCT付近〜浜松いなさJCT付近) 静岡県警察の案内では、令和2年(2020年)12月22日から最高速度120km/h規制の本格運用を開始。対象は、高速自動車国道での法定最高速度が100km/hの車両(普通自動車、準中型自動車、中型乗用自動車、大型乗用自動車、中型貨物自動車、125ccを超える自動二輪車、緊急自動車など)。大型トラック等を第一通行帯に指定する規制も継続
東北自動車道(佐野藤岡IC付近〜岩槻IC付近) 栃木県警察の案内では、最高速度120km/hの対象は普通自動車などで、大型貨物自動車と特定中型貨物自動車は90km/h、トレーラ・大型特殊自動車・三輪の自動車は80km/h
東関東自動車道(四街道IC付近〜成田JCT付近) 千葉県警察の案内では、令和5年(2023年)7月3日から最高速度120km/h。大型貨物自動車、大型特殊自動車、特定中型貨物自動車、三輪の自動車、牽引車は対象外

💡 120km/hで走る義務はありません

栃木県警察・千葉県警察の案内でも、必ずしも120km/hで走行する必要はなく、十分な車間距離を確保し、交通状況・運転技能・健康状態・天候に応じた安全な速度で走行するよう示されています。また、天候等で速度規制は変更されることがあるため、現地の速度規制標識を確認して走行するよう案内されています。

📊 速度規制の見方の整理

道路の状況 速度の考え方
標識・標示で最高速度が指定されている その指定が、法定最高速度より優先される(法第22条)
指定がない高速自動車国道の本線車道 車種別の法定最高速度(100km/h・90km/h・80km/h)
本線車道が往復の方向別に分離されていない区間 表は適用されず、一般道路と同じ。最低速度の規定もない(施行令第27条の2、教則)
悪天候のとき その状況に応じた速度で走る。雨・雪・霧など悪天候下での高速走行は特に危険で、インターチェンジが閉鎖され通行止めになることもある(教則)

4. 車間距離と、速度違反の反則金

警察庁の「交通の方法に関する教則」は、高速道路では車間距離を十分にとって走るよう示し、路面や車の状態ごとの目安を示しています。

📊 車間距離の目安(警察庁「交通の方法に関する教則」より)

路面・タイヤの状態 100km/hのとき 80km/hのとき
路面が乾燥していて、タイヤが新しい 約100m 約80m
路面が雨にぬれ、タイヤが減っている 約2倍程度の車間距離が必要となることがある 約2倍程度の車間距離が必要となることがある

速度超過の反則金は、超えた速度によって異なります。次の表は、道路交通法施行令の別表に示された普通車の金額です(高速道路での超過を含む区分は「高速」と表記)。

📊 速度超過の反則金(e-Gov法令検索「道路交通法施行令」別表第六より。2026年9月25日確認。表にない区分は反則金の対象外で、別の手続となる)

超えた速度 反則金(普通車)
15km/h未満 9,000円
15km/h以上20km/h未満 12,000円
20km/h以上25km/h未満 15,000円
25km/h以上30km/h未満 18,000円
30km/h以上35km/h未満(高速) 25,000円
35km/h以上40km/h未満(高速) 35,000円

📊 高速道路に関するその他の反則(e-Gov法令検索「道路交通法施行令」より)

違反の区分 点数 反則金(普通車)
高速自動車国道等車間距離不保持 2点 9,000円
最低速度違反 1点 6,000円

⚠️ 一般的な情報です

反則金・点数は法令の改正や個別の事案で変わります。速度超過の点数は、超えた速度に応じて別に定められています。個別の判断は、警察・公安委員会などの公的窓口にご確認ください。

5. 高速道路に入る前と走行中の確認

🧭 高速道路の速度を守るための流れ

1

入る前に、天気と交通情報を確認する

警察庁の教則は、高速道路に入る前にラジオや日本道路交通情報センターなどで、道路や交通の状況を確認するよう示しています。

2

自分の車の区分を確認する

車検証などで、自分の車が大型貨物・特定中型貨物・牽引の有無などのどの区分にあたるかを確認します。

3

走行中は、速度標識の数字を確認する

標識で指定された最高速度が優先されます。標識と法定最高速度が異なる区間があります。

4

長時間・夜間は、速度計でこまめに確認する

教則は、長い時間高速で走ったり、夜間に走ったりしていると速度感が鈍り、速度を出し過ぎがちなので、速度計で確かめるよう示しています。

5

出口の手前では、速度を落とす

出口に接続する車両通行帯を通行し、減速車線があるときはその車線で、感覚に頼らずに速度計で確かめながら速度を落とします(教則)。

📝 出発前チェックリスト

☑️ 天気・交通情報を確認した

☑️ 車の区分(大型貨物・特定中型貨物・牽引など)による最高速度を理解している

☑️ 標識の最高速度を確認しながら走る

☑️ 車間距離は、100km/hで約100mを目安にしている(雨・タイヤ摩耗時は約2倍程度)

☑️ 燃料・タイヤ・積荷などを点検した

☑️ 長時間の運転計画に、休息時間を入れた

6. よくある質問

Q. 軽自動車の高速道路での最高速度は、何キロですか?

A. 軽自動車は、道路交通法上は普通自動車の区分になります。標識・標示による指定がない高速自動車国道の本線車道では、最高速度は100km/h、最低速度は50km/hです。標識で指定がある場合は、その速度に従います。

Q. トラックの最高速度は、いまは何キロですか?

A. 警察庁の案内によると、令和6年4月1日から、大型貨物自動車と特定中型貨物自動車(牽引するものを除く)の法定最高速度は90km/hです。トレーラ、大型特殊自動車、三輪の自動車は80km/hです。標識で指定がある区間は、その速度が優先されます。

Q. 120km/h区間では、120km/hで走らなければいけませんか?

A. いいえ。栃木県警察・千葉県警察の案内でも、必ずしも120km/hで走行する必要はなく、交通状況や天候に応じた安全な速度で走行するよう示されています。

Q. 高速道路で、50km/hより遅く走ってもよいですか?

A. 高速自動車国道の本線車道には最低速度(50km/h)があり、法令の規定による減速や、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、これに達しない速度で進行してはいけません(道路交通法第75条の4)。違反した場合は、点数1点、反則金は普通車で6,000円とされています。

まとめ

高速道路の「100km/h」は、標識・標示による指定のない高速自動車国道の本線車道で、普通自動車などに適用される法定最高速度です。令和6年4月1日から、大型貨物自動車と特定中型貨物自動車は90km/hに引き上げられ、トレーラなどは80km/hのままです。標識で指定された最高速度が優先され、一部区間では120km/hと指定されていますが、120km/hで走る義務はありません。最低速度は50km/h、車間距離は100km/hで約100mを目安に、悪天候時は速度と車間を調整しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。

参考: JAF「クルマ何でも質問箱」高速道路は100km/hで走行すればよいのですか?

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