強風時にハンドルを取られたときの対処法

台風や強風の日に走っていると、橋の上やトンネルの出口で、突然ハンドルが取られる経験をすることがあります。この記事では、気象庁とJAFの公開情報をもとに、風の強さと車への影響の目安、ハンドルを取られたときの対処、走らない判断を整理しました。風速の目安は、気象庁の表をもとにしています。

📋 この記事の要点

✔ 気象庁の「風の強さと吹き方」では、平均風速20m/s以上25m/s未満で「通常の速度で運転するのが困難になる」、25m/s以上30m/s未満で「走行中のトラックが横転する」とされている

✔ JAFユーザーテストでは、ワンボックス車が時速100kmで走行中に、最大で165cm横に流された(JAF Mate)

✔ 横風に流されたときは、大きくハンドルを切らず、こぶし1個分くらいの修正にとどめる(JAF Mate)

✔ 高速道路の吹き流しが真横を向いていたら、風速10m/s以上の強風が吹いていると考えられる(JAF Mate)

✔ 駐車場での乗り降りでも、風速20m/sで子どもはドアを押さえられなかった(JAFユーザーテスト)

1. 風の強さと車への影響の目安(気象庁)

気象庁の「風の強さと吹き方」は、平均風速ごとに、人や車、周囲の様子の目安をまとめた表です。走行中の車に関する記載を中心に整理します。

📊 風の強さと走行中の車への影響(気象庁「風の強さと吹き方」より抜粋)

平均風速(10分間平均) 風の強さ(予報用語) 走行中の車(気象庁) 人・周囲の様子(気象庁)
10m/s以上15m/s未満 やや強い風 道路の吹き流しの角度が水平になり、高速運転中では横風に流される感覚を受ける 風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。樹木全体が揺れ始める
15m/s以上20m/s未満 強い風 高速運転中では、横風に流される感覚が大きくなる 風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。看板やトタン板が外れ始める
20m/s以上25m/s未満 非常に強い風 通常の速度で運転するのが困難になる 何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれがある。看板が落下・飛散する
25m/s以上30m/s未満 非常に強い風 走行中のトラックが横転する 屋外での行動は極めて危険

※表は横にスクロールできます

⚠️ 平均風速と瞬間風速の違い

上の表は、10分間の平均風速です。気象庁によると、瞬間風速(3秒間の平均)は平均風速の1.5倍程度になることが多く、大気の状態が不安定な場合などは3倍以上になることもあります。また、風速は地形や周りの建物に影響されるため、その場所の風は、近くの観測所の値と大きく異なることがあります。

📌 補足

風速30m/s以上は、気象庁の用語で「猛烈な風」です。この表では、走行中の車についての記載は、上の段階までです。

2. ハンドルを取られやすい車と場所

JAFの記事によると、強風の際は乗用車でも進路を乱され、とくに車高の高いタイプは要注意です。どんな場所で、どんな車が影響を受けやすいかを、確認できた情報で整理します。

📊 強風でハンドルを取られやすい条件

ポイント 内容 出典
車高の高い車 強風の際は、乗用車でも進路を乱される。とくに車高の高いタイプは要注意。車高が高いトラックは、風の影響を受けやすい JAF Mate(危険予知)
JAFユーザーテスト ワンボックス車が時速100kmで走行中に、最大で165cm横に流された JAF Mate(危険予知)
風が強い場所 橋や高架のほか、トンネル出口や山間部の切り通し。ゲリラ豪雨は積乱雲が原因で激しい突風が起こることもあり、トンネルの出口付近では特に注意が必要 JAF Mate、JAF「高速道路上で大雨に遭遇した場合の注意点」
風の強さの見分け方 高速道路の風速表示板や、吹き流し。吹き流しが真横を向いていたら、風速10m/s以上の強風が吹いていると考えられる JAF Mate(危険予知)
並走に注意 橋や高架は風が強いので、できるだけトラックやバスとは間隔を空け、並走しない JAF Mate(危険予知)

💡 ポイント

風は、建物や地形の切れ目で急に強くなります。橋・高架・トンネル出口・切り通しに差し掛かる前に、あらかじめ速度を抑えておくと、流されたときの修正が小さくて済みます(JAF Mateは、これらの場所では速度を抑えて走ることを勧めています)。

3. ハンドルを取られたときの対処

🧭 ハンドルを取られたときの対応の流れ

1

両手でしっかりハンドルを握る

JAFトレコラムは、トンネル出口に近づく際は速度を抑え、突風に備えてしっかりハンドルを握るよう案内しています。

2

大きく切らず、こぶし1個分くらいの修正にとどめる

JAF Mateは、横風に流された場合は大きくハンドルを切らず、こぶし1個分くらいの修正をするよう案内しています。

3

速度を落とす

橋や高架、トンネル出口、山間部の切り通しでは、速度を抑えて走ります(JAF Mate)。

4

急な操作を避ける

アクセルの急な操作、急ブレーキ、急ハンドルは、車の姿勢を乱しやすいため避けたい操作です(当サイトの考え方。JAFは「大きくハンドルは切らない」と案内)。

5

大型車との並走を避け、間隔を空ける

トラックやバスの横を走り続けず、間隔を空けます(JAF Mate)。

✅ チェック

流されたときの修正量として、JAFが挙げているのは「こぶし1個分くらい」です。実際の車や風の状況によって適切な操作は変わります。日頃から、風の強い日に速度を控える運転を心がけましょう。

4. 走らない判断と、高速道路の情報

📊 走らない判断の材料

状況 考え方 出典
平均風速20m/s以上25m/s未満 「通常の速度で運転するのが困難になる」とされる。不要不急の運転を見合わせる判断材料になる 気象庁
平均風速25m/s以上30m/s未満 「走行中のトラックが横転する」とされる 気象庁
強風注意報・暴風警報など 風に関する警報・注意報の名称は、2026年5月29日の防災気象情報の見直し後も従来どおり 気象庁の資料
高速道路の通行止め 通行止めの基準は、過去の災害発生状況などをもとに、道路管理者が定めている。風速の具体的な数値は、確認した公式のページには載っていなかった NEXCO中日本 よくあるご質問
台風時の危険な場所 JAF Mateは、河川沿いやアンダーパス、高速道路は冠水や強風のリスクが高く、進入や走行は避けるべき危険な場所と説明している JAF Mate 2026年6月2日

📌 確認できなかったこと

「風速何m/sなら運転してよい」という一律の公的な基準は、確認できませんでした。NEXCOの通行止めの風速基準も、公式のFAQには数値がありませんでした。車種・地形・風向きによって影響は異なるため、上の表は目安として、無理をしない判断を優先してください。

📝 出発前のチェックリスト

☑️ 気象庁の警報・注意報と、風の予報を確認した

☑️ 通る道路に、橋・高架・トンネル出口・切り通しがあるかを確認した

☑️ 高速道路の場合は、通行止め・速度規制の情報を確認した

☑️ 車高の高い車や荷物を積んだ車は、風の影響を受けやすいことを意識した

☑️ 不要不急の運転は、風が収まるまで見合わせることも検討した

5. 停車中・乗り降りのときの強風にも注意

JAFは、2017年に、送風機を使って、強風時にドアが風にあおられる様子を検証しました。風速20m/s・30m/s・40m/sの3種類で、子ども2人と大人2人がドアを押さえられるかを確かめています。

📊 強風時のドア開けテスト(JAF、2017年6月6日実施)

風速 結果(JAFユーザーテスト)
20m/s 6歳と10歳の子どもは、2人ともドアを押さえられなかった。大人2人は押さえられた
30m/s 40代の男性が押さえきれなかった
40m/s 大人2人とも、ドアを押さえられなかった

⚠️ 注意

JAFは、強風時は大人でもドアを押さえられないことがあるので、ドアの開け方に注意するよう案内しています。子どもは、勢いよく開くドアで体のバランスを崩して車から転落することもあるため、大人が外からドアを開けて降ろします。また、周囲に車や障害物がなくても、ドアが開ききってヒンジが壊れることもあるとしています。

6. よくある質問

Q. 風速何m/sから、運転をやめたほうがよいですか?

A. 一律の公的な基準は確認できませんでした。気象庁の表では、平均風速20m/s以上25m/s未満で通常の速度で運転するのが困難になるとされています。車種や場所によって影響が違うため、無理をしない判断を優先してください。

Q. 高速道路は、風速何m/sで通行止めになりますか?

A. NEXCO中日本のFAQでは、通行止めの基準は、過去の災害の発生状況などをもとに決めているとされていますが、風速の具体的な数値は掲載されていませんでした。ハイウェイラジオや情報板、アプリで最新の規制情報を確認してください。

Q. ハンドルを取られたとき、急ブレーキを踏んでもよいですか?

A. JAFは、横風に流された場合は、大きくハンドルを切らず、こぶし1個分くらいの修正をするよう案内しています。急な操作は車の姿勢を乱しやすいため、速度を落として立て直すのが基本です。

Q. ワンボックスや軽自動車は、風の影響を受けやすいですか?

A. JAFは、車高の高いタイプは要注意としており、ユーザーテストでは、ワンボックス車が時速100kmで走行中に最大165cm横に流されました。軽自動車の具体的なデータは、確認できませんでした。

まとめ

強風でハンドルを取られたときは、両手でしっかり握り、大きく切らず、こぶし1個分くらいの修正で立て直すのが基本です。橋・高架・トンネル出口・切り通しは風が強いため、あらかじめ速度を抑えましょう。気象庁の表では、平均風速20m/s以上で通常の速度での運転が困難になるとされています。無理をせず、走らない判断も大切です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。

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