運転免許を自主返納すると受けられる特典とは?「マイナ経歴証明書」も2025年開始

運転免許を自主返納すると、希望者は「運転経歴証明書」の交付を受けられます。警視庁は、高齢者運転免許自主返納サポート協議会に加盟する企業・団体の特典を一覧で公開しています。2025年3月24日からは、マイナンバーカードと一体化した「マイナ経歴証明書」も申請できるようになりました。この記事では、警視庁と警察庁の公表内容をもとに、制度の仕組みと東京都の特典の例、返納以外の選択肢を整理します。

📋 この記事の要点

✔ 運転経歴証明書による特典の対象は、原則65歳以上。運転免許を失効した日から5年以内の人も申請できる(警視庁)

✔ 2025年3月24日から、マイナンバーカードと一体化した「マイナ経歴証明書」を申請できる。新たな「運転経歴証明書交付済シール」の交付は同日から中止、交付済みのシールは引き続き利用できる(警視庁)

✔ 東京都の特典の例(2026年9月1日現在):信用金庫の定期預金の金利優遇、日本通運の引越料金10%割引、帝国ホテル東京の直営レストラン・バーラウンジ10%割引など

✔ 返納以外の選択肢として、サポートカーに限定する「サポートカー限定免許」がある

✔ 特典は予告なく変更・中止されることがある。利用前に各店舗・事業所への確認が必要

動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

1. 運転経歴証明書とマイナ経歴証明書

運転免許を自主返納した人は、運転経歴証明書の交付を受けられます。2025年3月24日からは、運転経歴情報をマイナンバーカードに記録する「マイナ経歴証明書」も選べるようになりました。警察庁のFAQによると、持ち方は次の3通りから選択できます。

📊 経歴証明書の持ち方(警察庁FAQ)

持ち方 内容
マイナ経歴証明書のみ 運転経歴情報が記録されたマイナンバーカードを保有する
両方を保有 運転経歴証明書と、マイナ経歴証明書の双方を保有する
従来の運転経歴証明書のみ 従来どおりの運転経歴証明書だけを保有する

📊 対象と開始時期のまとめ

項目 内容(警視庁・警察庁の公表)
特典の対象年齢 原則として65歳以上
失効した場合 運転免許を失効した日から5年以内なら、運転経歴証明書を申請できる。令和元年12月1日から、失効した高齢者も証明書の提示で協議会加盟企業の特典を受けられるようになった
マイナ経歴証明書の開始 2025年(令和7年)3月24日から申請できる
交付済シール 同日から、新たな「運転経歴証明書交付済シール」の交付は中止。交付済みのシールを貼付したマイナンバーカードは、引き続き利用できる
特典の提示 マイナ経歴証明書を提示した人にも特典を付与するよう、協議会加盟企業等へ協力を要請している

📌 補足

マイナンバーカードの券面には運転経歴情報は記載されません(大阪府警の案内)。運転経歴情報は、マイナポータルや「マイナ免許証読み取りアプリ」で確認できます。

2. マイナ経歴証明書の記録内容と手続きの注意点

📊 記録される情報

マイナンバーカードに記録される運転経歴情報(警察庁FAQ)
運転経歴情報記録の番号
免許の年月日及び種類
運転経歴情報の記録年月日
自動車等の運転に関する経歴
経歴証明書用顔写真(モノクロ)

📊 手続きの注意点

項目 内容
紛失した場合 マイナ経歴証明書を希望し続ける場合は、市区町村でマイナンバーカードを再発行し、運転免許センター・運転免許試験場、または運転免許関係手続を行っている一部の警察署などで、再度運転経歴情報を記録する(警察庁FAQ)
従来の証明書を希望する場合 住所地の免許センター等で、運転経歴証明書の交付を即日で受けられる(警察庁FAQ)
手続きの場所・予約 都道府県警察ごとに異なる。各都道府県警察のホームページで確認する(警察庁FAQ)
手数料の例(大阪府警の案内) 運転経歴証明書のみ1,150円、マイナ経歴証明書のみ900円、両方保有1,250円。他の都道府県の手数料は、各警察の案内で確認する
住所・氏名変更(大阪府警の案内) マイナ経歴証明書のみを保有している場合は、市区町村への届出で警察への変更届が不要になるワンストップサービスを利用できる

⚠️ 手数料と手続きは都道府県で異なる場合があります

手数料の額や手続きできる場所は、都道府県警察ごとの案内が正です。上の金額は大阪府警の案内の例です。お住まいの都道府県警察のホームページでご確認ください。

3. 東京都の特典の例(2026年9月1日現在)

警視庁が公開している「高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体の特典一覧」(更新日2026年9月1日)から、特典の例を抜粋します。掲載業種は、物流、銀行、ホテル、デパート・スーパー、美容・理容、自動車学校・教習所、車買取など多岐にわたります。

📊 東京都の特典の例(一部)

業種 事業者 特典の内容(警視庁の一覧から)
銀行 巣鴨信用金庫 運転経歴証明書所有者専用定期預金「サポート」。スーパー定期預金の店頭金利+0.05パーセント上乗せ(お一人様10万円以上500万円以下、運転経歴証明書交付日より1年以内)
銀行 東京信用金庫 運転経歴証明書所有者専用定期預金。店頭金利+0.05パーセント(期間1年、10万円以上500万円以内、自動継続の取り扱いなし)
銀行 東京ベイ信用金庫 「運転卒業定期」。店頭表示金利+0.030パーセント(期間1年、10万円以上500万円以内、運転経歴証明書交付日より1年以内)
ホテル 帝国ホテル東京 直営レストラン・バーラウンジで10パーセント割引(10名様まで、一部対象外あり)
ホテル 渋谷エクセルホテル東急 「旬彩」「アビエント」「エスタシオンカフェ」で飲食代10パーセント割引
ホテル ホテルカデンツァ東京 3駅に運行している送迎バスを無料で利用できる
物流 日本通運株式会社 引越の通常料金の10パーセント割引

📊 特典の条件を読むときの注意

特典の読み方 ポイント
金利優遇の定期預金 事業者ごとに、上乗せ幅(+0.03〜0.05パーセント)、期間、預入額の範囲(10万円以上500万円前後まで)、運転経歴証明書の交付日から1年以内などの条件が異なる
飲食・宿泊の割引 対象施設、人数、対象外の商品などが決まっている場合がある
共通の注意 特典は予告なく変更または中止されることがある。利用前に、各店舗・事業所へ問い合わせる

⚠️ 特典は変更・中止されることがあります

警視庁は、特典は予告なく変更または中止する場合があるため、利用する場合は各店舗、事業所等へ事前に問い合わせるよう案内しています。上の内容は2026年9月1日現在のものです。

4. 返納以外の選択肢:サポートカー限定免許

運転に不安があっても、すぐに免許を返納するとは限りません。警察庁は、運転できる自動車の範囲をサポートカーに限定する「サポートカー限定免許」の制度を案内しています。

📊 サポートカー限定免許のまとめ

項目 内容(警察庁の案内)
サポートカー限定とは 運転できる自動車の範囲を、サポートカーに限定する条件
対象車 「衝突被害軽減ブレーキ(対車両・対歩行者)」と「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」が搭載された普通自動車
対象の免許 普通免許のみ
申請の時期 運転免許証の更新申請とあわせて行うことができる
限定の解除 公安委員会の審査を受ける。指定教習所で教習を受けた場合は、運転技能審査が免除される
注意 サポートカー以外の普通自動車を運転すると、免許条件違反になる

📊 3つの選択肢の比較

選択肢 免許の扱い 特典・制度
免許を自主返納する 免許は失効し、運転はできなくなる 運転経歴証明書(またはマイナ経歴証明書)の申請ができ、協議会加盟企業等の特典の対象になる(原則65歳以上)
サポートカー限定免許にする 免許は保持したまま、運転できる車をサポートカーに限定する 警察庁の案内では年齢制限の記載はない。返納による特典とは別の制度
これまでどおり運転する 免許は保持する 更新の手続きなどは、通常のルールに従う

💡 ポイント

返納は大きな決断です。ご本人の生活圏や、利用できる移動手段、ご家族の意見を確認したうえで、時間をかけて話し合うことが大切です。

5. 返納を考えるときの進め方

🧭 返納を検討する4つのステップ

1

家族と話し合う

運転を続ける場合、サポートカー限定にする場合、返納する場合それぞれで、買い物や通院などの移動をどうするかを話し合います。

2

お住まいの地域の制度を調べる

自治体ごとに、移動手段への支援などの内容が異なる場合があります。市区町村と都道府県警察のホームページで確認します。

3

手続きの場所と方法を確認する

手続きできる場所、開庁時間、予約の要否は都道府県警察ごとに異なります。事前にホームページで確認します。

4

特典を確認する

警視庁の一覧など、協議会加盟企業の特典を確認します。利用前に各店舗へ問い合わせます。

📝 返納前後のチェックリスト

☑️ 家族と、返納後の移動手段を話し合った

☑️ サポートカー限定免許という選択肢を検討した

☑️ お住まいの都道府県警察で、手続きの場所と予約の要否を確認した

☑️ マイナ経歴証明書か、従来の証明書かを決めた

☑️ 手数料を、お住まいの都道府県警察の案内で確認した

☑️ 利用したい特典の最新の条件を、各事業所へ問い合わせた

☑️ 市区町村の移動支援などの制度を調べた

6. よくある質問

Q. 特典は何歳から受けられますか?

A. 警視庁によると、運転経歴証明書による特典を受けられるのは、原則として65歳以上の高齢者です。

Q. 運転免許が失効した場合も、証明書を申請できますか?

A. 警視庁によると、運転免許を失効した日から5年以内の人は、運転経歴証明書を申請できます。令和元年12月1日から、失効した高齢者も協議会加盟企業の特典を受けられるようになりました。

Q. マイナ経歴証明書を提示しても、特典は受けられますか?

A. 警視庁は、マイナ経歴証明書を提示した人にも特典を付与するよう、協議会加盟企業等へ協力を要請したとしています。利用前に、各店舗・事業所へ確認してください。

Q. 運転経歴証明書交付済シールは、今も使えますか?

A. 警視庁によると、2025年3月24日から新たなシールの交付は中止されましたが、これまでに交付済みのシールを貼付したマイナンバーカードは、引き続き利用できます。

まとめ

運転免許を自主返納すると、運転経歴証明書(またはマイナ経歴証明書)の申請ができ、原則65歳以上の人は協議会加盟企業の特典を受けられます。2025年3月24日からは、マイナンバーカードと一体化したマイナ経歴証明書も選べます。東京都では信用金庫の金利優遇や飲食・引越の割引などがありますが、特典は変更されることがあるため、利用前に確認が必要です。返納だけでなく、サポートカー限定免許という選択肢もあります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・手数料・特典は変更されることがあるため、最新の内容は、警視庁・警察庁・お住まいの都道府県警察・各事業者でご確認ください。特典は警視庁の一覧(2026年9月1日現在)による(2026年9月25日確認)。

アイキャッチ画像: Sendai City bus by MaedaAkihiko(パブリックドメイン)

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