ラウンドアバウトは、信号機がなく、車が円形の道路を右回りに通行して進行方向を変える交差点です。日本では、2014年9月に施行された改正道路交通法により、「環状交差点」として法的に整備されました。警察庁によると、2026年3月末現在、全国41都道府県184か所に導入されています。この記事では、法令と警察庁・JAFの資料にもとづき、正しい通行方法と、違反した場合の反則金・点数を整理します。
📋 この記事の要点
✔ 環状交差点は、車両の通行の用に供する部分が環状で、標識等により右回りの通行が指定されているものと、道路交通法第4条で定義されている
✔ 環状交差点内の車両が優先。進入時は徐行し、環状部分では、あらかじめ道路の左端に寄って環状交差点の側端に沿って徐行する
✔ 環状交差点を出るときは、左側の方向指示器などで合図。合図の時期は、出ようとする地点の直前の出口の側方を通過したとき(入った直後の出口を出る場合は入ったとき)
✔ 警察庁によると、2026年3月末現在の導入は41都道府県184か所(2017年3月末は21都府県65か所)
✔ 環状交差点通行車妨害等の違反は、道路交通法施行令の別表で、普通車の点数2点・反則金7,000円と定められている
1. ラウンドアバウト(環状交差点)とは
ラウンドアバウトは、ヨーロッパを発祥とする交差点の形式で、日本では「環状交差点」という名称で法律に位置づけられています。JAFによると、日本でも以前から「ロータリー交差点」や「円形交差点」が存在していましたが、2014年9月に施行された改正道路交通法によって、環状交差点として法的に整備されました。
📊 環状交差点の定義と特徴
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 定義 | 車両の通行の用に供する部分が環状の交差点で、道路標識等により、車両がその部分を右回りに通行すべきことが指定されているもの | 道路交通法第4条第3項 |
| 標識 | 「環状の交差点における右回り通行」の標識 | 交通の方法に関する教則(付表) |
| 進入時の一時停止 | 進入時に一時停止の必要はない。ただし、法律施行前から存在するラウンドアバウトの一部には、一時停止規制が適用されている場所がある | JAF |
| 信号 | 構造上、信号機を必要としないため、停電時でも交通を円滑に維持しやすい | JAF |
📊 ラウンドアバウトのメリットとデメリット(JAF「クルマ何でも質問箱」より)
| メリット(JAFの解説) | デメリット(JAFの解説) |
|---|---|
| 信号機を必要としないため、災害時の停電でも円滑な交通を維持できる | 交通量の多い交差点には適さない |
| 交差点整備のコストを抑えられる | 一般的な信号交差点より広い用地が必要になる |
| 景観を維持しやすい | 一般的な信号交差点と、通行方法が異なる |
2. 一般的な交差点との違い
📊 一般的な交差点と環状交差点の違い(道路交通法・JAFの解説より整理)
| 比較する点 | 信号機のある一般的な交差点 | 環状交差点(ラウンドアバウト) |
|---|---|---|
| 交通の制御 | 信号機で、交差する道路の流れを制御する | 信号機を使わず、環状部分を通行する車を優先するルールで制御する |
| 進行方向の変え方 | 右折・左折・直進を、信号にあわせて行う | 中心の島の周りを右回りに通行し、目的の出口から出る。直進・右折・左折・転回のいずれも、環状部分を右回りに進む |
| 進入時の停止 | 赤信号で停止する | 進入時に一時停止は不要(徐行して入る)。環状部分の車が優先 |
| 合図の出し方 | 曲がる方向に合図を出す | 環状交差点を出るときに合図を出す。進入時の合図は、法令上求められる場面に含まれていない |
📌 補足
道路交通法第53条第2項は、環状交差点では、環状交差点を出るとき、または環状交差点で徐行・停止・後退するときに、手、方向指示器または灯火で合図をするよう定めています。
3. 正しい通行方法(進入・通行・退出)と、違反したときの反則金
🧭 環状交差点の通り方
進入する前に、速度を落とす
環状交差点に入ろうとするときは徐行しなければなりません(道路交通法第37条の2第2項)。環状交差点であることは、標識で確認します。
環状部分の車両を優先する
環状交差点内を通行している車両等の進行を妨げてはいけません(第37条の2第1項)。安全を確かめてから進入します。
右回りに、左端に沿って徐行する
環状交差点で左折・右折・直進・転回をするときは、あらかじめできるだけ道路の左端に寄り、環状交差点の側端に沿って徐行します(第35条の2)。
出口の手前で、左側の合図を出す
出ようとする地点の直前の出口の側方を通過したときに、左側の方向指示器などで合図をします。入った直後の出口を出る場合は、環状交差点に入ったときに合図します(第53条第2項、施行令第21条第2項)。
出口の横断歩道の歩行者を優先する
環状交差点に入ろうとするときや環状交差点内を通行するときは、環状交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、できる限り安全な速度と方法で進みます(第37条の2第3項)。歩行者がいる場合は、その通行を妨げないようにして退出します。
📊 環状交差点に関する反則の点数と反則金(e-Gov法令検索「道路交通法施行令」より。大型車・二輪車・原付の金額は表で異なる。2026年9月25日確認)
| 違反の区分 | 内容(条文) | 点数 | 反則金(普通車) |
|---|---|---|---|
| 環状交差点通行車妨害等 | 進入時の徐行義務、環状交差点内の車両の進行妨害(第37条の2第1項・第2項) | 2点 | 7,000円 |
| 環状交差点安全進行義務違反 | 歩行者や、進入しようとする車・環状部分の車などに特に注意し、安全な速度と方法で進む義務(第37条の2第3項) | 2点 | 9,000円 |
| 環状交差点左折等方法違反 | 環状交差点での左折・右折・直進・転回の方法(第35条の2) | 1点 | 4,000円 |
※表は横にスクロールできます
⚠️ 一般的な情報です
反則金・点数は法令の改正や個別の事案で変わります。実際の判断は、警察・公安委員会などの公的窓口にご確認ください。
4. 日本国内の普及状況
JAFの記事が「日本ではまだ馴染みの薄い交差点形式」と説明するとおり、導入は始まったばかりですが、警察庁の資料によると、着実に増えています。
📊 環状交差点の導入状況
| 時点 | 導入状況 | 出典 |
|---|---|---|
| 2017年(平成29年)3月末 | 21都府県65か所 | 京都府警察の案内(警察庁の統計にもとづく) |
| 2026年(令和8年)3月末 | 41都道府県184か所 | 警察庁「環状交差点の導入状況(令和8年3月末現在)」 |
📊 箇所数の多い都道府県(警察庁の市区町村別データを都道府県ごとに集計)
| 都道府県(2026年3月末) | 箇所数 |
|---|---|
| 宮城県 | 28か所 |
| 愛知県 | 15か所 |
| 長野県 | 13か所 |
| 滋賀県 | 13か所 |
| 大阪府 | 11か所 |
| 静岡県 | 9か所 |
📌 補足
導入の理由や効果については、JAFが停電時の交通の円滑さ、整備コストの削減、景観の維持などを挙げています。積雪地域での導入に関する研究の状況など、公的機関の資料で確認できなかった内容は、この記事には載せていません。
5. 初めて走るときの心得
📝 環状交差点に近づいたときのチェックリスト
☑️ 「環状の交差点における右回り通行」の標識を確認した
☑️ 速度を落として、徐行で進入している
☑️ 環状部分を通行している車(自転車を含む)がいれば、進入を待っている
☑️ 環状部分では、左端に寄り、環状交差点の側端に沿って徐行している
☑️ 出口の手前で、左側の合図を出している(入った直後の出口を出る場合は、入ったときに出す)
☑️ 出口や、その直近の横断歩道にいる歩行者を優先している
☑️ 一時停止の規制標識が残る場所では、その標識に従っている(JAF)
💡 進入時は「合図なし」でも大丈夫?
道路交通法第53条第2項が環状交差点で合図を求めているのは、出るときと、徐行・停止・後退のときです。進入時の合図は、法令上求められる場面には挙げられていません。ただし、慣れない場所では、周囲の状況をよく見て、安全な速度で進むことが基本です。
6. よくある質問
まとめ
ラウンドアバウト(環状交差点)は、信号機がなく、車が環状部分を右回りに通行して進行方向を変える交差点で、警察庁によると2026年3月末現在、全国41都道府県184か所に導入されています。進入時は徐行し、環状部分の車を優先すること。環状部分では、左端に寄って側端に沿って徐行すること。出口の手前で左側の合図を出し、歩行者を優先すること。この3つの基本を覚えておけば、慣れない場所でも落ち着いて通行できます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。
参考: JAF「クルマ何でも質問箱」ラウンドアバウト(環状交差点)とは?(出典: 国土交通省「想定される効果・影響」、長野県「環状交差点の交通方法について」)
アイキャッチ画像: Nishikawata Roundabout by Miyuki Meinaka, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(栃木県宇都宮市で撮影)


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