スタッドレスの「氷上○%向上」は何と比べた数字?6社の公式表示を並べて確認【2026年11月】

スタッドレスタイヤのトレッド(イメージ写真)

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スタッドレスの「氷上ブレーキ○%向上」は、公式の数字では自社の前モデルとの比較で、他社との比較は見つかりませんでした。数え方も試験条件も、会社ごと、世代ごとに違います。

ブリヂストン・ヨコハマ・ダンロップ・トーヨー・ミシュラン・グッドイヤーの6社について、乗用車用の最新モデル(と併売の前モデル)の公式ページとプレスリリースを開き(2026年11月2日確認)、「何と比べた数字か」「どう数えた数字か」「どんな条件の試験か」を、原文の注記や図まで拾って並べました。当サイトが試験したものではなく、順位や優劣は付けていません。価格も載せていません。

  • 氷上ブレーキの「○%」の比較相手は、どの会社も自社の前モデル(従来品)です。他社と比べた数字は、公式ページに見つかりませんでした(ブリヂストンは、別の項目で自社の2モデルを比べたチャートを出しています)。
  • 数え方は、多くが「距離の短縮率」で、図に指数(旧モデル=100)を出す会社もあります。ただし同じ会社でも世代で方法が変わっており、ブリヂストンは2021年のVRX3では「大きいほどよい」指数(120)、2025年のWZ-1では「小さいほどよい」指数(89)で示しています。ダンロップは、定義の記載が見つかりませんでした。
  • 試験の初速・タイヤサイズ・車・氷の温度・場所は、会社ごと、モデルごとに違います。「195/65R15」が多いのは確かですが、同じ試験ではありません。
  • 「4年たっても効きが落ちにくい」の根拠は、確認できた範囲ではイメージ図、またはゴムやタイヤ単体の室内の劣化促進試験で、実車で4年使った数字ではありません。

6社の最新モデルと、氷上ブレーキの公式の数字

各社の乗用車用スタッドレスのうち、公式サイトで最新として扱われているモデル(と、比較用の併売モデル)です。SUV専用・商用・オールシーズンは除きますが、ブリヂストンの2026年発売のICEPEAK(SUV・EV・HV向け)は、同社の比較のため載せています。数字は、公式ページの表記のまま並べました。

会社・モデル(公式の発売時期) 氷上ブレーキの公式の数字 比較の相手 数え方(公式の図・注記から) 距離(m)の併記
ブリヂストン BLIZZAK WZ-1(2025年9月1日より順次) 「11%短縮」 同社の従来品 VRX3 停止距離の指数(VRX3=100、WZ-1=89) あり(13.32m / 15.00m)
ブリヂストン BLIZZAK ICEPEAK(2026年9月1日。SUV・EV・HV向け) 「11%短縮」(リリース:氷上ブレーキ制動距離を11%短縮) 同社の従来品 DM-V3 距離を併記 あり(32.36m / 36.16m。表記は「停止距離」)
ブリヂストン BLIZZAK VRX3(2021年9月。併売) 「20%向上」(「氷上性能120%到達」とも表記) 同社の従来品 VRX2 停止距離の指数(VRX3=120、VRX2=100。右向き矢印の図) あり(13.18m / 16.11m)
ヨコハマ iceGUARD 8(2025年9月1日より順次) 「氷上制動14%向上」(本文・商品ページ)。リリースの図は「14%短く止まる」 同社の従来品 iG70(iceGUARD 7) 定義の記載なし(「短く止まる」と書く図もある) 確認できず
ダンロップ WINTER MAXX ICE Pro(2026年8月より順次) 「25%アップ」(FAQは「25%向上」) 同社の従来品 WINTER MAXX 03 定義の記載なし 確認できず
ダンロップ WINTER MAXX 03(2020年8月。併売) 「22%UP」(リリース本文は「新品時の氷上ブレーキ性能が22%向上」) 同社の旧モデル 02 定義の記載なし あり(14.5m / 17.6m)
トーヨー OBSERVE GIZ3(2024年8月) 商品ページ「22%短縮」。リリースは「従来品比22%向上」 同社の従来品 GIZ2 停止距離の指数(GIZ2=100、GIZ3=78) 指数のみ(リリースの試験方法は「20km/hからフルブレーキングし、停止するまでの距離を計測」)
ミシュラン X-ICE SNOW +(2026年8月より順次) 氷上の数字なし。「氷と雪の性能はそのままに」と書き、ウェットブレーキ約7.3%、耐摩耗約25%を公表 同社の前モデル X-Ice Snow ウェットは距離を併記 ウェットのみあり(40.8m / 44.0m)
ミシュラン X-ICE SNOW(2020年8月。併売) 「約9%向上」 同社の従来品 X-ICE3+ 距離を併記 あり(16.5m / 18.2m。試験は2020年2月)
グッドイヤー ICE NAVI 8(2021年8月2日) 「8%向上」(図は「8%UP!」) 同社の従来品 ICE NAVI 7 有効制動距離の指数(ICE NAVI 7=100、ICE NAVI 8=92) 指数のみ

他社と比べた氷上ブレーキの数字は、どの会社の公式ページにも見つかりませんでした。「向上」の分母は、いずれも自社の旧モデルです。ですから、「ブリヂストンの11%」と「ダンロップの25%」を並べて大きさを比べることはできません。なお、ブリヂストンの公式ページ(「選べるBLIZZAK」)には、同社のWZ-1とICEPEAKを比べたチャートがあり、「氷上でのブレーキ/旋回性能はWZ-1が優位」とされています(「※チャートはイメージです」と注記)。同じ会社の中の、別モデル同士の比較です。発売時期も、ICE NAVI 8は2021年、ミシュランの氷上の数字(X-ICE SNOW)は2020年の試験と、新旧が混ざっています。

同じ「○%」でも、数え方は会社と世代で違う

図に指数を出している4つの例

図に旧モデルを100とした指数を載せているものを並べると、次のとおりです。

モデル(公式の図の呼び方) 指数 公式の数字 指数から読める数え方
ブリヂストン WZ-1(「停止距離(指数)」) WZ-1=89、VRX3=100(小さいほどよい) 11%短縮 100−89=11 → 距離の短縮率と読める
トーヨー GIZ3 GIZ3=78、GIZ2=100(小さいほどよい) 22%短縮 100−78=22 → 距離の短縮率と読める
グッドイヤー ICE NAVI 8(「有効制動距離指数」) ICE NAVI 8=92、ICE NAVI 7=100(小さいほどよい) 8%向上(図は8%UP) 100−92=8 → 距離の短縮率と読める
ブリヂストン VRX3(「停止距離(指数)」) VRX3=120、VRX2=100(右向き矢印の図。大きいほどよい) 20%向上 120−100=20。距離そのものではなく、逆数側の指数と読める(図からの当サイトの解釈)

つまり、同じブリヂストンが、2021年のVRX3では「大きいほどよい」指数(120)、2025年のWZ-1では「小さいほどよい」指数(89)で表示を変えています。確認できた範囲では、距離の短縮率で表すものが多くなっています。

距離(m)が出ている6例を、計算し直す

距離(m)が公式ページに載っている例で、当サイトが計算し直しました。距離が短くなった割合(短縮率)と、同じ初速で止まるときの平均の減速度が大きくなった割合(距離の比の逆数)の2通りです。同じ初速で、減速度が一定と近似すれば、制動距離は平均の減速度に反比例します。実車では、ABSの働きなどで減速度は一定ではないため、あくまで目安の計算です。

モデルと比較の相手 制動距離(m) 公式の数字 当サイトの計算:距離の短縮率 当サイトの計算:距離の比の逆数
WZ-1(VRX3比) 15.00 → 13.32 11%短縮 11.2% 12.6%
ICEPEAK(DM-V3比) 36.16 → 32.36 11%短縮 10.5% 11.7%
VRX3(VRX2比) 16.11 → 13.18 20%向上(指数120) 18.2% 22.2%
WINTER MAXX 03(02比) 17.6 → 14.5 22%UP 17.6%(丸めを考えると17.1〜18.1%) 21.4%(同じく20.6〜22.1%)
X-ICE SNOW(X-ICE3+比) 18.2 → 16.5 約9%向上 9.3% 10.3%
X-ICE SNOW +のウェットブレーキ(X-Ice Snow比) 44.0 → 40.8 約7.3%向上 7.3% 7.8%
  • WZ-1・ICEPEAK・ミシュランの数字は、距離の短縮率とほぼ一致します(WZ-1の指数89とも合います)。距離を併記しているので、読む側が確かめられます。
  • ブリヂストンVRX3の「20%向上」(指数120)は、実測の距離の逆数(122.2%)に近く、短縮率(18.2%)とは違います。120は122の丸めとも読めますが、公式に丸め方の記載はありません。
  • ダンロップのWINTER MAXX 03の「22%UP」は、短縮率(約18%)では合わず、逆数(約21%、丸めの幅を入れると20.6〜22.1%)なら収まります。ただし、商品ページ・リリース・FAQのいずれにも、「アップ」の定義は書かれていませんでした。これは当サイトの計算で、公式の説明ではありません。ダンロップは、「向上」「アップ」「UP」を混在させています。
  • ヨコハマ・ダンロップ(ICE Pro)は、距離も指数も、確認できた範囲では出ていないため、この計算ができませんでした。

短縮率と逆数の差は、0.5〜4ポイントほどで、数字が大きいほど開きます(7〜11%前後なら0.5〜1.5ポイント、20%前後なら4ポイント近く)。どちらの数え方かを書いていない「向上%」は、数字の見え方が変わります。ただし、これは「どの会社の数字も当てにならない」という意味ではありません。多くは距離の短縮率で説明でき、同じ会社でも世代で方法が変わる、というのが今回の整理です。

試験条件は揃っていない:初速・サイズ・車・氷の温度

氷上ブレーキの数字の元になった試験条件を、公式の注記から拾いました。初速が20km/hの例が多い一方、30km/hや25km/hから止めた例もあります。氷の温度や使った車も、会社ごと、モデルごとに違います。

モデル(比較の相手) 場所 初速 タイヤサイズ 試験車両 氷の温度
ブリヂストン WZ-1(VRX3) 軽井沢風越公園アイスアリーナ(室内) 20km/h 185/60R15 84Q ヤリスHV・前輪駆動 -1.2℃(氷路面)
ブリヂストン VRX3(VRX2) 東大和スケートセンター(室内) 20km/h 195/65R15 91Q プリウス・前輪駆動 -0.2℃(氷路面)
ブリヂストン ICEPEAK(DM-V3) 記載なし 30km/h 225/65R17 XL 106Q RAV4 HV・四輪駆動 記載なし
ヨコハマ iceGUARD 8(iG70) 軽井沢風越公園アイスアリーナ(屋内) 20km/h 195/65R15 91Q 排気量1,797cc・前輪駆動(車名の記載なし) -0.6℃
ダンロップ ICE Pro(WINTER MAXX 03) ヘルスピア倉敷アイススケートリンク 20km/h 205/55R16 91Q ゴルフVIII・前輪駆動 記載なし
ダンロップ WINTER MAXX 03(02) ヘルスピア倉敷アイススケートリンク 20km/h 195/65R15 91Q 排気量1,800cc・前輪駆動 路面-0.3℃
トーヨー GIZ3(GIZ2) 冬季タイヤテストコース(自社) 20km/h 195/65R15 91Q カローラHB・四輪駆動(ABS付き) 商品ページの図に記載あり(画像が小さく、路面温度は-1.6〜-1.9℃と読めるが判読は不確か)
ミシュラン X-ICE SNOW(X-ICE3+) 士別寒冷地技術研究会自動車試験場(2020年2月) 25→0km/h 205/55R16 VW GOLF 7・前輪駆動 -1.6〜-1.5℃
グッドイヤー ICE NAVI 8(ICE NAVI 7) 記載なし 20km/h 195/65R15 91Q 輸入車1.2L・前輪駆動 路面-3.2〜-3.0℃
  • 最新モデルの試験を195/65R15で揃えているのは、ヨコハマ・トーヨー・グッドイヤーです。それでも、車(1.8L級・カローラ・輸入車1.2L)も氷の温度も違います。
  • ブリヂストンは、WZ-1が185/60R15のヤリスHV、ICEPEAKが225/65R17・初速30km/hのRAV4 HVで試験しています。ICEPEAKの11%は、WZ-1の11%と別の車・別の初速の数字です。
  • トーヨーはリリースの注記に、「アイス路面での評価のため、環境条件によって性能のバラツキが発生します」と書いています。各社とも、「試験結果はあくまでテスト値」という趣旨の注意書きを付けています。
  • 試験の場所は、多くが自社のテストコースか、スケートリンクです。試験場の運営者が第三者かどうかは、各社とも明記していません(ミシュランは、士別寒冷地技術研究会自動車試験場、GKNドライブライン試験場、CATARCタイヤ摩耗試験ルートと、外部の試験場名を書いています)。第三者の試験機関による比較は、確認できませんでした。詳細データの届出先として、「タイヤ公正取引協議会」が各社に書かれています(届出先であって、試験を行う機関ではありません)。ブリヂストンICEPEAKとダンロップICE Proは、国際的な氷上性能テストに合格した証の「アイスグリップシンボル」の取得をリリースに書いていますが、試験の詳細は書かれていません。

ブリヂストンのVRX3のページには、上の表のほかに、別の試験として「社外テストドライバー、初速22km/h、1名乗車相当」の条件(プリウス、アルファード、タント)も載っています。同じ「※1」の番号のもとに、条件の違う試験が並んでいるため、数字を引用するときは、どの試験のものかを確かめる必要があります。ミニバンと軽自動車の画像には、写真だけで数字は載っていませんでした。

「4年たっても効きが落ちにくい」の根拠は、数字ではなく図

性能の持続は、スタッドレスで読者の関心が高いところです。各社の公式ページで確認できた根拠は、次のとおりです。

会社 公式の言い方 根拠として書かれているもの
ブリヂストン(WZ-1) 「4年使用後でも従来品の新品時を超えるゴムの性能を維持」(リリース)。ページの図は「4年使用後も性能が落ちにくい」 経過年に見合う促進劣化をさせたタイヤ単体の氷上摩擦係数を、同社の室内試験機で、氷温-2℃で計測(実車ではない)
ダンロップ(ICE Pro) 「4年使用しても、氷上性能が落ちにくい」 促進劣化後のタイヤ単体の氷上摩耗係数を、住友ゴム工業の室内試験機で計測。グラフは「イメージ」で、%の数字なし
トーヨー(GIZ3) 「4年後も効きが長持ち」 「経過年数(見合い促進劣化)」のイメージ図(新品・約2年後・約4年後)。数字・試験条件の記載なし
ヨコハマ(iceGUARD 8) 「約4年後まで氷上摩擦力の低下を抑制」 「氷上摩擦力の経時劣化イメージ(イメージ図)」。試験方法の図には、ゴムシートを経過年数見合いで促進劣化させ、劣化前後の引張応力(氷上摩擦力と相関するとされる)を測って近似的に指数を出す、と書かれている(タイヤではなくゴムシートの試験)
ミシュラン(X-ICE SNOW +) 「摩耗後もサイプがしっかりと残り最後まで安心感が持続」(リリース) 設計の説明。氷上性能の持続を数字で示したものは確認できず。耐摩耗は、一般道で2台並走・21,284kmの試験で約25%改善(リリースは「約25%長く使える」)
グッドイヤー(ICE NAVI 8) 「ライフ性能」の向上 レーダーチャート(目盛りなし)。試験の条件(12,120km走行)は載っているが、結果の数字は載っていない

つまり、「4年たっても」は、実際に4年使った車で測った数字ではなく、劣化を促進させたゴムやタイヤ単体の室内試験や、イメージ図から読み取るものです。これは各社の注記や図から読める試験の性質で、読む側が知っておくべき条件です。購入判断では、メーカーが挙げる交換の目安を合わせて見るほうが、確認できる情報が多くなります。

  • 使用限界は全社共通で、溝の50%(プラットホーム露出)です。ブリヂストン・ヨコハマ・ダンロップ・トーヨー・ミシュラン・グッドイヤーの公式ページが、同じ趣旨を書いています。
  • 経過年数は、6社とも「使用開始後5年で点検、製造後10年で交換」の趣旨を書いています(トーヨー・ヨコハマ・グッドイヤー・ダンロップは、10年は目安で使用期限ではないと注記)。ブリヂストンだけは、寿命のページが「製造から5年を過ぎたタイヤ」、保管のページが「使用開始から5年以上」と、5年の数え始めがページで違います。グッドイヤーは別のページで、スタッドレスの寿命は「よく3年といわれていますが…上手な使い方をしていればもっと長く」なると、一般論を紹介する書き方をしています。
  • 新品の保管について、ブリヂストンは「3年間は同等の性能を保つことが確認されています」、ダンロップは「3年間は同等の性能を保つことがタイヤ公正取引協議会で確認されています」、トーヨーは「2シーズン前のタイヤでも同等の氷上制動性能を保つことが試験で確認されています」(タイヤ公正取引協議会による、と書いている)、ヨコハマは「3年間は氷上制動性能を保つことが試験で確認されています」と書いています。ヨコハマのその根拠の試験は、旧世代のiG20(2005年製と2008年製)です。

溝の50%の根拠、プラットホームの見つけ方はタイヤ横の矢印の記事、寿命と交換時期はスタッドレスの寿命の記事で、JATMAやJAFの資料から確認しています。

「最新」が全部で上とは限らない:新旧が並んで売られている

どの会社も、最新モデルと前のモデルを同じ公式ページに並べています。

  • ダンロップは、2026年8月に「WINTER MAXX ICE Pro」を出しましたが、ICE Proの特設ページのQ&Aは、WINTER MAXX 03も「引き続きラインナップに残り」と書いています。ICE Proについて公式は「氷上性能に振り切った」「相反する一部の性能を犠牲にし」と書き、03と比べたレーダー図では、ライフ性能が03より小さく描かれています(数字なし)。氷上の数字(25%アップ)だけを見て、全体で03より上と読むのは、公式の説明とも合いません。
  • ブリヂストンは、2025年発売のWZ-1と、2021年発売のVRX3を、公式の車種別おすすめの文で並べて「乗用車なら、WZ-1とVRX3」としています。WZ-1がVRX3の後継だと書いた文は確認できませんでしたが、リリースはVRX3を「従来品」と呼んでいます。2026年9月発売のICEPEAKは、SUV・EV・HV向けでDM-V3の後継とリリースに書かれており、前節のとおり、WZ-1との比較チャートでは氷上ブレーキ・旋回はWZ-1が優位とされています。
  • ヨコハマは、iceGUARD 8のほかに7・6・5 PLUSなどが同じ一覧にあります(「旧モデル」の表記はありません)。トーヨーは、GIZ2のサイズ表に「▼印は在庫限りです」とあります。ミシュランは、X-ICE SNOW +とX-ICE SNOWが並び、グッドイヤーはICE NAVI 8と7が同じ一覧にあります。
  • 発売前のサイズが混ざっている例もあります。ブリヂストンWZ-1のサイズ表には「2026年10月発売予定」「11月発売予定」の印があり、ダンロップICE Proの6サイズは備考に「26年10月発売予定」とあります(11月2日の確認時点でも表記が残っていました。発売済みかどうかは公式の表記からは分かりません)。ヨコハマiceGUARD 8 SUVも、一部サイズに2026年の発売予定月が付いています。

自分の車のサイズが「発売済み」なのかは、公式のサイズ表と販売店の在庫で確かめる必要があります。

「向上○%」を見たときの確認5問

  1. 何と比べているか。自社の前モデルか、別の製品か、夏タイヤか。(氷上ブレーキの数字は、6社とも自社の旧モデル)
  2. どう数えているか。距離の短縮か、指数か(大きいほどよいか、小さいほどよいか)、「アップ」とだけ書いてあるか。
  3. 距離(m)は書いてあるか。書いてあれば、自分で計算し直せます。
  4. 試験の初速・サイズ・車・氷の温度は。数字は、その条件での1つの試験の結果です。
  5. 自分の車に近いか。VRX3のページには、プリウスのほか、ミニバン(アルファード・225/60R17)と軽自動車(タント・155/65R14)の別条件の試験も載っています(数字は載っていません)。

JAFのテストでも、氷盤路の制動距離は、ノーマルタイヤ約105m、スタッドレス約79mなど、路面と条件で大きく動きます(2017年、時速40km。当サイトの雪道でノーマルタイヤはどれだけ止まれないかの記事で確認した数字です)。数%の差より、条件の違いのほうが大きく見える場面があります。

今回、確認できなかったこと

  • 他社と比べた氷上ブレーキの公式の数字。公式サイト上には見つかりませんでした。
  • 各社の旋回・雪上・ウェット・静粛・低燃費の数字の多くは、画像内か、条件が読み取れないため、表には載せていません(氷上ブレーキを中心に確認しました)。
  • トーヨーGIZ3の氷上旋回の試験条件と氷温の細部(画像が小さく判読が不確か)、ダンロップWINTER MAXX 03の「摩耗後36%アップ」の注記(※3〜※7が公式ページに載っていない)、ヨコハマiceGUARD 8の氷上以外の試験条件(PDFが文字化け)。
  • 第三者の試験機関による比較。

出典(確認日: 2026年11月2日)

  • ブリヂストン BLIZZAK 公式(WZ-1・VRX3・ICEPEAKの商品ページ、サイズ表、「選べるBLIZZAK」、2025年7月15日・2021年7月15日・2026年7月27日のニュースリリース、タイヤ寿命・溝深さ・保管のページ)
  • ヨコハマタイヤ iceGUARD 公式(iceGUARD 8・8 SUV・7・6の商品ページ、2025年7月17日のリリース、FAQ、使用限界・保管のページ)
  • ダンロップ(住友ゴム工業)WINTER MAXX ICE Pro・WINTER MAXX 03の商品ページ、ICE Pro特設ページのQ&A、スタッドレスQ&A、2026年7月1日・2020年6月30日のニュースリリース
  • トーヨータイヤ OBSERVE GIZ3・GIZ2の商品ページ、2024年7月11日・2020年7月14日のプレスリリース、Q&A、「タイヤを安全にお使いいただくために」
  • ミシュラン X-ICE SNOW +・X-ICE SNOW・X-ICE SNOW SUVの商品ページ、2026年5月12日ほかのプレスリリース、タイヤ選び・保管のガイド
  • グッドイヤー ICE NAVI 8・7の商品ページ、2021年7月21日のニュースリリース、スタッドレス特集ページ、タイヤの知識のページ(点検・寿命・保管)

補足:ブリヂストンの指数の向きは、同じカタログ1冊で確かめられます

本文の見出し『図に指数を出している4つの例』のうち、ブリヂストンの例(VRX3の120、WZ-1の89。あわせて、本文にないICEPEAKの89)は、同社のタイヤカタログ2026-2027(スタッドレスタイヤ)のPDFの1冊で、図の題と向きまで並べて確かめられます(確認日: 2026年11月2日)。どちらの図も、題は「停止距離(指数)」です。

モデル(紙面のページ) 図の題 指数(目盛り) 図に添えられた表記
BLIZZAK WZ-1(p.9-10の見開き。指数の図はp.10) 停止距離(指数) VRX3=100、WZ-1=89(目盛り70〜100) 氷上ブレーキ 11% 短縮
BLIZZAK ICEPEAK(p.17-18の見開き。指数の図はp.18) 停止距離(指数) DM-V3=100、ICEPEAK=89(目盛り70〜100) 氷上ブレーキ 11% 短縮
BLIZZAK VRX3(p.15-16の見開き) 停止距離(指数) VRX2=100、VRX3=120(目盛り80〜120) 氷上ブレーキ 20% 向上

同じ題の図でも、VRX3の図は数字が大きいほど向上、WZ-1とICEPEAKの図は数字が小さいほど短縮、と読む向きが逆です。ICEPEAKは2026年9月発売のSUV・EV・HV向けで、図の注釈の条件(初速30km/h・225/65R17・RAV4 HV)はリリースと同じで、距離は32.36mと36.16mです。距離(m)は、WZ-1が15.00mから13.32m、VRX3が16.11mから13.18mで、ブリヂストンのリリースと商品ページに載っています(本文の表のとおり)。カタログは版が変わることがあるため、最新の版は下の出典で確認してください。

アイキャッチ画像: “Studless tire 2.jpg” by Lombroso (Wikimedia Commons, パブリックドメイン。紹介したモデルとは関係のない、スタッドレスタイヤのイメージ写真です)

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