海外旅行でレンタカーを借りて自由にドライブしてみたい、という方も多いのではないでしょうか。その際に必要になるのが「国際運転免許証」です。取得方法は意外と簡単なのですが、「どこの国でも使えるわけではない」「有効期限が短い」など、知らずに出発すると現地で困ってしまう注意点もいくつか存在します。この記事では、国際運転免許証の取得方法から、利用する際の注意点まで詳しく解説します。
📋 この記事のポイント
- 国際運転免許証(国外運転免許証)は、東京都では運転免許試験場・運転免許更新センター・指定警察署で申請でき、原則即日交付。手数料は2,250円(警視庁の場合)
- 有効期限は発行日から1年間で、更新制度はなく、期限が切れたら再度新規申請が必要
- 国際運転免許証は、ジュネーブ条約締約国等で使える。国によっては国際運転免許証のみでは運転できず、日本の運転免許証も必要
- 警視庁の一覧にない国でも運転が認められている国があるため、渡航先の大使館等で確認する
- 国際運転免許証とは
- 国際運転免許証の取得方法
- 有効期限は発行日から1年間
- 使えない国があることに注意
- レンタカー利用時のさらなる注意点
- 渡航前に確認しておきたい主要国の状況
- 台湾で運転する場合は、JAFの中国語翻訳文が必要
- 国際運転免許証の様式と記載内容
- よくある質問
- スマートフォンでの国際運転免許証、デジタル化の動き
- 海外での運転に不安がある場合の代替手段
- 海外での運転で日本と大きく異なるルール
- 海外での交通事故・トラブルへの備え
- 国際運転免許証の申請を代行してもらえるか
- 海外でのカーナビ・地図アプリの活用
- 国際運転免許証と現地の運転免許証、どちらを選ぶべきか
- 年齢制限や運転経験年数の条件
- 国際運転免許証の携帯を怠った場合のリスク
- マニュアル車が主流の国もあることに注意
- ガソリンスタンドの利用方法の違い
- 高速道路の通行料金システムの違い
- 駐車違反・スピード違反の通知はどう届くか
- 渋滞・迷子になった時の対処法
- 国別・地域別のイメージしやすい実例
- 子連れ・家族旅行での海外ドライブの注意点
- 時差ボケ・長時間フライト後の運転リスク
- 海外運転保険と日本の任意保険との関係
- 初めて海外運転にチャレンジする方へのアドバイス
- まとめ
国際運転免許証とは
国際運転免許証(正式名称:国外運転免許証)とは、外国で車を運転するためのものです(警視庁)。道路交通法第107条の7に基づき、日本の運転免許(小型特殊免許・原付免許・仮免許を除く)を現に受けている人が、渡航することを示す書面を添えて申請し、交付を受けられます。警視庁の「国際運転免許証のしおり」では、ジュネーブ条約締約国等の一覧にある国では、この国際運転免許証だけで運転できるとされています。一方で、アメリカ合衆国など国によっては国際運転免許証のみでは運転できない場合があるため、必ず日本の運転免許証も一緒に持つよう、同じしおりで案内されています。また、国によっては日本の運転免許証の提示を求められることがあります。
💡 ポイント
国際運転免許証はジュネーブ条約という国際的な取り決めに基づく制度で、すべての国で使えるわけではありません。警視庁のしおりには、この国際運転免許証で運転できる国等の一覧(令和3年9月7日現在)が載っていますが、一覧にない国でも運転が認められている国があります。渡航先の国の大使館等で、出発前に必ず確認してください。
国際運転免許証の取得方法
国際運転免許証は、住所地を管轄する公安委員会に申請します(道路交通法第107条の7)。警視庁の案内では、東京都内に住所がある人が、府中・鮫洲・江東の運転免許試験場、神田・新宿の運転免許更新センター、指定警察署(世田谷・板橋・立川)で申請でき、原則として即日交付とされています(状況によっては即日交付できない場合があります)。他の道府県の窓口や交付までの日数は、お住まいの都道府県警察の案内で確認してください。必要な持ち物は、警視庁の案内では、運転免許証またはマイナ免許証(お持ちの場合)、写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm、無帽・正面・無背景で申請前6か月以内に撮影したもの)、パスポートの原本(原本がない場合は渡航を証明する書類)です。古い国外運転免許証をお持ちの場合は、それも持参します。手数料は2,250円です。新たに申請する際は、以前の国外運転免許証を返納しないと交付できない場合があります。
警視庁の受付時間は、運転免許試験場が平日と日曜の8時30分〜16時30分(日曜は11時30分〜13時を除く)、運転免許更新センターが平日の8時30分〜16時30分、指定警察署が平日の8時30分〜16時30分(11時30分〜13時を除く)です。土曜・祝休日はすべての窓口が休みで、日曜に受け付けているのは運転免許試験場のみです。年末年始(12月29日〜1月3日)も休みです。
マイナ免許証と従来の運転免許証の2枚持ちの方は、どちらか一方で交付手続ができますが、海外では従来の運転免許証の提示を求められることがあるため、警視庁は可能な限り従来の運転免許証を持参するよう案内しています。マイナ免許証のみの方は、渡航先の国によっては従来の運転免許証が必要になる場合があります。従来の運転免許証の交付を受けるには、運転免許試験場へ行く必要があります。
⚠️ 注意
免許停止処分を受けている(停止中の)方や、大型特殊免許・小型特殊免許・原付免許・仮免許のみを保有している方は、国際運転免許証の申請ができません。(警視庁の案内による。道路交通法第107条の7)
有効期限は発行日から1年間
国際運転免許証の有効期間は、発行日から1年間と定められています(道路交通法第107条の8)。更新制度はなく、有効期間内であれば何回海外に行っても使えます。有効期間が過ぎたときは、運転免許試験場・運転免許更新センターまたは最寄りの警察署に返納します(郵送での返納も可能)。新たに申請するときは、古い国際運転免許証も持参してください。国際運転免許証は、元になった日本の運転免許が失効したり取り消されたりしたときは効力を失い、免許の効力が停止されている間は、国際運転免許証の効力も停止されます(同法第107条の9)。出発前に、日本の運転免許証の有効期限も確認しておくことをおすすめします。1年以上海外に滞在する方は、日本の運転免許証を滞在する国の運転免許証に切り替えるか、滞在する国の運転免許証を取得するよう、警視庁のしおりに書かれています。
使えない国があることに注意
警視庁の「国際運転免許証のしおり」には、この国際運転免許証で運転できる国等の一覧(ジュネーブ条約締約国等、令和3年9月7日現在)が掲載されています。アメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランド、イタリア、フランス、大韓民国、タイなどのほか、香港・マカオなどの特別行政区域等も載っています。ただし、国によっては日本の運転免許証の提示を求められることがあり、アメリカ合衆国など国によっては国際運転免許証のみでは運転できない場合があります。一覧にない国でも運転が認められている国があるため、渡航先の国が一覧にあるか、どのような条件で運転できるかは、大使館等で必ず確認してください。
レンタカー利用時のさらなる注意点
レンタカー会社によっては、国際運転免許証に加えて、日本の運転免許証本体の提示を求められることがあります(警視庁のしおりにも、国によっては日本の運転免許証の提示を求められることがあると書かれています)。必要書類は、国やレンタカー会社によって異なる場合があるため、レンタカーの予約時や現地の営業所で、事前に確認しておくと、当日慌てずに済みます。
渡航前に確認しておきたい主要国の状況
渡航先ごとに、事情が異なる点にも注意が必要です。警視庁のしおりの一覧には、アメリカ合衆国、オーストラリア、イタリア・フランス・スペインなどのヨーロッパの国、タイ・シンガポール・マレーシアなどが載っています。ただし、アメリカ合衆国など国によっては国際運転免許証のみでは運転できない場合があるため、日本の運転免許証も一緒に持つよう案内されています。一覧に載っていない国・地域では、扱いが異なります。たとえば台湾では、国際運転免許証ではなく、日本の運転免許証の原本と中国語翻訳文(JAFが発行)を一緒に携帯する必要があると、JAFが案内しています。旅行前には、渡航先の大使館等や、警視庁・JAF(日本自動車連盟)の公式ウェブサイトで、あらためて最新の情報を確認してください。
台湾で運転する場合は、JAFの中国語翻訳文が必要
JAFの案内では、台湾で運転するには、日本の運転免許証の原本と中国語翻訳文を同時に携帯する必要があります。翻訳文で運転できるのは台湾入境日から1年間で、JAFは日本台湾交流協会の委託を受けて国内で翻訳文を発行しており、申請はオンラインのみとされています。台湾以外の国で翻訳文が使えるかどうかは、この記事では確認できていません。渡航先の大使館等で確認してください。
国際運転免許証の様式と記載内容
警視庁のしおりでは、国際運転免許証の写真の上欄の氏名・生年月日・住所などを確かめ、ローマ字で署名するよう案内されています。運転できる車は、日本で運転できる車両に対応した車両で、渡航先の交通法規に従って運転します。また、この国際運転免許証では、日本国内では運転できません。破損や紛失を未然に防ぐため、専用のケースなどに入れて、大切に携帯することをおすすめします。
よくある質問
Q. 国際運転免許証は日本に帰国してからも使える?
A. 国際運転免許証は、日本国外でのみ有効な運転免許証で、日本国内では運転できません(警視庁のしおり)。日本で運転する場合は、日本の運転免許証が必要です。
Q. 海外で長期間運転する予定がある場合はどうすればいい?
A. 国際運転免許証の有効期間は1年間のみです。警視庁のしおりでは、1年以上海外に滞在する方は、日本の運転免許証を滞在する国の運転免許証に切り替えるか、滞在する国の運転免許証を取得するよう案内されています。手続きの詳細は、滞在予定の国の大使館や領事館、現地の運転免許の窓口に確認することをおすすめします。
Q. 国際運転免許証を紛失した場合はどうすればいい?
A. 海外で紛失した場合の再交付については、警視庁の案内に記載が見当たりません。出発前に、申請した運転免許試験場などで確認しておくと安心です。あわせて、渡航前にコピーを取っておく、複数の身分証明書を分散して携帯するなどの対策をおすすめします。
Q. 国際運転免許証はネットで申請・取得できる?
A. 警視庁の案内では、申請は運転免許試験場・運転免許更新センター・指定警察署の窓口で受け付けており、オンライン申請の記載はありません。本人が現に渡航中の場合などは、親族等の代理人による申請もできます(詳しくは「国際運転免許証の申請を代行してもらえるか」の節を参照)。他の都道府県の方法は、各都道府県警察のウェブサイトで確認しましょう。
Q. 家族の中で運転免許を持つ人が違う場合、誰の名義でレンタカーを借りるべき?
A. レンタカーは、実際に運転する人全員の国際運転免許証・日本の運転免許証をそれぞれ確認してもらう必要があります。複数人で運転を交代する予定がある場合は、契約時に「追加ドライバー」として全員分の免許証情報を登録しておくことをおすすめします。無登録のまま運転して事故を起こすと、保険が適用されない場合があるため注意が必要です。
スマートフォンでの国際運転免許証、デジタル化の動き
国際運転免許証について、スマートフォンの画像で代用できるという案内は、警視庁のページには見当たりません。原本を必ず携帯し、念のためスマートフォンにも写真データを保存しておくという二重の備えが安心です。
海外での運転に不安がある場合の代替手段
国際運転免許証を取得したものの、実際に現地で運転することに不安を感じる方には、いくつかの代替手段もあります。現地のタクシーや配車アプリ(Uber・Grabなど)を利用する、日本語対応可能な現地ツアー会社のドライバー付きチャーターサービスを利用する、公共交通機関を中心に旅程を組むといった方法です。運転そのものが目的でない旅行であれば、無理に運転せず、安全かつストレスの少ない移動手段を選ぶという判断も、賢い旅の進め方の一つだと言えるでしょう。
海外での運転で日本と大きく異なるルール
国際運転免許証を取得して現地で運転する際は、書類の準備だけでなく、その国特有の交通ルールも事前に理解しておく必要があります。日本は左側通行・右ハンドルですが、アメリカ・ヨーロッパ大陸の多くの国は右側通行・左ハンドルであり、車線変更や交差点での感覚が大きく異なります。また、ラウンドアバウト(円形交差点)が広く普及している国では、日本ではあまり馴染みのない優先関係のルールを理解しておく必要があります。制限速度の単位も、日本はキロメートル表示ですが、アメリカやイギリスはマイル表示が採用されているため、速度計の見方を勘違いしないよう注意が必要です。
海外での交通事故・トラブルへの備え
海外で運転中に万が一事故を起こしてしまった場合、日本国内での対応方法とは大きく異なるケースが少なくありません。多くの国では、事故現場ではまず警察をきちんと呼び、その到着をじっと待つことが基本的な対応とされていますが、国によっては、当事者同士でその場での示談を積極的に強く勧められることもあるため、あらかじめ心構えをしておくとよいでしょう。レンタカーを利用する場合は、契約時に付帯する保険の補償内容(対物・対人・車両保険)をあらかじめ必ずしっかりと確認し、必要に応じて追加の保険(スーパーカバー等)への加入も、あわせてしっかりと検討することをおすすめします。また、海外旅行保険にあわせて別途加入しておくことで、事故対応や通訳サービスといった手厚いサポートを受けられる場合も、少なくありません。
国際運転免許証の申請を代行してもらえるか
本人が直接、運転免許試験場などに出向いて申請するのが原則です。警視庁では、本人が現に渡航中の場合に限り、本人の運転免許の有効期限までおおむね3か月以上ある場合に限って、親族等(知人・友人・会社関係者も含む)の代理人による申請ができます。必要書類は、運転免許証、写真1枚、パスポートのコピー(未使用ページを含む全ページ)、本人から代理人にあてた依頼文書(委任状等。申請者氏名は必ず自筆)、代理人の身分を証明するものです。手数料は2,250円です。他の都道府県の取扱いは、お住まいの都道府県警察に確認してください。
海外でのカーナビ・地図アプリの活用
不慣れな海外の道を運転する際、カーナビやスマートフォンの地図アプリは心強い味方になります。レンタカーに搭載されているカーナビが現地語のみの表示で使いにくい場合は、日本語対応のスマートフォン地図アプリをあらかじめダウンロードし、オフラインでも使えるように地図データを事前にダウンロードしておくと安心です。海外でのデータ通信費用を抑えるため、現地SIMカードやポケットWi-Fiを準備しておくことも、快適なドライブのための一つの備えになります。ただし、運転中のスマートフォン操作は日本と同様、多くの国で交通違反の対象となるため、必ず車を停めてから操作するか、Bluetooth連携などで音声案内を活用するようにしましょう。
国際運転免許証と現地の運転免許証、どちらを選ぶべきか
短期旅行であれば国際運転免許証で十分ですが、海外赴任や長期留学など、1年以上の滞在を予定している場合は、現地の運転免許証への切り替えを検討する必要があります。現地の運転免許証への切り替えや取得の方法は、国によって異なります。手続きの詳細は国によって大きく異なるため、現地に到着後、早い段階で現地の運輸当局や日本大使館・領事館に相談しておくとよいでしょう。
年齢制限や運転経験年数の条件
渡航先でレンタカーを借りる際は、レンタカー会社が独自に年齢条件を設けている場合があります。会社によっては、若年のドライバーに割増料金が課されたり、貸し出しを断られたりすることがあります。また、運転免許取得からの経過年数(1年以上など)を条件にしている会社もあるため、レンタカーを予約する前に、年齢・免許経験年数の条件を必ず確認しておくことをおすすめします。
国際運転免許証の携帯を怠った場合のリスク
海外で運転中、警察の検問などで国際運転免許証や日本の運転免許証の提示を求められることがあります(警視庁のしおりにも、国によっては日本の運転免許証の提示を求められることがあると書かれています)。携帯していなかった場合の扱いは国によって異なり、罰金などの対象になる可能性もあります。運転中は必ず両方の免許証を携帯し、パスポートと一緒にすぐ取り出せる場所に保管しておくことが、トラブルを避けるための基本的な心がけです。
マニュアル車が主流の国もあることに注意
日本国内ではオートマチック車(AT車)が主流ですが、ヨーロッパをはじめとする多くの国では、いまだにマニュアル車(MT車)がレンタカーの主流を占めていることがあります。AT車限定の免許を保有している方や、マニュアル車の運転に慣れていない方は、レンタカー予約の際に必ず「AT車」を明記して予約する必要があります。AT車は台数が限られていることが多く、追加料金が発生したり、予約が取りにくかったりすることもあるため、早めの予約が重要です。当日、指定と異なる車両を渡されるトラブルを避けるためにも、予約確認メールなどで車種・ミッションタイプが明記されているかを確認しておくとよいでしょう。
ガソリンスタンドの利用方法の違い
海外でレンタカーを利用する際、給油方法が日本と異なる場合があります。多くの国では、先に給油してから店内で支払う「先払い不要」のセルフ式が一般的ですが、逆に、あらかじめクレジットカードで一定額を仮押さえしてから給油する「プリペイド方式」を採用しているスタンドもあります。また、国によってガソリン・軽油の呼び方が異なる(例: ヨーロッパでは「Diesel」「Unleaded」など)ため、レンタカーの燃料タイプを事前にしっかり確認し、誤給油を避けることが重要です。返却時は「満タン返し」が求められることが一般的で、満タンにせずに返却すると、割高な追加料金を請求されることがあるため注意しましょう。
高速道路の通行料金システムの違い
日本の高速道路はETCや現金での料金所支払いが主流ですが、海外では国ごとに異なる通行料金システムが採用されています。ヨーロッパの一部の国では、事前に購入する「ビニェット」というステッカーを車に貼ることで、一定期間の高速道路利用が可能になる制度があります。また、アメリカの一部の州や地域では、自動料金収受システム(日本のETCに近い仕組み)を利用するために、レンタカー会社が専用のトランスポンダー機器を貸し出していることもあります。事前にレンタカー会社に確認し、必要な料金支払い方法を準備しておくことをおすすめします。
駐車違反・スピード違反の通知はどう届くか
海外でレンタカーを運転中に駐車違反やスピード違反(速度取締カメラによる自動検知なども含む)をうっかりしてしまった場合、その場ではまったく気づかなくても、後日になってレンタカー会社を経由し、違反金の請求が届くことがあるので注意しましょう。多くのレンタカー会社は、契約時にあらかじめ登録したクレジットカードから、違反金に加えて事務手数料をあわせて差し引く形で請求を行うことが一般的です。帰国後、しばらく経ってから身に覚えのない請求が届いて驚くことのないよう、運転中は現地の交通ルールをできる限りしっかりと遵守し、速度標識にも十分注意を払っておくことが大切です。
渋滞・迷子になった時の対処法
海外の慣れない道で予期せぬ渋滞に巻き込まれたり、うっかり道に迷ってしまったりすることは、決して珍しいことではありません。パニックにならず、まずは落ち着いて安全な場所に車を停め、地図アプリで現在地と目的地をあらためて再確認することが基本です。たとえたとえ言葉にやや不安がある場合でも、多くの国では「Help」「Police」といった簡単な英単語や、身振り手振りだけでも十分に周囲の助けを求めることができます。事前に、宿泊先やレンタカー会社の緊急連絡先をきちんと控えておく、あるいは海外旅行保険のサポートデスクの電話番号をきちんと携帯しておくことも、いざという時の心強い安心材料になります。
国別・地域別のイメージしやすい実例
実際の渡航をよりイメージしやすいよう、代表的な国・地域の状況をここであらためて簡単に整理してみましょう。アメリカ合衆国など国によっては国際運転免許証のみでは運転できない場合があるため、日本の運転免許証も一緒に持ち、渡航先の州の情報を事前にきちんと調べておくと安心です。オーストラリアやニュージーランドは、日本と同じ左側通行であるため、比較的運転しやすい国として旅行者にも人気がありますが、ラウンドアバウトの多用や、長距離移動における野生動物(カンガルーなど)との衝突リスクといった、その土地ならではの独自の注意点も存在しています。ヨーロッパでは、シェンゲン協定加盟国間を車で自由に行き来できるという大きな魅力がある一方、国境をまたぐたびに交通ルールやガソリンスタンドで使う通貨がころころ変わることもあるため、事前の情報収集がより一層重要になってきます。韓国や台湾など東アジアの近隣諸国は、右側通行・左側通行の違いや、都市部特有の交通量の多さにも十分注意が必要であり、慣れない標識やスクーターの多さに戸惑うこともあります。
子連れ・家族旅行での海外ドライブの注意点
小さな子どもを連れて海外でレンタカーを利用する場合、日本のチャイルドシート使用義務とは異なるルールが定められている国も数多くあるため、事前の確認が欠かせません。多くの国では、一定の年齢・身長・体重に満たない子どもには、チャイルドシートやブースターシートの着用が法律できちんと義務付けられており、違反すると罰金の対象になることも珍しくありません。レンタカー会社でチャイルドシートを追加料金でレンタルできることが一般的ですが、台数に限りがある場合も少なくないため、予約の段階であらかじめ必ず申し込んでおくことを、強くおすすめします。
時差ボケ・長時間フライト後の運転リスク
海外旅行では、長時間のフライトによる時差ボケや疲労が蓄積した状態で、到着後すぐにレンタカーを運転してしまうケースも少なくありません。ただでさえ慣れない土地での運転であるのに加え、集中力や判断力がじわじわと低下した状態での運転は、事故のリスクを大きく、そして確実に高めてしまう要因になります。可能であれば、到着当日は運転をあえて避けて宿泊先でゆっくりと体を休め、翌日以降に落ち着いてから運転を開始するといったスケジュールを、あらかじめ組んでおくことをおすすめします。それでもどうしても到着日に運転が必要な場合は、こまめに休憩を挟みながら、決して無理のない運転を心がけるようにしましょう。
海外運転保険と日本の任意保険との関係
日本国内で加入している任意自動車保険は、原則として日本国内での運転のみをあくまで対象としており、海外での運転には基本的に適用されない点を、あらかじめきちんと理解しておく必要があります。海外でレンタカーを利用する際は、レンタカー会社が用意する保険プランに加入するか、日本出発前に加入する海外旅行保険の中に、レンタカー運転中の事故を補償する特約(自動車運転者賠償責任特約など)が含まれているかを確認することが重要です。クレジットカードに付帯する海外旅行保険の中にも、こうした補償があらかじめ含まれているケースがあるため、手持ちのカードの補償内容を事前にしっかりと調べておくと、余分な保険料を無駄に払わずに済む場合もあります。複数のカードを持っている方は、それぞれの補償内容を比較し、もっとも手厚い補償が得られる組み合わせを選ぶという工夫も有効です。
初めて海外運転にチャレンジする方へのアドバイス
初めて海外での運転にチャレンジする方は、いきなり長距離のドライブ計画を立てるのではなく、空港からホテルまでの短い区間や、交通量の少ない郊外エリアなど、比較的運転しやすい環境からじっくりと慣れていくことをおすすめします。焦らず段階を踏んで慣れていくことが、結果的に安全運転への一番の近道になります。現地到着後、レンタカー会社の営業所内やその周辺で、ウインカー・ワイパー・ライトの位置、ハンドルの重さなど、日本車と異なる操作感覚をあらかじめしっかりと確認しておくと、本格的な運転に入る前の心構えがきちんとできます。特にウインカーとワイパーのレバーが日本車と左右逆の配置になっている車種は多く、とっさの場面でワイパーとウインカーを間違えるという、笑い話のようで実は起こりやすいミスもあるため、事前の確認がとても大切です。また、可能であれば、同乗者にもナビゲーション役をあらかじめお願いし、二人三脚でしっかりと安全運転を心がけることも、慣れない土地でのドライブを無事に成功させるための、大切なコツの一つだと言えるでしょう。
まとめ
国際運転免許証は、比較的簡単な手続きで取得できる一方、有効期限の短さや、使える国が限定されているという制約があります。渡航先がジュネーブ条約の締約国かどうか、レンタカー会社が追加でどんな書類を求めているかを、出発前にしっかり確認しておくことが、海外での安全で快適なドライブにつながります。運転免許制度そのものへの理解を深めておくことは、国内での車検やメンテナンス選びと同様、安全なカーライフの土台になります。あわせてディーラー車検とカー用品店・整備工場車検の違いの記事もご覧いただき、日頃の車との付き合い方をさらに深めてみてください。準備を万全にして、海外での運転を楽しんでください。
※本記事の内容は一般的な情報であり、渡航先の国の交通ルールや必要書類は変更される場合があります。最新情報は必ず外務省・現地の在外公館・運転免許センターにご確認ください。出典(2026年10月確認): 警視庁「国外運転免許証取得手続(本人による申請)」、同(親族等の代理人による申請)、同「日本人が外国で車を運転するには」・「国際運転免許証のしおり」、JAF(台湾で運転する方法)、道路交通法第107条の7〜10(e-Gov法令検索)


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