ドラレコのGセンサー、事故映像を自動保護する仕組み

事故に遭ったとき、ドライブレコーダーの映像が残っているかは、あとから状況を確認するうえで重要になります。多くの機種に搭載されているGセンサー(加速度センサー)は、衝撃を検知して映像を保存する機能を支えています。この記事では、日産純正ドライブレコーダーの取扱説明書とユピテルの公式ページをもとに、Gセンサーによる記録の仕組み、感度設定と保存件数の考え方、検知できない場合、事故のときの対応、日常の確認点を整理しました。数値は機種によって異なるため、一例として紹介します。

📋 この記事の要点

✔ ユピテルの公式ページでは、Gセンサー記録機能は、事故時の衝撃や急ブレーキ・急ハンドルを検知し、自動で専用フォルダに記録・保存すると説明している

✔ 日産純正の例では、衝撃を検知すると、常時録画からイベント(衝撃)記録に切り替わり、衝撃の前約12秒と後約8秒の、約20秒を保存する

✔ イベント記録の保存件数には上限がある。日産純正の例(付属の8GBのmicroSDカード)は最大10件で、上書き設定をOFFにすると、上限を超えたあとは記録が始まらない

✔ 衝撃が感度設定に届かない場合や、SDカードの異常・電源の断線などがある場合は、記録・保存できないことがあるとメーカーが注意している

✔ 事故などでデータが必要な場合は、速やかにキースイッチをOFFにし、microSDカードを抜いて、パソコンなどに保存するよう、取扱説明書が案内している

動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

1. Gセンサーとは、何をする仕組みか

ユピテルの公式ページでは、Gセンサー記録機能を、「事故時の衝撃や急ブレーキ・急ハンドルを検知し、自動で専用フォルダへ記録・保存します」と説明しています。同社は、常時録画とイベント記録を組み合わせた方式を採用しており、衝撃を検知した映像を「上書き禁止」にする設定ができる機種もあります。

日産純正ドライブレコーダーの取扱説明書では、録画のモードを次のように整理しています。走行中は常時録画を続け、衝撃を検知すると、イベント記録に切り替わります。

📊 録画モードの整理(日産純正 G20A0-C9980 の取扱説明書)

モード 記録の内容(日産純正の例) 保存先フォルダ
常時録画 電源オンから電源オフまで、常に録画。1ファイルは約2分ごとに保存される。SDカードの録画領域がなくなると、古い日時のファイルから順に消して録画を続ける NORMAL
イベント(衝撃)記録 衝撃を検知すると、常時録画を中断してイベント記録を開始。衝撃前約12秒+衝撃後約8秒の、約20秒を保存する。記録が終わる前に、さらに衝撃を検知すると、20秒延長される EVENT
手動録画 任意のタイミングで記録するモード(電源オン時の4つのモードのひとつ) 取扱説明書で確認
駐車録画 キースイッチをOFFにして待機し、衝撃を検知すると録画を開始。録画時間は、お買い上げ時は約30秒 取扱説明書で確認

📌 機種により、名称・秒数は異なります

上の数値は、日産純正の1機種の例です。他社の機種では、記録する秒数や、フォルダの名称・件数が異なります。お使いの機種の取扱説明書で確認してください。

2. 感度設定と、保存件数の上限

Gセンサーの感度設定と、保存できる件数の上限は、重要な映像を残せるかどうかに関わります。日産純正の例で見ます。

📊 感度と保存件数の整理(日産純正の例)

設定・仕様 内容(日産純正の例) 考え方
感度設定 1〜5の5段階(初期値は3)。1は大きな衝撃で検知、5は小さな衝撃で検知 感度を上げる(数字を大きくする)と、小さな衝撃でも記録される。段差などの通過でも、イベント記録が増えることがある
イベント記録の保存件数 付属の8GBのmicroSDカードで、最大10件(1件あたり20秒) 件数には上限がある。専用フォルダに入っていれば、いつまでも残るわけではない
上書き設定(イベント) ONが初期値。10ファイルを超えると、古いファイルから順に上書きされる 新しい衝撃の記録が優先され、古い記録が消える
上書き設定をOFFにした場合 古いファイルは上書きされない。ただし、10ファイルを超えると、記録は開始されない 古い記録は残るが、新しい衝撃の映像が残らない。必要な映像は、パソコンなどに保存する
ファイル保護 再生メニューで「ファイル保護」を選ぶと、上書き・削除されないよう保護できる 重要な映像は、保護またはバックアップを行う

⚠️ 感度を確かめるために、危険な運転をしない

取扱説明書には、本機が衝撃を検知するかを確かめるために、故意に危険な運転をすることなどは、絶対にしないようにと明記されています。感度の確認は、安全な方法で行ってください。

💡 感度の考え方

感度を高くすると、軽い衝撃でも保存されやすくなる一方で、保存件数の上限に早く達します。低くすると、件数は増えにくいものの、弱い衝撃を検知しない場合があります。走行環境に合わせて、機種の説明書の設定手順で調整してください。

3. 記録・保存できないことがあるケース

Gセンサーが付いていれば、必ず映像が残るとは限りません。日産純正の取扱説明書には、衝撃の検知による映像の記録・保存ができないことがある場合が、具体的に書かれています。

📊 記録・保存できないことがある場合(日産純正の取扱説明書)

ケース 取扱説明書の記載(日産純正の例)
SDカードの問題 microSDカードを挿入していない、抜いた場合。破損・故障・寿命等で、正常な記録・読み出しができない場合。付属または純正以外のmicroSDカードを使用した場合
上書きされた場合 記録した古い映像が、新しい記録によって消されて(上書きされて)しまった場合
事故の損傷 事故や水没などで、本機とmicroSDカードが損傷を受けた場合。事故で、バッテリーと本機の間の電源コードが断線した場合、またはバッテリーが損傷した場合
衝撃が弱い 衝撃が弱く、設定された感度に満たない場合
取り付けの問題 本機の本体が適切に固定されていないなど、取付状態に問題がある場合

なお、この機種は、事故の衝撃で電源が遮断される場合を想定して、バックアップ電源を内蔵しています。ただし、電源オン直後や低温下では、バックアップの時間が短くなる場合があり、必ず記録することを保証するものではありません。また、メーカーは、映像が事故の検証に役立つことも目的の一つだが、証拠としての効力を保証するものではないとしています。

4. 事故のときの対応

日産純正の取扱説明書は、常時録画型の装置では、SDカードが一杯になると古い映像から消えて上書きされるため、事故などでデータが必要な場合の対応を、次のように案内しています。

🧭 事故でデータが必要なときの流れ(日産純正の取扱説明書に沿って)

1

速やかに、キースイッチをOFFにする

ACCをオフにして、録画・上書きを止めます。

2

microSDカードを抜く

本機の電源がオフ(LEDが消灯)になっていることを確認し、アクセス中(LEDが点灯中)には抜かないでください。カードの破損や、本機の故障につながるおそれがあります。

3

必要なデータをパソコンなどに保存する

取扱説明書は、パソコンなどへの保存などの対応を行うよう案内しています。大切なデータは、すぐにバックアップします。

4

保存後の扱いを確認する

フォーマットすると、保護されたファイルを含め、すべてのデータが消えます。バックアップを取ってから行うかどうかを、取扱説明書で確認します。

⚠️ 事故直後の対応は、安全が最優先です

負傷者の救護、二次事故の防止、警察への連絡など、事故後の必要な対応を優先してください。映像の保存は、その後、落ち着いて行いましょう。法的な扱いや、保険会社への映像提出の要否は、警察・保険会社などにご確認ください。

5. 日常の確認と、機種選びの視点

📝 日常のチェックリスト

☑️ microSDカードが入っている(入れ忘れがあると、本機は動作しない機種もある)

☑️ 録画・イベント記録が正常に働いているか、定期的に再生して確認した

☑️ イベント記録の保存件数が上限に近づいていないか、確認した

☑️ 重要な映像は、パソコンなどにバックアップした

☑️ 純正または指定のmicroSDカードを使っている(機種によって指定がある)

☑️ 本体が適切に固定されている

☑️ 日付・時刻が正しく表示されている(日産純正の例では、GPSを受信すると自動で設定される)

📊 機種ごとに確認しておきたいこと

確認項目 内容 出典
録画できる時間の目安 日産純正(付属8GB)の例で、常時録画は画質により最大70〜240分(標準画質は最大150分)。録画時間は、画質やSDカードの容量で異なる 日産純正の取扱説明書、ユピテル公式
フォーマット 日産純正の例では、基本的に不要。書き込み・読み込みエラー時や、本機が起動しない場合のみ行う。フォーマットすると、保護されたファイルを含め、すべて消える 日産純正の取扱説明書
駐車録画 駐車中の衝撃を検知して録画する機能を持つ機種がある。感度は1〜5で設定 日産純正、ユピテル公式

📌 確認できなかった点

ドライブレコーダーが、3軸(前後・左右・上下)の加速度を検知する、といった内部の仕組みの一般的な説明は、公式資料では確認できませんでした。機種ごとの仕様は、取扱説明書をご確認ください。

6. よくある質問

Q. Gセンサーが付いていれば、事故の映像は必ず残りますか?

A. 必ずとは限りません。日産純正の取扱説明書には、SDカードの問題、上書き、事故による損傷、衝撃が感度設定に届かない場合などで、記録・保存できないことがあると書かれています。

Q. 感度は高いほうがよいのですか?

A. 感度を高くすると、軽い衝撃でも記録されますが、イベント記録の保存件数に早く達します。低くすると、弱い衝撃を検知しないことがあります。日産純正の例では、感度は1〜5の5段階です。走行環境に合わせて、機種の説明書で調整してください。

Q. イベント記録は、いつまでも保存されますか?

A. いいえ。日産純正の例では、最大10件(付属の8GBカード)で、上限を超えると、古いファイルから上書きされます。上書き設定をOFFにすると、上限を超えたあとは記録が開始されません。重要な映像は、バックアップしてください。

Q. 事故のあと、映像を残すにはどうすればよいですか?

A. 日産純正の取扱説明書は、速やかにキースイッチをOFFにして、microSDカードを抜き、必要なデータをパソコンなどに保存するよう案内しています。安全の確保と、警察への連絡を優先してください。

まとめ

Gセンサーは、衝撃や急ブレーキ・急ハンドルを検知して、映像を専用フォルダに保存する仕組みを支えています。ただし、保存できる件数には上限があり、SDカードの問題・上書き・事故による損傷・衝撃が弱い場合など、記録できないケースもあります。感度と上書き設定の考え方を理解し、日常的にSDカードと保存件数を確認しましょう。事故のあとは、安全の確保を優先したうえで、取扱説明書に従ってキースイッチをOFFにし、microSDカードを抜いてデータを保存してください。

※本記事は一般的な情報提供です。ドライブレコーダーの機能・記録時間・保存件数・感度設定は、メーカー・機種によって異なります。ここでは、日産純正ドライブレコーダー(部品番号 G20A0-C9980)の取扱説明書と、ユピテルの公式ページ(確認日:2026年9月25日)を例に紹介しています。お使いの機種は、必ず取扱説明書をご確認ください。

アイキャッチ画像: Dashcam recording a road by Ed6767, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(英国で撮影)

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