楽しいはずのドライブが、同乗者の乗り物酔いで台無しになってしまう。JAFの「クルマ何でも質問箱」は、乗り物酔いの原因を「身体的要因」「外的(物理的)要因」「心理的要因」の3つに整理し、それぞれに合わせた予防を勧めています。この記事では、JAFの案内と日本OTC医薬品協会のQ&Aをもとに、酔いが起こる仕組み・事前の準備・運転や車内の工夫・酔ったときの対処・酔い止め薬の注意点をまとめました。
📋 この記事の要点
✔ 乗り物酔いは、視覚や体の動きなどの情報にずれが生じ、脳が混乱して起こる(JAF)
✔ 要因は3つ。身体的(疲労・睡眠不足・空腹・満腹など)、外的(臭い・カーブ・車内での読書など)、心理的(思い込み・不安)
✔ 予防は、前夜の睡眠・数日前からの体調管理・揺れの少ない車体中央部の座席・スムーズな運転・換気など
✔ 酔ったら、まず停車して休憩。深呼吸や水分補給をして、体調と気持ちを整える(JAF)
✔ 酔い止め薬は、乗る30分〜1時間前が目安。眠気や集中力低下が出ることがある(日本OTC医薬品協会)。妊娠中・持病などがある場合は、服用前に相談を
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
📑 目次
1. 乗り物酔いが起こる仕組みと、3つの要因
JAFは、乗り物酔いのしくみを、次のように説明しています。人の脳は、視覚や聴覚、筋肉の動きなどから得た情報を総合して、平衡感覚を保っています。ところが、自分は動いていないのに車窓の景色が変化するような状況では、感覚器官から伝わる情報にずれが生じるため、脳が混乱してしまい、酔いが起こります。
📊 乗り物酔いの3つの要因
| 要因の種類 | 具体例(JAFの整理) | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 身体的要因 | 疲労、睡眠不足、空腹、満腹 | 前夜にしっかり寝る。空腹・満腹を避ける。数日前から体調を整える |
| 外的(物理的)要因 | ガソリン臭、車内の不快な臭い、カーブ、車内での読書やテレビ | 換気、臭い対策、揺れの少ない席、スムーズな運転、読書などを避ける |
| 心理的要因 | 乗り物酔いへの思い込み、乗車時の不安感 | 会話や好みの音楽でリラックスする |
📌 補足
JAFのこのQ&Aは、2015年5月現在の掲載です。内容は基本的なものですが、酔い止め薬などの最新の情報は、薬剤師や、製品の説明書で確認してください。
2. 出発前の準備:身体・心理の要因を減らす
身体的要因を減らすには、ドライブの日程が決まっているなら、数日前から体調管理に気を配ることが大切です。前夜はしっかり睡眠をとり、空腹のまま乗車しないことを基本にします。
📊 出発前の準備
| 準備すること | ねらい | 出典・補足 |
|---|---|---|
| 数日前から体調を整える | 身体的要因(疲労・睡眠不足)を減らす | JAFの案内 |
| 前夜に、しっかり睡眠をとる | 睡眠不足による酔いやすさを避ける | JAFの案内 |
| 空腹のまま乗らない。食べすぎもしない | 空腹・満腹による酔いやすさを避ける | JAFは要因として空腹・満腹を挙げている |
| 酔い止め薬を用意する | 必要になったときに、すぐ使えるようにする。事前に医師・薬剤師に相談すると安心 | JAFの案内(薬の注意は、後の節を参照) |
| 会話や好みの音楽を用意する | 心理的要因(不安・思い込み)を和らげる | 一般的な工夫 |
📝 出発前チェックリスト
☑️ 前夜の睡眠時間を確保した
☑️ 空腹や食べすぎの状態で乗らない予定にした
☑️ 酔い止め薬が必要か、薬剤師に相談した(必要な場合)
☑️ 車内で読書やゲームを続けないことを、同乗者に伝えた
☑️ 酔ったとき、すぐ休憩できる場所を、ルートで確認した
3. 運転と車内環境:ドライバーと同乗者にできること
外的要因は、ドライバーや同乗者の気配り次第で、かなり減らせます。JAFは、揺れの少ない車体中央部に酔いやすい人を座らせる、ガソリンの臭いが苦手な人がいる場合はその人が車を離れている間に給油する、車内では臭いの強いものを食べない、走行中に定期的に換気する、などを挙げています。
📊 運転・車内環境の工夫
| 工夫 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 座る位置 | 酔いやすい人は、揺れの少ない車体中央部に座らせる | JAF |
| 給油のタイミング | ガソリンの臭いが苦手な人がいる場合は、その人が車を離れている間に給油する | JAF |
| 車内の臭い | 臭いの強い食べ物を、車内で食べない。エアコンの臭いは消臭剤で消す | JAF |
| 換気 | 走行中に、定期的に車内を換気する | JAF |
| 運転の仕方 | スムーズで安全な運転を心がける。急発進・急停止・小刻みなアクセル操作を避ける | JAF。急な操作を避ける具体例は、一般的な運転の心得 |
| 車内での過ごし方 | 読書やテレビを見続けない。景色を遠くまで見る | JAFは、車内での読書やテレビを外的要因に挙げている |
💡 ポイント
「自分は酔わない」という前向きな気持ちや、会話で気を紛らわせることも、心理的要因への対策になります。一方で、酔いやすさには個人差があるため、無理に我慢させないことが大切です。
4. 酔ってしまったとき:休憩と、ツボ・バンド
どれだけ準備をしても、酔ってしまうことはあります。JAFは、そんなときは車を降りて休憩するのが最も効果的だとしています。適切な場所に停車し、深呼吸や水分補給をしながら景色を眺め、体調と気持ちを整えます。
🧭 酔ったときの基本手順(JAFの案内を踏まえた手順)
無理をせず、早めに停車する
安全な場所(サービスエリア、駐車場など)に停めます。高速道路の路肩などは、危険なため避けます。
車の外に出て、休む
外の空気を吸って、深呼吸をします。
水分をとる
少しずつ、水分補給をします。
景色を遠くまで眺める
遠くの景色を見て、気持ちを整えます。
回復してから、再び出発する
落ち着くまで、無理に出発しません。
📊 ツボ・バンドの紹介
| 方法 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| ツボ「内関(ないかん)」 | 手首のしわから肘側に、指3本分(約5cm)の、腕の中央のくぼんだ場所 | JAFが紹介。米粒や絆創膏で刺激する方法や、酔い止めバンドがある。効果には個人差がある |
| 酔い止めバンド | 内関を刺激する目的の、市販のバンド | JAFが紹介。効果には個人差がある |
5. 酔い止め薬の使い方と、注意したい人
JAFは、酔い止め薬について、ドラッグストアやコンビニエンスストアで購入でき、自律神経を整える成分や、胃腸が異常に活動するのを鎮める成分が含まれていると紹介しています。日本OTC医薬品協会のQ&Aでは、使い方のポイントが、次のように示されています。
📊 酔い止め薬に関するQ&A(日本OTC医薬品協会)
| 疑問 | 日本OTC医薬品協会のQ&A |
|---|---|
| いつ飲む? | 予防の場合は、乗り物に乗る30分から1時間前が目安 |
| 酔ってからでも効く? | 効く。予防だけでなく、吐き気やめまいなどの症状をやわらげる効果もある |
| 2回目までの間隔は? | 4時間以上あける。1日の服用回数は守る |
| 何歳から? | 3歳に満たない子どもは服用できない。3歳以上は、配合成分により服用できる薬もある |
| 眠くなる? | 眠気には個人差があるが、眠気が出ることがある。眠気が出なくても、集中力や判断力が低下することがある |
| 一緒に飲んではいけない薬は? | 他の乗り物酔い薬、かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、鼻炎薬、アレルギー薬、睡眠改善薬。胃腸薬にも、併用できないものがある |
⚠️ 妊娠中・持病がある人、ドライバーは、服用前に相談を
市販の酔い止め薬の添付文書には、妊娠中の人、緑内障や排尿困難などのある人、高齢者、小児などについて、服用前に医師・薬剤師・登録販売者への相談を求める記載があるものがあります。服用後の乗り物の運転を控える記載もあります。製品によって異なるため、必ず添付文書を確認し、不明な点は薬剤師に相談してください。持病のある同乗者に、手持ちの薬を安易に渡すのは避けましょう。
6. よくある質問
📚 あわせて読みたい
まとめ
乗り物酔いは、視覚や体の動きの情報にずれが生じて起こります。前夜の睡眠と体調管理、揺れの少ない座席、スムーズな運転と換気で、酔いにくい環境をつくりましょう。酔ってしまったら、無理をせず、停車して休憩することが基本です。酔い止め薬を使うときは、飲むタイミングや眠気に注意し、妊娠中・持病のある人は、事前に薬剤師や医師に相談してください。
※本記事は、JAF「クルマ何でも質問箱」(2015年5月現在の掲載)、日本OTC医薬品協会のQ&A(2026年10月確認)をもとにした一般的な情報提供です。医療・薬に関する個別の判断は、医師・薬剤師などの専門家にご相談ください。
参考: JAF「クルマ何でも質問箱」同乗者の乗り物酔いを防ぐには?(出典: 日本OTC医薬品協会、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)


コメント