マンションの青空駐車場や月極の屋外駐車場に車を停めている方にとって、台風は気がかりな存在です。ただ、台風から車を守る方法は「風」と「水」で考え方が変わります。この記事では、気象庁の風の強さの目安、JAFの注意点、自治体の車両避難場所の例などをもとに、屋根のない駐車場での備えを整理しました。ボディカバーやワイパーの扱いなど、公的な基準が確認できなかった点も、そのまま明記しています。
📋 この記事の要点
✔ 台風の被害は、暴風による飛来物と、冠水・浸水・土砂災害とで対策が異なる。まず自宅の駐車場がハザードマップでどの位置づけかを確認する
✔ 気象庁の目安では、平均風速20〜25m/sで看板が落下・飛散し飛来物で負傷するおそれがあり、25〜30m/sで走行中のトラックが横転する
✔ JAFは、アンダーパス・川や海岸沿い・急傾斜地に近づかないよう案内している。車を動かすなら、水や風が強まる前の早い段階で決める
✔ 静岡市のように、台風接近時に立体駐車場などを「車両避難場所」として案内する自治体がある。ただし水没しても市や事業者は責任を負わない旨が明記されている
✔ ボディカバーやワイパーを立てるかどうかについて、公的機関の確認できた基準は見つからなかった。
📑 目次
1. まず「風」と「水」を分けて考える
屋外駐車の台風対策は、何に備えるかで方法が変わります。屋根がないことで直接影響を受けやすいのは風による飛来物ですが、低い土地の駐車場では、それより冠水・浸水の方が車にとって大きな被害になることがあります。
📊 屋外駐車の台風リスクと、確認できた根拠(確認日: 2026年9月25日)
| 備える対象 | 起こりうること | 確認できた根拠 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 暴風・飛来物 | 看板の落下・飛散、飛来物による負傷。強風では走行中の車にも影響が出る | 気象庁「風の強さと吹き方」 | 駐車場周囲の飛ばされやすい物や、看板・樹木の位置を確認する |
| 冠水・浸水 | アンダーパスなどの低い場所への水の集中、エンジンへの水の浸入 | JAF 台風・大雨時のクルマに関する注意点、JAFユーザーテスト | 低地の駐車場は、水が来る前に高い場所へ移す判断を検討する |
| 土砂災害 | 急傾斜地付近の車の被害。JAFは急傾斜地に近づかないよう案内 | JAF、静岡市の車両避難場所の選定基準(土砂災害警戒区域外) | 自宅駐車場が警戒区域に当たるか、ハザードマップで確認する |
| 高潮・海岸付近 | JAFは、海岸沿いに近づかないよう案内 | JAF 台風・大雨時のクルマに関する注意点 | 海沿いの駐車場は、台風の進路によっては早めの移動を検討する |
※表は横にスクロールできます
📌 補足
ハザードマップは市区町村が作成しています。JAFも、事前にハザードマップで洪水危険地域や土砂災害警戒区域を確認しておくよう案内しています。自宅の駐車場と、避難先候補の駐車場の両方を調べておくと安心です。
2. 気象庁の風の目安で、何が起きるかを知る
台風の風がどの程度で、車や周囲にどんな影響があるのかは、気象庁が「風の強さと吹き方」の表で示しています。下は、車に関係の深い部分の抜粋です。
📊 気象庁「風の強さと吹き方」の抜粋(確認日: 2026年9月25日)
| 平均風速(m/s) | 予報用語 | 人・屋外の様子 | 走行中の車 |
|---|---|---|---|
| 10以上15未満 | やや強い風 | 風に向かって歩きにくく、傘がさせない。樹木全体が揺れ始める | 高速運転中は横風に流される感覚を受ける |
| 15以上20未満 | 強い風 | 風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。看板やトタン板が外れ始める | 高速運転中は横風に流される感覚が大きくなる |
| 20以上25未満 | 非常に強い風 | 何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれ。看板が落下・飛散する | 通常の速度で運転するのが困難になる |
| 25以上30未満 | 非常に強い風 | 屋外での行動は極めて危険 | 走行中のトラックが横転する |
| 30以上35未満 | 猛烈な風 | 多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある | (表に記載なし) |
※表は横にスクロールできます
💡 表の読み方の注意
平均風速は10分間の平均、瞬間風速は3秒間の平均です。気象庁は、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いが、大気の状態が不安定なときは3倍以上になることもあると説明しています。また、その場所の風速は地形や周りの建物に影響され、近くの観測所の値と大きく異なることがあるとされています。
3. 駐車場所の選び方と、避難先の考え方
屋根のない駐車場で台風をやり過ごす場合、対策は「駐車場所を変える」「動かせないなら被害を減らす工夫をする」の2段階で考えます。
📊 駐車場所と対策の選択肢(確認日: 2026年9月25日)
| 選択肢 | 確認できた情報 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 高い場所・立体駐車場の上階などへ一時避難 | 静岡市は、水害時の車両避難場所として、公共駐車場3施設(計1,030台・無料)と、民間協力駐車場13施設(計2,501台)を案内。民間協力駐車場は多くが立体駐車場の上階を使う。選定基準は「洪水・内水による浸水のおそれがなく、土砂災害警戒区域外」 | こうした制度は自治体によって異なる。静岡市の例では、想定を上回る雨量で避難車両が水没しても、市と事業者は責任を負わないとされている。避難先の周辺リスクもハザードマップで確認する |
| 自宅の駐車場のまま | 公的な資料で「この駐車位置なら安全」と示せるものは確認できなかった | 周囲の飛ばされやすい物の固定・撤去、看板や樹木の近くを避けるなど、自分でできる範囲を実施する |
| ボディカバー | 効果とリスクを検証した公的資料は確認できなかった | 固定が不十分だと外れたり、車体とこすれたりする可能性は否定できない。使う場合は、製品の説明書と取扱条件を確認する |
| ワイパーを立てる・立てない | トヨタの公式FAQは、豪雪の場合は積もった雪の重さでワイパーが折れることがあるため立てないよう案内。車種によっては、立てられないタイプもある | 車の取扱説明書か販売店で確認する |
⚠️ 車を動かすタイミングを誤らない
静岡市は、強雨時の避難は危険であるため、早期の決断が重要としています。水が駐車場に入り始めてから、あるいは風雨が強まってから車を動かすのは、危険を伴います。移動するなら、風雨が強まる前の余裕のある段階で行い、冠水したアンダーパスや川沿いの道を通らないルートを選んでください。
4. 台風前の準備の流れ
🧭 台風接近前の準備の流れ
気象情報とハザードマップを確認する
気象庁の防災気象情報と、市区町村のハザードマップで、自宅の駐車場の浸水・土砂災害リスクを確認します。警戒レベルの見方は、気象庁のページで確認できます。
移動するか、その場に置くかを決める
低地・海沿い・急傾斜地に近い駐車場は、移動を検討します。自治体の車両避難場所があれば、利用条件を事前に確認します。
周囲の飛ばされやすい物を片付ける
駐車場の周りに、飛ばされそうな物(自転車、ごみ箱、資材など)がないか確認し、固定・撤去します。
車内の貴重品・非常用品を確認する
車内に置く物と、持ち出す物を決めます。停電や避難に備えた車載品も、あわせて見直しておくと安心です。
保険の補償内容を確認する
車両保険の種類で、水没や飛来物の補償範囲が変わります。詳しくは、次の章を確認してください。
被害があったときに備え、写真を残す
被害を受けた場合は、片付けや修理の前に、被害状況の写真を撮っておくことが大切です(大田区の案内より)。
📝 台風接近前のチェックリスト
☑️ 自宅の駐車場が、ハザードマップの浸水想定区域・土砂災害警戒区域に当たるか確認した
☑️ 風が強まる前に、車を動かすかどうかを決めた
☑️ 避難先の駐車場のリスクと、利用条件を確認した
☑️ 駐車場の周囲に飛ばされやすい物がないことを確認した
☑️ 車両保険の補償範囲と、保険会社の連絡先を確認した
☑️ 台風後の点検の流れ(浸水したらエンジンをかけない、など)を家族で共有した
5. 保険と記録、台風後の確認
📊 台風被害と車両保険・台風後の扱い(確認日: 2026年9月25日)
| 項目 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 車両保険で補償される台風関連の損害 | 車両保険に加入していれば、豪雨・洪水・高潮による水没、強風による瓦や看板などの飛来物の衝突、台風による土砂災害などが対象になる | 三井ダイレクト損保 |
| 補償されない自然災害 | 地震・噴火・津波による損害は、車両保険に加入していても補償されない | 三井ダイレクト損保 |
| 車両保険の種類 | 大雨や洪水による損害は、一般車両保険と「車対車+A」の車両保険で補償される(保険会社の案内) | アクサダイレクト |
| 等級への影響 | 台風・洪水・高潮などで車両保険を使うと「1等級ダウン事故」となり、翌年の契約から1年間、事故有係数が適用される | アクサダイレクト |
| 台風後の車の扱い | 浸水した車は、水が引いた後でもエンジンをかけないよう、JAFが案内している | JAF クルマ何でも質問箱 |
⚠️ 保険の細かい条件は契約内容で異なります
補償の対象・免責金額・等級の扱いは、保険会社や契約プランで異なります。この記事は一般的な情報です。実際に請求できるかどうかは、ご契約の保険会社に確認してください。
6. よくある質問
📚 あわせて読みたい
まとめ
屋根のない駐車場での台風対策は、風による飛来物と、冠水・浸水・土砂災害を分けて考えることが出発点です。気象庁の目安では、平均風速20m/sを超えると飛来物で負傷するおそれがあり、25m/sを超えると走行中のトラックが横転します。車を動かすなら、風雨が強まる前にハザードマップを確認したうえで判断しましょう。ボディカバーやワイパーの扱いは公的な基準が見つからなかったため、取扱説明書や販売店で確認を。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。保険の補償内容・自治体の制度・気象の基準は変更されることがあります。個別の判断は、保険会社・自治体・公的窓口でご確認ください(確認日: 2026年9月25日)。


コメント