レンタカーやカーシェア、代車に乗って「給油口はどっちだっけ」となったとき、運転席に座ったまま、燃料計を見るだけで左右がわかる。YouTubeのショート動画で紹介したこの話題を、メーカーの公式FAQ・取扱説明書、国土交通省の告示、JAFの情報で確かめ直し、動画に入らなかった詳細と補足をまとめた記事です。
📋 この記事の要点
✔ 燃料計の給油機マークの横にある三角は、向いている側に給油口があることを示す。トヨタ・日産・マツダ・スバル・三菱・スズキの公式資料で確認(ホンダN-BOXの取扱説明書では三角の記載を確認できなかった)
✔ 三角は業界で取り決めたものではない(日本自動車工業会の回答として、2017年の報道)。同じ日産でも、デイズは左、エクストレイルは右
✔ 「排気管から300mm以上離す」は、国交省が掲載する2005年版の細目告示の記載。2023年6月5日時点の第18条には見当たらず、乗用車などは国連の協定規則第34号に適合する形になっている
✔ 給油口の開け方は、オープナー(レバー)・ドアロック連動でリッドを押す・キャップレスなど車種ごとに違う
✔ キャップを閉めるときの「カチッ」は、トヨタ=音がするまで/ホンダ=1回以上/スズキ=2回以上/三菱=3回以上と取扱説明書の記載が違う
🎬 動画で見る(ショート)
この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。
▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
動画では、給油口の左右が「排気管と給油口を離す決まり」とメーカーの考え方で決まっていること、「トヨタ・ホンダは左に統一、日産は運転席側(右)が多い」こと、フタの開け方に「ボタン式」があることを紹介しました。確認し直したところ、次の点は公式資料では裏づけが取れませんでした。
・排気管から300mm以上という距離は、旧版(2005年)の告示の記載です。現行掲載版の第18条では見当たりません(第3章)。
・「統一」は、2017年の報道でホンダが「現行車はすべて左」と答えた記載はあるものの、現在の公式資料では確認できませんでした。「日産は右が多い」も公式資料では確認できず、日産は車種によって左右が違います(第1章)。
・「ボタン式」は確認できませんでした。確認できたのは、オープナー式、ドアロックと連動してリッドを押す式、キャップレスです(第4章)。
三角マークの見方そのものは、公式資料で確認できています。
📑 目次
1. 燃料計の三角マークの見方(メーカー公式で確認)

燃料計の給油機のマークの横に、小さな三角(▲・◀・▶など)が付いているクルマがあります。三角が向いている側に、給油口があります。トヨタの公式FAQは「◁が向いている方に給油口があります」と案内しています。各社の公式資料で確認できた記載をまとめます。
📊 燃料計の三角・矢印の記載(各社の公式FAQ・取扱説明書)
| メーカー・資料 | 燃料計の三角・矢印の記載 | 給油口の位置の記載 |
|---|---|---|
| トヨタ(公式FAQ) | 「◁が向いている方に給油口があります」(メーター内のマークを探す) | 図の例は車の左側 |
| 日産 デイズ(取扱説明書) | 矢印は燃料補給口が車両左側にあることを示す | 車両左側 |
| 日産 エクストレイル(取扱説明書) | 矢印は燃料補給口が車両右側にあることを示す | 運転席側の車両後方 |
| マツダ CX-30(取扱説明書) | 矢印は給油口が助手席側にあることを示す | 助手席側 |
| スバル(公式FAQ) | 燃料計に表示されるマークで、フューエルリッドが左右どちらにあるか確認できる | 図の例は「車体の右側(運転席側)」 |
| 三菱 eKワゴン/eKクロス(取扱説明書) | 矢印は燃料補給口が車両左側にあることを示す | 助手席側の車両後方 |
| スズキ ハスラー(取扱説明書) | 給油機マークの左にある◀印は、給油口が助手席側の車両後部にあることを示す | 助手席側の車両後部 |
| ホンダ N-BOX(2024年の取扱説明書) | 三角の説明は、「メーター」「給油のしかた」のページでは確認できなかった | 給油のときは「助手席側に給油機がくるように」停める |
同じ日産でも、車種で左右が違う

日産の取扱説明書では、デイズは左側、エクストレイルは右側と、同じメーカーでも車種によって給油口の側が違います。動画で紹介した「日産は運転席側(右)が多い」は、公式資料では確認できませんでした。メーカー名で決めつけず、三角か取扱説明書で確認するのが確実です。
三角は業界の取り決めではない
乗りものニュースの2017年の記事は、各社への取材として、トヨタが「2000年ころから一部車種で採用し、2005年からは新型車すべてで表示」、スバルが「2000年発売の2代目インプレッサが最初」、ホンダが「2004年に採用を判断し、2006年のフルモデルチェンジ機種から順次表示」と答えたと伝えています。同じ記事で、日本自動車工業会は「三角マークは、当会やメーカー間で取り決めたものではありません」と回答しています。表示するかどうかは各社の判断のため、古い車では付いていない場合があると考えておきましょう。同じ記事では、取材した主要8社が2017年時点で「現行の全車に表示されている」と回答しています(各社の公式サイトでは、導入時期を確認できませんでした)。
2. 乗る前の確認手順(レンタカー・カーシェア)
初めて乗る車で給油口に迷わないための手順を、公式資料の記載にそって整理します。
| 手順 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1. 燃料計の三角を見る | 給油機マークの横の三角が向く側が、給油口の側。車種によっては、メーターの表示が出るのは電源(エンジンスイッチ)がONのとき | トヨタFAQ、マツダ・スズキの取扱説明書(燃料計は電源ONで表示) |
| 2. 開け方を調べる | 運転席足元のオープナー、ドアロック連動でリッドを押す、キャップレスなど。車内の取扱説明書の「給油口の開け方」を確認 | トヨタFAQ(「事前に取扱書で…オープナーの位置を確認」)、各社の取扱説明書 |
| 3. 油種を確認する | 給油口を開けると油種が書かれていることが多い。表示のない車もまれにあるため、普段乗らない車は取扱説明書で確認 | JAF Mate |
| 4. 給油機の前に停める | 給油口の向きに合わせて給油機の前に停め、エンジンを止める。給油前に金属部分に触れて静電気を除去する | トヨタFAQ、ホンダN-BOXの取扱説明書 |
| 5. 迷ったら聞く | レンタカーは店舗のスタッフ、カーシェアは運営会社の窓口に確認する。タイムズカーは、車内の専用の給油・洗車カードで給油する運用 | タイムズカー公式ページ |
給油の手順の全体や、静電気・ノズルの色などは、サイト内のセルフスタンドでの給油の記事にまとめています。
3. 給油口の位置と、公的な基準で確認できたこと
動画では、給油口の左右が「排気管と給油口を離す決まり」とメーカーの設計思想で決まる、と紹介しました。この点を、法令と国土交通省の告示で確認し直しました。
保安基準の本体は、燃料装置が引火のおそれのないものであることを求め、具体的な基準は告示に委ねている
📜 道路運送車両の保安基準 第15条第1項(条文の要約)
ガソリン、灯油、軽油などの引火しやすい液体を燃料とする自動車の燃料装置は、燃料への引火等のおそれのないものとして、強度、構造、取付方法等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
保安基準の本体には、給油口の位置や排気管との距離は書かれていません。具体的な基準は、「細目告示」(国土交通省)の第18条(普通・小型・軽自動車など)に定められています。
「排気管から300mm以上」は、旧版の告示にあった記載

| 2005年11月9日時点の版 | 2023年6月5日時点の版 | |
|---|---|---|
| 排気管との距離 | 燃料タンクの注入口及びガス抜口は、排気管の開口方向になく、かつ、排気管の開口部から300mm以上離れていること(第1項第七号) | 排気管からの距離の記載は、確認した範囲では見当たらない |
| 電気端子との距離 | 露出した電気端子及び電気開閉器から200mm以上(第八号) | 二輪・三輪など第1号以外の自動車については、同じく200mm以上(第1項第2号ハ) |
| 車室内 | 座席又は立席のある車室の内部に開口していないこと(第九号) | 第2号ハに同様の記載。第1号の自動車は、協定規則第34号の適合を求める |
| 乗用車などの基準 | 告示本文に具体的に記載 | 二輪・三輪などを除く自動車の燃料タンク及び配管は、協定規則第34号の規則5.及び6.(又は13.)に適合すること(第1項第1号) |
国土交通省の「道路運送車両の保安基準(2026年3月31日現在)」のページは、保安基準第15条に対応する告示として第18条などを案内しており、そこに掲載されている第18条のPDFが、上の2023年6月5日時点の版です。動画の「排気管と給油口を離す決まり」は、旧版の記載であり、現行掲載版の第18条では確認できませんでした。いつ削除されたのかは、確認できていません。
国連の協定規則第34号(R34)の本文で確認できたこと
現行の第18条が適合を求めている協定規則第34号(火災の危険の防止)の本文(UNECEの文書。確認したのは2007年発効の改訂版)には、次の記載があります。
| 項 | 内容(要旨) |
|---|---|
| 5.4 | 通気装置は火災の危険がないように設計すること。特に、タンクに給油しているとき漏れるおそれのある燃料が、排気系統に落ちてはならず、地面に導くこと |
| 5.8 | 給油口は、乗員室・荷室・エンジンルームにあってはならない |
| 5.9.1.1 | 給油キャップがないときの蒸発ガスや燃料のこぼれを防ぐ手段として、自動で開閉する取り外せないキャップ、ひもやチェーンでつないだキャップなどを例示 |
「給油中にこぼれた燃料が熱い排気系統にかからないようにする」という趣旨は、この本文から確認できます。ただし、左右のどちらに給油口を置くかをメーカーがどう決めているかを、公式に説明した資料は確認できませんでした。そのため、この記事では左右を決める理由は書きません。なお、確認に使ったR34は日本の告示が引用する改訂版と異なる可能性があるため、詳しくは国土交通省・UNECEの最新の文書をご確認ください。
4. 給油口の開け方はいろいろ
動画では、給油口のフタの開け方がレバー式・プッシュ式・ボタン式とバラバラだと紹介しました。公式資料で確認できたのは、次の方式です(「ボタン式」は確認できませんでした)。
| 方式 | 公式資料の記載の例 | 出典 |
|---|---|---|
| オープナー(レバー)を操作 | トヨタ カローラ: オープナーを上げて給油扉を開ける(トヨタFAQは「車種によってはオープナーを押して」)。三菱 eK: 運転席右下のオープナーを引く。スズキ ハスラー: 運転席足元のオープナーを引き上げる | 各社の取扱説明書、トヨタFAQ |
| ドアロックと連動し、リッドを押す | ホンダ N-BOX(2024): 運転席ドアを解錠し、フューエルリッドの右端を「カチッ」と音がするまで押す。スバル(レヴォーグVN型など): ドアの解錠などでフューエルリッドが解錠され、リッドの左端中央を押して開く | ホンダ取扱説明書、スバルFAQ |
| キャップレス給油口 | 日産 エクストレイル: キャップがなく、リッドを開けてノズルを直接差し込む。給油口は運転席側の車両後方 | 日産取扱説明書 |
5. 給油キャップの「カチッ」とぶら下げ式ホルダー

外したキャップは、ぶら下げて置く
キャップを外したあとの置き場所は、各社の取扱説明書に書かれています。トヨタ(カローラ)は「ハンガーにかける」、ホンダ(N-BOX)は「ホルダーにかける」、スズキ(ハスラー)はリッド裏のキャップホルダーに「ひもの部分をかける」、三菱(eK)は「キャップのひもをリッド裏側のホルダーに引っ掛ける」、スバルはリッド内側の「フックにかける」としています。国連のR34にも、キャップを置き忘れたり失くしたりしたときの対策として、ひも付きキャップなどが例示されています(第3章)。
閉めるときの「カチッ」は、車種ごとに回数が違う
キャップを閉めるときは、「カチッ」と音がするまで回します。取扱説明書の記載は、トヨタ(カローラ)が「カチッと音がするまで」、ホンダ(N-BOX)が「1回以上」、スズキ(ハスラー)が「2回以上」、三菱(eK)が「3回以上」と違います。回数が違う理由は、各社の取扱説明書には書かれていませんでした。自分の車の説明にしたがって、確実に閉めましょう。
開けるとき・閉めるときの注意
| 場面 | 注意点(取扱説明書の記載) | 出典 |
|---|---|---|
| 開けるとき | 急に開けると燃料が吹き出すおそれがある。キャップはゆっくり回し、「シュー」という音がしたら音が止まるまで保持(トヨタ)。空気の抜ける音が止まってから開ける(スズキ) | トヨタ、スズキ、ホンダ |
| 給油中 | 自動停止したあとの継ぎ足し給油はしない。給油前に金属部分に触れて静電気を除去する | トヨタ、ホンダ、スズキ |
| 閉めるとき | トヨタは、手を離すとキャップが逆方向に少しもどると説明。正常に閉まらないときは必ずトヨタ販売店へ連絡。純正品以外のキャップは使わない(トヨタ・スズキ・三菱) | トヨタ、スズキ、三菱 |
キャップが開いていたとき、油種を間違えたとき(JAF)
JAFは、キャップ式の車で、洗車や雨のあとにキャップが開いたままだったと気づいたときは、水がどのくらい混ざったかわからないため、エンジンを始動せずにJAFへ救援を要請するよう案内しています。キャップレス式は、一般的には防水対策がされているものの、詳細は取扱説明書か販売店で確認するようにとのことです。
油種を間違えたときも、JAFは、レギュラー・ハイオク車に軽油を入れた場合などは「エンジンを始動しない。電源もONにしない」「整備工場で抜き替えが必要」と案内しています。対処や費用は、サイト内の軽油とガソリンを間違えたときの記事で解説しています。
6. よくある質問
まとめ
燃料計の給油機マークの横の三角は、向いている側に給油口があるサインです(トヨタ・日産・マツダ・スバル・三菱・スズキの公式資料で確認)。ただし業界の取り決めではなく、同じ日産でもデイズは左、エクストレイルは右です。動画で紹介した「排気管から離す決まり」は旧版の告示の記載で、現行掲載版の第18条では確認できませんでした。給油口の開け方も、オープナー、ドアロック連動、キャップレスと車種ごとに違い、キャップの「カチッ」の回数もトヨタ・ホンダ・スズキ・三菱で記載が異なります。初めて乗る車では、三角を見て、取扱説明書で開け方と油種を確認するのが確実です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。給油口の位置・開け方・キャップの扱いは車種や年式によって異なります。お乗りの車の表示と取扱説明書、メーカー・販売店の案内にしたがってください。法令・告示は改正されることがあります(確認日: 2026年10月)。
参考(公式資料・公的機関・JAF): トヨタ 公式FAQ「セルフスタンドでの不安をバッチリ解消」/トヨタ カローラ 取扱説明書「給油口の開け方」/日産 デイズ 取扱説明書「燃料計」/日産 エクストレイル 取扱説明書(PDF)/マツダ CX-30 取扱説明書「燃料計」/スバル 公式FAQ「給油口は、左右どちらにありますか?」/スバル 公式FAQ「給油口の開けかたを教えてください。」/三菱 eKワゴン/eKクロス 取扱説明書「メーター」/同「燃料補給口の開閉」/スズキ ハスラー 取扱説明書(PDF)/ホンダ N-BOX 取扱説明書「給油のしかた」/e-Gov法令検索 道路運送車両の保安基準(第15条)/国土交通省 道路運送車両の保安基準(2026年3月31日現在)/同 細目告示 第18条(2023.6.5版)/同 細目告示 第18条(2005.11.09版)/UNECE UN Regulation No. 34 Revision 1/JAF 燃料を入れ間違えた場合の対処方法/JAF 給油キャップが開いている状態に気付いた場合の対処方法/JAF Mate 燃料など油脂類の入れ間違い防止/タイムズカー 給油・洗車/乗りものニュース(2017年)クルマの給油口、右側?左側?(二次情報)
図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。実際の表示の形・位置は車種によって異なります。


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