※この記事で紹介している動画は、2026年11月23日(月)19:00に公開予定です。公開までは、記事の中の動画は再生できません。公開後に再生できるようになります。
歌いながら話す動画『3気筒と4気筒は何が違う?気筒数の読み方と、1気筒あたりの排気量を、公式の諸元表と技術資料で確認【2026年11月】』の解説記事です。動画で話した内容の出どころを、ホンダ・ダイハツ・スズキ・トヨタ・スバル・日産の公式の諸元表14枚、道路運送車両法施行規則 別表第一、ホンダの2013年の発表、スバルの技術ページで確認し直し、動画で触れきれなかった補足と、動画とは別の切り口(『欄の言葉』の分解・目的別の見る欄・『よく聞く説』の検証)を加えました。
この記事は、気筒の数の『読み方』に絞っています。『3気筒は振動が大きい』『4気筒は上質』『気筒が多いほど高性能』といった評価は、どちらが良い・悪いとは言わず、諸元表に書かれていたこと、書かれていなかったことを並べ、二次情報のウィキペディアの記述は、二次情報と明記して紹介します。個別の車の価格や購入の判断は扱いません。
📋 この記事の要点
✔ 気筒の数と並べ方は、諸元表の「エンジン種類」の欄で読める。欄の見出しは、ホンダが「エンジン種類・シリンダー数及び配置」、日産のフェアレディZが「種類・シリンダー数」、トヨタ・スズキ・ダイハツが「種類」、スバルが「型式・種類」。読んだ6社の諸元表14枚は、どれも気筒の数と並べ方が読めた。例: ホンダ N-VANは「S07B/水冷直列3気筒横置」。トヨタ クラウンの燃料電池車の列は、エンジンの欄が「—」。
✔ 1気筒あたりの排気量は、総排気量÷気筒の数。N-VANは0.658L÷3=約219cc、ヤリス(1.490L・3気筒)は約497cc、ジムニーシエラ(1.460L・4気筒)は365cc、クラウン セダン(2.487L・4気筒)は約622cc。同じ3気筒でも、1気筒の大きさは違う。気筒の大きさが同じエンジンなら成り立つ簡略化した式で、13のエンジン型式すべてで、内径×行程から計算した値と0.2cc以内で一致した(こちらの計算)。軽自動車の規格は、道路運送車両法施行規則 別表第一に、総排気量0.660L以下・長さ3.40m以下・幅1.48m以下・高さ2.00m以下(気筒の数の決まりは見当たらない)。読んだ軽の諸元表5車種は、どれも直列3気筒だった(『軽はすべて3気筒』とは言えない)。
✔ 直列・V型・水平対向は、気筒の並べ方の名前。この記事では並べ方の優劣は言わない。
✔ 気筒の数だけでは、出力・燃費は決まらない。GRヤリス(直列3気筒)は224kW、クラウン セダンのエンジン(直列4気筒)は136kW、ジムニーシエラ(直列4気筒)は74kW。GR86とWRX S4は、どちらも型式FA24・水平対向4気筒・2.387Lだが、173kWと202kW。ヤリスのXグレード・2WDのWLTC燃費は、同じ直列3気筒1.490Lで、ハイブリッド36.0km/L・ガソリン(CVT)20.3km/L。『3気筒は振動が大きい』『4気筒は上質』と気筒の数を結びつけた文は、読んだ公式の諸元表14枚に見当たらなかった。一方、二次情報のウィキペディア「直列型エンジン」の欠点の節には「2気筒、3気筒では振動が激しいという欠点があり」との記述がある(4気筒でも2次振動までは相殺できない、とも)。バランスシャフトなど対策の有無は公式で確認できなかった。
▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
📑 目次
1. 動画の内容(要約):欄の読み方・1気筒あたりの排気量・並べ方の名前・気筒数だけでは決まらないこと
2. 動画で触れきれなかった補足:14枚の諸元表の原文・計算表・軽自動車の規格の原文・ホンダの発表・並べ方の言葉・最高出力の表
1. 動画の内容(要約)
動画は、聞き役の『かーぎーくん』と解説役のかけ合いです。冒頭と章の頭、まとめで歌い、本文はリズムに乗せた会話です。歌の歌詞には数字や条件を入れず(『気筒の数は どこで読むの?』『エンジンの種類の 欄で読めるよ』『たしかめよう!』『ゆっくり いこうよ』『ならべて みようよ』など)、数字と条件は語りと画面の表で示しています。

| 章 | 開始 | 内容 | 使った一次情報 |
|---|---|---|---|
| イントロ | 00:00 | 歌のフックと、今日の4点(数の読み方・1気筒あたりの排気量・並べ方の名前・気筒の数だけで決まらないこと) | (各章の出典) |
| 1. 欄の読み方 | 00:29 | エンジン「種類」欄の言葉の分解(水冷・直列・3気筒・横置)。6社の欄の見出し。燃料電池車の列はエンジン欄が「—」。ヤリスのハイブリッドは直列3気筒 | 各社の公式の諸元表(ホンダ・ダイハツ・スズキ・トヨタ・日産・スバル) |
| 2. 1気筒あたりの排気量 | 01:50 | 総排気量÷気筒の数。N-VANの計算と、内径×行程での確かめ。ほかの車の値。ホンダ2013年の発表。軽自動車の規格 | 各社の諸元表、Honda 2013年11月19日の発表、道路運送車両法施行規則 別表第一 |
| 3. 並べ方の名前 | 03:45 | 直列・V型・水平対向の名前と、諸元表での書き方。優劣は言わない。SUBARUの説明 | 各社の諸元表、SUBARU テクノロジー、ウィキペディア(二次) |
| 4. 気筒数だけでは決まらない | 04:36 | 最高出力の表、同じFA24でのGR86とWRX S4、ヤリスのハイブリッドとガソリンの燃費。公式の諸元表には、振動・上質さと気筒数を結びつけた文なし(二次情報のウィキペディアには直列エンジンの振動の記述あり)。バランスシャフトなど対策の有無は確認できなかった | 各社の諸元表(トヨタ・スズキ・ダイハツ・ホンダ・スバル・日産)、ウィキペディア(二次情報) |
| まとめ | 06:47 | 4つの確認と、締めの歌 | (上記) |
2. 動画で触れきれなかった補足
2-1. 14枚の諸元表の「エンジン種類」欄(原文)
次の表は、読んだ諸元表の、気筒の数が書かれている欄の見出しと記載を、そのまま並べたものです(スズキのPDFは日本語が文字化けするため、画像にして目視で読みました)。PDFに版日付の書かれていないものは、ファイル名・PDF内の表記を書いています。
| 車 | 欄の見出し | 記載(原文) | 版・確認の方法 |
|---|---|---|---|
| ホンダ N-VAN | エンジン型式/エンジン種類・シリンダー数及び配置 | 「S07B/水冷直列3気筒横置」 | PDFに版日付の記載なし(作成日2026年3月5日) |
| ダイハツ アトレー | 型式 / 種類 | KF型 / 「水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ」 | PDFに版日付の記載なし(作成日2026年4月10日) |
| ダイハツ ハイゼット カーゴ | 型式 / 種類 | KF型 / ターボ車「水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ」、その他「水冷直列3気筒12バルブDOHC」 | 同上(作成日2026年4月16日) |
| スズキ エブリイ | 型式 / 種類 | R06A型 / ターボ「水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ」、その他「水冷4サイクル直列3気筒」 | 「2026年10月現在」(環境情報の頁)。画像目視 |
| スズキ ジムニー | 型式 / 種類 | R06A型 / 「水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ」 | 「2026年5月現在」。画像目視 |
| スズキ ジムニーシエラ | 型式 / 種類 | K15B型 / 「水冷4サイクル直列4気筒」 | PDF作成日2026年5月20日。画像目視 |
| スズキ ジムニーノマド | 型式 / 種類 | K15B型 / 「水冷4サイクル直列4気筒」 | PDF作成日2026年5月20日。画像目視 |
| トヨタ クラウン(セダン) | 種類 | A25A-FXS / 「直列4気筒」(ハイブリッド車)。燃料電池車の列は「ハイブリッドシステム」のエンジン欄が「—」 | ファイル名202609(2026年9月版) |
| トヨタ ヤリス | 種類 | M15A-FXE・M15A-FKS・1KR-FE / 「直列3気筒」 | ファイル名202604(2026年4月版) |
| トヨタ GRヤリス | 種類 | G16E-GTS / 「直列3気筒インタークーラーターボ」 | ファイル名202603(2026年3月版) |
| トヨタ GR86 | 種類 | FA24 / 水平対向4気筒 | ファイル名202608(2026年8月版)。PDFの文字は「4」と「気筒」の間に空白がある |
| トヨタ ランドクルーザー300 | 種類 | F33A-FTV・V35A-FTS / 「V型6気筒インタークーラー付ツインターボ」(軽油とガソリンで1つの欄) | ファイル名202610(2026年10月版) |
| スバル WRX S4 | 型式・種類 | FA24 / 「水平対向4気筒」/「2.4L DOHC 16バルブ デュアルAVCS 直噴ターボ “DIT”」 | PDF前半(通常グレードの2ページ)に「(2025.10)」。末尾の限定車(STI Sport R-Black Limited)のページは「(2026.01)」。引用値は1ページ目。公式の仕様ページから取得 |
| 日産 フェアレディZ | 種類・シリンダー数 | VR30DDTT / 「DOHC・筒内直接燃料噴射V型6気筒」 | URLに2608(2026年8月)。PDF作成日2026年7月27日 |
読んだのは上の6社(ホンダ・ダイハツ・スズキ・トヨタ・スバル・日産)の14枚だけです。マツダ・三菱・輸入車などの諸元表は読んでいないため、『どの会社の表も同じ』とは言えません。
2-2. 1気筒あたりの排気量:計算表と、内径×行程での確かめ
1気筒あたりの排気量は、総排気量÷気筒の数で出せます。ただし、これは『各気筒の大きさが同じエンジンなら成り立つ』簡略化した式です。諸元表には「内径×行程」(筒の太さ×ピストンが動く長さ)も書かれているので、円柱の体積(円の面積×長さ)から1気筒の容積を計算して、割り算の結果と比べました。次の表の右端の2列は、こちらで計算した値です。
| エンジン(車) | 並べ方・気筒数 | 総排気量 | ÷気筒数(cc) | 内径×行程(mm) | 内径×行程から計算(cc) |
|---|---|---|---|---|---|
| S07B(N-VAN) | 直列3気筒 | 0.658L | 219.33 | 60.0×77.6 | 219.4 |
| KF型(アトレー・ハイゼット カーゴ) | 直列3気筒 | 658cc | 219.33 | 63.0×70.4 | 219.5 |
| R06A型(ジムニー・エブリイ) | 直列3気筒 | 0.658L | 219.33 | 64.0×68.2 | 219.4 |
| 1KR-FE(ヤリス 1.0L) | 直列3気筒 | 0.996L | 332.00 | 71.0×83.9 | 332.2 |
| M15A-FXE・FKS(ヤリス) | 直列3気筒 | 1.490L | 496.67 | 80.5×97.6 | 496.7 |
| G16E-GTS(GRヤリス) | 直列3気筒 | 1.618L | 539.33 | 87.5×89.7 | 539.4 |
| K15B型(ジムニーシエラ・ノマド) | 直列4気筒 | 1.460L | 365.00 | 74.0×84.9 | 365.1 |
| A25A-FXS(クラウン セダン) | 直列4気筒 | 2.487L | 621.75 | 87.5×103.4 | 621.8 |
| FA24(GR86・WRX S4) | 水平対向4気筒 | 2.387L(WRX S4の表は2387cc) | 596.75 | 94.0×86.0 | 596.8 |
| VR30DDTT(フェアレディZ) | V型6気筒 | 2.997L | 499.50 | 86.0×86.0 | 499.6 |
| V35A-FTS(ランドクルーザー300・ガソリン) | V型6気筒 | 3.444L | 574.00 | 85.5×100.0 | 574.2 |
| F33A-FTV(ランドクルーザー300・軽油) | V型6気筒 | 3.345L | 557.50 | 86.0×96.0 | 557.6 |

計算の例(N-VAN): 内径6.0cm、行程7.76cmの円柱の体積は、円周率÷4×6.0×6.0×7.76で約219.4立方センチメートル(=約219cc)。3気筒なら約658ccで、諸元表の0.658Lと合います。
1気筒の大きさは、読んだ軽の3気筒の約219ccから、クラウン セダンの約622ccまで、この13のエンジン型式だけでも約2.8倍の幅がありました。同じ3気筒でも約219cc(N-VAN)から約539cc(GRヤリス)まで、同じ4気筒でも365cc(ジムニーシエラ)から約622cc(クラウン セダン)までと、気筒の数だけでは1つの大きさは決まりません。
2-3. 軽自動車の規格(道路運送車両法施行規則 別表第一)
軽自動車の規格は、道路運送車両法施行規則の別表第一(第2条関係)に書かれています(e-Gov法令検索。施行日2026年10月20日の版を2026年10月27日に取得)。二輪自動車以外の軽自動車の欄は次のとおりです。
📜 道路運送車両法施行規則 別表第一(第2条関係)「軽自動車」の欄(二輪自動車以外。原文)
「内燃機関を原動機とする自動車にあつては、その総排気量が〇・六六〇リットル以下のものに限る」
| 自動車の種別 | 総排気量(内燃機関) | 長さ | 幅 | 高さ |
|---|---|---|---|---|
| 軽自動車(二輪自動車以外) | 0.660リットル以下 | 3.40メートル以下 | 1.48メートル以下 | 2.00メートル以下 |
| 小型自動車(四輪以上) | 2.00リットル以下(ただし、軽油を燃料とする自動車・天然ガスのみを燃料とする自動車は、この総排気量の条件の対象から除かれている) | 4.70メートル以下 | 1.70メートル以下 | 2.00メートル以下 |
この別表第一の表の文には、気筒の数の決まりは見当たりませんでした(確認した範囲は、別表第一の表の文です)。読んだ軽の諸元表5車種(N-VAN・アトレー・ハイゼット カーゴ・エブリイ・ジムニー)は、どれも直列3気筒でしたが、これは読んだ範囲の話で、『軽はすべて3気筒』とは言えません。
2-4. ホンダの2013年の発表と、自動車技術会の論文の抄録
同じ会社が、排気量のクラスごとに3気筒と4気筒を設定している例として、Hondaの2013年11月19日のニュースリリースがあります。直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」について、次のように書かれています。
📜 Honda ニュースリリース(2013年11月19日)より
「排気量は2.0L、1.5L、1.0Lの3クラスのバリエーションを設定し」。ラインアップは、2.0L 4気筒、1.5L 4気筒、1.0L 3気筒(いずれも直噴ガソリンターボエンジン)。
このリリースに、気筒の数をそう決めた理由は書かれていません(全文を読んで確認)。また、2013年の発表であり、現行の車の仕様ではありません。
トヨタ自動車の技術者による「新型3気筒1.5Lガソリンエンジンシステム開発」(自動車技術会 会誌「自動車技術」2021年6月号)の抄録には、「500ccモジュールをベースに1.5Lの新エンジンを開発」「3気筒特性と高速燃焼の活用」という言葉があります。ただし、確認できたのは抄録だけで、本文は有料・会員向けのため読んでいません。「モジュール」が1気筒分を指すのかも、抄録には書かれていません(1.490L÷3=約497ccは計算上500ccに近いですが、同じものと断定はしません)。
2-5. 並べ方の名前の言葉

| 名前 | 言葉の意味 | 出どころ |
|---|---|---|
| 直列 | 「1本のクランクシャフトに対して、複数のシリンダーを直列に並べたエンジン」 | ウィキペディア「直列型エンジン」(二次情報) |
| V型 | 「シリンダーを左右交互にV字型に配置したエンジン」 | ウィキペディア「V型エンジン」(二次情報) |
| 水平対向 | 「1本のクランクシャフトをはさんでシリンダー(気筒)を左右に水平に配置し」(ウィキペディア)。SUBARUは「クランクシャフトを中心に水平かつ左右対称に配置されたピストン」と説明 | ウィキペディア「水平対向エンジン」(二次情報)、SUBARU テクノロジー(メーカーの説明) |
用語の規格(JISなど)の原文は、有料のため読んでいません。言葉の意味は二次情報(ウィキペディア)とメーカーの説明で確認した範囲です。SUBARUのページは、水平対向エンジンの特徴として振動の少なさなどを挙げていますが、これはメーカー自身の説明で、他の並べ方と比べた数字は書かれていませんでした。この記事では、並べ方の優劣は言いません。
2-6. 最高出力・最大トルクの表(諸元表の表記のまま)
| 車(エンジン) | 並べ方・気筒数 | 総排気量 | 最高出力 kW[PS]/rpm | 最大トルク N・m[kgf・m]/rpm | 表の注記 |
|---|---|---|---|---|---|
| N-VAN 自然吸気(S07B) | 直列3気筒 | 0.658L | 39[53]/6,800 | 64[6.5]/4,800 | 「ネット」の語なし |
| N-VAN ターボ | 直列3気筒 | 0.658L | 47[64]/6,000 | 104[10.6]/2,600 | 同上 |
| アトレー(KF型ターボ) | 直列3気筒 | 658cc | 47[64]/5,700 | 91[9.3]/2,800 | ネット |
| ジムニー(R06A型ターボ) | 直列3気筒 | 0.658L | 47<64PS>/6,000 | 96<9.8kgf・m>/3,500 | ネット |
| ヤリス ハイブリッド用(M15A-FXE) | 直列3気筒 | 1.490L | 67<91>/5,500 | 120<12.2>/3,800〜4,800 | ネット |
| ヤリス ガソリン(M15A-FKS) | 直列3気筒 | 1.490L | 88<120>/6,600 | 145<14.8>/4,800〜5,200 | ネット |
| ヤリス 1.0L(1KR-FE) | 直列3気筒 | 0.996L | 51<69>/6,000 | 92<9.4>/4,400 | ネット |
| GRヤリス(G16E-GTS) | 直列3気筒 | 1.618L | 224<304>/6,500 | 400<40.8>/3,250〜4,600 | ネット |
| ジムニーシエラ(K15B) | 直列4気筒 | 1.460L | 74<101PS>/6,000 | 130<13.3kgf・m>/4,000 | ネット |
| クラウン セダン(A25A-FXS) | 直列4気筒 | 2.487L | 136<185>/6,000 | 225<22.9>/4,200〜5,000 | ネット。エンジン単体(モーターは別欄で132kW<180PS>) |
| GR86(FA24) | 水平対向4気筒 | 2.387L | 173<235>/7,000 | 250<25.5>/3,700 | ネット |
| WRX S4(FA24・直噴ターボ) | 水平対向4気筒 | 2387cc | 202<275>/5600 | 375<38.2>/2000-4800 | ネット |
| フェアレディZ(VR30DDTT) | V型6気筒 | 2.997L | 298<405PS>/6400 | 475<48.4>/1600-5600 | ネット/グロスの別の記載なし(「ネット」「グロス」の語が表にない) |
| ランドクルーザー300(V35A-FTS) | V型6気筒 | 3.444L | 300<408>/5,200 | 650<66.3>/2,000〜3,600 | ネット |
| ランドクルーザー300(F33A-FTV・軽油) | V型6気筒 | 3.345L | 226<307>/4,000 | 700<71.4>/1,600〜2,600 | ネット |

表の「ネット」「グロス」は、エンジン出力の測り方の違いです(トヨタの表の注記では、ネットはエンジンを車両に搭載した状態とほぼ同条件で測定したもの)。ホンダ N-VANと日産Zの表には「ネット」の語がなく、数字を同じ物差しで比べられるとは限りません。この記事の比較は、あくまで各社の表の数字をそのまま並べたものです。
3. 違った観点から整理する
3-1. 『欄の言葉』を分解して読む

| 言葉の種類 | 欄に出てくる例 | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 型式 | S07B・KF型・R06A型・K15B型・A25A-FXS・G16E-GTS・FA24・VR30DDTT | エンジンの型を表す名前。数字や文字から気筒の数を決めつけない(気筒の数は別の語で書かれる) |
| 冷やし方など | 水冷・水冷4サイクル | 気筒の数ではなく、エンジンの仕組みの語 |
| 並べ方 | 直列・V型・水平対向 | 気筒の配置の名前(2-5) |
| 気筒の数 | 3気筒・4気筒・6気筒 | これが数。ホンダの欄の見出し「シリンダー数及び配置」、日産の「シリンダー数」と同じもの |
| 弁の機構など | 12バルブ・DOHC16バルブ吸気VVT・筒内直接燃料噴射 | 気筒の数ではない。バルブ数÷気筒数で1気筒あたりが出る(2-2の補足) |
| 過給 | インタークーラーターボ・インタークーラー付ツインターボ・直噴ターボ | 同じ気筒数・同じ排気量でも、出力は違いうる(GR86 173kW・表に吸気方式の記載なし / WRX S4 202kW・表は直噴ターボ) |
| 置き方 | 横置(ホンダ N-VAN) | エンジンを車に置く向き。気筒の数でも並べ方でもない |
3-2. 目的別:諸元表のどの欄を見るか
| 知りたいこと | 見る欄 | 注意 |
|---|---|---|
| 気筒の数・並べ方 | エンジンの「種類」欄(ホンダは「エンジン種類・シリンダー数及び配置」) | 電動車・燃料電池車では、エンジン欄が「—」になることがある(トヨタ クラウンの燃料電池車の列) |
| 1気筒の大きさ | 総排気量÷気筒数、または「内径×行程」から計算 | 各気筒の大きさが同じエンジンなら成り立つ簡略化した式。どちらも自分で計算する値で、表には書かれていない |
| 力の強さ | 最高出力・最大トルク(回転数つき) | 「ネット」「グロス」の表記が会社の表で揃わない。ハイブリッドはエンジン単体とモーターが別の欄 |
| 燃費 | WLTCモードの燃費(国土交通省審査値。市街地・郊外・高速) | 気筒数だけでなく、ハイブリッドの有無・車の大きさ・変速機などでも変わる(ヤリスの例) |
| 振動・静かさ・質感 | 諸元表には欄がない | 試乗・販売店・取扱説明書・メーカー公式の説明で確認する |
3-3. 『よく聞く説』の検証表
| よく聞く説 | 確認できたこと | 根拠 |
|---|---|---|
| 3気筒は振動が大きい | 読んだ公式の諸元表14枚に、気筒の数と振動を結びつけた文は見当たらなかった(諸元表に振動の欄はない。公式ページは本文が取得できた範囲)。一方、ウィキペディア「直列型エンジン」(二次情報)の欠点の節には「対向ピストン機関を除き、2気筒、3気筒では振動が激しいという欠点があり、多少複雑なカウンターウエイトを使用しなければ、振動を相殺することができない。4気筒でも、2次振動までは振動を相殺できない。」とある(直列エンジン一般の記述)。バランスシャフトなど対策の有無は、公式で確認できなかった | 各社の諸元表、ウィキペディア「直列型エンジン」(二次情報) |
| 4気筒のほうが上質 | 気筒の数と「上質さ」を結びつけた文は、読んだ諸元表14枚に見当たらなかった。トヨタ ヤリスのページ(本文が取得できた範囲)に「上質な乗り心地」の語はあるが、サスペンションの説明 | トヨタ ヤリスの走りと快適性のページ |
| 気筒数が多いほど高性能 | 3気筒のGRヤリス(224kW)は、4気筒のクラウン セダンのエンジン(136kW)・GR86(173kW)・ジムニーシエラ(74kW)より大きい。6気筒の軽油エンジン(ランドクルーザー300)の226kWとは近い値 | 各社の諸元表(2-6) |
| 気筒数が少ないほど低燃費(多いほど低燃費) | 同じ直列3気筒1.490Lのヤリスで、Xグレード・2WDのWLTC燃費は、ハイブリッド36.0km/L、ガソリン(CVT)20.3km/L。気筒数と燃費の関係の有無は、この表からは言えない | トヨタ ヤリス 主要諸元表(2026年4月版) |
| 同じエンジンの型なら、出力も同じ | GR86とWRX S4は、どちらも型式FA24・水平対向4気筒・2.387Lだが、173kWと202kW(WRX S4の表は「直噴ターボ」)。N-VANも同じ0.658Lの3気筒で自然吸気39kW、ターボ47kW | トヨタ GR86・スバル WRX S4・ホンダ N-VANの諸元表 |
| 1気筒の大きさは、どのエンジンも同じ | 読んだ13のエンジン型式で、約219ccから約622cc(約2.8倍の幅)。同じ3気筒でも約219cc〜約539cc | 各社の諸元表(2-2の計算) |
| 軽自動車はすべて3気筒 | 別表第一に気筒の数の決まりは見当たらない。読んだ軽の諸元表5車種は直列3気筒。読んでいない車は言えない | 道路運送車両法施行規則 別表第一、各社の諸元表 |
| 並べ方(直列・V型・水平対向)で、良し悪しが決まる | 並べ方の優劣は言わない。SUBARUは水平対向の特徴に振動の少なさを挙げるが、メーカー自身の説明で比較の数字はない | SUBARU テクノロジー |
3-4. 自分の車で試す手順
1.メーカー公式サイトの主要諸元表(PDF)を開く。2.「エンジン」の「種類」欄の言葉を、3-1の表のように分けて読む。3.総排気量を気筒の数で割る(欄に「内径×行程」があれば、円柱の体積でも確かめる)。4.最高出力・最大トルク・WLTC燃費は、別の欄で読む。5.振動や質感は、諸元表の外(試乗・取扱説明書・販売店)で確かめる。諸元表の版(年月)は、PDFの表記・ファイル名で確認し、新しい版が出ていないかも見てください。
4. よくある質問
5. あわせて読みたい・まとめ・出典
あわせて読みたい(サイト内の記事):
▶ ハイオクとレギュラーの違いは?オクタン価96.0以上と89.0以上、指定燃料の読み方、安いスタンドの品質を規格で確認(諸元表の「使用燃料」欄の読み方の記事。この記事とは別の欄の話です)
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▶ N-BOX JOYの58PSと64PSの違いは?ターボは47万5200円高、価格・装備を公式情報で比較【2026年10月】(軽自動車の自然吸気とターボの出力差の例)
まとめ
気筒数の読み方は、(1)エンジン「種類」の欄で、並べ方と気筒の数を読む、(2)総排気量÷気筒の数で1気筒あたりの排気量が出る(読んだ軽の3気筒は約219cc。簡略化した式)、(3)直列・V型・水平対向は並べ方の名前で、優劣は言わない、(4)気筒の数だけで、出力や燃費は決まらない(振動や上質さは、公式の諸元表に結びつけた文が見当たらず、ウィキペディアの直列エンジンの欠点の節には2気筒・3気筒の振動の記述がある)、の4つで整理できます。自分の車の最新の諸元表でも確かめてください。
確認日・免責・出典
- 道路運送車両法施行規則(e-Gov法令検索)
- ホンダ N-VAN 主要諸元(PDF)
- ダイハツ アトレー 主要諸元表(PDF)
- ダイハツ ハイゼット カーゴ 主要諸元表(PDF)
- スズキ エブリイ 主要諸元(PDF)
- スズキ ジムニー 主要諸元(PDF)
- スズキ ジムニーシエラ 主要諸元(PDF)
- スズキ ジムニーノマド 主要諸元(PDF)
- トヨタ クラウン 主要諸元表(PDF・2026年9月版)
- トヨタ ヤリス 主要諸元表(PDF・2026年4月版)
- トヨタ GRヤリス 主要諸元表(PDF・2026年3月版)
- トヨタ GR86 主要諸元表(PDF・2026年8月版)
- トヨタ ランドクルーザー300 主要諸元表(PDF・2026年10月版)
- スバル WRX S4 主要諸元(PDF・通常グレード2025年10月版、末尾の限定車ページは2026年1月)
- 日産 フェアレディZ 主要諸元(PDF)
- トヨタ ヤリス 走りと快適性のページ
- Honda ニュースリリース「VTEC TURBO」(2013年11月19日)
- 自動車技術会「新型3気筒1.5Lガソリンエンジンシステム開発」(抄録のみ)
- SUBARU テクノロジー(水平対向エンジン)
- ウィキペディア「直列型エンジン」(二次情報。欠点の節を含む)
- ウィキペディア「V型エンジン」(二次情報)
- ウィキペディア「水平対向エンジン」(二次情報)


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