ダイハツ・タントの冷却水(クーラント、LLC)について、ダイハツの取扱説明書(2026年8月版)とダイハツ公式サイトの解説、JAF、国土交通省の資料で確認できることを整理しました。ネット上の解説などでは、「タントに推奨されるクーラントはエチレングリコールベース」「交換は約2年または40,000kmごと」「プロピレングリコールベースは3年または60,000kmごと」などと説明されることがありますが、これらの数値や種類の説明は、ダイハツの資料では確認できませんでした。この記事では、取扱説明書に書かれている指定の冷却水・容量・オーバーヒート時の対処を軸に、冷却水の点検・補充で気をつけたいことをまとめています。確認日は2026年9月25日です。交換の時期や、冷却水の全量の交換は、メンテナンスノートと、ダイハツの販売店・整備工場でご確認ください。
📋 この記事の要点
✔ タントの取扱説明書(2026年8月版)の指定は、「アミックスロングライフクーラント(高防錆力タイプ)」。濃度50%の凍結保証温度は−35℃、容量は3.4L(参考値)
✔ オーバーヒートのときは、エンジンが十分に冷えてから冷却水を点検・補給する。熱いときにラジエーターキャップを外すと、蒸気や熱湯でやけどのおそれがある(取扱説明書)
✔ 取扱説明書は、「冷却水用添加剤を使用しない」「異物(砂やほこりなど)を混入させない」と注意している。冷却水がないときは、応急措置として水を補給する
✔ JAFは、冷却水の交換の目安を、LLCは2〜3年ごと、スーパーLLCは新車時7年・以降4年ごととしているが、車種により異なる。タントの指定の時期は、この記事では確認できず「要確認」
✔ ネット上の解説などにある「エチレングリコールベースを推奨」「2年または40,000km」「3年または60,000km」「DIYの交換・フラッシング手順」は、確認できず、この記事では取り上げていません
📑 目次
1. よくある説明と、公式資料で確認できたこと
📊 よくある記述と、確認結果(2026年9月25日確認)
| よくある記述 | 確認結果 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| タントに推奨されるクーラントは、エチレングリコールベース | 取扱説明書の指定銘柄は「アミックスロングライフクーラント(高防錆力タイプ)」。成分(エチレングリコールなど)の記載はない | 削除。指定銘柄を紹介 |
| エチレングリコールは約2年または40,000km、プロピレングリコールは約3年または60,000kmで交換 | タントの取扱説明書に、交換距離・年数の記載はない(交換時期はメンテナンスノートで確認)。JAFの一般的な目安は、LLC 2〜3年、スーパーLLC 新車時7年・以降4年 | この記事では取り上げない。JAFの一般的な目安を、「タント個別の値ではない」と明記して紹介 |
| オリジナル(純正)クーラントは、保証期間内には特に推奨される | 取扱説明書は、「純正オイル・液類(指定銘柄)の使用をおすすめします。指定銘柄以外の場合は、相当する品質のものを使用」と案内 | 取扱説明書の表現に置き換え |
| DIYの交換手順(ドレインプラグ、フラッシング、エア抜きバルブなど) | 取扱説明書に、冷却水の全量交換の手順の記載はない。エア抜きが必要な作業は、専門的な作業 | 削除。点検・補給・オーバーヒート時の対処のみ紹介 |
| 漏れた冷却水は、ピンクや緑色の液体 | JAFは、車の下の赤・緑・青の液だまりを、冷却水漏れのサインとしている。色は冷却水の種類で異なる | JAFの説明に置き換え |
| プロのメカニックによるアドバイス、緊急時の裏技(水で代用) | 出典がない。取扱説明書は、冷却水がない場合の応急措置として水の補給を案内。JAFは、水道水は最終手段とし、腐食や凍結のおそれがあると説明 | 取扱説明書・JAFの内容に置き換え |
⚠️ ネット上の解説などにある「冷却水の全量交換」の手順は、行わないでください
ネット上の解説には、ラジエーターのドレインプラグを開けて古いクーラントを排出し、フラッシングして新しい冷却水を充填する手順が紹介されていることがあります。取扱説明書には、この手順の記載がありません。エンジンが熱い状態でラジエーターキャップを開けると、蒸気や熱湯が吹き出してやけどをするおそれがあります。冷却水の交換は、ダイハツ販売店・整備工場に依頼してください。
2. タントの冷却水:取扱説明書の仕様
ダイハツの公式サイトで公開されている、タント/タントファンクロスの取扱説明書(2026年8月版)の「メンテナンスデータ(指定燃料・オイル量など)」には、冷却水について、次のように載っています。
📊 タントの冷却水に関する取扱説明書の記載(ダイハツ公式 2026年8月版)
| 項目 | 取扱説明書の記載 | ページ |
|---|---|---|
| 指定銘柄(冷却水) | アミックスロングライフクーラント(高防錆力タイプ) | P.562 |
| 凍結保証温度 | 濃度50%で−35℃ | P.562 |
| 容量(参考値) | 3.4L(エンジンKF-VE・KF-VETとも) | P.562 |
| エンジン | KF-VE、KF-VET(ターボ) | P.562 |
| Vリブドベルト(補機ベルト) | KF-VE:たわみ量7.9〜9.7mm(押力98N・冷間時)。全車速追従機能付ACC装着車は自動調整式。KF-VET:自動調整式 | P.564 |
| オイルや液類の選び方 | 使用するオイルや液類の品質で、車の寿命は著しく左右される。純正の指定銘柄の使用をおすすめし、それ以外を使う場合は、指定銘柄に相当する品質のものを使用する | P.560 |
ダイハツの公式サイト(メンテナンス「エンジン関係」)は、ロングライフクーラントについて、次のように説明しています。
📊 ロングライフクーラントの解説(ダイハツ公式サイト)
| 項目 | ダイハツ公式サイトの説明 |
|---|---|
| クーラントとは | エンジンを冷却し、高温になるのを防ぐ冷却水。冬場の冷却水凍結防止と、エンジンやラジエターの金属部品のサビ発生を防止する働きもある |
| 交換しないと | 劣化して、エンジンを冷やす力が弱くなったり、エンジンやラジエター内のサビ発生の原因となる場合がある |
| アドバイス | 寒冷地を走行する場合は、クーラントの濃度もチェックしてもらう。クーラント濃度の目安:通常30%、寒冷地50% |
📌 補足
濃度の目安は、ダイハツ公式サイトが「通常30%、寒冷地50%」としており、取扱説明書は「濃度50%の凍結保証温度は−35℃」としています。お住まいの地域に合った濃度は、販売店で確認してください。
💡 冷却水の種類は、混ぜないのが基本です
JAFは、異なる種類の冷却水を混ぜると防錆性能が低下するおそれがあり、同じ種類でも、赤と緑など異なる色を混ぜると、黒茶色に変色することがあると説明しています(サビによる劣化の変色と見分けにくくなる)。また、原液のまま使うタイプと、水道水で希釈して使うタイプがあるため、使用方法を確認するよう案内しています。補充・交換する冷却水は、取扱説明書の指定に合わせてください。
3. 日常点検・定期点検での、冷却水と冷却系の位置づけ
冷却水は、国の点検基準で、日常点検と定期点検の対象になっています。e-Gov法令検索で確認した内容が、次の表です。
📊 自動車点検基準(昭和26年運輸省令第70号)の、冷却まわりの項目(e-Gov法令検索、2026年9月25日確認)
| 点検の種類 | 冷却まわりの項目 | 備考 |
|---|---|---|
| 日常点検(別表第2) | 原動機:冷却水の量が適当であること | ほかに、エンジン・オイルの量、かかり具合・異音、低速及び加速の状態。ユーザーが、走行前などに行う |
| 定期点検 1年ごと(別表第6) | 冷却装置:ファン・ベルトの緩み及び損傷/水漏れ | 2年ごとの点検には、1年ごとの点検が含まれる |
| 定期点検 2年ごと(別表第6) | 冷却水の交換の項目はない | 交換の時期は、メーカーのメンテナンスノートによる |
JAFは、日常点検のエンジンルーム内の5つのポイントの1つとして、冷却水の量を挙げています。ラジエーターのリザーバータンクを見て、冷却水の液面が上限ラインと下限ラインの間にあるかを点検します。点検は、走行直後ではなく、エンジン始動前、または走行後しばらくして、温度が下がってから行います。
🧭 冷却水の量の点検(取扱説明書・JAFの案内を整理)
エンジンが冷えていることを確認する
走行直後は、エンジンルーム内が高温です。エンジン始動前か、十分に冷えてから行います。
ボンネットを開け、リザーバータンクを探す
取扱説明書のエンジンルームの図や、メンテナンスノートで、リザーバータンクの位置を確認します。
液面を見る
リザーバータンクの「FULL(上限)」と「LOW(下限)」の間にあるかを確認します(取扱説明書P.555)。
色・濁り・漏れを見る
冷却水の色が茶色や白に変色していないか、ラジエーター周辺やホースの接続部に液だまり・にじみがないかを確認します(JAF)。
異常があれば、点検を依頼する
短期間で液面が大きく低下している、変色している、漏れがあるときは、ダイハツ販売店・整備工場に点検を依頼します。
⚠️ ラジエーターキャップは、エンジンが熱いときには開けないでください
取扱説明書P.556は、水温が高いときはラジエーターキャップを外さないよう警告しています。冷却水の圧力がキャップにかかっているため、蒸気や熱湯が吹き出し、やけどなどの重大な傷害を受けるおそれがあります。また、エンジンおよびラジエーターが熱いときは、ラジエーターキャップと、冷却水リザーバータンクのキャップも開けないでください。
4. 交換時期:確認できたこと・できないこと
タントの取扱説明書には、冷却水の交換距離・年数の記載がありません。ダイハツの取扱説明書は、点検整備の内容は、別冊の「メンテナンスノート」を参照するよう案内しています(P.9、P.24)。ここでは、JAFの一般的な説明を、「タント個別の値ではない」ことを明記して整理します。
📊 冷却水の種類と、交換の目安の例(JAF クルマ何でも質問箱、2026年7月現在。「交換時期は車種によって異なるため、必ず取扱説明書を確認」とされている)
| 種類(JAFの一般的な説明) | 交換の目安 | 色の例 |
|---|---|---|
| LLC(ロング・ライフ・クーラント) | 2年から3年ごと | 緑や赤に着色されていることが多い |
| スーパーLLC | 新車時7年、以降4年ごと | ピンクや青に着色されていることが多い |
📊 タントの冷却水で、確認できなかった項目
| 項目 | 確認結果 |
|---|---|
| タントの指定冷却水の交換時期(年数・距離) | 取扱説明書には記載なし。メンテナンスノートで確認(要確認) |
| アミックスロングライフクーラント(高防錆力タイプ)が、LLCとスーパーLLCのどちらに当たるか | この記事では確認できなかった(要確認) |
| 冷却水の色 | 取扱説明書に記載なし(要確認) |
| 交換の費用 | 公式に確認できないため、記載しない。店舗の見積もりで確認 |
⚠️ ネット上の解説などにある「2年または40,000km」を、そのまま信じないでください
ネット上で見かける交換間隔は、出典がなく、タントの取扱説明書やダイハツ公式サイトで確認できませんでした。JAFも、交換時期は車種によって異なるとして、取扱説明書の確認を求めています。ご自身の車の交換時期は、メンテナンスノートと販売店でご確認ください。
5. オーバーヒートしたとき・冷却水漏れが疑われるとき
タントの取扱説明書(P.555〜557「オーバーヒートしたときは」)には、次のような場合は、オーバーヒートの可能性があると書かれています。
📊 オーバーヒートの可能性を示すサイン
| オーバーヒートの可能性があるとき(取扱説明書) | JAFが挙げるラジエーターまわりの異常のサイン |
|---|---|
| 高水温警告灯が、赤色に点滅または点灯した | 水温警告灯が赤く点灯する(冷却水不足、ラジエーター故障) |
| TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ装着車に、「エンジン冷却水高温」の警告メッセージが表示された | 水温計の針がH付近まで上昇している |
| エンジンの出力が低下した(スピードが出ないなど) | エンジンルームから甘いにおいがする(冷却水の漏れ・蒸発) |
| エンジンルームから蒸気が出る | ボンネットから蒸気が上がる。クルマの下に、赤・緑・青の液だまりがある |
🧭 オーバーヒートしたときの対処(タント取扱説明書P.555〜557を整理)
安全な場所に停車し、エアコンをOFFにして、エンジンを停止する
高水温警告灯が点滅または点灯したとき、最初に行う対応です(取扱説明書P.555)。
ボンネットを開ける
蒸気が出ているときは、蒸気が出なくなったことを確認してから、注意してボンネットを開けます。蒸気が出ていないときは、注意して開けます。
エンジンが十分に冷えてから、冷却水漏れを点検する
ラジエーターコア部(放熱部)やホースなどからの冷却水漏れを点検します。多量の漏れがあるときは、ただちにダイハツサービス工場に連絡します。
冷却水の量を確認する
リザーバータンクの「FULL(上限)」と「LOW(下限)」の間にあるかを点検します。不足しているときは、補給します。冷却水がない場合は、応急措置として水を補給します(取扱説明書)。
エンジンを始動し、ファンが作動するかを確認する
エンジンが冷えた状態での始動直後は、エアコンをONにするとファンが作動します。ファンが作動していない場合は、すぐにエンジンを停止し、ダイハツサービス工場に連絡します。作動している場合も、最寄りのサービス工場で点検を受けます。
⚠️ 冷却水を入れるときの注意(取扱説明書P.556〜557)
エンジンが十分に冷えてから入れ、ゆっくり入れてください。エンジンが熱いときに急に冷たい冷却水を入れると、エンジンが損傷するおそれがあります。また、異物(砂やほこりなど)を冷却水に混入させない、冷却水用添加剤を使用しない、ことが注意されています。手や着衣(ネクタイ・スカーフ・マフラーなど)は、ファンやベルトから離してください。
📌 水道水での補充は、最終手段
JAFは、緊急時に限り、エンジンが十分に冷えた状態で水道水を補充する応急処置があるとしたうえで、水道水には錆や凍結を防ぐ成分が含まれず、そのまま使い続けると、エンジン内部の腐食や、冬場の凍結による配管の破裂を招く可能性があると説明しています。水道水の補充は最終手段とし、無理に走行せず、ロードサービスへの連絡を優先するよう案内しています。
📝 タントの冷却まわりのチェックリスト
☑️ 取扱説明書(P.562)で、指定の冷却水(アミックスロングライフクーラント・高防錆力タイプ)を確認した
☑️ メンテナンスノートで、冷却水の交換時期と、直近の法定点検の実施記録を確認した
☑️ 走行前(エンジンが冷えているとき)に、リザーバータンクの液面が、FULLとLOWの間にあるか確認している
☑️ 冷却水の色の変化、車の下の液だまり、甘いにおいなどに、注意している
☑️ 水温警告灯が点灯したときの対処(停車・エンジン停止・ボンネットを開ける前の確認)を、把握している
☑️ 異なる種類・色の冷却水を混ぜていない。添加剤を使っていない
☑️ 冷却水の全量の交換は、販売店・整備工場に依頼する
6. よくある質問
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まとめ
タントの冷却水は、取扱説明書(2026年8月版)で、「アミックスロングライフクーラント(高防錆力タイプ)」が指定され、濃度50%の凍結保証温度は−35℃、容量は3.4L(参考値)とされています。冷却水の量は、リザーバータンクで、エンジンが冷えているときに確認します。熱いときにラジエーターキャップを外すと、やけどのおそれがあります。交換の時期は、取扱説明書には記載がなく、メンテナンスノートで確認する必要があります。ネット上の解説などにある「エチレングリコールベース」「2年または40,000km」「DIYの交換手順」は、確認できなかったため、この記事では取り上げていません。
※本記事は、ダイハツ工業(タント/タントファンクロス取扱説明書2026年8月版、公式サイト)、JAF(クルマ何でも質問箱)、国土交通省令(自動車点検基準、e-Gov法令検索)が公開している情報を、当サイトが整理したものです(確認日:2026年9月25日)。年式・仕様によって、指定の冷却水・交換時期は異なります。お乗りの車の取扱説明書・メンテナンスノートと、販売店・整備工場の案内をご確認ください。
Daihatsu Tanto Custom RS (5BA-LA650S-GBVZ) front by Tokumeigakarinoaoshima, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons


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