フロントガラスの黒い縁(黒セラ)と点々の役目は?上の色の帯が減った理由も特許とメーカー回答で確認

フロントガラスのフチをよく見ると、黒い帯と、その内側で少しずつ小さくなっていく黒い点々があります。ルームミラーのまわりにも点々があり、車によっては上のほうが青や緑に色づいています。これらは何のために付いているのでしょうか。

この記事は、YouTubeショート「フロントガラスの黒い縁『黒セラ』の役目は?点々の理由と上の色の帯も」の内容を、確認した資料ごとに分けて詳しく整理したものです。旭硝子(現AGC)・日本板硝子・Pilkington社などのガラスメーカー側の特許明細書、AGC・セントラル硝子・トヨタ・ホンダの公式ページ、自動車メーカーの回答を伝える記事、JAF、保安基準と細目告示(e-Gov・国土交通省)で確認しました(2026年10月時点)。

📋 この記事の要点

✔ 縁の黒い帯は、黒いセラミックをガラスに焼き付けたもので「黒セラ」とも呼ばれる。旭硝子の特許(従来技術の説明)は、ウレタンシーラントの紫外線による劣化を防ぐこと、あるいは電熱線の端子などを車外から見えなくすることを目的に挙げている

✔ 点々(ドット)は、黒い帯から透明な部分への境目をなめらかにつなぐ工夫。別の特許は、曲げ加工のときの黒い部分と透明部分の温度差によるひずみを目立たなくする狙いも説明している(特許1件の記述)

✔ ルームミラー周辺の点々は、サンバイザーで覆いにくい部分の日差しをやわらげる(マツダの回答、MOBYなど)

✔ 上の色の帯はトヨタでは「トップシェード」、ホンダでは「ハーフシェイド」。減っている理由について、AGCは運転支援システムへの配慮に加え、「必ずしもすべての車種で動作に影響を及ぼすという訳ではありません」「デザイントレンドの変化が影響していると考えています」とも説明している

✔ 割れ方は、フロントが合わせガラス、サイド・リアは主に強化ガラス(JAF)。国の基準では、前面ガラスの上端20%以内は70%を求める範囲の外(細目告示第195条)

🎬 動画で見る(ショート)

この記事の元になった、かーぎーくんのショート動画です。動画では触れられなかった詳しい内容や条文・公式情報は、このあと記事で確認できます。

▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

動画の補足(誤りではなく、言い切りを避けたい点です)
① 動画の「一番の役目は接着剤を紫外線から守ること」は、資料によって強調が違います。旭硝子とPilkington社の特許は、紫外線の防止と、接着部や端子を見えなくすることを並べて目的に挙げており、「最も重要」と順位をつけていたのは、今回確認した資料ではMerkmalという専門メディアだけでした。この記事では「主な役目の一つ」と書きます。
② 動画の「運転支援のカメラのために、つけないクルマも増えている(AGCの説明)」は、AGCの説明の一部です。AGCは同じ取材で、染め分けの有無が全車種で影響するわけではないこと、減った理由はデザイントレンドの変化の影響が大きいと考えていることも話しています(第3章)。
③ 「メーターやナビの画面を見やすくする狙い」は、三菱自動車(2019年の回答)の説明で、すべてのメーカー共通とは確認できませんでした。
④ 動画の「保安基準で義務づけられ」は、JAFの解説に沿った内容です。保安基準・細目告示の条文は強度などの基準の形で書かれていて、「合わせガラスでなければならない」という文言そのものは確認できませんでした(第4章)。

1. 黒い縁の正体と役目:「黒セラ」

フロントガラスの黒い縁・点々・ミラー周辺の点々・上部の色の帯の位置を示す模式図
図:フロントガラスを車内から見た模式図。形や配置は車種によって異なります(自作イラスト)

フロントガラスの縁にある黒い帯は、シールやフィルムを貼ったものではなく、黒いセラミックをガラスの表面に焼き付けたものです。旭硝子(現AGC)の特許は、ガラスの周辺部にセラミックカラーの組成物をペースト状にし、スクリーン印刷・乾燥したうえで、曲げ加工の工程で焼き付けるのが普及した方法だと説明しています。ガラス修理会社のダックスも、製造工程で焼き付けているため剥がせない、と解説しています。

📊 呼び名は資料ごとに違います

呼び名 使っている資料
黒セラ AGC Automotive(黒セラ部投影HUDの製品ページ)、日本板硝子の特許、ダックス、Merkmal、WEB CARTOP(「黒セラミック」と表記)
セラミックカラー 旭硝子の特許、日本板硝子の特許(「黒セラ」はセラミックカラーの略称として定義)
セラミックフリット/フリット MOBY
obscuration band(遮蔽帯) Pilkington社(日本板硝子グループ)の特許、AGP America S.A.の特許
材料の説明は資料でバラバラです。WEB CARTOP(2026年7月)は酸化アルミニウム(アルミナ)に炭化チタンなどを混ぜたセラミック、旭硝子の特許(1994年公開)は非晶質ガラスなどをベースに耐熱性の着色顔料を混ぜたもの、日本板硝子の特許は黒色顔料成分を含む溶融性ガラスフリット、と書いています。メーカーの公式ページで統一的な成分説明は確認できなかったので、ここでは資料ごとの記述として並べるにとどめます。

黒セラの役目(出典ごと)

出典 書かれている役目
旭硝子の特許(1994年公開) ガラス周辺部に焼き付けて着色不透明層をつくり、ウレタンシーラントの紫外線による劣化を防止する、あるいは電熱線の端子等が車外から透けて見えないようにする目的で用いられている
Pilkington社の特許(2006年優先日) 遮蔽帯は接着剤を覆って見えなくするだけでなく、UV光による損傷も防ぐ。デザイン面と機能面の両方を持つ
日本板硝子の特許(2008年公開) 黒セラは自動車の意匠性を向上させるために使用される
MOBY(2026年9月公開) 多くの車はウレタン系の接着剤でフロントガラスを車体へ直接取り付けている。この接着剤を太陽光の紫外線から守り、接合部を外から見えにくくする
ダックス(ガラス修理会社) 接着剤の保護(紫外線など)、日差し対策、デザイン性
WEB CARTOP(2026年7月) 接着剤の劣化予防が役目。ほかに、接着部を外から見えなくして見栄えをよくする役目もある

どの資料も「接着剤を紫外線から守る」と「見えなくする」を挙げていて、動画の説明と一致します。ただし、ガラスメーカーの公式ページで、黒セラの役目をこのように説明したものは今回確認できませんでした。メーカー側の根拠は特許明細書の「従来の技術」の記述で、ほかは修理会社や専門メディアの説明です。

なお、AGCの公式ページ(AGC Automotive)には、フロントガラス下部の黒セラ部(黒色印刷部分)にHUDの像を映し、フロントガラスの全幅をディスプレイにする製品があります。黒い帯を、表示に使う製品もあるということです。

黒セラが剥がれたときについて、ダックスは、視界に影響がなければ特に問題ないとしつつ、剥がれは直せず、気になるならガラスごとの交換になる、と案内しています(ガラス修理会社の見解として紹介します)。

2. 点々(ドット)の理由

ドットなしとドットありの境目の違いと、曲げ加工中の温度のイメージ
図:黒い帯から透明部分への境目。ドットがあると見た目も温度の変わり方もなだらかになる、という特許の説明のイメージ(自作の模式図。実測値ではありません)

なめらかにつなぐ工夫

黒い帯の内側の縁は、中央に向かって小さくなる点の列でできていることが多い、とPilkington社の特許は説明しています。境目がはっきりしていると、運転者が帯の縁を意識してしまう。透過率が少しずつ変わるようにすれば縁が目立ちにくい、という趣旨です。MOBYも、点の大きさや間隔を変えながら段階的につなぎ、境目の違和感を抑えていると書いています。動画の「黒と透明をなめらかにつなぐ工夫」と一致します。

熱の面の説明(特許1件の記述)

AGP America S.A.の米国特許(2015年出願・2017年付与)の「従来の技術」には、別の理由が書かれています。黒いフリットは透明なガラスより熱を吸収しやすく、曲げ加工の間は黒い部分のほうが高温になります。黒から透明へ急に温度が変わると、黒い帯の内縁に沿って光学的なひずみ(業界で「burn line」と呼ぶ)が出ます。その対策の一つが、内縁から小さくなる点の列(ドットのフェードアウト)で、温度の変わり方を広い範囲に広げ、ひずみを目立たなくすると説明しています。

この「熱の面」は特許1件の説明です。AGC・日本板硝子・セントラル硝子の公式ページでは確認できませんでした。同じ特許は、広いドットでもひずみを消しきれない場合があること、運転者の視界に関する規制のために広いドットが認められない場合もあることも書いています。「点々は熱ひずみ対策でもある、という説明がある」と受け止めるのが安全です。

ルームミラー周辺の点々

📊 ルームミラー周辺の点々について、出典ごとの説明

出典 説明
マツダ(くるまのニュース、2019年5月) サンバイザーでカバーできないバックミラー付近には、ドット模様の日よけを設けていると回答(自動車メーカーの回答)
MOBY 「サードバイザー」「センターバイザー」と呼ばれることがある。運転席側・助手席側のサンバイザーで覆いにくい、ルームミラー周辺の光を軽減する。黒一色にせず点状にして、周辺の視界を確保しやすくしている。センサーの取付部が目立たないようにフリットの形が設計されている車もある
WEB CARTOP(2026年7月) ミラー両端の隙間から入る日差しを抑えつつ、黒点の隙間から前方も見える

点の形・配置・範囲は車種によって違います(MOBY)。ミラー周辺のカメラやセンサーの近くにステッカーなどを貼るのは避け、取扱説明書を確認するよう、MOBYは案内しています。

3. 上部の色の帯:呼び名・役目・減っている理由

フロントガラスの上のほうに青や緑の帯が入っている車があります。メーカーによって呼び名が違います。

📊 上部の色の帯の呼び名

メーカー 呼び名 出典
トヨタ トップシェード(ハリアーは「UVカット機能付グリーンガラス(合わせ・高遮音性ガラス)+トップシェード」、ランドクルーザー“250”は「高遮音性ガラス・トップシェード付(合わせガラス)」) トヨタ公式FAQ(ハリアー)・同(ランドクルーザー“250”)
ホンダ ハーフシェイド(装備名は「ハーフシェイド・フロントウインドウ」)。過去モデルの公式装備ページが、ウインドウの上のほうのスモークが上からの日差しをやわらげ、まぶしさを軽減すると説明 Honda公式(N-WGN 2015年3月終了モデル)
三菱自動車 シェードバンド(2019年の回答) くるまのニュース(2019年5月)

現行のホンダ車の公式装備表で、この名称が今も使われていることは今回確認できませんでした(確認できたのは過去モデルの公式ページと2019年の回答です)。

役目

出典 説明
ホンダ(公式の過去モデル装備ページ) 上からの日差しをやわらげ、まぶしさを軽減する
三菱自動車(2019年の回答) フロントガラス上方からの強い直射日光によるまぶしさの低減。メーターやカーナビ画面の視認性の確保も考慮して、車種ごとに判断している(採用の明確な基準はないとも回答)
AGC(WEB CARTOP 2023年3月) メリットは、太陽光をやわらげて眩しさを防げること。高級感を感じるという声もある
Pilkington社の特許 色の帯(shadeband)は光や熱の透過が場所によって変わる領域で、まぶしさを減らす。合わせガラスでは、着色した中間膜を使う方法が最もよく使われる、とも書いている

動画の「メーターやナビの画面を見やすくする狙い」は、このうち三菱自動車の説明です。

減っている理由:AGCは3点を話している

AGCは、WEB CARTOPの取材(2023年3月)で次のように答えています。

AGCの説明(要約。引用は原文のまま)
①運転支援への配慮 近年は、運転支援システムの性能を確保するために、トップシェードを採用しないモデルが増えている。フロントガラス上部に光学カメラやセンサー類があることへの配慮だと思う。ただし「必ずしもすべての車種で動作に影響を及ぼすという訳ではありません」
②ガラスの技術の進歩 色を付けなくても、赤外線や紫外線をカットできるようになった。まぶしさの点ではトップシェードに劣るが、透明なままでも車内を快適にできる
③デザイントレンド AGCとしては、機能面よりも「デザイントレンドの変化が影響していると考えています」。アフターマーケットで色付きガラスに替える人もいて、トレンド次第で復活するかもしれない

つまり、動画の「運転支援のカメラのため」は理由の一つで、AGCはそれが唯一の理由とは言っていません。なお、WEB CARTOP(2026年7月)は、ドライブレコーダーや運転支援機能のために上端からカメラで前方を見通す必要があるとの筆者の見方を書いています(自動車メーカーやガラスメーカーの説明ではありません)。

採用状況の例(2019年5月時点)

メーカー 当時の回答(くるまのニュース)
ホンダ ラインナップのおよそ8割強に設定。過去の記録で確認できた範囲では、初代NSXで初めて設定
三菱自動車 国内販売車種では「パジェロ」と「デリカD:5」の2車種
マツダ 現在販売しているすべての乗用車で半透明の日よけを採用していない。開放感や視界などの点で不利になる場合があるため。サンバイザーで調整してもらい、カバーできないミラー付近にはドット模様の日よけを設けている
これは2019年5月時点の回答です。現在の採用率や、各車種の最新の仕様は、公式サイトの装備表やカタログで確認してください。

4. 合わせガラスと強化ガラス:割れ方のちがい

合わせガラスの断面と、割れたときの合わせガラスと強化ガラスのイメージ
図:合わせガラス(ガラス2枚+中間膜)と強化ガラスの割れ方のイメージ(自作の模式図。実際の割れ方は衝撃によって異なります)

動画の3つ目の話題です。JAFのQ&A(2022年8月現在)は、次のように説明しています。

合わせガラス 強化ガラス
しくみ 2枚のガラスの間に「中間膜」(透明な樹脂フィルム)をはさんだ3層構造 板ガラスを700℃近くまで熱し、空気中で急速に冷やして、表面に「圧縮応力」をつけたガラス
割れ方 強い衝撃を受けてもヒビが入るだけで、視界を大きく妨げず、粉々に砕け散らない 網目状の亀裂が入って粉々になる。破片は角のない粒状で、大きなケガをするリスクが少ない
使われる場所 フロントガラス。最近は前席のサイドウインドウに採用する車種もある 現在は主にサイド・リアのウインドウ。割れたときに視界を妨げたり、破片が目に入ったりするおそれがあり、フロントには使えない

JAFは、1987年(昭和62年)9月以降に製造される自動車のフロントガラスには、合わせガラスの装備が保安基準で義務づけられていると解説しています。セントラル硝子プロダクツは、合わせガラスを「主にフロントガラスとして採用されている安全ガラス」、強化ガラスを、割れると細粒状に砕けて大きなケガを防ぐガラスと紹介し、日本板硝子(住友グループ広報委員会の記事)も、フロント用の合わせガラスとサイド・リア用の強化ガラスを挙げています。動画の説明と一致します。

📜 道路運送車両の保安基準 第29条(窓ガラス)の要約

第1項:窓ガラスは、告示で定める基準に適合する安全ガラスでなければならない。第2項:前面ガラスは、損傷した場合においても運転者の視野を確保できるものであり、かつ、容易に貫通されないものとして、強度等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。

細目告示第195条は、安全ガラスの種類として、合わせガラス・強化ガラス・部分強化ガラス・有機ガラス・ガラス-プラスチックを挙げ、前面ガラスの基準として「損傷した場合においても運転者の視野を確保できる」「容易に貫通されない」ことを定めています。条文は強度の基準の形で書かれており、「合わせガラスでなければならない」という文言そのものは確認できませんでした。義務づけについては、JAFの解説に沿った説明です。

5. 国の基準では?70%と上端20%

黒セラや色の帯そのものについて、透過率や幅を直接定めた条文・数値は、今回確認できませんでした。関係するのは、前面ガラスの可視光線透過率に関する次の基準です。

📜 保安基準 第29条第3項/細目告示 第195条第3項・第6項第1号(要約。2025年6月17日版の告示)

前面ガラスは、透明で運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであり、運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分の可視光線透過率が70%以上のものであること。このうち、前面ガラスの上縁で、車両中心面と平行な面上のガラス開口部の実長の20%以内の範囲は、「必要な視野の範囲」から除かれる。

前面ガラスの上端20%以内と、70%以上を求める必要な視野の範囲を示す図
図:前面ガラスの上端20%以内(70%を求める「必要な視野の範囲」の外)と、70%が求められる範囲(自作の模式図。寸法の比率は実際とは異なります)
項目 内容
70%が求められる範囲 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲(前面ガラスの上端20%以内などを除く)
上端20%以内 70%を求める範囲の外(第195条第6項第1号)。色の帯を後付けのフィルムなどで作る場合の条件(透明で信号機が確認できることなど)は、別記事で解説
新車時のガラス 第195条第8項は、指定自動車等と同一の構造・同一の位置の窓ガラスで、機能を損なうおそれのある改造・損傷等がないものは、第1〜3項及び第5項の基準に適合するものとしている
「ガラス開口部」の意味 第195条第5項第8号は、ウェザ・ストリップやモール等と重なる部分と「マスキングが施されている部分」を除くものを「ガラス開口部」としている(本条で共通)。黒セラがこの「マスキング」にあたるかは、告示に明記がなく確認できなかった

黒セラの帯や色の帯が、上端20%の範囲にどこまで入っているかは車種によって違います。このため、新車時に付いている色の帯や黒セラが基準に合っているかを、この記事から個別に判断することはできません。気になる場合は、販売店や整備工場、検査機関にご確認ください。

6. よくある質問

Q. 黒セラは、こすったり洗ったりすると剥がれますか?

A. ダックスは、黒セラは貼ったものではなく製造工程で焼き付けているため剥がせないとしています。剥がれた場合は直せず、見た目が気になるときはガラスごとの交換になるとも案内しています(ガラス修理会社の見解)。視界に影響がなければ特に問題はない、とのことです。

Q. 黒セラの上にドライブレコーダーやステッカーを貼ってもいいですか?

A. 貼る位置の決まり(検査標章・ドライブレコーダーなど)は、別記事で条文をもとに解説しています。粘着力については、ダックスが、車種によっては黒セラに両面テープを貼ると粘着力が下がる場合があると述べています(修理会社の見解)。ルームミラー周辺のセンサーの近くは避け、取扱説明書を確認するようMOBYは案内しています。

Q. 上の色の帯がない車は、不具合や安全面で劣るのですか?

A. そう判断できる資料は確認できませんでした。色の帯の採用はメーカーや車種で方針が違い(2019年の回答では、ホンダは8割強、マツダは採用なし)、AGCは減った理由に運転支援への配慮・ガラス技術の進歩・デザイントレンドを挙げています。色の帯の有無が安全性の優劣を示すとは、どの資料にも書かれていません。

Q. 運転支援のカメラがある車には、色の帯は付けられないのですか?

A. AGCは、運転支援システムの性能確保のために採用しないモデルが増えているとしつつ、染め分けの有無が「必ずしもすべての車種で動作に影響を及ぼすという訳ではありません」と述べています。付けるかどうかは、車種ごとの設計判断です。

Q. 前席のサイドガラスが合わせガラスの車は、どう見分けますか?

A. JAFは、前席のサイドウインドウに合わせガラスを採用する車種があると解説していますが、見分け方までは書いていません。例として、トヨタ公式FAQ(ハリアー)の表には、フロントのドアガラスが「グリーンガラス(合わせ・UVカット機能・高遮音・撥水機能付)」(全車に標準)と載っています。装備は車種・グレードで違うため、カタログの装備表や取扱説明書、販売店でご確認ください。

まとめ

フロントガラスの黒い縁・点々・上の色の帯を整理します。(1)縁の黒い帯は、黒いセラミックを焼き付けた「黒セラ」で、旭硝子の特許の背景説明は、ウレタンシーラントの紫外線劣化の防止、あるいは端子などの目隠しを目的に挙げ、Pilkington社の特許の背景説明も、接着剤を見えなくし、UV光から守ると述べています。(2)点々は黒から透明への境目をなめらかにつなぐ工夫で、AGP America S.A.の特許の背景説明は、曲げ加工中の温度差によるひずみを目立たなくする狙いも述べています(特許1件の記述)。ミラー周辺の点々は、サンバイザーで覆いにくい日差しをやわらげます。(3)上の色の帯は、トヨタは「トップシェード」、ホンダは「ハーフシェイド」。まぶしさをやわらげる装備で、AGCは減っている理由に、運転支援への配慮・ガラス技術の進歩・デザイントレンドの変化を挙げています。(4)フロントは合わせガラス、サイド・リアは主に強化ガラスです。

普段は気にとめない小さな模様にも、接着の耐久性や見た目、まぶしさへの配慮といった意味があります。次に乗るときは、ガラスのフチと上のほうを探してみてください。ガラスのヒビや傷が気になるときは、販売店や整備工場に相談しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。装備や仕様は車種・グレードによって異なります。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容や個別の判断は、国土交通省・自動車メーカー・販売店・検査機関の公式情報でご確認ください(確認日:2026年10月)。特許明細書の「従来の技術」の記述は、出願人の説明であり、ガラスメーカーの公式見解とは限りません。

参考(一次情報・メーカー・特許・公的機関・JAF・専門メディア): e-Gov法令検索 道路運送車両の保安基準(第29条)/国土交通省 細目告示第195条(窓ガラス)/JAF「自動車のウインドウガラスにはどんな種類や機能があるの?」/AGC Automotive 黒セラ部投影HUD/セントラル硝子プロダクツ 自動車用ガラス/住友グループ広報委員会 日本板硝子「自動車のガラスについて調べてきたよ」/特許JPH06239647A(旭硝子)/特許JP2008179508A(日本板硝子)/特許EP2077947B1(Pilkington)/特許US9623634B2(AGP America S.A.)/トヨタ公式FAQ ハリアー/トヨタ公式FAQ ランドクルーザー“250”/Honda N-WGN(2015年3月終了モデル)装備/くるまのニュース「前ガラス上部の色入れ、設定率8割と0割が併存する理由とは」(2019年。1〜2ページ目)/WEB CARTOP(AGCへの取材)2023年3月(1〜2ページ目)/WEB CARTOP 2026年7月/MOBY 2026年9月公開/Merkmal(車の窓の黒縁の解説記事)/ダックス glassStyle

図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。実際の形・配置・色味は車種によって異なります。

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