プリウスの音・異音|取扱書で「異常ではない」音と、点検が必要な音の見分け方

プリウスは、エンジンとモーターを組み合わせて走るため、通常のガソリン車とは違う音や振動があります。この記事では、トヨタの取扱書(プリウス5代目HEV・2026年7月生産分〜)、国の自動車点検基準、JAFの解説で確認できたことだけを整理しました。異音の原因は、音だけでは判断できないため、この記事では「取扱書が異常ではないとしている音」と「点検を受けたほうがよい音・状況」を、分けて整理します。

📋 この記事の要点

✔ 取扱書は、ハイブリッドシステム始動後の、モーター音、高電圧リレーの「コトン」「カチッ」、回生ブレーキの音などを「異常ではありません」としている(P.69〜70)

✔ 継続的にブレーキ付近から警告音(キーキー音)が出たら、できるだけ早く販売店で点検を受け、ブレーキパッドを交換する(P.174)

✔ 取扱書には、警告音の原因を探せる「車から音が鳴ったときは(音さくいん)」がある(P.540〜541)

✔ JAFは、エンジン付近の「ガラガラ」は、エンジンオイルの不足や潤滑不良の可能性、「キュルキュル」は、ベルトが滑っている可能性があり、どちらも点検が必要、としている

✔ 国の日常点検には「原動機のかかり具合が不良でなく、かつ、異音がないこと」がある。プリウスの世代によって、取扱書の記載やページは異なる

1. 取扱書が「異常ではない」とする音

ハイブリッド車は、エンジンが止まっていて、電気モーターだけで走ることがあります。取扱書には、READYインジケーターが点灯して走行可能な状態でも、通常の車のようなエンジン音や振動がないことがあり、走行可能な状態に気づかない場合がある、と書かれています。安全のため、駐車時は確実にパーキングブレーキをかけ、シフトポジションをPにするよう案内されています。

📊 プリウスの取扱書で「異常ではない」とされている音(トヨタ取扱書、確認日: 2026年9月25日)

音・場面 取扱書の記載 ページ(5代目)
ハイブリッドシステム始動後 エンジンルームからのモーター音、始動時や停止時に聞こえる、車両後方および駆動用電池からの音。いずれも異常ではない P.69
リヤシート下からの音 “コトン”“カチッ”などの高電圧リレーの音。異常ではない P.69
バックドアを開けたとき 作動音。異常ではない P.69
ガソリンエンジンの始動・停止時、低速走行時、アイドリング中 トランスミッション付近から聞こえる音。異常ではない P.69〜70
急加速時 エンジン音。異常ではない P.70
ブレーキペダルを踏んだとき、アクセルペダルをゆるめたとき 回生ブレーキの音。異常ではない P.70
エンジンの始動・停止 振動。異常ではない P.70
リヤシート下部の吸入口 ファンの音。異常ではない P.70
PCS(プリクラッシュセーフティ)作動時 ブレーキが作動したときの作動音や、ブレーキペダルの踏み応えの変化。異常ではない P.221
AC100Vコンセント使用中 ラゲージルーム付近から、冷却用ファンの音がすることがある。異常ではない P.414

📊 車両接近通報装置の音

車両接近通報装置 取扱書の記載(P.70)
作動する場面 ガソリンエンジンが停止した状態での走行時、車両の接近を周囲の人に知らせるため、車速に応じた音階で音を鳴らす
消音 車速が約25km/hをこえると消音する
聞こえにくい場合 周囲の騒音が大きい場合、雨・強風の場合。装置は車両前側にあるため、前方と比べて、後方は聞こえにくいことがある
故障のおそれ マルチインフォメーションディスプレイに「車両接近通報装置故障 販売店で点検してください」が表示されたときは、販売店に連絡

2. 警告音が鳴ったとき:「音さくいん」の使い方

プリウスの取扱書には、警告音が鳴ったときに、状況から原因を探せる「車から音が鳴ったときは(音さくいん)」があります。症状別さくいん(P.538)にも、「警告音が鳴りだしたときは、音さくいんを確認する」と書かれています。

📊 音さくいん(抜粋、トヨタ取扱書P.540〜541)

状況 考えられる原因(取扱書の音さくいん) ページ
車から降りるとき・ドアを開閉したとき シフトポジションがP以外になっている P.473
ハイブリッドシステムを停止したとき 電子キーの電池残量が少なくなっている P.450
施錠しようとしたとき(施錠できないとき) いずれかのドアが確実に閉まっていない、電子キーを車内に置き忘れている P.116、P.473
走り出したとき いずれかのドア・ボンネットが確実に閉まっていない、パーキングブレーキが解除されていない、シートベルトを着用していない(助手席に荷物を置いているときも鳴ることがある) P.119、P.192、P.471
ブレーキペダルを踏んだとき(きしみやひっかき音) ブレーキパッドが摩耗しているおそれがある P.174
先行車に接近したとき、前方の障害物と衝突しそうになったとき レーダークルーズコントロールの使用、PCSが作動した P.261、P.222
車線から逸脱しそうになったとき、制限速度を超過したとき LTA(レーントレーシングアシスト)を使用している、RSA(ロードサインアシスト)が作動した P.233、P.254
障害物との距離が近付いたとき、後退時に左右から車を検知したとき クリアランスソナーが作動した、RCTA(リヤクロストラフィックアラート)が作動した(グレード・オプションにより装備) P.298、P.308

📌 補足

車のグレードやオプションで、装備の有無が異なります。すべての警告音は、取扱書の音さくいんを確認してください。ページ番号は、2026年7月生産分〜の版のもので、版によって異なる場合があります。

⚠️ 注意

警告灯や警告メッセージが表示されたときは、取扱書の「警告灯がついたときは」(P.466、473)に従います。たとえば、充電警告灯は「充電系統の異常」で、ただちに安全な場所に停車して、販売店へ連絡する(P.466)、油圧警告灯は「エンジンオイル圧力の異常」で、同様に停車して販売店へ連絡する(P.467)とされています。

3. 点検を受けたほうがよい音・状況

「異常ではない音」以外の音は、原因を自分で決めつけず、点検を依頼するのが基本です。資料で確認できた、点検の目安を表にまとめます。

📊 点検を受けたほうがよい音・状況(確認日: 2026年9月25日)

音・状況 資料の案内 対応
継続的にブレーキ付近から出る警告音(キーキー音) 取扱書:できるだけ早く販売店で点検を受け、ブレーキパッドを交換する。必要なときに交換が行われないと、ディスクローターの損傷につながる場合がある。摩耗の限界をこえて走行すると、故障や事故につながるおそれがある(P.174) 販売店で点検
エンジン付近から「ガラガラ」 JAF:エンジンオイルの不足や潤滑不良の可能性 点検が必要。JAFへ救援要請。状況により、潤滑不良や冷却不良で、エンジンが焼き付くこともある(JAF)
エンジン付近から「キュルキュル」 JAF:ベルトが滑っている可能性 点検が必要。JAFへ救援要請
ハンドルを回したときの異音 JAF:ハンドル(ステアリング)機構に異常が発生している可能性。プリウスは、EPS(電動パワーステアリング)の異常時に、警告灯が点灯する(P.468) 警告灯の有無を確認し、点検を依頼
エンジンルームから蒸気が出る、冷却水高温の表示 JAF:冷却系統の故障や、エンジンオイル不足などで、オーバーヒートしている可能性。取扱書:高水温警告灯は、ただちに安全な場所に停車し、対処方法(P.501)に従う 停車して、取扱書の手順に従い、販売店へ
エンジンを停止した後も、回転音(ファンの音) JAF:一部の車種では、エンジンを冷却するため、停止後もしばらく冷却ファンが回り続ける プリウスの場合は、取扱書に載っている音かを確認。気になる場合は点検
エンジンのかかりが悪い、異音がある 国の日常点検(別表第2):原動機のかかり具合が不良でなく、かつ、異音がないこと 日常点検で確認し、異常があれば整備を受ける

⚠️ 注意

異音の原因は、実際に車を点検しないとわかりません。

4. 異音を販売店に伝える手順

🧭 異音があるときの進め方

1

取扱書の「音さくいん」「ハイブリッド車特有の音と振動」を確認する

取扱書で「異常ではない」とされている音に当てはまるかを、確認します。

2

警告灯・警告メッセージの有無を確認する

点灯や表示があれば、取扱書の該当ページに従います。点灯・点滅しても、その後消灯すれば異常ではありませんが、同じ現象が再度発生したときは、販売店で点検を受けます(取扱書)。

3

音の出る条件を記録する

速度、路面、操作(ブレーキ、ハンドル、加速)、天候・気温、冷間時か温間時か。

4

販売店・整備工場に依頼する

症状を伝えます。可能なら、音を録音・動画に残しておくと伝わりやすくなります。

5

原因と処置、見積もりの内訳を確認する

交換した部品や、保証の対象になるかも確認します。

📝 販売店に伝えるメモ

☑️ いつから、どんな音か(キーキー、カタカタ、ゴロゴロなど)

☑️ 出る場面(何km/hで、ブレーキ・ハンドル・加速のどれをしたとき)

☑️ 警告灯・警告メッセージの有無

☑️ 直近の点検・整備・タイヤ交換・バッテリー交換の時期

☑️ 走行距離と、車検証の型式(世代:プリウスは世代によって取扱書が異なる)

☑️ 音の録音・動画(可能なら)

💡 ポイント

プリウスは、世代によって、取扱書の内容やページが異なります。この記事は、5代目(2023年〜)のHEV(ハイブリッド)の取扱書(2026年7月生産分〜)を確認しました。3代目・4代目などは、トヨタの「取扱書」ページで、生産年月から該当の版を選んで、確認してください。

5. よくある質問

Q. プリウスから「コトン」「カチッ」と音がします。故障ですか?

A. 取扱書は、ハイブリッドシステムの始動時や停止時に、リヤシート下から聞こえる「コトン」「カチッ」などの高電圧リレーの音を、「異常ではありません」としています(5代目・P.69)。

Q. ブレーキから「キーキー」と音がするときは?

A. 取扱書は、継続的にブレーキ付近から警告音(キーキー音)が発生したときは、できるだけ早く販売店で点検を受けて、ブレーキパッドを交換するよう案内しています(P.174)。

Q. 走行中、エンジン音がしないのは異常ですか?

A. ハイブリッド車は、エンジンが止まって、モーターだけで走ることがあります。取扱書には、READYインジケーターが点灯していても、エンジン音や振動がないことがあると書かれています。

Q. 異音の原因を、自分で調べられますか?

A. 取扱書の音さくいんや、症状別さくいんで、警告音の原因は確認できますが、走行中の異音の原因は、実際に車を点検しないと、判断できません。原因を自己判断せず、点検を依頼しましょう。

まとめ

プリウスの取扱書には、ハイブリッド車ならではの、モーター音や高電圧リレーの音、回生ブレーキの音などが、「異常ではない」音として載っています。一方、ブレーキ付近の継続的なキーキー音、エンジン付近のガラガラ・キュルキュル音、警告灯を伴う異音は、点検が必要です。まず取扱書の音さくいんを確認し、条件を記録して、販売店に相談しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。

アイキャッチ画像: Toyota Prius (XW60) Plug-in Hybrid by Alexander Migl, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(ドイツ・ルートヴィヒスブルクで撮影)

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