台風接近中、車を運転していい?いけない?の判断基準

台風が近づいているとき、「どうしても車で出かけなければならない」という場面は、誰にでも起こり得ます。この記事では、気象庁とJAF、NEXCOの公表情報をもとに、運転してよいかを考えるための判断材料を整理しました。気象庁の警報・特別警報、風速の目安、冠水や通行止めの情報、移動の必要性の見直しという順に、確認するポイントをまとめています。確認できなかった点は、その旨を明記しています。

📋 この記事の要点

✔ 台風の際に最も安全なのは、移動しないこと。予定を延期できるかを、最初に考える

✔ 気象庁の風の強さの目安では、平均風速20〜25m/sで「通常の速度で運転するのが困難」、25〜30m/sで「走行中のトラックが横転する」とされている

✔ 暴風特別警報の対象となる台風は、中心気圧930hPa以下、または最大風速50m/s以上(沖縄・奄美・小笠原は910hPa以下、または60m/s以上)

✔ 台風の前後は、高速道路が通行止めになることがある。NEXCOは、出発前に最新の気象予測と道路交通情報を確認するよう呼びかけている

✔ アンダーパス、川沿い、海岸沿い、急傾斜地などの危険な場所には近づかない(JAF)

1. 運転の可否を考える前に、確認する情報

台風のときの運転の可否は、風の強さだけでなく、雨・冠水・通行止めなどを合わせて考える必要があります。JAF Mate Onlineは、台風時の運転で危険な行動として、河川沿いの走行、アンダーパスの利用、速度を落とさない高速道路の利用をあげ、安全な選択は、移動しないことだと説明しています。

📊 台風時に確認する情報のまとめ

確認する情報 見るポイント 出どころ
台風の進路・接近の時期 自分の地域に、いつ、どの程度接近するか。早い段階で予定を見直す 気象庁の台風情報
警報・特別警報 暴風・大雨・高潮などの警報や特別警報が出ているか 気象庁
風の強さ 予想される平均風速・最大瞬間風速。車への影響の目安を、風の強さの表と照らして確認 気象庁の「風の強さと吹き方」
道路の通行止め 高速道路や国道の通行止め、規制の予定。事前に、通行止めの可能性がある区間が案内される NEXCO、道路管理者、自治体
冠水・河川の状況 アンダーパス、川沿いの道、低い土地の冠水。ハザードマップも確認 自治体、国土交通省、ハザードマップ

💡 「移動を延期できないか」を最初に考える

用事を翌日以降にずらす、オンラインで済ませる、公共交通機関の運行状況を確認するなど、車以外の選択肢も検討します。台風の影響が去った後にも、冠水や倒木などの危険が残っていることがあります。

2. 気象庁の警報・特別警報の見方

気象庁は、災害の重大さの度合いに応じて、注意報、警報、危険警報、特別警報を発表します。台風では、暴風や大雨、高潮に関する情報が、特に重要です。

📊 警報などの種類(気象庁の説明より)

種類 気象庁の説明 台風に関係する例
注意報 災害が起こるおそれがある場合に、その旨を注意する情報 強風注意報、大雨注意報など
警報 重大な災害の起こるおそれのある旨を警告する情報 暴風警報、大雨警報、高潮警報など
危険警報 重大な災害の起こるおそれが大きい、危険な状況を示す情報(警戒レベル4) 大雨・河川氾濫・土砂災害・高潮の情報
特別警報 予想される現象が特に異常であるため、重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合の情報 暴風特別警報、高潮特別警報、大雨特別警報など

📊 台風に関する特別警報の基準

台風の特別警報の基準 内容(気象庁)
暴風・波浪の特別警報の対象となる台風 中心気圧が930hPa以下、または、最大風速が50m/s以上の台風
沖縄・奄美・小笠原の場合 中心気圧が910hPa以下、または、最大風速が60m/s以上の台風

📌 2026年5月から、防災気象情報の名称が変わりました

気象庁は、2026年5月29日から、新しい防災気象情報の運用を始めています。大雨・河川氾濫・土砂災害・高潮については、「レベル3大雨警報」のように、警戒レベルを付けた名称になり、警戒レベル4相当の「危険警報」が新設されました。一方、暴風・波浪・大雪などは、避難行動を前提としない情報として、警戒レベルの番号は付いていません。詳しい名称や基準は、気象庁の公式ページでご確認ください。

📌 確認できなかった点

この記事では、警報・特別警報の意味と、JAF・NEXCOなどの呼びかけを紹介する形にとどめています。

3. 風の強さと、運転への影響の目安

気象庁の「風の強さと吹き方」は、平均風速ごとに、人や車などへの影響の目安をまとめています。風速の値は、平均風速(10分間の平均)であり、瞬間風速(3秒間の平均)は、平均風速の1.5倍程度になることが多く、大気の状態が不安定なときは、3倍以上になることもあります。

📊 風の強さと、運転への影響

平均風速(m/s) 風の強さの呼び方 人や車への影響(気象庁の表より)
10以上15未満 やや強い風 風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。高速運転中では、横風に流される感覚を受ける
15以上20未満 強い風 風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。高速運転中では、横風に流される感覚が大きくなる
20以上25未満 非常に強い風 何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれがある。通常の速度で運転するのが困難になる
25以上30未満 非常に強い風 屋外での行動は極めて危険。走行中のトラックが横転する

⚠️ 「瞬間風速20m/s」と「平均風速20m/s」は、別の数字です

JAF Mate Onlineでも、横風が20m/sを超えると、軽い車やバン、トラックは、車線をはみ出したり、横転したりするおそれがあると説明されています。気象庁の表は平均風速の目安で、実際の瞬間風速は、それより大きくなることがあります。

📌 風速は、場所によって異なります

気象庁の表の注記は、風速は地形や周りの建物に影響されるため、その場所の風速は、近くにある観測所の値と大きく異なることがあると説明しています。橋の上や、高架、海沿いなどでは、風が強くなることがあります(JAF Mate Onlineは、高架の高速道路では強い風にさらされると説明)。

4. 冠水・河川・通行止めの情報を確認する

風だけでなく、雨による冠水や河川の増水も、運転の可否を左右します。JAFは、大雨の場合、アンダーパスや川沿い、海岸沿い、急傾斜地など、危険な場所には近づかないよう呼びかけています。

📊 道路の状況を確認するポイント

項目 内容 出典
アンダーパス 前後の区間と比べて、急に道路の高さが低くなっている区間。全国に約3,800箇所(令和7年3月末時点)ある。排水ポンプの能力を超える大雨で、水がたまる。過度な降雨のときは、事前に通行規制が行われることがある 国土交通省
高速道路の通行止め 雨量や風速などの気象データをもとに、安全に走行できないと判断された区間が、通行止めなどの対象になる。NEXCOは、悪天候が予想される場合、通行止めの可能性がある区間を、公式サイトやSNS等で事前に案内している NEXCO各社
通行止めの解除 安全確認の後になる NEXCO東日本

⚠️ 冠水した道は、見た目では深さが分かりません

JAFは、冠水した道は、見た目だけでは水深を測れないと注意しています。冠水路の危険性と対処は、姉妹記事「冠水路の見分け方」でくわしく解説しています。

5. 運転前の判断フローと、どうしても運転する場合

🧭 台風接近時の判断フロー

1

台風情報と、警報の有無を確認する

気象庁の台風情報と、お住まいの地域・移動先・経路上の警報などを確認します。

2

移動を、延期できないかを考える

延期・オンライン・公共交通機関など、車以外の選択肢を検討します。

3

風の強さの予想を、表と照らして確認する

予想される風が、平均風速15m/s以上の場合は、特に慎重に判断します(気象庁の表で、横風に流される感覚が大きくなる目安)。

4

経路の通行止め・冠水・アンダーパスを確認する

高速道路の通行止めの情報、自治体の道路情報、ハザードマップを確認します。

5

どうしても運転するときは、危険な場所を避ける

アンダーパス、川沿い、海岸沿い、急傾斜地には近づかず、迂回します(JAF)。

6

危険を感じたら、無理に進まない

危険を感じたら、安全な場所に停車して、状況を確認します。冠水路には、進入しません。

📝 出発前のチェックリスト

☑️ その移動を延期できるか、車以外の手段がないか、検討した

☑️ 気象庁の台風情報と、警報・特別警報の有無を確認した

☑️ 予想される風の強さを、気象庁の表で確認した

☑️ 高速道路・国道の通行止め、冠水の情報を確認した

☑️ 経路に、アンダーパス・川沿い・海岸沿い・急傾斜地が含まれていないか確認した

☑️ 燃料が十分か、タイヤの溝は十分か確認した

☑️ 万一のとき、連絡できる家族・職場・ロードサービスの連絡先を確認した

💡 「行く」より「行かない」

台風の影響を受ける時間帯の運転は、リスクが高くなります。少しでも危険を感じたら、外出を見合わせるか、移動を早めに切り上げる判断が、安全につながります。

6. よくある質問

Q. 風速が何m/sから、車の運転が難しくなりますか?

A. 気象庁の表では、平均風速10〜15m/sで、高速運転中に横風に流される感覚を受け、15〜20m/sで、その感覚が大きくなり、20〜25m/sで、通常の速度で運転するのが困難になります。25〜30m/sでは、走行中のトラックが横転するとされています。風速は、場所や瞬間風速によっても異なります。

Q. 特別警報が出たら、車を運転してはいけませんか?

A. 特別警報は、重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合の情報です。気象庁の公式資料で、運転の可否を直接示した記述は確認できませんでしたが、自治体の避難に関する指示などを最優先に、外出を控えることが基本です。

Q. 軽自動車やワンボックスカーは、特に危険ですか?

A. JAF Mate Onlineは、横風が20m/sを超えると、軽い車やバン、トラックなどが、車線をはみ出したり、横転したりするおそれがあると説明しています。車高が高い車や、軽い車は、特に注意が必要です。

Q. 高速道路は、台風のときも走れますか?

A. 雨や風などの状況によって、通行止めなどの規制が行われます。NEXCOは、悪天候が予想される場合、通行止めの可能性がある区間を、事前に案内しています。出発前に、最新の気象予測と道路交通情報を確認してください。

Q. 2026年5月に、警報の名称が変わったと聞きました。

A. 気象庁は、2026年5月29日から、新しい防災気象情報の運用を始めました。大雨・河川氾濫・土砂災害・高潮については、警戒レベルを付けた名称(例:レベル3大雨警報)になり、警戒レベル4相当の「危険警報」が新設されました。詳しくは、気象庁の公式ページをご確認ください。

まとめ

台風接近時の運転の可否は、気象庁の警報・特別警報、風の強さの目安、冠水・通行止めの情報を合わせて考える必要があります。気象庁の表では、平均風速20〜25m/sで通常の速度での運転が困難になり、25〜30m/sで走行中のトラックが横転するとされています。もっとも安全なのは、移動を延期することです。どうしても運転する場合は、アンダーパスや川沿いなどの危険な場所を避け、危険を感じたら無理をしないでください。

※本記事は一般的な情報提供です。台風・大雨の際の行動は、気象庁・自治体・道路管理者が発表する最新の情報や、避難に関する指示を最優先してください。個別の判断や、車両の損害・保険の扱いについては、公的窓口・ロードサービス・保険会社などにご相談ください(気象庁、JAF、国土交通省、NEXCOの公式ページの確認日:2026年9月25日)。

出典: JAF「台風・大雨時のクルマに関する注意点」、気象庁警報・注意報の解説

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