高速道路を走っていると、路肩や中央分離帯に、小さな数字の標識が一定の間隔で並んでいます。「キロポスト」と呼ばれるこの数字は、何を表していて、何mごとに立っているのか。色には意味があるのか、上りと下りで違うのか、事故や故障のときにどう使うのか。気になっても、意外と説明できない人が多い標識です。
この記事では、NEXCO東日本・NEXCO中日本・国土交通省の公式ページと、JAF Mate Online、乗りものニュース(NEXCO中日本への取材記事)で確認できた内容を整理します。公式ページで確認できたことと、担当者の説明として報じられているにとどまることは、分けて書いています。解説動画「路肩の数字、何mごと?」の内容を、確認した情報源とあわせて詳しくまとめた記事です。
📋 この記事の要点
✔ キロポストの数字は、その路線の起点からの距離。北関東道で「46.8」なら、起点の高崎JCTから46.8kmの地点(NEXCO東日本)
✔ 設置間隔は100mおき(NEXCO中日本の公式ページ)。IC・JCT・ランプでは20m間隔と、NEXCO中日本の担当者が説明したと報じられている(公式ページでは確認できなかった)
✔ 100mごとは白い地に緑の数字、1kmごとは緑の地に白い数字(NEXCO中日本の担当者の説明)。色は、上りか下りかを表すものではない
✔ 数字は上り線でも下り線でも同じ。走る向きによって、下り線では増え、上り線では減る(NEXCO東日本・JAF Mate Online)
✔ 緊急のときは、安全な場所に停車してから、道路名・進行方向・キロポストなどを伝える。#9910は道路の異状、事故は警察110番(国土交通省)
🎬 動画で見る
この記事の内容を、かーぎーくんが図と条文・公式情報を示しながら解説した動画です。詳しい条件や例外は、このあと記事で確認できます。
▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
📑 目次
1. キロポストの数字は「起点からの距離」
NEXCO東日本(ドラぷら)によると、高速道路の路肩や中央分離帯に立っている数字の小さな標識は「キロポスト」と呼ばれ、書かれている数字はその高速道路の起点からの距離を示しています(NEXCO東日本)。正式名称は「距離標」で、キロメートル単位で表しているものが多いため、キロポストと呼ばれると国土交通省の道路事務所も説明しています(岡山国道事務所)。
例:北関東道の「46.8」
NEXCO東日本が挙げている例では、北関東道の起点は高崎JCTです。高崎JCTから水戸方面へ走っていて「46.8」のキロポストを見つけたら、そこは高崎JCTから46.8kmの地点という意味になります。
📊 路線の起点の例
| 路線 | 起点 | 出典 |
|---|---|---|
| 東北道 | 川口ジャンクション | NEXCO東日本(ドラぷら) |
| 関越道 | 練馬インターチェンジ | NEXCO東日本(ドラぷら) |
| 北関東道 | 高崎ジャンクション | NEXCO東日本(ドラぷら) |
| 中央道 | 高井戸インターチェンジ | JAF Mate Online |
起点は路線ごとに決まっています。なお、NEXCO東日本は、高速道路では「上り線の起点」「下り線の起点」という考え方はなく、あくまで起点は一つだと説明しています。
なぜ数字が必要なのか
高速道路は一般の道路と違い、お店の看板や、交差点の名前を示す看板がありません。そのため、自分が今どこを走っているのかを正確に言うのが難しい道路です。キロポストの数字は、管理のために必要な情報であると同時に、場所を伝えるための手がかりになります(NEXCO東日本)。国土交通省の東北地方整備局は、キロポストを「道路上での住所のような役割」と紹介しています(青森河川国道事務所)。
一般の道路にも「距離標」がある
距離標は高速道路だけのものではありません。国土交通省九州地方整備局の道路事務所は、距離標を「道路管理のための延長を表示した標識」で、その路線の起点から約何キロの地点かを示すものと説明しています。国道の例では、一般的に1kmおきに三角すいの石柱があり、100mおきには黄色のプレートが設置されているとしています(佐伯河川国道事務所)。高速道路の仕様とは別の話なので、以下では高速道路のキロポストに絞って説明します。
2. 何mごとに立っている?(100mと20mの確認状況)
元になった疑問は、「路肩の数字は何mごとに立っているのか」「IC付近では間隔が変わるのか」の2つです。確認できた範囲を、確認の強さごとに表にしました。

📊 設置間隔の確認状況(2026年10月時点)
| 内容 | 確認状況 | 出典 |
|---|---|---|
| 本線上は100mおき | 公式ページで確認。「各道路の起点からの距離を100mおきにキロメートル単位で標示しています」 | NEXCO中日本 よくあるご質問 |
| IC・JCT・ランプでは20m間隔 | 担当者の説明として報道。NEXCO中日本への取材(2017年)と、高速道路会社の担当者への取材(2024年)の2記事に、同じ内容が載っている。公式ページ・基準の本文では確認できなかった | 乗りものニュース(2017年)・同(2024年) |
| 20mの範囲(ランプの道路上だけか、ICやJCTの本線側にも及ぶか) | 確認できなかった | – |
担当者の説明では、「本線上では0.1km(100m)間隔、ICやJCT、ランプでは20m間隔で設置されています」とされています。ここで言われている場所は「IC・JCT・ランプ」であり、「IC付近の本線はすべて20m」とまでは言い切れません。ランプとは、本線に出入りするための道路のことです。
一方、100mおきという点は、2025年10月の乗りものニュースの記事にも「高速道路の本線には0.1km(100m)間隔で設置されており」と書かれています(乗りものニュース)。
3. 色の意味と、上り・下りでの数字の変わり方
色は「100mごと」か「1kmごと」かの違い

NEXCO中日本の担当者は、キロポストの色について、0.1kmごとのものは白地に緑の数字、1kmごとのものは緑字に白い数字という標準的な仕様があると説明しています。200km地点や300km地点などキリのいい番号では、特別なデザインのものも設置されているそうです(乗りものニュース(NEXCO中日本に取材))。
| 見た目 | 表すもの | 出典 |
|---|---|---|
| 白い地に緑の数字(JAF Mate Onlineでは「緑や紫の文字」とも) | 起点から100m単位で離れた距離 | NEXCO中日本の担当者の説明、JAF Mate Online |
| 緑の地に白い数字 | 起点から1km単位で離れた距離 | NEXCO中日本の担当者の説明、JAF Mate Online |
| 特別なデザイン | 200km地点・300km地点など、キリのいい地点(地域の特色を表したデザインもある) | 乗りものニュース、JAF Mate Online |
数字は、100mごとに0.1ずつ増えていきます。たとえば46.8の次は46.9、その次は47.0です。
数字は上り線でも下り線でも同じ

NEXCO東日本は、キロポストが示す数字は上り線でも下り線でも同じだと説明しています(起点は一つだけという考え方)。そのうえで、走る向きによって数字の変わり方は逆になります。JAF Mate Onlineは、上り線では数字が減少し、下り線では増加するため、数字を見れば上りか下りかを確認できると紹介しています(JAF Mate Online)。乗りものニュースの記事も、下り線は起点からキロ数が増えていき、上り線は起点に近づくにつれて数字が減ると説明しています(乗りものニュース)。
つまり、1つの数字だけでは上りか下りかは分からず、続けて見たときの増え方で分かるということです。
数字が「0」から始まらない・途中で飛ぶ例外
起点が0キロポストとは限りません。乗りものニュースによると、東名阪道の起点は名古屋西JCTですが、そこに設置されているキロポストは「28.3」で、0キロポストは名古屋ICにあります(NEXCO中日本が2025年9月にXで紹介したと報じられています。乗りものニュース)。
中央道の富士吉田線では、大月JCTの直前が「67」で、富士吉田方面の次は「367.1」になります。NEXCO中日本八王子支社は、「富士吉田線のキロポストは、高井戸からの距離に300を足した表示になっています」と説明したと報じられています(乗りものニュース)。本線と区別するための表示です。
4. 緊急のときの使い方(#9910・110番・非常電話)

高速道路で落下物や故障車、事故などを見つけたとき、場所を正確に伝えられるかどうかで、現場への到着の早さが変わります。国土交通省は、異状の場所を特定するため、道路名・進行方向・キロポスト・周辺の施設等を確認してほしいと案内しています(国土交通省 道路緊急ダイヤル)。NEXCO東日本も、「○△キロポストで事故です」と具体的な数字を伝えれば、通報を受けた交通管理隊や警察は事故現場の場所がすぐにわかる、と説明しています。
📊 連絡先の整理(公式の案内より)
| 連絡先 | 対象・特徴 | 出典 |
|---|---|---|
| 道路緊急ダイヤル #9910 | 道路の穴ぼこ、路肩の崩壊などの道路損傷、落下物や路面の汚れなど、道路の異状。24時間受付・通話料無料。LINEアプリからの通報も可能 | 国土交通省 |
| 警察 110番 | 事故の情報は、警察(110番)へ連絡するよう案内されている | 国土交通省 |
| 非常電話 | 受話器を取るだけで道路管制センターにつながる。本線上は1kmおき、トンネル内は200mおきに設置。ボタンのないタイプでも、受話器を上げただけでおよその位置がわかる | NEXCO中日本 |
| 警察・消防・JAFなど | 連絡するときも、近くのキロポストで居場所を伝えられる | 国土交通省 東北地方整備局 |
なお、NEXCO東日本は、事故や落下物を発見したら道路緊急ダイヤル#9910へ通報するよう案内しています。国土交通省は「#9910は道路の異状が対象、事故情報は警察(110番)」としており、案内の表現は機関によって少し異なります。落下物など道路の異状は#9910、事故は警察110番、と整理しておくと国土交通省の案内に沿います。
電話をかける前に:安全の確保が先
NEXCO中日本は、運転中の通話は道路交通法により禁止されているため、休憩施設など安全な場所に停車してから電話をかけるよう案内しています。NEXCO東日本も、同乗者の方からかけるか、休憩施設など安全な場所に移動・停車してからかけるよう呼びかけています(NEXCO中日本 道路緊急ダイヤルのご案内)。
車が動かなくなるなどして、本線上で停車せざるを得ない場合は、非常駐車帯・路肩に停車して、発炎筒・停止表示板を置き、ガードレールの外などの安全な場所に避難するよう案内されています(NEXCO中日本)。非常電話で通報したあとも、車内での待機は大変危険なので、ガードレールの外側などで道路巡回車の到着を待つよう案内されています(NEXCO中日本 非常電話のご案内)。
5. よくある質問
まとめ
キロポストの要点を整理します。(1)数字は、その路線の起点からの距離です。本線上は100mおきで、IC・JCT・ランプでは20m間隔と担当者が説明したと報じられています(20mは公式ページでは未確認)。(2)100mごとは白い地に緑の数字、1kmごとは緑の地に白い数字で、色は距離の単位の違いです。数字は上り線・下り線で共通で、下りは増え、上りは減ります。(3)緊急のときは、安全な場所に停車してから、道路名・進行方向・キロポストなどを伝えます。#9910は道路の異状、事故は警察110番が国土交通省の案内です。
毎日のように通り過ぎる路肩の数字は、いざというときに自分の居場所を伝えるための、いわば「道路の住所」です。次に高速道路を走るときは、ぜひ数字の変わり方にも注目してみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。標識の仕様や運用、連絡先の案内は変更されることがあります。確認日:2026年10月。実際の緊急時は、状況に応じて安全を最優先に行動し、最新の案内は各道路管理者・警察などの公式情報でご確認ください。図は模式図で、実際の標識の形・表記とは異なる場合があります。
参考(公式ページ・公的機関・JAF・報道): NEXCO東日本 ドラぷら「高速道路の路肩に立っている数字の意味は?」/NEXCO東日本 ドラぷら「『キロポスト』ってどこからの距離?」/NEXCO中日本 よくあるご質問「数字の書かれた立て札」/NEXCO中日本 道路緊急ダイヤルのご案内/NEXCO中日本 非常電話のご案内/国土交通省 道路緊急ダイヤル(#9910)/国土交通省 東北地方整備局 キロポスト編/国土交通省 九州地方整備局 距離標(キロポスト)って何?/国土交通省 中国地方整備局 「キロポスト」とは/JAF Mate Online 高速道路の路肩にある数字について/乗りものニュース(2017年・NEXCO中日本に取材)/乗りものニュース(2024年)/乗りものニュース(2023年・中央道の富士吉田線)/乗りものニュース(2025年・東名阪道の起点)
図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。実際の標識の形・色味は道路や時代によって異なります。

コメント