2022年5月に始まった「サポートカー限定免許」は、運転できる車を、安全運転支援装置を備えた「サポートカー」に限定する条件を、運転免許に付ける制度です。運転をやめるかどうか迷う方や、ご家族が心配な方にとって、選択肢のひとつになります。この記事では、警察庁・警視庁・各県警の公式情報と、道路交通法の条文を軸に、対象になる車の条件、条件が付くとどうなるか、申請と解除の流れを整理します。
📋 この記事の要点
✔ 制度は2022年(令和4年)5月13日施行の改正道路交通法にあわせて始まった(警察庁)
✔ 対象は普通免許。上位免許(中型など)を持つ場合は、一部取消しで普通免許を取得したうえで条件を付ける(警察庁)
✔ 年齢による制限はなく、運転免許証の更新申請と併せて申請できる(警視庁・警察庁)
✔ サポートカーは、衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置の両方を備えた普通自動車。後付けの装置は対象外(警察庁)
✔ 条件を解除するには、公安委員会の審査が必要。指定自動車教習所で教習を受けた場合は、運転技能の審査が免除される(警察庁)
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
1. 制度の概要(早見表)
📊 サポートカー限定免許の概要
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 開始時期 | 2022年(令和4年)5月13日施行の改正道路交通法にあわせて導入 | 警察庁「高齢運転者対策・第二種免許等の受験資格の見直し」 |
| 内容 | 申請により、より安全な車(サポートカー)に限って運転できる限定条件を、普通免許に付けられる。条件は免許証に記載される | 警察庁 |
| 対象の免許 | 普通免許のみ。中型(8トン限定)免許や第二種免許などを持つ場合は、免許の一部取消しにより普通免許を取得したうえで条件を付ける | 警察庁 |
| 年齢 | 年齢による制限は設けられていない | 警視庁(申請手続のページ) |
| 申請のタイミング | 運転免許証の更新申請と併せて行える。手続の詳細は、住所地を管轄する公安委員会に確認 | 警察庁 |
| 申請場所(例) | 東京都は、運転免許試験場・運転免許更新センター・警察署(受付日時は場所で異なる)。大阪府は、運転免許試験場・各警察署(平日のみ)。都道府県で異なる | 警視庁、大阪府警本部 |
| 手数料(例) | 警視庁では、普通免許のみを持つ場合は無料と案内。都道府県や保有免許によって異なる可能性があるため、申請先で確認 | 警視庁(申請手続のページ) |
⚖️ 法的な位置づけ
道路交通法第91条の2は、免許を受けた人が、住所地の公安委員会に対し、運転できる自動車等の種類を限定する条件などの付与・変更を申請できると定めています。また、公安委員会が付した条件に違反して自動車を運転した場合は、同法第119条第1項第20号により、3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金の対象になります。
2. 対象になる「サポートカー」の条件
サポートカー限定免許で運転できるのは、次の安全運転支援装置を備えた普通自動車です。警察庁は、①衝突被害軽減ブレーキと、②ペダル踏み間違い時加速抑制装置の搭載を条件としています。
📊 サポートカーの装置の条件
| 装置 | 内容(警察庁の説明) | 確認しておきたい点 |
|---|---|---|
| ①衝突被害軽減ブレーキ | 前方の車両や歩行者を検知し、衝突の可能性がある場合は運転者に警報し、さらに可能性が高い場合は自動でブレーキが作動する | 道路運送車両の保安基準に適合するもの、または国土交通大臣の性能認定を受けているものが対象(各県警の案内) |
| ②ペダル踏み間違い時加速抑制装置 | ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んだ場合に、エンジン出力を抑える方法で、加速を抑制する | MT(マニュアル)車は、①のみが条件(宮城県警の案内) |
| 後付けの装置 | 対象外 | 後付けした装置は対象にならない(警察庁) |
⚠️ 「安全装置付き」というイメージだけで判断しないでください
対象車かどうかは、警察庁が公開している「対象車両リスト」(メーカー・車名・型式・車台番号・対象装備などを掲載)で確認します。警視庁も、警察庁のホームページの対象車両リストで確認するよう案内しています。同じ車名でも、年式・型式・装備によって該当が分かれる可能性があるため、車検証の記載と照合してください。
3. 条件が付くとどうなるか、解除はどうするか
📊 条件付与後と解除の流れ
| 場面 | 内容 | 出典・補足 |
|---|---|---|
| 条件付与後の運転 | 運転できるのは、サポートカーの普通自動車のみ。サポートカー以外の普通自動車を運転すると、免許条件違反になる | 警察庁 |
| 免許証の表示 | 限定条件は、免許証に記載される(警視庁は、裏面に記載と案内) | 警察庁、警視庁 |
| 条件の解除 | 公安委員会の審査(運転技能の確認)を受ける必要がある | 警察庁 |
| 解除の特例 | 指定自動車教習所で、サポートカー限定解除のための教習を受けた場合は、運転技能の審査が免除される | 警察庁 |
💡 ポイント
サポートカー限定免許は、「免許を返納するか」と「これまで通り運転を続けるか」の間の選択肢と位置づけられます。宮城県警は、運転に不安を感じつつも、生活環境から免許返納に踏み出せない方などを想定した制度と説明しています。
⚠️ 注意
限定条件付きの免許でも、サポートカーの装置が常に事故を防いでくれるわけではありません。装置の作動条件・限界は、車の取扱説明書で確認してください。
4. 申請から使い始めまでの流れ
🧭 申請の流れ
自分の車(家族の車)が対象か、確認する
警察庁の「対象車両リスト」で、メーカー・型式・車台番号を車検証と照合します。
申請先と受付時間を確認する
都道府県によって、申請できる場所や受付日時が異なります。警視庁・大阪府警などの案内を参考に、住所地の公安委員会で確認します。
運転免許証の更新に合わせて申請する(更新以外の時期も、申請先に確認)
更新申請と併せて行えます。上位免許を持つ場合は、一部取消しの手続が必要です。
免許証の表示を確認する
限定条件が免許証に記載されます。
運転する車を、対象車に限る
対象外の普通自動車を運転すると、免許条件違反になります。
📝 申請前のチェックリスト
☑️ 運転免許の種類(普通免許か、上位免許か)を確認した
☑️ 対象車両リストで、乗る予定の車が対象になっているか確認した
☑️ 後付けの装置は対象外であることを理解した
☑️ MT車の場合の条件(衝突被害軽減ブレーキのみ)を確認した
☑️ 解除するときは、公安委員会の審査が必要なことを理解した
☑️ 家族と、運転の範囲や今後の方針について話し合った
5. 出典・確認先
📊 確認した情報と出典
| 情報 | 確認内容 | 確認先(2026年9月25日確認) |
|---|---|---|
| 制度の内容・対象車・解除 | 普通免許のみが対象。サポートカーの装置。後付けは対象外。解除の審査と教習の特例 | 警察庁「サポートカー限定免許について」 |
| 施行日 | 2022年(令和4年)5月13日 | 警察庁「高齢運転者対策・第二種免許等の受験資格の見直し」 |
| 申請手続・手数料の例 | 年齢制限なし。申請場所・受付日時、手数料の例 | 警視庁「サポートカー限定条件の申請手続をする方へ」 |
| MT車の条件 | MT車は衝突被害軽減ブレーキのみが条件 | 宮城県警察「サポートカー限定免許制度」 |
| 申請場所の例 | 大阪府の申請場所(平日のみ) | 大阪府警察「サポートカー限定免許について」 |
| 法令 | 第91条の2、第119条第1項第20号 | e-Gov法令検索「道路交通法」 |
6. よくある質問
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まとめ
サポートカー限定免許は、衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置を備えた普通自動車に、運転を限定する制度です(MT車は前者のみが条件)。年齢制限はなく、免許証の更新に合わせて申請できます。対象車かどうかは、警察庁の対象車両リストで確認し、後付けの装置は対象外である点に注意しましょう。
※本記事は、警察庁・警視庁・各県警・e-Gov法令検索などの公開情報をもとにした一般的な情報提供です(2026年9月25日確認)。申請手続・手数料・受付場所は都道府県により異なり、変更されることがあります。個別の判断は、住所地の公安委員会・運転免許センター等の公的窓口にご相談ください。
アイキャッチ画像: Saitama Prefectural Driver’s License Center by tokorokoko, パブリックドメイン


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