「ながら運転」や居眠り運転を車が自動で検知して警告する「ドライバーモニタリングシステム(DMS)」の搭載が、2031年9月から新型車に義務化される方針が固まりました。あわせて国土交通省は2026年7月、先進安全技術を搭載した車の新しい区分「サポカー2.0」の普及促進も発表しています。今、車の安全技術まわりで何が変わろうとしているのかを整理します。
DMS(ドライバーモニタリングシステム)とは
DMSは、車内に設置したカメラなどでドライバーの視線・まぶたの動き・顔の向き・ハンドル操作などを検知し、脇見運転や居眠り運転など安全運転を継続できない可能性のある状態になると、警報音やハンドルの振動で知らせるシステムです。すでにバス・トラックなど商用車の一部では普及が進んでおり、乗用車への本格的な展開はこれからという段階でした。
2031年9月から新型車に搭載義務化
国土交通省は、国産車・輸入車を問わずDMSの搭載を義務化する方針を固めました。2026年9月に道路運送車両法の保安基準を改正し、新型車は2031年9月から、既存モデルの継続生産車は2033年9月から搭載が義務付けられる予定です(一部車種については適用日を調整中)。
義務化にあたっては、検知の基準も具体的に定められています。
- 脇見運転の検知:時速20〜50kmでは6秒間、時速50km以上では3.5秒間、前方から視線をそらすと作動
- 居眠り運転の検知:時速70〜130kmの一定の速度域で検知
この義務化は、日本も参画する国連の自動車基準調和世界フォーラムで2026年3月に採択された新しい国際基準に合わせたもので、国際的な安全基準の統一という位置づけもあります。欧州ではすでに販売車へのDMS搭載が義務化されており、国内メーカーの多くもすでに実用化を進めています。
先んじて始まった「サポカー2.0」
DMS義務化に先立ち、国土交通省は2026年7月24日、先進安全技術を搭載した車の新しい区分「サポカー2.0(セーフティ・サポートカー2.0)」の普及促進を発表しました。2017年から普及に取り組んできた従来の「サポカー」に、技術の進展を踏まえてより高度な安全装置を追加する形で、3段階の区分が設けられています。
| 区分 | 主な対象装置 |
|---|---|
| ベーシックI | 衝突被害軽減ブレーキ(対夜間歩行者)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置(対歩行者)、車線逸脱警報装置、先進ライト、道路標識注意喚起装置、先進事故自動緊急通報装置 |
| ベーシックII | ベーシックIの装置に加え、ドライバーモニタリングシステム |
| ベーシックIII | ベーシックIIの装置に加え、ドライバー異常時対応システム |
衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置についても、従来の「サポカー」より高性能な装置が対象とされています。国土交通省は今後、サポカー2.0の新しいロゴを作成して普及啓発活動に使う予定で、開始時期やロゴのデザイン、各装置の詳細な性能要件などは決まり次第、公式サイトで発表するとしています。
まとめ
DMSの義務化は2031年からとまだ先の話に思えますが、サポカー2.0という形で、脇見・居眠り運転を検知する技術はすでに新車選びの判断材料になり始めています。特に高齢の家族の運転が心配な方や、新車購入を検討している方は、今後の車選びで「サポカー2.0」のロゴや対応区分をひとつの目安にするとよいでしょう。詳細が固まり次第、国土交通省の公式発表が続く見込みです。
出典・免責
本記事の内容は、以下の情報源(2026年9月1日確認時点)に基づいています。
- 時事通信「ながら・居眠り運転、検知義務化へ 31年新型車に適用、国交省方針」
- レスポンス「居眠り・脇見を監視、『DMS』を義務化…乗用車は2031年から」
- Car Watch「国交省、高齢運転者の交通事故削減に向け『サポカー2.0』の普及開始」
義務化の適用日・詳細な性能要件、サポカー2.0の開始時期等は今後変更・確定される場合があります。最新情報は国土交通省の公式発表でご確認ください。
アイキャッチ画像: LS driver monitoring system(パブリックドメイン、Lexusによるドライバーモニタリング技術の概念図)
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