高齢ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違い事故を防ぐ手段のひとつが、後付けの「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」です。国土交通省は、この装置の性能を認定する制度を運用しており、認定された装置の一覧を公表しています。この記事では、国土交通省・国の補助金事務局・自治体・警察庁の公式情報をもとに、認定制度の仕組み、認定装置の一覧、補助金の現状、新車に対する義務化の動き、サポートカー限定免許との関係を整理します。価格は装置・車種・販売店で異なるため、この記事では掲載していません。
📋 この記事の要点
✔ 国土交通省は、後付けを含むペダル踏み間違い急発進抑制装置の性能認定制度を運用し、認定装置の一覧を公表している
✔ 認定の主な要件は、フルストロークまでアクセルを踏み込んだとき、衝突しない、または加速を抑制すること、加速抑制時に警報が作動すること
✔ 国の「サポカー補助金」(後付け装置)は、申請受付が終了している(補助金事務局のページ)
✔ 自治体の独自補助がある場合がある。愛知県豊田市の令和8年度は、65歳以上の市民が対象で、支払額の9割、上限60,000円
✔ 新型の乗用車(クラッチペダルのないもの)には、令和10年(2028年)9月1日から加速抑制装置の搭載が義務づけられる(輸入車は令和11年9月1日)
1. 国の認定制度と、認定装置の一覧
国土交通省の「ペダル踏み間違い急発進抑制装置の性能評価認定結果」のページによると、この制度は、高齢運転者による交通事故防止対策の一環として、自動車メーカー等の求めに応じ、乗用車のペダル踏み間違い急発進抑制装置(障害物検知機能付きのものも含む)が一定の性能を有していることを国が認定するものです。
📊 ペダル踏み間違い急発進抑制装置の認定制度
| 認定の主な要件(国土交通省) | 内容 |
|---|---|
| 要件1 | 停止からフルストロークまでアクセルを踏み込んだ際、衝突しない、または、加速を抑制(速度変化率0.3以上)すること |
| 要件2 | 加速抑制時に警報が作動すること |
| 対象となる自動車 | 乗用車のうち、自動車メーカー等から本制度に係る申請があったもの |
後付けの装置については、国土交通省の「ペダル踏み間違い急発進抑制装置性能認定結果一覧」に、自動車メーカー等と部品用品メーカー等の認定装置が掲載されています(2026年9月25日確認)。
📊 認定装置(自動車メーカー等の申請)
| 申請者 | 装置名称(型式) | 公表日 |
|---|---|---|
| ホンダアクセス | 踏み間違い加速抑制システム(08Z35-PM0) | 令和8年6月2日 |
| トヨタ自動車 | 踏み間違い加速抑制システム2 | 令和8年6月2日 |
| トヨタ自動車 | 踏み間違い加速抑制システム | 令和7年10月9日 |
| 三菱自動車工業 | ペダル踏み間違い時加速抑制アシスト(MZ6078) | 令和8年6月5日 |
| 日産自動車 | 後付け踏み間違い加速抑制アシスト | 令和8年7月24日 |
| ダイハツ | ペダル踏み間違い時加速抑制装置「つくつく防止」 | 令和8年9月7日 |
| スズキ | ふみまちがい時加速抑制システム(9921T-72M00) | 令和7年10月9日 |
| マツダ | ペダル踏み間違い加速抑制装置(D651-V7791) | 令和7年10月9日 |
| SUBARU | ペダル踏み間違い時加速抑制装置(H4817FJ900) | 令和8年3月26日 |
| SUBARU | ペダル踏み間違い時加速抑制装置「つくつく防止」(H4848K1000他) | 令和8年3月26日 |
📊 認定装置(部品用品メーカー等の申請)
| 申請者 | 装置名称(型式) | 公表日 |
|---|---|---|
| 英田エンジニアリング | アイアクセル(AEAA-No.3) | 令和8年9月7日 |
| サン自動車工業 | S-DRIVE 誤発進防止システム2(普通車専用タイプ)(SD0102S) | 令和7年10月9日 |
| サン自動車工業 | S-DRIVE 誤発進防止システム2(軽自動車専用タイプ)(SD0104S) | 令和7年10月9日 |
| データシステム | ペダルの見張り番2(AWD-01) | 令和7年10月9日 |
| データシステム | アクセル見守り隊(SAG297) | 令和7年10月9日 |
| 株式会社ACR | 踏み間違い防止オートアラート(FM300AA) | 令和7年10月9日 |
| 日本反射器工業 | スマックス(SMACX-HP-FU) | 令和8年9月7日 |
| 株式会社明和 | アクセルブレーカー | 令和8年9月7日 |
⚠️ 注意
認定は、所定の試験での性能を確認するもので、あらゆる状況での事故防止を保証するものではありません。また、イエローハットの案内には、国土交通省の認定は製品単体への認定ではなく、該当する取付け事業者以外で取り付けたものは認定の対象外となる、とあります。装置ごとに対応車種が決まっているため、購入・取付けは販売店で車種の適合を確認してください。
2. 補助金の現状(国と自治体)
国の補助と自治体の補助は、別の制度です。確認できた内容を整理します。
📊 補助金の状況
| 制度 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 国の「サポカー補助金」(後付け装置) | 申請受付は終了している(具体的な終了日は、確認したページに記載なし)。対象は、認定された「後付け装置取扱事業者」が、認定された店舗等で取り付けたものに限られていた | 補助金事務局(次世代自動車振興センター) |
| 自治体の独自補助(例:愛知県豊田市 令和8年度) | 市内在住で、令和9年3月31日時点で65歳以上の個人が対象。国土交通省性能認定のペダル踏み間違い急発進等抑制装置の後付けを補助。実際の支払額の9割(1,000円未満切り捨て)、上限60,000円、1人1台。申請受付は令和8年4月1日〜令和9年3月31日(予算に達すると終了)。設置日から3か月以内に、市の窓口のみで申請。設置日から1年以上使用する必要あり | 豊田市 |
📌 補足
自治体ごとに、対象者(年齢・住所)、補助率、上限額、受付期間、申請時期(設置の前か後か)は異なります。実施していない自治体もあります。お住まいの市区町村の担当窓口(交通安全・高齢者施策の担当など)にご確認ください。
💡 ポイント
補助金を使う場合は、購入・取付けの前に、対象になる装置(国の認定装置か)、対象の店舗(事業者)、申請の期限と必要書類を、窓口で確認しておくと安心です。
3. 新車の義務化の動きと、サポートカー限定免許
後付けとは別に、新車に対する法令上の動きもあります。国土交通省は2025年6月17日の発表で、ペダル踏み間違い時加速抑制装置の搭載を義務づけると公表しました。
📊 ペダル踏み間違い時加速抑制装置の義務化(国土交通省)
| 項目 | 内容(国土交通省の発表) |
|---|---|
| 背景 | 高齢者等がブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えたことによる事故を防止する日本発の安全技術。2024年11月に国連(WP.29)で国際基準として合意 |
| 対象車 | 電気自動車を含め、オートマの乗用車(クラッチペダルのない乗用車) |
| 適用時期 | 新型乗用車:令和10年(2028年)9月1日 / 輸入車:令和11年(2029年)9月1日 |
| 基準 | 「ペダル踏み間違い時加速抑制装置に係る協定規則」に適合する装置 |
警察庁の「サポートカー限定免許」は、サポートカー(衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置を備えた車)に限って運転できるという条件を付けた免許です。
📊 サポートカー限定免許と後付け装置
| 項目 | 内容(警察庁) |
|---|---|
| 対象となる免許 | 普通免許を受けている方の申請により、サポートカー限定条件を付けられる |
| サポートカーの定義 | 衝突被害軽減ブレーキ(対車両・対歩行者)と、ペダル踏み間違い時加速抑制装置を搭載した車 |
| 後付け装置の扱い | 「後付けの装置については対象となりません」と明記 |
| 条件違反 | サポートカー限定免許で、サポートカー以外を運転すると条件違反 |
⚠️ 注意
後付けの装置を付けても、サポートカー限定免許でいう「サポートカー」の扱いにはならない、と警察庁は説明しています。後付けと免許の制度は、別のものとして考えましょう。
4. 後付けを検討するときの手順とチェック
🧭 後付けを検討するときの手順
国土交通省の認定装置の一覧を確認する
上の一覧や、国土交通省の最新の一覧で、認定装置を確認します。
自分の車に対応する装置を、販売店で確認する
対応車種は装置ごとに決まっています。車種・型式・年式で、取付けの可否を確認します。
取付け事業者・店舗の条件を確認する
認定の対象となる取付け事業者・店舗で取り付ける必要があるか確認します(イエローハットの案内、補助金事務局の案内)。
補助金の有無を、自治体の窓口で確認する
対象者・上限額・受付期間・申請の時期を、購入前に確認します。
見積もりを取り、装置本体・取付け工賃・諸費用の内訳を確認する
価格は装置・車種・販売店で異なります。複数の販売店で比較します。
📝 後付け前のチェックリスト
☑️ 国土交通省の認定装置か確認した
☑️ 自分の車(車種・型式・年式)に対応する装置か確認した
☑️ 認定の対象となる取付け事業者・店舗か確認した
☑️ 自治体の補助金の有無、対象、上限額、申請時期を確認した
☑️ 装置の作動条件・警報の内容の説明を受けた
☑️ 運転操作の確認(アクセルとブレーキの位置)を、装置に頼らず日ごろから行う
- 国土交通省「ペダル踏み間違い急発進抑制装置の性能評価認定結果」
- 国土交通省「ペダル踏み間違い急発進抑制装置性能認定結果一覧」
- 国土交通省「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の搭載を義務づけます!」
- 次世代自動車振興センター「サポカー補助金のご案内(後付け装置)」
- 豊田市「令和8年度 後付け安全運転支援装置設置費補助金」
- イエローハット「ペダル踏み間違い急発進等抑制装置」
- 警察庁「サポートカー限定免許について」
📌 補足
上記は2026年9月25日に確認した内容です。
5. よくある質問
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まとめ
後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置は、国土交通省が性能を認定する制度があり、認定装置の一覧が公表されています。国のサポカー補助金は申請受付が終了しており、自治体の独自補助は、お住まいの窓口で確認が必要です。新車には令和10年(2028年)9月から加速抑制装置の搭載が義務づけられますが、サポートカー限定免許のサポートカーに、後付けの装置は含まれません。認定装置か、自分の車に対応するかを確認して、検討しましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。装置の対応車種・価格・取付条件、補助金の有無・金額・条件は、変更されることがあります。最新の内容は、国土交通省、販売店、お住まいの自治体の窓口でご確認ください(2026年9月25日確認)。
アイキャッチ画像: Brake and Gas pedals of Enzo Ferrari by Raiko, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons


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