高速道路の逆走は、毎年200件前後発生しています。NEXCO東日本の集計では、2024年は全国で220件(概ね2日に1回)、そのうち事故になったものが50件、亡くなった人は4人でした。この記事では、NEXCO東日本と国土交通省の公表データをもとに、逆走の発生状況、自分が逆走に気づいたときと逆走車を見かけたときの対処、道路側の対策を整理します。
📋 この記事の要点
✔ 2024年の逆走は全国で220件、逆走事故は50件(死亡4件・負傷10件・物損36件)。逆走事故は死亡事故となる割合が、高速道路での事故全体に比べ約38倍(NEXCO東日本)
✔ 国土交通省の資料では、平成23年〜令和5年の13年間で2,654件、年平均204件
✔ 2024年の逆走のうち、65歳以上が約70%、75歳以上が49%。一方で30〜64歳も23%を占め、高齢者だけの問題ではない
✔ 逆走に気づいたら、近くの安全な場所に停車してハザードランプを点灯し、ガードレールの外側などへ避難して、110番か非常電話で通報(NEXCO東日本)
✔ 逆走車を見かけたら、速度を落として十分な車間距離をとり、同乗者からの110番、最寄りのSA等の非常電話、料金所スタッフへの申し出で通報(NEXCO東日本)
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
1. 逆走の発生状況(NEXCO東日本・国土交通省のデータ)
📊 高速道路の逆走件数と逆走事故の推移(NEXCO東日本の発表)
| 年 | 逆走の件数 | 逆走事故の件数 | うち死亡事故 |
|---|---|---|---|
| 2015年 | 259件 | 46件 | 8件 |
| 2016年 | 249件 | 57件 | 7件 |
| 2017年 | 207件 | 44件 | 5件 |
| 2018年 | 200件 | 32件 | 1件 |
| 2019年 | 200件 | 45件 | 4件 |
| 2020年 | 148件 | 26件 | 1件 |
| 2021年 | 188件 | 44件 | 4件 |
| 2022年 | 204件 | 44件 | 3件 |
| 2023年 | 224件 | 39件 | 2件 |
| 2024年 | 220件 | 50件 | 4件 |
※表は横にスクロールできます
国土交通省の道路統計では、平成23年から令和5年までの13年間で逆走は2,654件、年平均204件と示されています。NEXCO東日本は、2024年の逆走は概ね2日に1回の頻度で発生し、逆走事故は死亡事故となる割合が高速道路での事故全体に比べ約38倍としています。
📊 2024年の逆走の内訳
| 分類 | 2024年の内訳(NEXCO東日本) |
|---|---|
| 年齢(逆走全体) | 75歳以上が49%、65歳以上が約70%、30〜64歳が23%、30歳未満が6% |
| 年齢(逆走事故) | 65歳以上が約50%、うち75歳以上が34% |
| 動機 | 故意20%、過失36%、認識なし33%(残りはその他・不明) |
| 発生場所 | 分合流部・出入口部が41%(91件)で最多 |
📌 補足
高齢の運転者の割合が高い一方で、30〜64歳も逆走全体の23%を占めています。年齢に関係なく、誰にでも起こり得る事象として備えることが大切です。
2. 自分が逆走してしまったら
NEXCO東日本は、「中央分離帯が左、標識が裏側の場合、逆走の可能性があります」と案内しています。逆走に気づいたら、次の4つの手順で行動します。
🧭 逆走に気づいたときの4つの手順(NEXCO東日本)
逆走の可能性に気づく
中央分離帯が左側にある、標識が裏側に見えるなどの場合は、逆走している可能性があります。
近くの安全な場所に停車し、ハザードランプを点灯する
無理にUターンしたりバックしたりせず、近くの安全な場所に停車して、後続や対向の車に知らせます。
ガードレールの外側などの安全な場所に避難する
車内にとどまらず、車外の安全な場所へ避難します。
110番や非常電話で通報する
逆走してしまったことを伝え、指示に従います。
📊 出口を通り過ぎたとき・間違えて入ったときの対処
| 状況 | NEXCO東日本の案内 |
|---|---|
| 目的のインターチェンジを通り過ぎた | 高速道路上でUターンやバックはせず、そのまま走行して次のインターチェンジで降りる。出口では一般レーンを利用し、料金精算の前に料金所スタッフに申し出る |
| 戻る場合の料金 | 当初に流入したインターチェンジから目的のインターチェンジまでの通行料金となる。ただし、インターチェンジの構造などによっては対応できない場合がある |
| 間違えて高速道路に入ってしまった | 入口料金所の通行券を受け取る機械にインターホンがあるので、料金所スタッフに申し出て、指示に従って戻る |
| SA・PAから本線に戻る | 進行方向を間違えないよう注意する |
⚖️ 道路交通法第75条の5(横断等の禁止)
自動車は、本線車道においては、横断し、転回し、又は後退してはならない。違反した場合の罰則は、第119条第1項の定めにより、3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金とされています(e-Gov法令検索の条文による)。
3. 逆走車を見かけたら
🧭 逆走車を見かけたときの手順(NEXCO東日本)
速度を落とし、十分な車間距離をとる
NEXCO東日本は、逆走車情報を見聞きしたら、速度を落として十分な車間距離をとって走行するよう案内しています。逆走車は追い越し車線を走行してくる傾向があるとされています。
衝突を避けるよう注意して走行する
逆走車を前方に発見したら、衝突を避けることを最優先にします。
通報する
同乗者からの110番、最寄りのサービスエリア等の非常電話、または料金所スタッフへの申し出で通報します。
通報を受けると、逆走車があることが情報板やハイウェイラジオですぐに知らされます(NEXCO東日本)。
⚠️ 運転中に自分で電話をかけるのは避けましょう
道路交通法第71条第5号の5は、自動車の運転中に、手で保持しなければ通話できない携帯電話などで通話することを禁じています(傷病者の救護など、緊急やむを得ない場合を除く)。通報は同乗者に頼むか、安全な場所に停車してから行いましょう。
📊 通報先の整理
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 110番 | 逆走車の通報先として、NEXCO東日本が案内 |
| 非常電話 | 高速道路上や、最寄りのサービスエリア等にある非常電話から通報できる(NEXCO東日本) |
| 料金所スタッフ | 料金所で申し出る方法が案内されている(NEXCO東日本) |
| 道路緊急ダイヤル#9910 | 国土交通省の窓口。道路の穴ぼこ・路肩の崩壊などの道路損傷、落下物や路面の汚れなど、道路の異状を24時間・無料で受け付ける(電話は全国共通、LINEは2024年3月29日から)。逆走車の通報先としては、国土交通省のページには記載がない |
4. 道路側の逆走対策
📊 道路側の逆走防止対策
| 対策 | 内容(NEXCO東日本) |
|---|---|
| 路面の矢印表示 | 高速道路の路面などに矢印を表示し、車両の進行方向を示す |
| ラバーポール | サービスエリアや料金所から本線へ合流する部分に設置し、行き先を間違えて誤った方向へ進むことを防ぐ |
| 料金所プラザ部の締切対策・看板 | 料金所通過後に誤って対向車線に進入することを防ぐ。締切が困難な料金所には看板や路面標示を設置 |
| 逆走防止標識・表示板 | 反対方向に進もうとするドライバーに「こちらへは進めません」と知らせる標識や、逆走車を感知したときにだけ発光し警告を表示する板がある |
| 技術カタログ | 2024年7月24日の「高速道路での逆走対策に関する有識者委員会(第7回)」の報告を踏まえ、「逆走対策技術カタログ ~物理的・視覚的対策~」(全10技術)を公表。逆走が繰り返し発生している箇所などへの展開を進める |
💡 ポイント
道路側の対策が進んでも、運転者の確認は欠かせません。進んではいけないことを示す標識や看板、進行方向を示す矢印を確認し、正しい方向へ進みましょう(NEXCO東日本)。
5. 逆走を防ぐための運転前・運転中のチェック
📝 逆走を防ぐチェックリスト
☑️ ナビや標識で、降りるインターチェンジの名前と方向を出発前に確認した
☑️ 分合流部・出入口部では、標識と路面の矢印を確認する(逆走の41%が分合流部・出入口部で発生)
☑️ SA・PAから本線に戻るときは、進行方向を必ず確認する
☑️ 目的のインターチェンジを通り過ぎても、Uターンやバックをしない
☑️ 「中央分離帯が左、標識が裏側」に見えたら、逆走の可能性を疑う
☑️ 同乗者と、通報の方法(110番・非常電話)を共有した
📊 避けたい行動と代わりの行動
| やってはいけないこと | 代わりにすること |
|---|---|
| 本線上でのUターン・バック | そのまま走行し、次のインターチェンジで降りて、料金所スタッフに申し出る |
| 逆走に気づいても、走り続ける | 近くの安全な場所に停車し、ハザードランプを点灯して、車外の安全な場所へ避難し、110番か非常電話で通報する |
| 逆走車を見て急ハンドル・急ブレーキ | 速度を落として車間距離をとり、衝突を避けるよう注意して走行する |
| 運転者が走りながら通報する | 同乗者から通報するか、安全な場所に停車してから通報する |
6. よくある質問
まとめ
高速道路の逆走は、2024年に全国で220件、事故が50件、亡くなった人が4人でした。逆走に気づいたら、無理にUターンせず、安全な場所に停車してハザードランプを点灯し、車外の安全な場所へ避難して、110番か非常電話で通報します。逆走車を見かけたら、減速して車間距離をとり、同乗者からの110番や非常電話で通報します。降りる出口を事前に確認し、通り過ぎても次のインターチェンジまで進むことが、逆走を防ぐ基本です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法令の適用や個別の判断は、警察・専門家・公的窓口へご確認ください。数値はNEXCO東日本と国土交通省の公表による(2026年9月25日確認)。対策の内容は今後変更されることがあります。
アイキャッチ画像: Sign of guide in direction by W-nexco(NEXCO西日本), CC BY 3.0


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