自転車追い越し時の新ルール2026年版:道路交通法18条の条文と自転車側の義務・青切符との関係

2026年4月1日に施行された改正道路交通法(令和6年法律第34号)で、自動車などが自転車の右側を通過するときのルールが新設されました。警察庁の資料では、「十分な間隔」がないときは「間隔に応じた安全な速度」で進行する義務が定められています。メディアでよく紹介される「1.5m」は法律の数値ではなく、警察庁が示す目安も「少なくとも1メートル程度」「時速20〜30キロメートル程度」です。この記事では、法律で決まっていることと目安の違い、違反した場合の扱い、実際の運転での考え方を整理します。

📋 この記事の要点

✔ 道路交通法18条3項(自動車等の義務)と18条4項(自転車等の義務)が、2026年4月1日に施行された

✔ 警察庁の資料は「追い越す場合を除く」と明記。自動車等が自転車等の右側を通過する場合が対象

✔ 条文に具体的な間隔の数値はなく、警察庁の目安は「少なくとも1メートル程度」と「1メートル程度を確保できない場合は時速20〜30キロメートル程度」

✔ 違反した場合、自動車等(普通車)は違反点数2点・反則金7,000円、自転車等は反則金5,000円(警察の公表資料)

✔ 1.5mや徐行という表現は、JAF Mate Onlineなどが「推奨」として紹介している内容で、法定の基準ではない

動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

🧭 記事の使い分け

この記事は、条文の内容・自転車側の義務・青切符との関係を詳しく整理したルール解説です。ドライバーとして間隔と速度の目安・運転のポイントを早見表で確認したい方は、こちらの記事をご覧ください。

▶ 自転車の右側を通るときの運転ポイント2026年版(間隔と速度の目安)

1. 法律で決まっていること

警察庁の資料「自動車等が自転車等の右側を通過する場合の通行方法」によると、自動車等が自転車等の右側を通過する場合(追い越す場合を除く)において、両者の間に「十分な間隔」がないときの義務は、次のとおりです。

📊 2026年4月1日施行の新ルール

対象 義務の内容 根拠 違反した場合(警察の公表資料)
自動車等(自動車、一般原動機付自転車、トロリーバス) 自転車等との「間隔に応じた安全な速度」で進行する 道路交通法18条3項 3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金。違反点数2点、反則金7,000円(普通車)。違反名は「歩行者等側方安全通過義務違反」(宮崎県警の掲載)
自転車等(軽車両(自転車を含む)、特定小型原動機付自転車) できる限り道路の左側端に寄って通行する 道路交通法18条4項 5万円以下の罰金。反則金5,000円。違反名は「被側方通過車義務違反」

※表は横にスクロールできます

📌 「追い越す場合を除く」とは

警察庁の資料には「追い越す場合を除く」と記載されています。この記事の題名にある「追い越し」は、日常的な言い方で、新設された規定は「右側を通過する場合」に関するものです。追い越しそのもののルールについては、警察の公表資料でご確認ください。

⚠️ 注意

反則金7,000円・違反点数2点は、普通車の場合として公表されています。車種によって反則金の額は異なるため、詳細は警察の公表資料でご確認ください。

2. 「1.5m」と「1メートル」、目安の違い

条文には、「何メートル以上空ける」という数値は書かれていません。数値として出てくるのは、あくまで目安です。警察庁の資料には、「上記はあくまで目安」で、具体的な走行状況、道路状況、交通状況等により異なる、と明記されています。

📊 間隔・速度の目安の比較

出どころ 間隔の目安 速度の目安 位置づけ
道路交通法18条3項(条文) 「十分な間隔」(数値の記載なし) 「間隔に応じた安全な速度」(数値の記載なし) 法律上の義務
警察庁の資料 少なくとも1メートル程度 1メートル程度を確保できない場合は、時速20〜30キロメートル程度 目安(できる限り間隔を空けるよう案内)
JAF Mate Online(記事) 1.5m以上を推奨 徐行(すぐに停車できる速度)を推奨 明確な法定値ではないと明記した上での推奨

※表は横にスクロールできます

💡 ポイント

「1.5m空ければ安全」「1m空ければ違反にならない」と、機械的に考える必要はありません。自転車がふらついても接触しない余裕があるか、という点で、実際の状況に応じて判断するのが基本です。

📊 自転車と自動車の死亡・重傷事故の型別件数(令和2年〜6年合計27,368件。警察庁「自転車ルールブック」)

事故の型(自転車対自動車) 死亡・重傷事故件数 割合
出会い頭 14,982件 54.7%
右左折時 7,581件 27.7%
追突 1,081件 3.9%
追越追抜時 1,046件 3.8%
その他 2,678件 9.8%

📌 補足

追い越し・追い抜きの場面は、死亡・重傷事故に占める割合では、出会い頭や右左折時より小さいことが分かります。ただし、割合が小さくても、接触すれば大きな事故になり得ます。

3. 運転するときの考え方

📊 状況別の考え方

状況 考え方(警察の目安をもとにした整理)
十分な間隔をとれる広い道路 できる限り間隔を空けて通過する。少なくとも1メートル程度が、警察庁の示す目安
間隔を1メートル程度とれない 警察庁は時速20〜30キロメートル程度を目安とする。JAFなどは徐行も紹介している
対向車が来ている・道幅が狭い 無理に通過しない。間隔や速度を確保できるまで、後方で待つ判断も有効
自転車がふらついている・左側に寄れない 路面状況や駐車車両で寄れない場合もある。より余裕をもった間隔・速度を意識する
路面に矢羽根型の表示がある 自転車の通行位置を示す表示。自動車の運転者に対しても、自転車の通行位置への注意を促す役割がある(警察庁ルールブック)

🧭 自転車の右側を通過するときの流れ

1

前方の自転車に気づいたら、早めに速度を確認する

車間や後方の状況も見ながら、余裕をもって準備します。

2

対向車と、自転車との間隔を確認する

通過に必要な間隔を、右側にとれるかを判断します。

3

十分な間隔がとれる場合は、間隔を空けて通過する

できる限り間隔を空けるのが、警察庁の案内です。

4

とれない場合は、間隔に応じて速度を落とす

1メートル程度を確保できない場合、時速20〜30キロメートル程度が目安です。

5

通過後も、すぐに寄せすぎない

自転車の動きを確認し、安全を確かめてから進路を戻します。

📝 ドライバーのチェックリスト

☑️ 「1.5mは法律の数値」という思い込みで、機械的に測っていない

☑️ 間隔がとれないときは、速度を落とすことを意識している

☑️ 対向車があるときは、無理に通過しない

☑️ 自転車の動き(ふらつき・路肩の障害物)に余裕をもって対応している

☑️ 自転車の運転もする場合は、左側端に寄って通行している

4. 自転車側の義務と、青切符との関係

18条4項により、自動車等が自転車等の右側を通過するときに十分な間隔がない状況では、自転車等はできる限り道路の左側端に寄って通行する義務があります。違反した場合の反則金は5,000円と公表されています。同じ2026年4月1日には、自転車の交通違反に対する「交通反則通告制度(いわゆる青切符)」も始まっています。

📊 自転車利用者側のルール

自転車の場合 内容(警察庁ルールブック)
左側通行の原則 道路の左側端に寄って通行する。右側通行(逆走)は通行区分違反で反則金6,000円
車道通行の原則 歩道と車道の区別がある道路では、車道を通行。歩道は例外で、歩行者を優先
被側方通過車義務違反 自動車等の右側通過の際、左側端に寄らない場合。反則金5,000円
青切符の対象 16歳以上の反則行為。16歳未満は、指導警告が基本

⚠️ 注意

法律・罰則に関する内容は一般的な情報です。個別の事案の判断は、警察や専門家などの公的窓口にご確認ください。

5. 公式情報の確認先

本記事は、2026年9月25日に次の資料で確認しました。

6. よくある質問

Q. 自転車を追い越すとき、1.5m空けることは法律で決まっていますか?

A. いいえ。条文に具体的な数値はありません。警察庁の資料が示す目安は「少なくとも1メートル程度」で、1.5mはJAF Mate Onlineなどが推奨として紹介している数値です。

Q. 間隔がとれない場合は、どのくらいの速度にすればよいですか?

A. 警察庁は、自転車等と1メートル程度の間隔を確保できない場合の目安として、時速20〜30キロメートル程度を挙げています。ただし、状況により異なる目安です。

Q. 違反した場合の反則金や点数は?

A. 警察の公表資料では、自動車等(普通車)が違反点数2点、反則金7,000円、自転車等の違反は反則金5,000円です。罰則としては、自動車等が3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金とされています。

Q. 自転車の側にも義務はありますか?

A. あります。18条4項により、自動車等に右側を通過されるときは、できる限り道路の左側端に寄って通行しなければなりません。

まとめ

2026年4月1日から、自動車等が自転車等の右側を通過するときは、「十分な間隔」がなければ「間隔に応じた安全な速度」で進行する義務があります。条文に数値はなく、警察庁の目安は「少なくとも1メートル程度」「1メートル程度をとれない場合は時速20〜30キロメートル程度」です。1.5mや徐行は推奨として紹介されているもので、法定の基準ではありません。数値にとらわれず、自転車の動きに余裕をもって対応できる間隔と速度を心がけましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・数値・金額は変更されることがあります。個別の判断は、警察・国土交通省・資源エネルギー庁など公的機関の窓口でご確認ください(2026年9月25日確認)。

アイキャッチ画像: People cycling on chevron markings in Harajuku by 7q3kjfehb, CC BY-SA 4.0

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