カーシェアで事故を起こしたら?保険と免責の仕組み

カーシェアリングの利用中に事故を起こしたとき、保険はどうなるのでしょうか。カーシェア車両には、利用料金の中に補償があらかじめ含まれているのが一般的ですが、自己負担額(免責額)や、補償されないケース、車が使えない間の営業補償(NOC)は、事業者ごとに異なります。この記事では、トヨタシェアとタイムズカー(旧タイムズカーシェア)の公式ページで確認できた内容を並べ、事故時の基本的な流れを整理しました。

📋 この記事の要点

✔ 公式ページで確認できた2社では、対人補償は1名につき無制限(自賠責保険を含む)。対物・車両補償の自己負担額(免責額)は、トヨタシェアが5万円、タイムズカーが0円(基準に該当した会員は車両5万円)と、事業者で異なる

✔ 免責額とは別に、車が使えない間の営業補償として「NOC」(両社とも事故時に自走可能2万円・自走不能5万円)を請求される場合がある

✔ 事故を警察に届けなかった場合や、予約者・追加運転者以外が運転した場合などは、補償の対象外になる(両社の公式ページ)

✔ 事故時は、救護・危険防止と警察への報告が、道路交通法第72条で運転者に求められている

✔ オリックスカーシェア等の他社は、この記事では確認していない。利用する事業者の公式ページで確認が必要

動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

1. 基本の補償を比べる(公式ページで確認できた2社)

カーシェアの補償は、利用料金にあらかじめ含まれています。ここでは、トヨタシェアとタイムズカーの公式ページに書かれている基本の補償を、並べて整理します。

📊 基本の補償の比較(トヨタシェア・タイムズカー公式ページ、2026年9月25日確認)

補償 トヨタシェア タイムズカー(旧タイムズカーシェア)
対人補償 1名につき無制限(自賠責保険の補償額を含む) 1名につき無制限(自賠責保険3,000万円を含む)
対物補償 1事故につき無制限。自己負担額(免責額)5万円 1事故につき無制限。対物免責額0円
車両補償 1事故につき車両時価額まで。自己負担額(免責額)5万円 1事故につき時価額。車両免責額0円(※事故を起こし、同社が定める基準に該当した会員には、車両免責額5万円を適用。適用期間1年間)
人身傷害補償 1名につき3,000万円まで。運転者の過失割合に関わらず補償 1名につき6,000万円。運転者の過失割合に関わらず補償。定額払いの搭乗者傷害特約は付帯されていない

⚠️ 注意

「カーシェアは免責額がかからない」「数万円かかる」のどちらも、一律には言えません。上の表のとおり、事業者や利用条件で異なります。上限や自己負担額を超える損害は、利用者の負担になると、トヨタシェアの公式ページに記載があります。

📌 補足

ここで取り上げたのは2社のみです。オリックスカーシェアなど、ほかの事業者の補償内容は確認していません。利用する事業者の公式ページや貸渡約款で確認してください。

2. 自己負担になりうるお金:免責額とNOC

事故後に自己負担が生じる項目は、大きく分けて2つあります。ひとつは保険の免責額、もうひとつは、修理や清掃で車が使えない間の営業補償として事業者に支払うNOC(ノン・オペレーション・チャージ)です。両社の公式ページでは、この2つは別の項目として説明されています。

📊 免責額・NOC・オプションの比較(公式ページ、2026年9月25日確認)

項目 トヨタシェア タイムズカー
免責額 対物・車両とも5万円。ショート(15分)料金の適用時は、免責補償が基本料金に含まれ、保険が適用される事故では対物・車両免責額の負担はない 対物・車両とも0円(基準に該当した会員は、車両免責額5万円・適用期間1年間)
NOC(営業補償) 事故時:自走可能の場合20,000円、自走不能の場合50,000円(不課税) 事故時:自走可能の場合2万円、自走不能の場合5万円(不課税)
免除のオプション 「免責補償制度」と、NOCの支払いの免除があり、料金は予約・利用時間に応じて変わる。詳細は利用ガイドで確認(本記事では料金を確認していない) 「安心補償サービス」550円/利用(税込)。事故時のNOCとタイヤの実費に加え、バッテリーあがり・インロック・ガス欠と、それに関わる搬送費用が免除。利用開始後の加入・取り消しはできない
ロードサービス 車両搬送は一事故につき15万円を上限(約180km)に補償 ロードサービスが出動した場合は27,500円を請求。事故の場合は補償制度に基づいててん補し、補償の適用外となる場合は請求

📌 補足

免除オプションに入っていても、貸渡約款に違反した場合などは適用外です(タイムズカー公式ページの記載)。オプションは「何でも免除される」わけではありません。

3. 補償の対象外になりやすいケース

📊 補償の対象外になりうるケース(両社公式ページ、2026年9月25日確認)

ケース トヨタシェア タイムズカー
警察への届け出 事故を警察に届けなかった場合(事故証明がない場合)は、保険金が給付されない。警察の事故証明がない場合、補償されない場合もある 事故発生時、直ちに警察への届出を行わなかった場合、補償制度は適用されない
運転者 予約者および追加運転者として登録された方以外が運転して起こした事故 会員以外、または追加運転者登録をしていない会員が運転した場合。追加運転者登録をしていても、予約者が同乗していない場合
飲酒・無免許 無免許運転・酒気帯び運転による事故 法令違反(飲酒・薬物など)で正常な判断ができない状態で事故を起こした場合
延長・返却 借受期間を無断で延長して使用した場合の事故 延長手続きを行わず、返却予定日時を過ぎた状態で事故を起こした場合
事業者への連絡 事故時の申告がなかった場合は禁止事項 損傷が軽微などの理由で、その場から同社への連絡を行わなかった場合
相手方との示談 公式ページ(保険・補償)には記載なし。貸渡約款で確認 同社の承諾を得ずに、相手方と金銭の授受その他示談に関わる行為を行った場合

⚠️ 注意

タイムズカーの公式ページには、貸渡約款違反があった場合、保険・補償が適用されず、相手方への賠償・示談交渉は会員自身が行い、車両の修理費用を請求され、会員資格が取り消されることがある、と記載されています。家族や友人に運転を代わってもらう場合は、事前に追加運転者の登録が必要か、必ず確認しましょう。

4. 事故を起こしたときの流れ

🧭 事故を起こしたときの基本の流れ

1

車を止めて、救護と危険防止をする

道路交通法第72条第1項は、交通事故があったとき、運転者等は直ちに運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない、と定めています。

2

警察に報告する

警察官が現場にいればその警察官に、いなければ直ちに最寄りの警察署の警察官に、事故の日時・場所、死傷者の数と負傷の程度、損壊した物とその程度、積載物、講じた措置を報告します(同条第1項後段)。

3

カーシェア事業者に連絡する

両社とも、警察や事業者への届出・申告がない場合は、補償の対象外になることがあります。連絡先は、車内の案内やアプリで確認します。

4

相手方とのお金のやり取りは、自己判断で進めない

タイムズカーは、同社の承諾なく相手方と金銭の授受や示談に関わる行為をした場合、補償の適用外としています。事業者の指示を確認してから対応しましょう。

5

交通事故証明書を取得する

交通事故証明書は、自動車安全運転センターが交付します。国土交通省の案内では、人身事故の場合、事故発生から5年が経過すると原則交付されません。

6

記録を残す

国土交通省は、加害車両の情報、目撃者の連絡先、ドライブレコーダーの映像、現場の見取図や写真、医師の診断などを残すよう案内しています。

5. 借りる前に確認しておくこと

📝 利用前のチェックリスト

☑️ 対物・車両補償の自己負担額(免責額)がいくらか、公式ページで確認した

☑️ 事故時のNOC(営業補償)の金額を確認した

☑️ 免責補償やNOC免除のオプションの内容と、適用外になる条件を確認した

☑️ 自分以外の人が運転する可能性があるか。ある場合、追加運転者の登録が必要か確認した

☑️ 返却時間に間に合わないときの延長手続きの方法を確認した

☑️ 事故時の連絡先(事業者・警察)を、すぐ見られる場所で確認した

☑️ 貸渡約款(規約)を一度読んだ

💡 ポイント

免責額や免除オプションの内容は、利用時間や料金プランで変わることがあります。長時間・遠出の前には、その予約の条件で確認しておくと安心です。

6. よくある質問

Q. カーシェアの事故は、自分の自動車保険を使いますか?

A. カーシェア車両には、利用料金に含まれる補償(対人・対物・車両・人身傷害)があります。ご自身の自動車保険との関係は、契約内容によって異なるため、保険会社にご確認ください。

Q. 免責額は、いくらですか?

A. 事業者で異なります。公式ページで確認できた範囲では、トヨタシェアは対物・車両とも5万円、タイムズカーは対物・車両とも0円(基準に該当した会員は車両5万円)です。他社は各社の公式ページで確認してください。

Q. 免責額を払わなくてよければ、費用はかからないのですか?

A. いいえ。免責額とは別に、車が使えない間の営業補償としてNOCを請求される場合があります。両社の公式ページでは、事故時に自走可能なら2万円、自走不能なら5万円と記載されています。

Q. 家族が代わりに運転してもいいですか?

A. 予約者・追加運転者として登録された方以外の運転による事故は、両社とも補償の対象外です。運転する可能性がある人は、事前に追加運転者の登録が必要か確認しましょう。

まとめ

カーシェアの利用料金には補償が含まれますが、自己負担額(免責額)・NOC・補償の対象外となる条件は事業者ごとに異なります。公式ページで確認できたトヨタシェアとタイムズカーでも、免責額は5万円と0円で違いがありました。事故時は救護・危険防止と警察への報告を行い、事業者にも連絡しましょう。借りる前に、免責額・NOC・追加運転者の登録を確認しておくのがおすすめです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法律・保険に関する個別の判断は、弁護士、保険会社、公的窓口などの専門家にご相談ください。制度や各社の内容は変更されることがあるため、最新の内容は公式情報でご確認ください(2026年10月時点)。

アイキャッチ画像: Car Sharing Fiat 500 (Padova) by Pava, CC BY-SA 3.0 IT, via Wikimedia Commons(イタリアで撮影)

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