車の「予備検査」とは?車検との違いとメリット

「予備検査」は、ナンバープレートが付いていない(登録を受けていない)自動車を対象に、あらかじめ受けておける検査です。ナンバー付きの車が受ける通常の車検(継続検査)とは、対象も役割も異なります。この記事では、道路運送車両法の条文と、国土交通省・自動車技術総合機構の公開情報で確認できた範囲で、予備検査の仕組み・車検との違い・使う場面・注意点を整理しました。

📋 この記事の要点

✔ 予備検査は、登録を受けていない自動車の所有者が受けられる検査(道路運送車両法第71条)

✔ 合格すると「自動車予備検査証」が交付され、有効期間は「三月」(同条第3項)

✔ 有効な予備検査証があれば、新規登録の申請で求められる自動車の提示を、予備検査証の提出で代えられる(同法第7条第3項)

✔ ナンバー付きの車の車検は「継続検査」で、予備検査とは別の検査(同法第62条)

✔ 検査手数料は令和8年4月1日に改定。最新額は自動車技術総合機構の一覧で確認

動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

1. 予備検査の基本(条文で確認できること)

📊 予備検査の基本(道路運送車両法・2026年9月25日確認)

項目 内容 根拠
対象 登録を受けていない自動車。検査対象軽自動車と二輪の小型自動車は、車両番号の指定を受けていないもの 道路運送車両法第71条第1項
受けられる人 対象自動車の所有者(使用者ではなく所有者) 同条第1項・第2項
合格したとき 保安基準に適合すると認められると、自動車予備検査証が所有者に交付される 同条第2項
有効期間 三月(3か月) 同条第3項
登録との関係 有効な予備検査証の交付を受けている自動車は、新規登録の申請で求められる「自動車の提示」を、予備検査証の提出で代えられる 同法第7条第3項第1号
検査証への切り替え 使用の本拠の位置が定められたとき、使用者が予備検査証を提出して、自動車検査証の交付を受けられる 同法第71条第4項

📌 補足

予備検査に合格しても、それだけで登録(軽自動車は届出)が完了するわけではありません。登録の申請は、別に行います。予備検査証は、その申請で自動車の提示に代えられる書類、という位置づけです。

2. 車検(継続検査)など、ほかの検査との違い

国土交通省の「検査概要」には、検査の種類が整理されています。予備検査は、そのうち「その他」に当たり、次の3つとは別の枠組みです。

📊 検査の種類(国土交通省「検査概要」・2026年9月25日確認)

検査の種類 受けるとき 根拠
新規検査 新たに自動車を使用しようとするとき。または、いったん使用を中断する手続きをした自動車を再び使用するとき 道路運送車両法第59条
継続検査(車検) 自動車検査証の有効期限が満了した後も、引き続きその自動車を使用するとき 同法第62条
構造等変更検査 自動車の長さ・幅・高さ・最大積載量等に変更を生じるような改造をしたときなど(長さ・幅・高さの変更が一定の範囲内であれば不要) 同法第67条
予備検査 登録を受けていない自動車の所有者が、あらかじめ受ける検査 同法第71条

📊 状況別の整理

車の状況 受ける検査の目安
ナンバーが付いていて、車検の期限が近い・切れている 継続検査(車検)。ユーザー自身が受けることもできる
新車を購入する 新規検査(新規登録と同時に行われる)
抹消登録などでナンバーがなく、再登録の前に検査を受けておきたい 予備検査が選択肢になる(登録を受けていない自動車が対象)
長さ・幅・高さ・最大積載量などが変わる改造をした 構造等変更検査(一定範囲内の変更は不要)

⚠️ 注意

ナンバーが付いている登録済みの車は、法第71条の予備検査の対象ではなく、車検は継続検査(法第62条)です。「ユーザー車検の前に予備検査を受ける」という説明を見かけても、制度上の予備検査とは別の話(整備工場などによる事前点検など)の可能性があります。どの検査になるかは、運輸支局等でご確認ください。

3. 使う場面と、予備検査から登録までの流れ

予備検査は、ナンバーのない状態の車を、これから登録して使う場面で登場します。たとえば、一時抹消登録をして登録を受けていない状態の車を、譲り受けて再び登録するときです(道路運送車両法第71条の2にも、一時抹消登録を受けた自動車の予備検査への言及があります)。有効な予備検査証があれば、新規登録の申請時に自動車の提示を省略できます。

🧭 予備検査から登録までの流れ

1

対象になるか確認する

車がナンバーのない状態か(登録を受けていないか)。軽自動車・二輪の小型自動車は、車両番号の指定を受けていないかを確認します。

2

予備検査を受ける

受けられるのは所有者です。受検の場所・予約・必要書類は、運輸支局等や軽自動車検査協会で確認します。

3

予備検査証を受け取る

保安基準に適合すると、自動車予備検査証が交付されます。有効期間は三月です。記載事項に変更があったときは、変更の手続きの規定(同法第67条)が準用されます(同法第71条第8項)。

4

有効期間内に登録の手続きを進める

使用の本拠の位置や使用者が決まった段階で、新規登録(軽自動車は届出)を申請します。予備検査証を提出します。

5

自動車検査証・ナンバープレートの交付を受ける

登録が済むと、自動車検査証とナンバープレートが交付されます。

⚠️ 注意

予備検査証は「自動車検査証」ではありません。国土交通省は、検査対象自動車は自動車検査証を備え付けていなければ運行の用に供することはできない、と案内しています。予備検査を受けただけの車が、そのまま公道を走れるわけではありません。車の移動方法は、運輸支局等に相談してください。

4. 費用と、注意したいこと

📊 費用の確認先(2026年9月25日確認)

項目 内容 出典
検査手数料 国(軽自動車は軽自動車検査協会)と、自動車技術総合機構に納付する手数料。予備検査は、受検方法(持込検査、保安基準適合証の提出など)と自動車の種類ごとに額が異なる。令和8年4月1日に改定された 自動車技術総合機構「令和8年4月1日以降の自動車検査手続きに関する手数料一覧」
登録手数料(中古車新規登録) 窓口申請は1,300円、OSS申請は750円(令和8年4月1日以降) 国土交通省・自動車技術総合機構「自動車の登録・検査の法定手数料変更について」
そのほかの費用 自動車税・自賠責保険料など、登録や運行に伴う税・保険は別に必要。額は車種や手続きで異なる 各制度の窓口で確認

📌 補足

予備検査の手数料額は、手数料一覧で「受検方法×自動車の種類」ごとに定められています。本記事では、一覧の金額を転記せず、確認先を示します。手数料は改定されることがあるため、受検前に最新の一覧をご確認ください。

📝 予備検査を検討するときのチェックリスト

☑️ 対象の車が、登録を受けていない(ナンバーがない)状態であることを確認した

☑️ 予備検査を受けるのが所有者であることを確認した

☑️ 予備検査証の有効期間(三月)内に、登録の手続きを終えられる見通しがある

☑️ 登録に必要な書類(譲渡証明書など)を、運輸支局等で確認した

☑️ 手数料の最新額を、自動車技術総合機構の一覧で確認した

☑️ 予備検査を受けた後の車の移動方法を、運輸支局等に確認した

5. よくある質問

Q. 予備検査の有効期間は、どのくらいですか?

A. 道路運送車両法第71条第3項は、自動車予備検査証の有効期間を「三月」と定めています。期間内に、登録の手続きを進める必要があります。期間を過ぎたあとの扱いは、運輸支局等でご確認ください。

Q. 予備検査は、車検の代わりになりますか?

A. 別の検査です。予備検査は、登録を受けていない自動車の所有者が受けるもの。ナンバー付きの車の車検は、継続検査(同法第62条)です。予備検査証が交付されても、登録の手続きは別に必要です。

Q. ナンバー付きの車でも、予備検査を受けられますか?

A. 法第71条第1項の対象は、登録を受けていない自動車(軽自動車・二輪の小型自動車は車両番号の指定を受けていないもの)です。ナンバー付きの車が受けるのは継続検査で、予備検査とは別です。個別のケースは運輸支局等でご確認ください。

Q. 予備検査を受けると、登録のときに何が省けますか?

A. 有効な予備検査証があれば、新規登録の申請で求められる自動車の提示を、予備検査証の提出で代えられます(同法第7条第3項第1号)。ほかの提出書類は省けません。

まとめ

予備検査は、登録を受けていない自動車の所有者が受ける検査で、合格すると3か月有効の予備検査証が交付されます。有効な予備検査証があれば、新規登録で自動車の提示を省略できます。ただし、登録の手続きそのものは別に必要で、ナンバー付きの車の車検(継続検査)とは別の制度です。手数料は令和8年4月に改定されているため、受検前に最新の一覧で確認しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。

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