チャイルドシート使用率82.4%も「正しい着座」は55.6%止まり!2025年全国調査でわかったこと

チャイルドシートは付けているだけでは十分ではありません。警察庁とJAFが2025年に実施した全国調査によると、チャイルドシートを取り付けていても「適切な着座」ができていた割合は55.6%にとどまっています。使用率そのものは上昇している一方、正しい使い方には課題が残る実態が明らかになりました。最新の公式データをもとに整理します。

📋 この記事でわかること

  • チャイルドシートの着用は法律上の義務
  • 使用率は82.4%まで上昇、ただし年齢が上がるほど低下
  • 「使っている」だけでは不十分、正しい取付け・着座の実態
  • 正しく使わないとどれほど危険か
  • よくある間違った使い方

動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)

チャイルドシートの着用は法律上の義務

道路交通法第71条の3第3項により、6歳未満の幼児を車に乗せて運転する場合、幼児用補助装置(チャイルドシート)を使用しないまま運転することは禁止されています(病気療養上適当でない場合など、政令で定めるやむを得ない理由がある場合を除く)。違反した場合は、反則金の対象ではなく、運転者に1点の減点が科されます。

6歳以上であっても、体格などの事情でシートベルトを適切に着用できない子どもについては、チャイルドシート(ジュニアシート)の使用が推奨されています。

使用率は82.4%まで上昇、ただし年齢が上がるほど低下

警察庁と一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が2025年5月10日〜6月14日に合同で実施した全国調査によると、6歳未満のチャイルドシート使用率は全国平均82.4%(前回比+4.2ポイント)でした。年齢層別に見ると、次のように年齢が上がるにつれて使用率が下がる傾向がはっきりと表れています。

年齢層 使用率 前回比
1歳未満 93.2% +1.5ポイント
1歳〜4歳 84.8% +4.1ポイント
5歳 66.7% +8.8ポイント

5歳児の使用率は他の年齢層に比べて低く、「もう大きいから」「本人がいやがる」といった理由で使用をやめてしまう家庭が一定数あることがうかがえます。

「使っている」だけでは不十分、正しい取付け・着座の実態

今回の調査では、使用率だけでなく、実際に正しく使えているかどうかも調べられています。

  • チャイルドシートが車両に適切に取り付けられていた割合:74.8%
  • チャイルドシートを使用していた幼児のうち、適切に着座させることができていた割合:55.6%

区分別に見ると、乳児用は取付け80.5%・着座58.6%、幼児用は取付け69.3%・着座42.2%、学童用は着座67.0%となっており、特に幼児用チャイルドシートでの「適切な着座」の割合(42.2%)が低いことがわかります。つまり、チャイルドシートを車に付けていても、ベルトの締め方や子どもの座らせ方が不適切なために、本来の安全性能を発揮できていないケースが少なくないということです。

正しく使わないとどれほど危険か

警察庁によると、チャイルドシート不使用者の致死率は、適正使用者の約5.3倍です。2025年中の6歳未満幼児の自動車同乗中死傷者のうち、チャイルドシートを使用していた割合(チャイルドシート使用者率)は83.5%(前年比+2.5ポイント)で、近年は横ばい傾向にあります。チャイルドシートを使用していても、車両への固定が不十分だったり、子どもを正しく座らせていなかったりすると、事故の際にチャイルドシートがシートベルトから外れてしまったり、子どもが飛び出してしまったりして、本来の保護機能が発揮されないことがあります。

よくある間違った使い方

正しく着座できていないケースとして多く指摘されるのが、ハーネス(肩・腰ベルト)の緩みです。子どもの成長に合わせて調整しないまま使い続けると、ベルトに指2本分以上の隙間ができてしまい、事故の衝撃時に体が前方へ大きく動いてしまいます。また、冬場に厚手のアウターを着せたままベルトを締めることも、実際にはベルトが体にフィットしておらず、保護効果が下がる原因として知られています。車に乗る直前にアウターを脱がせ、ベルトをしっかり締めてから上から毛布をかけるといった工夫が推奨されています。ベルトの高さについても、乳児期は肩より下の位置、幼児期以降は肩と同じか少し上の位置に調整するなど、体格に合わせた見直しが必要です。

ISOFIX方式なら取り付けミスを減らせる

チャイルドシートの取り付け方式には、車のシートベルトを使って固定する従来型と、車両側の専用金具に直接ガチャッとはめ込む「ISOFIX」方式があります。ISOFIX方式は、シートベルトの通し方を間違えるといった取り付けミスが起きにくく、初めてチャイルドシートを取り付ける保護者でも比較的簡単・確実に固定できるとされています。2012年7月以降に販売された乗用車の多くはISOFIX対応の固定金具を備えているため、これから購入を検討する場合は、対応方式を確認しておくとよいでしょう。

年齢に応じた買い替えの目安

チャイルドシートは、子どもの成長段階に応じて「乳児用(新生児〜)」「幼児用(1歳頃〜)」「学童用・ジュニアシート(4歳頃〜)」と切り替えていくのが一般的です。成長を見越して大きめのサイズを選びたくなりますが、体格に合わないサイズでは正しい着座姿勢を保てず、かえって保護性能が落ちてしまいます。多くの製品は複数の年齢帯に対応する「兼用タイプ」も販売されているため、購入時にはメーカーが示す対象年齢・体重の目安を確認し、実際に子どもを座らせてフィット感を確かめることをおすすめします。

まとめ

チャイルドシートの使用率は年々改善しているものの、「正しく取り付け、正しく座らせる」という部分にはまだ大きな課題が残っています。特に幼児用チャイルドシートでの適切な着座率は42.2%にとどまっており、多くの家庭で見直しの余地があります。取扱説明書や自治体・JAFなどが実施している取付け方講習を活用し、一度ご自身のチャイルドシートの取付け・着座方法を確認してみることをおすすめします。

出典・免責

本記事の内容は、以下の情報源(2026年9月2日確認時点)に基づいています。

統計は警察庁・JAF合同調査(2025年5月10日〜6月14日実施)に基づくものです。最新の調査結果は警察庁公式サイトでご確認ください。

アイキャッチ画像: Points to inspect by Oregon Department of Transportation, CC BY 2.0

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