6歳未満の子どもを車に乗せるとき、チャイルドシートの使用は法律で義務づけられています。警察庁とJAFの2026年調査(2026年5月9日〜31日)では、6歳未満の使用率は84.0%と過去最高でしたが、正しく着座できていた割合は58.7%にとどまりました。この記事では、法律の基本、調査結果、正しい使い方のポイントを、警察庁・JAF・警察本部の公開情報で確認できた範囲で整理します。
📋 この記事の要点
✔ 道路交通法第71条の3第3項により、幼児用補助装置を使用しない幼児を乗せて自動車を運転することは禁止されている(6歳未満)。違反は違反点数1点、反則金はなし
✔ 2026年の全国調査で、6歳未満の使用率は84.0%(前回比+1.6ポイント)。5歳は65.7%で、最も低い
✔ 適切な取付けは77.6%、適切な着座は58.7%。着座の課題が大きい
✔ 警察庁は、チャイルドシートの不使用者の致死率は、適正使用者の約5.3倍としている
✔ JAFは、6歳以上でも身長150cm未満の子どもには、チャイルドシートの使用を推奨している
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
📑 目次
1. チャイルドシートの使用義務と、対象の考え方
チャイルドシートの使用は、運転者に課された義務です。警察庁のページによれば、道路交通法第71条の3第3項で、自動車の運転者は、幼児用補助装置を使用しない幼児を乗車させて運転してはならないとされています。ただし、療養上の理由など、政令で定めるやむを得ない事由がある場合は除かれます。
📊 チャイルドシートの使用義務(2026年9月25日確認)
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 根拠となる法令 | 道路交通法第71条の3第3項 | 警察庁 |
| 対象 | 6歳未満の幼児 | 警察庁・JAF |
| 違反した場合 | 違反点数は1点。反則金などはない | 神奈川県警察のQ&A |
| 6歳以上の場合 | 体格などの事情で、シートベルトを適切に着用させられないときは、チャイルドシートの使用が推奨される | 警察庁 |
| 身長の目安 | JAFは、身長150cmに達するまでの使用を推奨。シートベルトが、首や腹部にかかる状態は危険 | JAF |
📊 タイプ別の目安(神奈川県警察のQ&Aより。実際は製品の適合表示を確認)
| タイプ | 年齢の目安 | 身長の目安 |
|---|---|---|
| 乳児用 | 新生児〜1歳 | 40〜85cm |
| 幼児用 | 15か月〜4歳 | 76〜105cm |
| 学童用(ジュニアシート) | 4〜12歳 | 100〜150cm(背もたれあり) |
📌 補足
使用義務が免除される場合(座席の構造上固定できない、けが・病気、授乳やおむつ交換で停車している場合など)は、警察の案内に例が示されています。免除に当たるかどうかで迷ったら、最寄りの警察署にご確認ください。
⚠️ 注意
神奈川県警察のQ&Aでは、抱っこは「時速40km衝突時、体重10kgの子どもは約300kgに相当」とされ、クッションやベッドなどはチャイルドシートの代わりにならないとしています。知人の車に乗せる場合も、チャイルドシートの使用が必要です。
2. 2026年の全国調査でわかったこと
警察庁とJAFは、2026年5月9日〜31日に、全国で6歳未満の子どもを対象に調査を行いました。使用状況調査は全国99か所、取付け・着座状況調査は全国16か所(8地域)で実施されています(JAFのプレスリリース)。
📊 年齢層別のチャイルドシート使用率(警察庁・JAF合同調査 2026年)
| 年齢層 | 使用率(2026年) | 前回比 |
|---|---|---|
| 全国平均(6歳未満) | 84.0% | +1.6ポイント |
| 1歳未満 | 94.8% | +1.6ポイント |
| 1〜4歳 | 86.9% | +2.1ポイント |
| 5歳 | 65.7% | −1.0ポイント |
📊 取付け・着座の状況(警察庁のページより)
| 区分 | 適切な取付け | 適切な着座 |
|---|---|---|
| 乳児用 | 83.8% | 59.0% |
| 幼児用 | 71.9% | 52.2% |
| 学童用 | — | 65.0% |
| 合計 | 77.6% | 58.7% |
📊 2025年と2026年の比較(JAF・警察庁の公表値。2025年の5歳は、2026年の前回比から算出)
| 調査 | 使用率 | 適切な取付け | 適切な着座 | 5歳の使用率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年(5月10日〜6月14日) | 82.4% | 74.8% | 55.6% | 66.7% |
| 2026年(5月9日〜31日) | 84.0% | 77.6% | 58.7% | 65.7% |
※表は横にスクロールできます
使用率は上がっていますが、約6人に1人は使用していないとJAFは指摘しています。また、使っていても、取付けや着座が不適切なケースが少なくありません。JAFのプレスリリースでは、主な問題として、腰ベルトの締付け不足、サポートレッグの調節不良、ハーネスの締付けの不適正が挙げられています。
📌 補足
5歳の使用率が最も低い理由は、調査資料には示されていません。年齢が上がるほど使用率が下がる傾向がある、という事実のみ確認できています。
3. 使っていても危険?不使用と誤使用のリスク
警察庁のページには、「チャイルドシート不使用者の致死率は、適正使用者の約5.3倍」と示されています。また、取付け固定が不十分だったり、正しく座らせなかったりした場合には、チャイルドシートがシートベルトから分離してしまうことがあるとされています。
📊 不使用・誤使用のリスク(警察庁・JAF公開情報)
| 項目 | 内容 | 読み方の注意 |
|---|---|---|
| 致死率の比較 | 不使用者の致死率は、適正使用者の約5.3倍(警察庁) | 「適正に使用した場合」との比較。正しい使い方が前提 |
| 使用者率 | 令和7年(2025年)中の使用者率は83.5%(前年比+2.5ポイント)。これは、6歳未満の幼児の同乗中の死傷者に占める、使用者の割合(警察庁) | 使用率が高いため、死傷者の中でも使用者の割合が高くなる。この数字だけで、効果は判断できない |
| 誤使用の例(JAF) | 腰ベルトの締付け不足、サポートレッグの調節不良、ハーネスの締付けの不適正 | 取付けと着座の両方の確認が必要 |
⚠️ 注意
JAFの解説では、身長が足りない子どもがシートベルトを使うと、首や腹部にベルトがかかり、事故のときにけがをするおそれがあります。大人の場合は、ベルトが「鎖骨の中央付近と腰骨」にかかるので、有効に機能します。
4. 取り付け・着座の確認ポイント
チャイルドシートは、「車への取り付け」と「子どもの座らせ方」の両方が正しくてはじめて効果を発揮します。JAFの公開情報から、確認ポイントを整理しました。製品ごとに手順は異なるため、必ず取扱説明書に従ってください。
📊 取り付け・着座の確認ポイント
| 確認するポイント | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 取付け位置 | 助手席のエアバッグが作動すると、チャイルドシートや子どもを押しつぶすおそれがあるため、乳児用は後部座席に取り付ける。歩道側(左側)がよいとされ、中央は正しく取り付けられない場合がある | JAF |
| ISOFIXタイプ | コネクタ部分が、左右ともにしっかり取り付けられているか確認する。片方だけだと固定されず、ぐらつく。「カチッ」と音がするまで押し込む | JAF |
| シートベルト固定タイプ(前向き) | レッグサポートを床に垂直に伸ばして固定し、ベルトのたるみがないようにする | JAF |
| ハーネス(肩ベルト) | ねじれがないか、締め付けが緩くないかを確認する。大人の指が滑り込む程度が目安とされる(JAFの解説) | JAF・製品の取扱説明書を優先 |
| シートのぐらつき | 取り付け後にシートを揺らして、ぐらつかないか確認する | JAF |
🧭 取り付けから乗せるまでの流れ(JAFの公開情報・取扱説明書を優先)
取付け方式を確認する
車のISOFIXに対応しているか、シートベルト固定か。取扱説明書の適合表で、車種との組み合わせを確認します。
取扱説明書どおりに取り付ける
ISOFIXなら「カチッ」と音がするまで押し込みます。シートベルト固定なら、ベルトのたるみをなくし、レッグサポートを調節します。
取り付け後に、シートを揺らして確認する
ぐらつきがないか、確認します(JAF)。
子どもを座らせる
背中をシートにつけ、深く座らせます(JAFの解説)。
ハーネスのねじれと、締め付けを確認する
ねじれがなく、緩すぎないかを確認します。成長に合わせて、高さ・長さの調節も見直します。
📝 チャイルドシートの毎回のチェックリスト
☑️ 乳児用を、助手席ではなく後部座席に取り付けている
☑️ ISOFIXの場合、左右のコネクタがしっかり固定されている(「カチッ」と音がする)
☑️ シートベルト固定の場合、ベルトにたるみがなく、レッグサポートが調節されている
☑️ ハーネスにねじれがなく、子どもの体に合わせて締め付けられている
☑️ 子どもの背中がシートに付き、深く座っている
☑️ 子どもの成長に合わせて、シートのタイプ・調節を見直している
☑️ 不安なときは、取扱説明書、販売店、自治体・JAFの取付け講習などで確認している
5. ISOFIXとは?車とシートの対応の見方
チャイルドシートの固定方式には、車のシートベルトで固定する方式と、車側の専用金具に取り付ける「ISOFIX」があります。ISOFIXは、取り付けが分かりやすく、片方しか固定されていないなど、一目で確認しやすい点が特徴です。
📊 固定方式の違い
| 固定方式 | 特徴 | 確認すること |
|---|---|---|
| シートベルト固定 | 車のシートベルトで固定する。車種を選ばず使いやすい一方、ベルトの通し方やたるみに注意が必要 | ベルトの通し方・たるみ、レッグサポートの調節 |
| ISOFIX | 車側の金具に、シートのコネクタを取り付ける。取り付けの状態が確認しやすい | 車がISOFIX対応か。左右のコネクタが固定されているか |
📌 補足
ISOFIX固定金具の装備は、2012年7月から、新型の乗用車を対象に義務付けられたと報じられています。対象車種や適用時期の詳細は、国土交通省の基準を確認する必要があります(要確認)。お使いの車が対応しているかどうかは、取扱説明書や、後席にあるISOFIXの表示で確認してください。
6. よくある質問
まとめ
チャイルドシートの使用は、6歳未満の子どもを乗せる運転者の義務です。2026年の警察庁・JAF調査で、使用率は84.0%と過去最高になりましたが、正しく着座できていたのは58.7%でした。使うだけでなく、「正しく取り付け、正しく座らせる」ことが大切です。取扱説明書とJAFなどの確認ポイントを参考に、一度、ご自身の使い方を見直してみましょう。
※本記事は、警察庁・JAF・警察本部の公開情報をもとにした一般的な情報提供です。統計は警察庁・JAF合同調査(2026年5月9日〜31日)に基づき、最新の結果は警察庁の公式サイトでご確認ください(2026年9月25日確認)。製品の取り付けは、必ず取扱説明書に従ってください。
アイキャッチ画像: Points to inspect by Oregon Department of Transportation, CC BY 2.0


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