高速道路は、一般道路より速度が高いぶん、わずかな不注意や交通ルール違反が大きな事故につながります。また、駐停車の禁止、本線車道での転回・後退の禁止、最低速度、燃料切れの扱いなど、一般道路にはない規定があります。この記事では、道路交通法・同施行令、警察庁・JAFの資料にもとづき、高速道路特有のルールと禁止事項、違反した場合の点数・反則金、故障・逆走時の対応を整理します。
📋 この記事の要点
✔ 高速道路では、法令の規定・警察官の命令・危険防止のための一時停止などを除き、駐車・停車は禁止(道路交通法第75条の8)。本線車道での横断・転回・後退も禁止(第75条の5)
✔ 2車線以上では、左側の通行帯が基本。高速道路の路側帯や路肩を通行してはいけない(警察庁の教則)
✔ 燃料切れなどで本線車道等で運転できなくなると、点数2点・反則金9,000円(普通車)。罰則は3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金(第75条の10、第119条)
✔ 牽引している車の総重量が750kgを超える場合などは、最も左側の通行帯を通行する義務がある(教則)
✔ 故障・事故で停止したら、停止表示器材を車の後方に置き、ガードレールの外側など安全な場所へ避難して、110番か非常電話で通報(警察庁の3原則)
📑 目次
1. 高速道路の基本ルール:通行帯・速度・車間距離
JAFは、高速道路は一方通行で、2車線以上の場合は左側の走行車線を走るのが基本であり、空いているからといって追越車線を走り続けないよう注意する必要があると説明しています。時速100kmで走行している車は、1秒間に約28mも進みます(JAF)。
📊 高速道路の基本ルール(道路交通法・警察庁「交通の方法に関する教則」・JAFより)
| 場面 | ルール | 根拠 |
|---|---|---|
| 通行帯 | 車両通行帯のある道路では、道路の左側端から数えて一番目の通行帯を通行するのが原則。追越しなどのときは例外。高速道路では、左側の白線を目安に、車両通行帯のやや左寄りを通行すると、追越し時の接触防止に役立つ | 道路交通法第20条、教則 |
| 追越し | 追越しをする場合は、早めに合図を出し、追越し車線の車の動きに注意してから行う。進路を戻すときは、追い越した車全体がルームミラーに映ったことを確認してから | 教則 |
| 最低速度 | 高速自動車国道の本線車道では50km/h。標識で指定があればその速度 | 第75条の4、施行令第27条の3 |
| 車間距離 | 路面が乾燥しタイヤが新しい場合は100km/hで約100m、80km/hで約80m。雨や摩耗の場合は約2倍程度 | 第26条、教則 |
| 路肩・路側帯 | 高速道路の路側帯や路肩を通行してはいけない | 教則 |
| 急ブレーキ・急ハンドル | 高速走行中の急ブレーキは大変危険。低いギアに落としエンジンブレーキを使い、フットブレーキを数回に分けて踏む。急ハンドルも避ける | 教則、JAF |
| 強風・トンネル | 強風時は速度を落とす。トンネルや切り通しの出口では横風に注意。高速でトンネルに入ると視力が急激に低下するため、手前で速度を落とす | 教則、JAF |
| 夜間の前照灯 | 夜間は、対向車と行き違うときやほかの車の直後を通行しているときを除き、前照灯を上向きにして、落下物や停止した車を早く発見できるようにする | 教則 |
2. やってはいけないこと:駐停車・逆走・転回・合流
📊 高速道路で禁止・義務とされている主な事項
| 禁止・義務 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 駐車・停車の禁止 | 法令の規定・警察官の命令・危険防止のための一時停止を除き、駐車・停車してはならない。例外:駐車区画、故障などでやむを得ず十分な幅員のある路肩・路側帯に停車する場合、乗合自動車の停留所、料金所での停車 | 道路交通法第75条の8 |
| 本線車道での横断・転回・後退 | 本線車道では、横断・転回・後退をしてはならない。中央分離帯を横切ってもいけない | 第75条の5、教則 |
| 逆走の禁止 | 高速道路は一方通行。降りるインターチェンジを通り過ぎても、本線上や料金所付近でUターンしてはいけない。SA・PAから本線車道に戻るときは、進行方向を間違えないよう注意する | JAF、警察庁 |
| 本線車道への合流 | 本線車道に入るときは、本線車道を通行している自動車の進行を妨げてはならない。加速車線があるときは、その車線を通行して十分に加速する | 第75条の6第1項、第75条の7第1項、教則 |
| 本線車道からの退出 | 出口に近づいたら、あらかじめ出口に接続する車両通行帯を通行し、減速車線があるときはその車線を通行する | 第75条の7第2項 |
| 緊急自動車の通行 | 緊急自動車が本線車道に入ろうとしているとき、または出ようとしているときは、その通行を妨げてはならない | 第75条の6第2項 |
| 牽引自動車の通行帯 | 牽引するための構造と装置のある車で、総重量が750kgを超える車を牽引しているものは、車両通行帯のある高速自動車国道の本線車道などで、最も左側の通行帯を通行する(標識・標示で通行区分が示されている場合はそれに従う) | 第75条の8の2、教則 |
⚠️ 路肩や本線で「止まる・戻る・Uターン」は、原則できません
降りるインターチェンジを通り過ぎたときや、進行方向を間違えたときも、本線上でのUターン・後退・中央分離帯の横断は禁止されています。次の出口まで進んで一般道路に出て、引き返すのが原則です。
3. 違反したときの点数・反則金(普通車)
📊 高速道路に関する主な反則の点数と反則金(e-Gov法令検索「道路交通法施行令」より。大型車・二輪車・原付の金額は表で異なる。2026年9月25日確認)
| 違反の区分 | 内容(条文) | 点数 | 反則金(普通車) |
|---|---|---|---|
| 高速自動車国道等車間距離不保持 | 高速自動車国道等での車間距離の不保持(第26条) | 2点 | 9,000円 |
| 本線車道横断等禁止違反 | 本線車道での横断・転回・後退(第75条の5) | 2点 | 9,000円 |
| 高速自動車国道等運転者遵守事項違反 | 燃料・冷却水・オイルの不足などにより、本線車道等で運転できなくなった場合等(第75条の10) | 2点 | 9,000円 |
| 最低速度違反 | 最低速度に達しない速度での進行(第75条の4) | 1点 | 6,000円 |
| 本線車道通行車妨害 | 本線車道に入るとき、本線車道の車の進行を妨げる(第75条の6第1項) | 1点 | 6,000円 |
| 本線車道緊急車妨害 | 本線車道に出入りする緊急自動車の通行を妨げる(第75条の6第2項) | 1点 | 6,000円 |
| 牽引自動車本線車道通行帯違反 | 牽引自動車の通行帯の規定違反(第75条の8の2第2〜4項) | 1点 | 6,000円 |
| 故障車両表示義務違反 | 故障等で運転できなくなったとき、停止表示をしない(第75条の11第1項) | 1点 | 6,000円 |
| 通行帯違反 | 車両通行帯の通行の規定違反(第20条) | 1点 | 6,000円 |
| 本線車道出入方法違反 | 加速車線・減速車線などの通行の規定違反(第75条の7) | 1点 | 4,000円 |
※表は横にスクロールできます
📌 補足
罰則(刑事罰)は、違反の内容によって異なります。たとえば、第75条の5(本線車道での横断・転回・後退)と、第75条の10(高速自動車国道等での運転者の遵守事項)に違反して本線車道等で運転できなくなった場合は「3月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金」、第75条の11第1項(故障時の表示義務)は「5万円以下の罰金」とされています(道路交通法第119条、第120条)。
⚠️ 一般的な情報です
点数・反則金・罰則は法令の改正や個別の事案で変わります。個別の判断は、警察・公安委員会などの公的窓口や専門家にご相談ください。
4. 燃料切れ(ガス欠)と、故障・事故のときの対応
道路交通法第75条の10は、高速自動車国道等で運転しようとするときは、あらかじめ燃料・冷却水・エンジンオイルの量などを点検し、不足のために運転できなくなることを防ぐ措置を講じるよう定めています。道路交通法施行令の別表で反則行為とされているのは、この規定に違反し、本線車道やこれに接する加速車線・減速車線・登坂車線で運転できなくなった場合等です。警察庁の教則も、燃料・冷却水・エンジンオイルの不足により停止することのないよう点検することを示しています。
📝 高速道路に入る前の点検チェックリスト(教則より)
☑️ 燃料の量が十分か
☑️ 冷却水の量が規定の範囲内か
☑️ ラジエータキャップがしっかり締まっているか
☑️ エンジンオイルの量が適当か
☑️ ファンベルトの張り具合が適当か、損傷がないか
☑️ タイヤの空気圧が適当か(高速道路を走るときは、やや高めにする)
☑️ タイヤの溝の深さが十分か
☑️ 積荷が転落・飛散しないよう点検・固定したか
☑️ 停止表示器材(発炎筒・停止表示板・停止表示灯など)を用意したか
☑️ 休息時間を入れたゆとりのある運転計画を立てたか
🧭 故障・事故・燃料切れで停止したときの流れ(警察庁の「緊急時の3原則」・教則にもとづく)
危険を感じたら、可能ならSA・PAまで移動する
警察庁は、本線車道はもとより、路肩であっても大変危険であるため、できる限りサービスエリアやパーキングエリアに移動するよう示しています。
本線車道や路肩に停止したら、停止表示器材を置く
発炎筒、停止表示板、停止表示灯のいずれかを車両の後方に設置し、後続車の追突を防ぎます。夜間(昼間で視界が200m以下の場合も同じ)は、非常点滅表示灯、駐車灯や尾灯もつけます。
ガードレールの外側など、安全な場所へ避難する
警察庁は、停止した車両内にとどまることや、車両から降りて車両付近に立っていることは大変危険だとしています。
110番か非常電話で通報する
故障か事故かの別、停車場所(キロポストの表示など)、負傷者の有無などを伝えます。
⚠️ 車内や車の近くに留まらない
停止した車内にとどまるのも、車から降りて車両付近に立っているのも、後続車に追突される危険があり、大変危険です(警察庁)。
5. 逆走への対応(警察庁の案内)
📊 逆走を見つけたとき・してしまったときの対応(警察庁「高速道路」より)
| 状況 | 対応(警察庁) |
|---|---|
| 逆走車を見つけた | 速度を落とし、前車と十分な車間距離をとって走行する。逆走車は追越車線(最も右側の車線)を走行してくる傾向があるため、第1通行帯(最も左側の車線)を走行する。同乗者に110番通報してもらうか、サービスエリアの非常電話で通報する |
| 自分が逆走してしまった | 近くの安全な場所に停止し、ハザードランプを点灯する。中央分離帯の位置と道路標識の向きで逆走を確認する。車から離れてガードレールの外側の安全な場所に避難し、110番通報または非常電話で通報する |
6. よくある質問
まとめ
高速道路には、駐停車の禁止、本線車道での横断・転回・後退の禁止、最低速度、合流・出口での通行方法、緊急自動車の妨害禁止など、一般道路にはない規定があります。燃料切れなどで本線車道等で運転できなくなると、点数2点・反則金9,000円(普通車)の反則行為となるため、入る前の点検が欠かせません。故障・事故で止まったら、停止表示器材を置き、ガードレールの外側など安全な場所へ避難して、110番か非常電話で通報する。この基本を覚えておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。
参考: JAF「クルマ何でも質問箱」高速道路を走る際に特別なルールはありますか?(出典: 交通の教則、NEXCO東日本ホームページ)


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