EVとハイブリッドとガソリン車、1kmあたりの燃料費・電気代はいくら違うのか。この記事は、同じ題材の長尺動画で使った数字と計算式を、出典と条件つきで詳しくまとめたものです。動画では触れきれなかった数字の根拠、走り方や充電する場所による違い、購入価格の差を取り戻す距離も整理します。
計算は、資源エネルギー庁のガソリン価格調査、家電公正取引協議会の目安単価、東京電力エナジーパートナーの公表料金、トヨタ・日産の公式の燃費・電費(WLTCモード)をもとに、条件を明示して自分で行いました。確認日は2026年10月24日です。実際の燃費・電費は使い方や季節で変わるため、結果は「この条件で計算するとこうなる」という目安です。
📋 この記事の要点
✔ 計算式は、ガソリン車・ハイブリッドが「ガソリン1Lの値段 ÷ 燃費」、EVが「電費(kWh/km) × 電気の単価」。EVのカタログの電費(交流電力量消費率)は、コンセント側の電力量で表した数字で、充電のロスを含みます
✔ 条件はレギュラー170.2円/L(2026年10月19日調査の全国平均。国の補助で170円程度に抑えられている期間の価格)、電気は31円/kWh(家電公取協の目安)と38.87円/kWh(東京電力の例)。この条件で1kmあたり、ヤリスXのガソリン車が約8.4円、ハイブリッドが約4.7円、サクラとリーフが約3.8〜5.1円
✔ 電気の単価が約38.1円/kWh(サクラ)・約36.1円/kWh(リーフ)を超えると、この2車種はハイブリッドより1kmのコストが高くなる計算。「EVが必ず安い」とは言えません
✔ 数字は走り方(市街地・郊外・高速道路)、充電する場所(外出先の急速充電は単価が別)、電気の契約、車の購入価格で変わる。ヤリスXのハイブリッドは、ガソリン車との差額401,500円を燃料費の差で取り戻すのに約11万km(この条件の計算)
✔ EVの補助金(CEV補助金)は、令和9年(2027年)1月1日以降の登録分から額が下がる見直し(10月21日付)が出ています。この記事の1km計算には補助金を含めていません。額は後半の表で確認できます
▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
1. 動画の内容(要約)
動画は、聞き役の「かーぎーくん」と、EV・充電担当の「ボルト」の会話で、次の4つの章に分けて進みます。各章の開始時刻は、動画の概要欄の目次と対応しています。
| 章 | 内容 | 使った数字 |
|---|---|---|
| 1つ目 計算のしかた (動画 00:34〜) | ガソリン車・ハイブリッドとEVの式。EVの電費に充電のロスが入っているか。燃費・電費は公式のWLTCモードの値を使うこと | 1kmのコスト = 値段÷燃費 / 電費×単価 |
| 2つ目 材料の数字 (動画 01:22〜) | 車の公式の燃費・電費、ガソリンと電気の単価(ガソリンは国の補助で170円程度に抑えられている期間の価格)、国の電気料金支援の扱い | ヤリスX 20.3km/L・36.0km/L、サクラ124Wh/km、リーフB5 X 131Wh/km、ガソリン170.2円/L、電気31円・38.87円/kWh |
| 3つ目 結果 (動画 02:49〜) | 1kmあたりのコストと、1万km走ったときの金額。ハイブリッドと並ぶ電気の単価 | ガソリン約8.4円、ハイブリッド約4.7円、サクラ約3.8〜4.8円、リーフ約4.1〜5.1円 |
| 4つ目 数字が変わる場面 (動画 03:52〜) | 走り方(モード別)、外出先の急速充電、購入価格の差を取り戻す距離、EVの補助金の見直し | 急速充電の例99〜154円/kWh、差額401,500円→約11万km |


結果の要点は、同じ条件で比べると、ガソリン車の約8.4円に対して、ハイブリッドは約4.7円、EVは電気の単価しだいで約3.8〜5.1円という並びです。ガソリン車との差は大きい一方、EVとハイブリッドの差は電気の単価と車種で入れ替わります。
2. 動画で触れきれなかった補足
計算に使った車の公式の数字(WLTCモード)
燃費・電費は、メーカーの公式の主要諸元表(国土交通省審査値)にあるWLTCモードの数字です。ヤリスはグレードXの2WD(1.5L)のガソリン車(CVT)とハイブリッド、EVは日産のサクラとリーフ(B5 X)です。サクラは軽自動車、リーフは普通車で、車の大きさや価格帯は違います。この記事は大きさ・価格を揃えた比較ではなく、1kmあたりの燃料費・電気代の計算のしかたを見せる例です。
📊 燃費・電費の公式の数字
| 車 | WLTC総合 | 市街地 | 郊外 | 高速道路 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヤリス X ガソリン(1.5L・CVT・2WD) | 20.3km/L | 15.3km/L | 20.7km/L | 23.2km/L | 使用燃料は無鉛レギュラー。メーカー希望小売価格(税込)1,848,000円 |
| ヤリス X ハイブリッド(1.5L・2WD) | 36.0km/L | 37.1km/L | 39.9km/L | 33.5km/L | 使用燃料は無鉛レギュラー。同2,249,500円 |
| 日産 サクラ(S・X・G共通) | 124Wh/km | 100Wh/km | 113Wh/km | 142Wh/km | 軽自動車。電池総電力量20kWh、一充電走行距離(WLTC)180km |
| 日産 リーフ B5 X | 131Wh/km | 115Wh/km | 124Wh/km | 144Wh/km | 普通車。電池55kWh、一充電走行距離(WLTC)469km。プロパイロット 2.0装備車は数字が異なる(総合135Wh/km) |
出典:トヨタ ヤリス 価格・グレードと主要諸元表(2026年4月版)、日産のサクラ主要諸元(2026年6月版)とリーフ主要諸元(2026年9月版)。確認日は2026年10月24日です。
EVの「電費」は充電のロスを含む(交流電力量消費率)
日本のEVのカタログに載る電費は、交流電力量消費率(Wh/km)です。日本自動車研究所(JARI)の資料は、カタログ値として示される電費は交流電力量消費率であり、「1回の充電で走行できる距離と、再充電時に商用電源からバッテリに供給された電力量の比」と説明し、充電効率(バッテリ効率+充電器効率)まで含めた電費性能を表しているとしています(かぎ括弧の部分は原文の引用、ほかは大意)。バッテリが走行のために消費した電力量を距離で割る「直流の電費」は、充電効率を含まない別の指標です。自宅のコンセントから入る電力量に近い数字なので、電気代の計算にそのまま使えます。
| 電費の表し方 | 換算 | サクラ | リーフ B5 X |
|---|---|---|---|
| Wh/km(日本のカタログ表示) | — | 124Wh/km | 131Wh/km |
| kWh/km(計算に使う形) | Wh/km ÷ 1000 | 0.124kWh/km | 0.131kWh/km |
| km/kWh(海外や燃費に近い形) | 1000 ÷ Wh/km | 約8.06 km/kWh | 約7.63 km/kWh |
ガソリン価格:資源エネルギー庁の石油製品価格調査
ガソリンの単価は、資源エネルギー庁(委託先:日本エネルギー経済研究所 石油情報センター)の石油製品小売市況調査のレギュラー(店頭・現金価格・消費税込み)を使いました。2026年10月21日公表分(調査日10月19日)の全国平均は170.2円/Lです(公表資料の全国値の欄は整数の「170円」で、小数点以下まで示した参考値が170.2円)。直近の調査日の全国平均(円/L)は次のとおりです。
| 調査日 | 2026/9/7 | 9/14 | 9/28 | 10/5 | 10/13 | 10/19 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| レギュラー全国平均(円/L) | 170 | 169.9 | 170.2 | 170.2 | 170.1 | 170.2 |
ガソリン価格は毎週変わります(次回の公表予定は10月28日)。会員割引やセルフ・フルサービスの違いで、実際に払う単価は店ごとに違います。この記事の表は、単価を入れ替えれば自分の数字で計算し直せます。
電気の単価:目安単価と東京電力の例
電気の単価は契約先・プラン・使用量で変わるため、2通りで計算しました。
📜 家電公取協の目安単価(全国家庭電気製品公正取引協議会「よくあるご質問」より)
カタログなどに載っている電力料金の目安単価について、同協議会は「現在の目安単価は、令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込)です」と説明しています。小売電気事業者ごとに料金が異なるため、電力・ガス取引監視等委員会の「電力取引報」などに基づいて算出している、とされています。
もう1つは、東京電力エナジーパートナー(関東エリア)の従量電灯B(スタンダードSも同じ単価)の例です。電力量料金は使用量に応じた3段階で、これに毎月の燃料費調整単価と再エネ賦課金単価が加わります。
| 段階(月の使用量) | 電力量料金(税込) | 燃料費調整(2026年10月分・支援反映前) | 再エネ賦課金 | 合計の単価(自分で計算) |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階(〜120kWh) | 29.80円 | −5.80円 | 4.18円 | 28.18円/kWh |
| 第2段階(121〜300kWh) | 36.40円 | −5.80円 | 4.18円 | 34.78円/kWh |
| 第3段階(301kWh〜) | 40.49円 | −5.80円 | 4.18円 | 38.87円/kWh |
EVを充電すると月の使用量が増えるため、増えた分は上の段階の単価で計算されることが多くなります。動画では、第3段階の38.87円/kWhを例として使いました。第3段階はこの3段階の中で最も高い単価です。再エネ賦課金は2026年5月分から2027年4月分まで4.18円/kWh、燃料費調整単価は毎月変わります。
| 段階 | 支援反映前の単価 | 10月分の請求に含まれていた支援反映後の単価 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 28.18円 | 24.68円 |
| 第2段階 | 34.78円 | 31.28円 |
| 第3段階 | 38.87円 | 35.37円 |
東京電力の料金・賦課金・支援の出典は、スタンダードプラン(関東)、燃料費調整のお知らせ(2026年10月分)、再エネ賦課金単価の確定について、電気・ガス料金支援の実施について(2026年6月2日)です。夜間の単価が安いプランなど、電気料金の契約はさまざまです。ご自宅の契約の料金表と検針票で確認してください。
1km・1万km・1年あたりの金額(自分で計算した表)
📊 1kmあたりのコスト(円)と、1万km走ったときの金額
| 車・条件 | 計算(単価÷燃費、電費×単価) | 1kmあたり | 1万kmあたり |
|---|---|---|---|
| ヤリス X ガソリン | 170.2 ÷ 20.3 | 約8.4円 | 約83,800円 |
| ヤリス X ハイブリッド | 170.2 ÷ 36.0 | 約4.7円 | 約47,300円 |
| サクラ(電気 31円/kWh) | 0.124 × 31.00 | 約3.8円 | 約38,400円 |
| サクラ(電気 34.78円/kWh(第2段階)) | 0.124 × 34.78 | 約4.3円 | 約43,100円 |
| サクラ(電気 38.87円/kWh(第3段階)) | 0.124 × 38.87 | 約4.8円 | 約48,200円 |
| リーフ B5 X(電気 31円/kWh) | 0.131 × 31.00 | 約4.1円 | 約40,600円 |
| リーフ B5 X(電気 34.78円/kWh(第2段階)) | 0.131 × 34.78 | 約4.6円 | 約45,600円 |
| リーフ B5 X(電気 38.87円/kWh(第3段階)) | 0.131 × 38.87 | 約5.1円 | 約50,900円 |
3. 違った観点から整理する
動画の結果を、別の切り口で見直します。どの項目も、上の公式の数字と公表されている単価だけから計算した目安で、将来の価格を予想するものではありません。
年間の走行距離別:1年の燃料費・電気代
走行距離が違えば、金額の差も同じ割合で開きます。年間の走行距離ごとの目安は次のとおりです(電気は31円/kWhと38.87円/kWhの2通り、ガソリンは170.2円/L)。
| 車 | 5,000km/年 | 10,000km/年 | 15,000km/年 |
|---|---|---|---|
| ヤリス X ガソリン | 約41,900円 | 約83,800円 | 約125,800円 |
| ヤリス X ハイブリッド | 約23,600円 | 約47,300円 | 約70,900円 |
| サクラ | 約19,200〜24,100円 | 約38,400〜48,200円 | 約57,700〜72,300円 |
| リーフ B5 X | 約20,300〜25,500円 | 約40,600〜50,900円 | 約60,900〜76,400円 |
たとえば年1万km走る場合、ガソリン車とハイブリッドの燃料費の差は年間約3.7万円(36,600円)です。この差が、次の「購入価格の差」を取り戻すスピードを決めます。
走り方(モード)別:高速道路ではEVとハイブリッドの差が縮まる
WLTCモードは、市街地・郊外・高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な試験法です(経済産業省・国土交通省・日本自動車工業会の周知資料「燃費の表示内容が変わります!」による。市街地モードは信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行、郊外モードは信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行、高速道路モードは高速道路等での走行を想定。各モードの燃費をカタログ等に表示する義務付けは、国土交通省の報道発表(2017年7月4日))。公式の数字はモード別にも公表されています。ハイブリッドは高速道路モードの燃費が市街地・郊外モードより低く、EVは高速道路モードの電力量が市街地・郊外モードより多い(この車種の公式の数字の範囲で言えること)。

| 車・条件 | 市街地 | 郊外 | 高速道路 |
|---|---|---|---|
| ヤリス X ガソリン | 約11.1円 | 約8.2円 | 約7.3円 |
| ヤリス X ハイブリッド | 約4.6円 | 約4.3円 | 約5.1円 |
| サクラ(電気31円) | 約3.1円 | 約3.5円 | 約4.4円 |
| サクラ(電気38.87円) | 約3.9円 | 約4.4円 | 約5.5円 |
| リーフ B5 X(電気31円) | 約3.6円 | 約3.8円 | 約4.5円 |
| リーフ B5 X(電気38.87円) | 約4.5円 | 約4.8円 | 約5.6円 |
電気が31円/kWhなら、3つのモードのすべてでEVのほうが安い計算です。ただし電気が38.87円/kWhの場合は、市街地だけEVが安く、郊外・高速道路ではハイブリッドのほうが安くなります(高速道路モードは、サクラ約5.5円・リーフ約5.6円に対して、ハイブリッドは約5.1円)。走る道の種類によって順位が入れ替わるのは、公式の数字を並べると見えてくる点です。
なお、冬の暖房使用などで電費がどう変わるかは、このWLTCの数字には反映されません。冬の航続距離の変化はEVの冬場の航続距離低下の記事で整理しています。
ハイブリッドと「並ぶ」電気の単価(逆転ライン)
ハイブリッドの1kmあたり約4.73円を、EVの電費(kWh/km)で割ると、「この電気の単価を超えるとEVのほうが高くなる」という分かれ目が出ます。
| 車 | 電費 | ハイブリッドと並ぶ電気の単価 | ガソリン車と並ぶ電気の単価 |
|---|---|---|---|
| サクラ | 0.124kWh/km | 約38.1円/kWh | 約67.6円/kWh |
| リーフ B5 X | 0.131kWh/km | 約36.1円/kWh | 約64.0円/kWh |
目安単価の31円/kWh、東京電力の第2段階34.78円/kWh、第3段階38.87円/kWhと比べると、第3段階の例ではハイブリッドに並ぶ・超えることが分かります。ガソリン車と並ぶ単価は約64〜68円/kWhと大きく離れています(ガソリン170.2円/Lの場合)。
立場別:自宅で充電できる人・できない人(充電する場所の割合)
ここまでの計算はすべて自宅充電の電気代です。外出先の急速充電は単価が別で、事業者によって料金の決め方も違います。公表されている一例として、ENEOSは2026年1月21日から、埼玉県さいたま市の浦和インター上りSSで高出力充電器の「kWh課金」の実証運用を始めました。2026年3月27日の発表では、26年度は会員価格を132円/kWhで展開する予定でしたが、会員価格は99円/kWh(25年度価格)で継続するとされています。実証期間は2026年4月1日〜2027年3月31日(予定)です。
| 区分(税込) | 料金 | 適用期間 | サクラで1kmあたり(自分で計算) | リーフ B5 Xで1kmあたり |
|---|---|---|---|---|
| 会員価格 | 99円/kWh | 2026年4月1日〜2027年3月31日(予定) | 約12.3円 | 約13.0円 |
| ビジター価格 | 154円/kWh | 2026年4月1日〜2027年3月31日(予定) | 約19.1円 | 約20.2円 |
次の図は、充電のうち自宅の割合を変えたときの1kmのコスト(サクラ、自宅は31円/kWh、外出先は会員価格の99円/kWhとビジター価格の154円/kWhの2通りという仮定の計算)です。

| 外出先の単価(税込) | 充電の割合(仮定) | サクラ(自宅31円) | リーフ(自宅31円) | サクラ(自宅38.87円) | リーフ(自宅38.87円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 外出先 会員 99円 | 自宅 100%・外出先 0% | 約3.84円 | 約4.06円 | 約4.82円 | 約5.09円 |
| 外出先 会員 99円 | 自宅 90%・外出先 10% | 約4.69円 | 約4.95円 | 約5.57円 | 約5.88円 |
| 外出先 会員 99円 | 自宅 80%・外出先 20% | 約5.53円 | 約5.84円 | 約6.31円 | 約6.67円 |
| 外出先 会員 99円 | 自宅 50%・外出先 50% | 約8.06円 | 約8.52円 | 約8.55円 | 約9.03円 |
| 外出先 ビジター 154円 | 自宅 100%・外出先 0% | 約3.84円 | 約4.06円 | 約4.82円 | 約5.09円 |
| 外出先 ビジター 154円 | 自宅 90%・外出先 10% | 約5.37円 | 約5.67円 | 約6.25円 | 約6.60円 |
| 外出先 ビジター 154円 | 自宅 80%・外出先 20% | 約6.89円 | 約7.28円 | 約7.68円 | 約8.11円 |
| 外出先 ビジター 154円 | 自宅 50%・外出先 50% | 約11.47円 | 約12.12円 | 約11.96円 | 約12.63円 |
この計算から言えることを整理します(いずれも仮定の割合での計算です)。外出先が会員価格の99円/kWhの場合、サクラ(自宅31円)は自宅90%で約4.7円となり、ハイブリッド(約4.7円)とほぼ同じです。自宅50%でも約8.1円で、ガソリン車(約8.4円)をわずかに下回ります。ただしリーフ(自宅31円)は自宅50%で約8.5円、自宅の単価が38.87円の場合はサクラ約8.55円・リーフ約9.03円で、ガソリン車とほぼ並ぶか、上回ります。外出先がビジター価格の154円/kWhの場合は、サクラ(自宅31円)でも自宅50%で約11.5円となり、ガソリン車を上回ります(自宅80%なら約6.9円で、ガソリン車より低い)。
自宅で充電できる割合が高いほど1kmのコストは下がり、外出先の急速充電の割合が増えると上がります。自宅に充電設備を置けるかどうかが、EVの1kmあたりのコストを大きく左右します。ただし、外出先の単価と割合しだいで結果は大きく変わります。「急速充電を使うとガソリン車より高くなりうる」ことと、「急速充電の割合が小さければガソリン車を下回りうる」ことの両方が、公表された単価から計算できます。集合住宅での充電はマンションでEVを充電する方法の記事も参考にしてください。ハイブリッドやガソリン車は、この割合の影響を受けません。
購入価格の差を、燃料費の差で取り戻す距離
ヤリスは同じグレード・同じ1.5Lのガソリン車(CVT)とハイブリッドがあり、公式のメーカー希望小売価格(税込、2026年10月24日確認)も並んでいるため、差額を燃料費の差で取り戻す距離を計算できます。燃料費だけの比較で、税金・保険・整備・売却価格は含みません。

| グレード | ハイブリッドの価格(税込) | ガソリン車の価格(税込) | 差額 | 1kmあたりの燃料費の差 | 取り戻す距離 |
|---|---|---|---|---|---|
| X(2WD) | 2,249,500円(36.0km/L) | 1,848,000円(20.3km/L) | 401,500円 | 約3.66円 | 約11.0万km |
| Z(2WD) | 2,669,700円(35.4km/L) | 2,301,200円(20.3km/L) | 368,500円 | 約3.58円 | 約10.3万km |
ガソリン価格が違った場合の計算例も示します(150円・200円は仮定の計算で、価格の予想ではありません)。
| ガソリン価格 | ガソリン車 1km | ハイブリッド 1km | 差 | Xの取り戻す距離 |
|---|---|---|---|---|
| 150.0円/L | 約7.39円 | 約4.17円 | 約3.22円 | 約12.5万km |
| 170.2円/L | 約8.38円 | 約4.73円 | 約3.66円 | 約11.0万km |
| 200.0円/L | 約9.85円 | 約5.56円 | 約4.30円 | 約9.3万km |
年1万km走る場合、Xなら約11年分の走行距離に相当します。走行距離が少ない人ほど、燃料費の差だけで取り戻すには長い年数がかかる、という見方もできます。実際の買い替えの判断では、ガソリン車からハイブリッド・EVへの乗り換えタイミングの記事のように、保有期間や売却価格も合わせて考える必要があります。
燃料費以外の年間コスト:自動車税の区分の例
燃料費のほかに、自動車税(種別割)も車種で違います。東京都主税局の税率表(自家用乗用車・令和元年10月1日以後の初回新規登録)では、1.0L超1.5L以下は年額30,500円、電気自動車は25,000円です。軽自動車は市区町村の軽自動車税で、総務省の標準税率は10,800円です(平成27年4月1日以後に最初の新規検査を受けた四輪以上の自家用乗用)。ヤリスの1.5Lのガソリン車とハイブリッドは同じ区分なので、この差は出ません。
| 区分 | 年額(標準) | 該当する例 |
|---|---|---|
| 普通車 1.0L超〜1.5L以下(ガソリン・ハイブリッド) | 30,500円 | ヤリス X(1.490L) |
| 電気自動車(普通車) | 25,000円 | リーフ B5 X |
| 軽自動車(自家用乗用・四輪) | 10,800円 | サクラ |
エコカー減税・グリーン化特例などの優遇、重量税、保険料、整備費用、バッテリー関連の費用は、この記事の計算に含めていません。税額は都道府県・市区町村の公表で確認してください。
EVの補助金(CEV補助金):2027年1月以降は額が下がる見直し
EVの購入には国のCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)があります。次世代自動車振興センターの補助対象車両一覧(令和8年10月21日現在)では、令和9年(2027年)1月1日以降に登録する車は、令和8年4月1日〜12月31日に登録する車より額が下がっています。経済産業省が2026年10月21日に補助額の見直しを発表し、同センターも交付規程などを同日付で改定しました。見直しは「本事業が令和9年1月以降も継続する場合」の額で、今後も見直される可能性があります。
| 車 | 令和8年4月1日〜12月31日登録分 | 令和9年1月1日以降登録分 |
|---|---|---|
| 日産 サクラ(S・X・G) | 58万円 | 45.8万円 |
| 日産 リーフ B5 X | 129万円 | 77.4万円 |
自家用車両の処分制限期間(補助金を受けた車を手放す際の制限)は4年と記載されています。申請受付の終了見込み時期は、センターが2026年10月9日に「令和8年12月上旬〜12月下旬目処」と公表し、今後の申請状況により前後する可能性があるとしています。補助対象となる初度登録(届出)期間は令和9年2月1日まで、交付申請書の受付期間は令和9年2月12日まで(必着)で、予算額に達した場合はそれより前に受付が終了します。最新の状況は次世代自動車振興センターの公式サイトで確認してください。
よくある思い込みを、公式の数字で確かめる
| よくある言い方 | 確認した結果 |
|---|---|
| EVは必ずガソリン代より安い | 自宅充電の条件では、この記事の計算でガソリン車の約8.4円に対しEVは約3.8〜5.1円。ただし外出先の急速充電の公表例(99〜154円/kWh)だけで走ると約12〜20円(サクラ約12.3円〜リーフ約20.2円)になる計算で、充電する場所しだい |
| ハイブリッドはEVより必ず高い | 電気が31円/kWhならEVが安いが、東京電力の第3段階(38.87円/kWh)の例ではサクラ約4.8円・リーフ約5.1円でハイブリッド(約4.7円)と並ぶ・超える。電気の単価しだい |
| EVのカタログ電費は充電のロスを含まない | 日本のカタログの電費は交流電力量消費率で、充電効率まで含む(JARIの資料) |
| 電気代はどこでも同じ | 契約・プラン・使用量の段階・燃料費調整・賦課金・国の支援の有無で変わる。単価は検針票や料金表で確認 |
| 燃費・電費はカタログどおり | メーカーは使用環境や運転方法で異なると明記している。この記事の数字は公式値をもとにした目安 |
ガソリン価格・電気料金・補助金は時期によって変わるため、比較の数字を見るときは、調査日・公表日・確認日を確かめることが大切です。この記事の元になる数字は、公式の資料で2026年10月に確認し直しました(1kmあたりなどは自分で計算した概算です)。
4. よくある質問
まとめ
1kmあたりのコストは、ガソリン車・ハイブリッドが「ガソリンの値段÷燃費」、EVが「電費×電気の単価」で計算できます。EVのカタログの電費は充電のロスを含む数字です。2026年10月の条件では、ヤリスXのガソリン車が約8.4円、ハイブリッドが約4.7円、EVは電気の単価しだいで約3.8〜5.1円でした。
ただし、電気の単価、走り方(高速道路ではEVとハイブリッドの差が縮まる)、充電する場所(外出先の急速充電は単価が別)、購入価格の差(ヤリスXのハイブリッドは約11万kmで差額を取り戻す計算)によって結果は変わります。ご自身の検針票の単価と走る距離を、この記事の式に入れて計算してみてください。補助金の額は2027年1月以降に見直しで下がる予定で、今後も変わる可能性があるため、購入時は公式の最新情報を確認しましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。確認日は2026年10月24日で、ガソリン価格・電気料金・燃料費調整単価・補助金・車両価格は変更されることがあります。1kmあたりのコスト・逆転ライン・取り戻す距離・年間金額などは、公式の数値と公表単価をもとに自分で計算した概算で、実際の燃費・電費は使い方・季節・走行環境で変わります。将来の価格を予測するものではありません。個別の判断は、メーカー・販売店・電力会社・次世代自動車振興センターなどの公式情報でご確認ください。
参考(一次情報・公式): 資源エネルギー庁 石油製品価格調査(2026年10月21日公表・調査日10月19日)/全国家庭電気製品公正取引協議会 よくあるご質問(Q7 目安単価)/東京電力エナジーパートナー スタンダードプラン(関東)/東京電力 従量電灯B・Cの料金(電化上手のページ内の比較表)/東京電力 燃料費調整のお知らせ(2026年10月分)/東京電力 再エネ賦課金単価の確定について/東京電力 電気・ガス料金支援の実施について(2026年6月2日)/トヨタ ヤリス 価格・グレード/トヨタ ヤリス 主要諸元表(2026年4月版)/日産 サクラ 主要諸元(2026年6月版)/日産 リーフ 主要諸元(2026年9月版)/日本自動車研究所 JARI Research Journal「バッテリ式電気自動車の電費性能について」/ENEOS ENEOS Charge Plus ハイパワー充電器における「kWh課金」の価格について(2026年3月27日)/ENEOS ENEOS Charge Plus kWh課金の実証運用の開始(2026年1月21日)/資源エネルギー庁 エネルギー価格の支援について(燃料油の緊急的激変緩和措置)/資源エネルギー庁 エネこれ「中東情勢を踏まえた燃料油の緊急的激変緩和措置」/経済産業省・国土交通省・日本自動車工業会 燃費の表示内容が変わります!(WLTCモード)/国土交通省 乗用車等の燃費表示に走行環境毎の燃費表示が加わります!(2017年7月4日)/次世代自動車振興センター 補助対象車両一覧(令和8年10月21日現在)/次世代自動車振興センター お知らせ(令和9年1月1日以降登録分の補助額)/経済産業省 CEV補助金 補助額の見直しについて(2026年10月21日)/次世代自動車振興センター 申請受付終了見込み時期について(2026年10月9日)/次世代自動車振興センター 登録期間と受付期間の最終期限について(2026年10月9日)/東京都主税局 自動車税(種別割)/総務省 軽自動車税の税率
図はすべて自作のイラスト・図表です(AI生成なし)。

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