※この記事で紹介している動画は、2026年11月21日(土)19:00に公開予定です。公開までは、記事の中の動画は再生できません。公開後に再生できるようになります。
※確認日は2026年10月27日です。法令の改正は11月11日までの分を確認した内容で、公開日は11月21日のため、その後に施行された改正は確認していません。条文・教則・点数・反則金は改正されることがあるため、最新の条文や警察の案内でご確認ください。
歌いながら話す動画『停車と駐車の違いは?荷物の積卸し5分・人の乗降・徐行の速度と、駐停車禁止・駐車禁止の場所を道路交通法の条文と教則で確認【2026年11月】』の解説記事です。動画で話した内容の出どころを、道路交通法(2026年7月21日施行の版)と同施行令(2026年9月1日の版)の現行の条文、警察庁の「交通の方法に関する教則」(2024年11月13日付)、警視庁の公開ページで確認し直し、動画で触れきれなかった補足と、動画とは別の切り口(場面ごとの条文の当てはめ・数字の仕分け・思い込みの検証・第44条と第45条の比較)を加えました。
バス停の標示柱の10メートルや、パーキングメーターの使い方、違法駐車のレッカー移動は、先に公開しているバス停のポール前後10mは停車も駐車も禁止?、パーキングメーターの60分は延長できる?、違法駐車のレッカー移動、費用は誰が負担?をご覧ください。この記事は、そこでは扱いきれなかった『停車と駐車の言葉の定義』『徐行の速度』『第44条と第45条の全体の比べ方』に絞っています。
📋 この記事の要点
✔ 「駐車」は第2条第1項第18号に二つの形で書かれている。5分と人の乗降の除外が書かれているのは、一つ目の形(継続的に停止すること)のかっこ書き。二つ目の形(停止して、運転者が車を離れて直ちに運転することができない状態にあること)には、5分の除外の書き方は見当たらなかった。停車は、第19号で「車両等が停止することで駐車以外のもの」。教則は、人の乗り降りや5分以内の荷物の積卸しのための停止は駐車にならない、と書いている。
✔ 徐行は「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行すること」(第2条第1項第20号)。読んだ条文・施行令・教則に、キロメートルなどの速度の数字は見当たらなかった(ほかの資料は調べていない)。徐行すべき場所は第42条(標識で指定された場所、左右の見とおしがきかない交差点、道路のまがりかど付近、上り坂の頂上付近、勾配の急な下り坂)。
✔ 第44条は停車も駐車も禁止。交差点・横断歩道・自転車横断帯・踏切・軌道敷内・坂の頂上付近・勾配の急な坂・トンネルそのものに加えて、5メートル以内(交差点の側端・道路の曲がり角、横断歩道と自転車横断帯の前後の側端)と10メートル以内(安全地帯の左側とその前後の側端、踏切の前後の側端、停留所の標示柱・標示板の位置。その停留所に係る運行系統のバスなどの運行時間中に限る)。法令の規定や警察官の命令による場合と、危険を防止するため一時停止する場合は除かれる(ほかに、第2項と、標識等により認められた部分(第46条)でも別になる)。
✔ 第45条は駐車を禁止。止め方の決まり(第47条)や標識・標示の指定は、第45条の場所でも別に適用される。3メートル以内(自動車用の出入口)、5メートル以内(道路工事の区域の側端、消防用機械器具の置場など、消火栓など)、1メートル以内(火災報知機)。第1項にはただし書きがあり、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは適用されない。第44条の条文には、この許可の書き方は見当たらなかった。第2項は、駐車したとき車の右側の道路上に3.5メートル以上の余地がなくなる場所での駐車を禁じる(貨物の積卸しなどの除外がある)。
✔ 標識は、赤いバツが駐停車禁止(第44条の場所)、赤い斜めの線が駐車禁止(教則 付表3)。標識や標示で決まる場所もある。違反したときの反則金・点数は記事の2-6(普通車。2026年10月27日確認)。
▶ YouTubeで見る(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
📑 目次
1. 動画の内容(要約):停車と駐車・徐行・第44条・第45条
2. 動画で触れきれなかった補足:条文の原文・教則・標識と標示・反則金と点数
1. 動画の内容(要約)
動画は、かーぎーくんの質問に解説役が答える『リズムトーク』と、章の頭・まとめの歌でできています。歌の歌詞には数字や条件を入れず(『停車と駐車 何が違うの?』『言葉の意味は 条文に書いてある』『確かめよう!』『周りを見てから 確かめて止めよう』など。画面の字幕は漢字交じり)、距離や条件は語りと画面の表で示しています。

| 章 | 開始 | 内容 | 主な出どころ |
|---|---|---|---|
| イントロ | 00:00 | 歌のフックと、4つのポイント(停車と駐車・徐行・第44条・第45条) | (各章の出どころ) |
| 停車と駐車の違い | 00:27 | 第2条第1項第18号・第19号。駐車の二つの形、停車は駐車以外の停止。5分の除外がつく形。教則の言い方 | 道路交通法 第2条、教則 第5章第8節 |
| 徐行 | 01:54 | 第2条第1項第20号と教則の定義。速度の数字は見当たらなかった。徐行すべき場所(第42条)と、左折の徐行(第34条) | 道路交通法 第2条・第34条・第42条、教則 第5章第4節 |
| 停車も駐車も禁止の場所(第44条) | 03:07 | 場所そのもの、5メートル以内、10メートル以内、除かれる場合 | 道路交通法 第44条、教則 第5章第8節 |
| 駐車だけ禁止の場所(第45条) | 04:22 | 3メートル・5メートル・1メートル以内、ただし書き(警察署長の許可)、第46条、右側の余地3.5メートル | 道路交通法 第45条・第46条、教則 第5章第8節 |
| 第44条と第45条の違い | 06:10 | 禁止の内容、標識(赤いバツ・赤い斜めの線)、同じ5メートルでも対象が違うこと | 教則 付表3 |
| まとめ | 06:40 | 4つの確認と、止める前の一言 | (上記) |
2. 動画で触れきれなかった補足
2-1. 第2条第1項の定義(駐車・停車・徐行)の原文
条文の原文は次のとおりです(e-Gov法令検索で取得。施行日2026年7月21日の版。二つ目の形に出てくる定義語の「」は、ここでは『』に直しました)。
📜 道路交通法 第2条第1項第18号(駐車)
「車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止(特定自動運行中の停止を除く。)をし、かつ、当該車両等の運転をする者(以下『運転者』という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。」
📜 同 第19号(停車)
「車両等が停止することで駐車以外のものをいう。」
📜 同 第20号(徐行)
「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。」
第18号は、『A(…を除く。)、又はB』の形です。5分と人の乗降の除外のかっこは、Aの直後(「継続的に停止すること」のすぐ後)にあります。Bには、「特定自動運行中の停止を除く」というかっこはありますが、5分や人の乗降の除外の書き方は、読んだ条文には見当たりませんでした。この記事と動画は、『書かれている範囲』だけを言い、AとBの合わせ方(5分以内の積卸しで運転者が車を離れた場合の扱い)は断定しません。

警視庁の駐車監視員のページ(更新日2021年3月31日)には、「短時間の駐車でも」という節があり、次のように書かれています(違法駐車・放置の説明です)。
📜 警視庁「東京都内全域で駐車監視員が活動中!!」
「駐車時間の長短にかかわらず、違法駐車と認められ、運転者がその車両を離れて直ちに運転することができない場合は、放置車両確認標章の取付け対象となります。」
このページは5分以内の積卸しの扱いを直接は書いていません。迷う場面は、管轄の警察署などで確認してください。
| 場所 | 教則の記載(2024年11月13日付PDF) |
|---|---|
| 第5章 第8節 1 駐車と停車の意味(p.57) | 「駐車とは、車が継続的に停止することや運転者が車から離れていてすぐに運転できない状態で停止することをいいます。」 |
| 同(p.57) | 「人の乗り降りや、5分以内の荷物の積卸しのための停止の場合は駐車になりません。」 「停車とは、駐車にあたらない短時間の車の停止をいいます。」 |
| ひとこと | 教則の停車の説明には「短時間」の語がありますが、条文(第19号)は「駐車以外のもの」で、時間の長さは書かれていません。 |
2-2. 徐行すべき場所(第42条)と、速度の数字
📜 道路交通法 第42条第1項(徐行すべき場所)
「車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。」
第1号 「左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。」
第2号 「道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾配の急な下り坂を通行するとき。」
教則(第5章第4節、p.51)も、次の場所では徐行しなければならないと書き、徐行を「車がすぐ停止できるような速度で進むこと」と説明しています。場所は、「徐行」の標識があるところ、左右の見通しがきかない交差点(信号機などによる交通整理が行われている場合や優先道路を通行している場合を除く)、道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近やこう配の急な下り坂、の4つです。
徐行が出てくる条文は第42条だけではありません。例えば第34条第1項は、左折するときの方法として、「できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない」と書いています。
| 資料 | 確認した範囲 | 速度の数字(キロメートル・時速) |
|---|---|---|
| 道路交通法(2026年7月21日施行の版) | 本文355条のうち、「徐行」の語がある17条(第2条・第9条・第17条の2・第18条・第25条・第31条・第32条・第34条・第35条の2・第36条・第37条の2・第39条・第42条・第53条・第63条の4・第71条・第119条) | どの条にも見当たらなかった |
| 同施行令(2026年9月1日の版) | 「徐行」の語がある2条(第21条・第37条の6の4)。別表第六にも反則行為の名前として出る | 見当たらなかった |
| 教則(2024年11月13日付) | 「徐行」の語35か所の前後120字 | 見当たらなかった |
『徐行は時速○キロ以下と決まっている』と言えるかを確かめましたが、読んだ条文・施行令・教則には、そうした数字は見当たりませんでした。数字を書いた資料があるかどうか(学科の教本や判例など)は確認していないので、『数字は存在しない』とは言いません。この記事と動画は、『読んだ公的資料に数字は見当たらなかった』と書くにとどめます。
2-3. 第44条(停車及び駐車を禁止する場所)の原文
📜 道路交通法 第44条第1項(柱書)
「車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。」
| 号 | 場所(原文) |
|---|---|
| 第1号 | 「交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル」 |
| 第2号 | 「交差点の側端又は道路の曲がり角から五メートル以内の部分」 |
| 第3号 | 「横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分」 |
| 第4号 | 「安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分」 |
| 第5号 | 「乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)」 |
| 第6号 | 「踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分」 |

第44条第2項には、第1項を適用しない場合があります。乗合自動車(路線バスなど)が、運行系統に係る停留所で乗客の乗降のため停車するとき、または運行時間を調整するため駐車するときなどで、旅客運送用の自動車(乗合自動車を除く)にも、公示された停留所に限る例外があります。バス停まわりの細かい決まりは、バス停のポール前後10mの記事で整理しています。
教則(第5章第8節、p.58)も、駐車も停車もしてはいけない場所を並べ、「ただし、赤信号や危険防止のために一時停止する場合などは別です。」と書いています。
2-4. 第45条(駐車を禁止する場所)・第46条・第47条の原文
📜 道路交通法 第45条第1項
「車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。」
| 号 | 場所(原文または大意) |
|---|---|
| 第1号 | 「人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分」 |
| 第2号 | 「道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分」 |
| 第3号(大意) | 消防用機械器具の置場、消防用防火水槽の側端、またはこれらの道路に接する出入口から5メートル以内の部分 |
| 第4号(大意) | 消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置、または消防用防火水槽の吸水口・吸管投入孔から5メートル以内の部分 |
| 第5号 | 「火災報知機から一メートル以内の部分」 |
📜 同 第2項・第3項
「車両は、第四十七条第二項又は第三項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に三・五メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場所においては、駐車してはならない。ただし、貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき、若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき、又は傷病者の救護のためやむを得ないときは、この限りでない。」
「公安委員会が交通がひんぱんでないと認めて指定した区域においては、前項本文の規定は、適用しない。」

📜 道路交通法 第46条(停車又は駐車を禁止する場所の特例)
「前条第一項に規定するもののほか、車両は、第四十四条第一項又は第四十五条第一項の規定による停車及び駐車を禁止する道路の部分又は駐車を禁止する道路の部分の一部について、道路標識等により停車又は駐車をすることができることとされているときは、これらの規定にかかわらず、停車し、又は駐車することができる。」
第47条は、停車や駐車の方法の決まりです。「車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」(第1項)、「車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」(第2項)。第45条第2項の「3.5メートル」は、この第47条第2項または第3項の規定により駐車する場合の話です。第48条は、標識等により停車または駐車の方法が指定されているときは、その方法によると定めています。
第45条第1項は「駐車してはならない」と書き、停車を禁じる文は、第45条にはありません。ただし、第44条の場所・標識や標示の指定・第47条などの別の決まりは、それぞれ別に適用されます。
2-5. 標識と標示(教則 付表3)
| 種類 | 教則の表の記載 | 自作の絵で描いたこと |
|---|---|---|
| 標識 17 駐停車禁止 | 車の駐停車の禁止。斜めの帯とわくは赤、文字と縁は白、地は青(付表3(1) p.99) | 青地に赤いバツ |
| 標識 18 駐車禁止 | 車の駐車の禁止。色は上に同じ(付表3(1) p.99) | 青地に赤い斜めの線(左上から右下) |
| 標示 4 駐停車禁止 | 車の停車と駐車の禁止(付表3(2) p.128) | (動画・記事では絵にしていません) |
| 標示 5 駐車禁止 | 車の駐車の禁止(付表3(2) p.128) | (同上) |
標識の絵は、教則のPDFの図を見て自作したもので、標識令(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令)の原文は取得していません。寸法・色の正確な定めは、公的な資料で確認してください。
2-6. 違反したときの反則金・点数・罰金(普通車)
反則金は道路交通法施行令の別表第六(2026年9月1日の版)、点数は別表第二と警視庁の点数一覧(更新日2026年4月1日)で確認しました。警視庁の反則金一覧(更新日2026年4月1日)の表とも一致しています。金額は、普通車で、高齢運転者等専用場所等以外の場合です。
| 区分(施行令の名称) | 反則金 | 基礎点数 | どんな場合か |
|---|---|---|---|
| 駐停車違反(駐停車禁止場所等) | 12,000円 | 2点 | 第44条第1項などの違反となる行為で、運転者が車を離れて直ちに運転できない状態にする行為に当たらないもの |
| 放置駐車違反(駐停車禁止場所等) | 18,000円 | 3点 | 同じ違反で、運転者が車を離れて直ちに運転できない状態にする行為(放置行為)に当たるもの |
| 駐停車違反(駐車禁止場所等) | 10,000円 | 1点 | 第45条第1項・第2項、第47条、第48条などの違反となる行為で、放置行為に当たらないもの(施行令 別表第二の備考。放置行為に当たるものは、第47条第2項・第3項が定義に挙がる) |
| 放置駐車違反(駐車禁止場所等) | 15,000円 | 2点 | 同じ違反で、放置行為に当たるもの |
| (参考)徐行場所違反 | 7,000円 | 2点 | 第42条の違反となる行為 |
法律上の罰金の上限は、第44条第1項・第45条第1項若しくは第2項などの違反となるような行為をした者が、第119条の3第1項第1号で10万円以下です。そのうち、車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為に当たるときなどは、第119条の2の4第1項第1号で15万円以下です。反則金の制度は、免許を受けていない者・酒酔い等・交通事故を起こした者・16歳未満の者などには当てはまりません(第125条第2項)。大型車や二輪車・原付等の金額、高齢運転者等専用場所等の金額は別に定められています(別表第六)。放置違反金は、警視庁のページによれば反則金と同額です。違反の扱いの流れは、違法駐車のレッカー移動の記事も参考にしてください。
3. 違った観点から整理する
動画は、条文の順に確かめました。ここでは、見方を変えて、(1)場面ごとに、条文のどの言葉を見ればよいか、(2)数字は何の距離か、(3)よくある思い込みは条文でどうなるか、(4)第44条と第45条をどう並べて比べるか、を整理します。場面の読み方は、条文の言葉を当てはめたもので、個別の判断は警察署などの公的な案内で確認してください。
3-1. 場面ごとに、条文のどの言葉を見るか
| 場面 | 条文の言葉で読むと | 確認が必要なこと |
|---|---|---|
| 信号待ちで止まっている(運転者は車内) | 継続的な停止でも、運転者が離れた状態でもない短い停止なので、駐車以外の停止=停車の側(第2条第1項第19号。教則の言い方も同じ) | 交差点などの第44条の場所でも、教則は「赤信号や危険防止のために一時停止する場合などは別」と書く。そのほかの場面は、条文だけでは決められない |
| 家族を降ろすため、運転者は車内で短く止まる | 人の乗降のための停止は駐車から除かれる(第18号)ので、停車の側 | 第44条の場所(横断歩道の前後5メートルなど)では、停車も禁止。第45条の場所(消火栓の5メートル以内など)は、条文の言葉の上では「駐車」の禁止なので、駐車にあたらない停止はこの条の対象にならない。標識・標示の指定があれば別 |
| 荷物を降ろすため、運転者が車のそばにいて5分以内 | 貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のものは、一つ目の形から除かれる(第18号)。運転者が直ちに運転できる状態なら、二つ目の形にも当たらないと読める | 運転者が車を離れて直ちに運転できない状態になれば二つ目の形(5分の除外の書き方は見当たらない)。どちらに当たるかは場面ごと。迷うときは警察署などで確認 |
| コンビニで買い物をする(運転者が車を離れる) | 運転者が車を離れて直ちに運転できない状態での停止は、二つ目の形に当たる、と読める=駐車 | 第44条・第45条の場所なら禁止の対象。警視庁のページは、違法駐車と認められ運転者が離れて直ちに運転できない場合は、駐車時間の長短にかかわらず放置車両確認標章の取付け対象、と書く |
| 客を待って止まっている | 「客待ち」は一つ目の形に挙がっている理由(継続的に停止)なので、駐車 | 旅客運送用の自動車などの例外は第44条第2項(公示された停留所に限る等) |
| 駐車場の出入口のすぐ前に止める | 第45条第1項第1号(自動車用の出入口から3メートル以内)の対象になりうる場所 | 禁止されるのは駐車。警察署長の許可(ただし書き)や標識による特例は別 |
| 交差点の角のすぐ近くに止める | 第44条第1項第2号(交差点の側端・道路の曲がり角から5メートル以内)の対象になりうる場所 | 停車も禁止。測る起点は「側端」(端) |
3-2. 数字の仕分け:何の距離か、どこから測るか
| 数字 | 何の数字か | 条文 | 起点・条件 |
|---|---|---|---|
| 5分 | 貨物の積卸しのための停止の時間(駐車から除かれる範囲) | 第2条第1項第18号 | 「五分を超えない時間内のもの」。一つ目の形のかっこ書き |
| 5メートル | 停車も駐車も禁止 | 第44条第1項第2号・第3号 | 交差点の側端、道路の曲がり角、横断歩道・自転車横断帯の前後の側端 |
| 10メートル | 停車も駐車も禁止 | 第44条第1項第4号〜第6号 | 安全地帯の左側部分の前後の側端、踏切の前後の側端、停留所の標示柱・標示板の位置(その停留所に係る運行系統のバスなどの運行時間中に限る) |
| 3メートル | 駐車禁止 | 第45条第1項第1号 | 道路外の施設や場所の、道路に接する自動車用の出入口 |
| 5メートル | 駐車禁止 | 第45条第1項第2号〜第4号 | 道路工事の区域の側端、消防用機械器具の置場などの側端・出入口、消火栓・指定消防水利の標識の位置・防火水槽の吸水口など |
| 1メートル | 駐車禁止 | 第45条第1項第5号 | 火災報知機 |
| 3.5メートル | 車の右側に必要な余地 | 第45条第2項 | 駐車した車の右側の道路上(標識などで距離が指定されているときはその距離) |
3-3. よくある思い込みの検証
| 思い込み | 条文・教則で確認できたこと | 根拠 |
|---|---|---|
| 『5分までなら停車でいい』 | 足りない。5分の除外が書かれているのは、一つ目の形(継続的に停止すること)のかっこ書き。運転者が車を離れて直ちに運転できない状態の二つ目の形には、5分の除外の書き方は見当たらない | 第2条第1項第18号 |
| 『徐行は時速○キロ以下と決まっている』 | 読んだ条文・施行令・教則に、速度の数字は見当たらない。定義は「直ちに停止することができるような速度」。数字を書いた資料があるかは未確認 | 第2条第1項第20号、教則 p.51 |
| 『駐車禁止の場所は、止まること自体が禁止』 | 第45条第1項は「駐車してはならない」と書く。停車を禁じる文は第45条にはない(標識・第44条・第47条など別の決まりは別に適用) | 第45条第1項 |
| 『駐車禁止の場所は例外なし』 | 第45条第1項ただし書き(公安委員会の定めるところにより警察署長の許可)と、第46条(標識等により停車・駐車できるとされた部分)がある | 第45条、第46条、教則 p.58〜59 |
| 『第44条の場所でも、警察署長の許可で停められる』 | 第44条の条文には、警察署長の許可の書き方は見当たらない(第45条第1項のただし書きにはある)。第44条は、法令の規定・警察官の命令・危険防止の一時停止を除く | 第44条第1項柱書 |
| 『5メートルや10メートルは、どれも同じ場所から測る』 | 起点は号ごとに違う(側端・曲がり角・標示柱の位置・出入口・火災報知機など) | 第44条、第45条 |
| 『教則の「短時間」は条文にも書いてある』 | 条文の停車(第19号)は「駐車以外のもの」で、時間の長さは書かれていない。「短時間」は教則の説明の語 | 第2条第1項第19号、教則 p.57 |
3-4. 第44条と第45条を並べて比べる

同じ5メートルでも、交差点の側端や横断歩道の前後は第44条(停車も駐車も禁止)、道路工事の区域や消火栓は第45条(駐車の禁止)です。距離の数字だけ覚えるより、『どの場所の、どこからの距離か』と『停車も禁止か、駐車だけか』を、条文で一緒に確かめるのが確実です。
4. よくある質問
5. あわせて読みたい・まとめ・出典
あわせて読みたい
- バス停のポール前後10mは停車も駐車も禁止?バスの発進を妨げる違反と反則金・点数を条文で解説(第44条第1項第5号と第2項、乗合自動車発進妨害)
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まとめ
①停車と駐車:駐車は、継続的な停止か、運転者が車を離れて直ちに運転できない状態。停車は、それ以外の停止(第2条第1項第18号・第19号)。5分の除外も人の乗降の除外も、書かれているのは一つ目の形のかっこ書き。②徐行は『直ちに停止することができるような速度』で、読んだ資料に速度の数字は見当たらなかった(ほかの資料は調べていない)。③第44条は停車も駐車も禁止。④第45条は駐車の禁止。距離の数字は、号ごとに起点と対象が違う。標識や標示、止め方の決まり(第47条)でも決まるので、止める前に周りを見て確かめてください。
免責・出典
- 道路交通法(e-Gov法令検索・施行日2026年7月21日の版)
- 道路交通法施行令(e-Gov法令検索・2026年9月1日の版)
- 警察庁「交通の方法に関する教則」(PDF・2024年11月13日付)(警察庁『交通安全のための情報』が現行の教則としてリンクしているもの)
- 警視庁 交通違反の点数一覧表(更新日2026年4月1日)
- 警視庁 反則行為の種類及び反則金一覧表(更新日2026年4月1日)
- 警視庁 東京都内全域で駐車監視員が活動中!!(更新日2021年3月31日)
確認できなかったこと:徐行の速度を数字で書いた資料の有無/5分以内の積卸しで運転者が車を離れた場合の行政解釈・裁判例/警察署長の許可の具体的な手続き/標識令の原文・標識の寸法と色/第47条第3項の路側帯の細目・時間制限駐車区間・高速道路等の規定(この記事の範囲外)。


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