道路の黄色い線の意味は?追越し禁止・進路変更禁止・中央線変移の違いを条文で解説

センターラインの種類(白の破線・白の実線・黄色の実線)の見分け

道路の真ん中に引かれた黄色い線。「黄色い線を越えて追い越してはいけない」ことは知っていても、「追越し禁止」の標識とは何が違うのか、車線のあいだの黄色い線は何を意味するのか、時間によって動く中央線では何に従えばよいのか、と聞かれると、迷う方は多いのではないでしょうか。

この記事では、道路交通法の現行条文(e-Gov法令検索)、道路標識・区画線・道路標示に関する命令(標識令)、道路交通法施行令の別表、警視庁の違反点数表と、JAF・沖縄県警察の公開情報をもとに、黄色い線の3つの意味を整理します。YouTubeで反応のよかったショート動画を、条文と数字つきで詳しく解説した長尺動画の内容を、記事にまとめたものです。

📋 この記事の要点

✔ センターラインの黄色の実線は、「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」を表す道路標示(標識令では色彩が黄)。禁止されるのは右側にはみ出しての追越し

✔ 「追越し禁止」(標識・道路交通法第30条)は、追越しそのものの禁止。はみ出すかどうかは関係しない

✔ 車線のあいだの黄色の実線は「進路変更禁止」(第26条の2第3項)。黄色の実線と白の破線が並ぶ場合は、白の破線側からなら変更できる(JAF)

✔ 違反点数・反則金(普通車): 通行区分違反2点・9,000円/追越し違反2点・9,000円/進路変更禁止違反1点・6,000円

✔ 時間帯で中央線の位置が動く「中央線変移」では、その時間帯の中央線が道路の中央になる(第17条第4項)。標識と発光鋲などで示される

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この記事の内容を、かーぎーくんが図と条文を示しながら約6分で解説した動画です。詳しい条件や例外は、このあと記事で確認できます。

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1. センターラインの黄色い実線=はみ出しての追越し禁止

センターラインの種類(白の破線・白の実線・黄色の実線)の見分け
図:センターラインの3種類の見分け(自作イラスト。実際の形や色味は道路によって異なります)

道路の中央に引かれた黄色の実線は、標識令の規制標示では「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」と呼ばれ、色彩は黄と定められています。第17条第5項第4号のかっこ書は、この標示などで追越しのための右側部分はみ出しが禁止されている場合を、はみ出し追越しの例外から除いています。この標示は、車両が追越しのために道路の右側部分にはみ出して通行することを禁止します。

根拠:道路交通法第17条

第17条第4項は、車両は道路の中央から左の部分(左側部分)を通行しなければならないと定めています。このとき、道路標識等による中央線が設けられているときは、その中央線の設けられた道路の部分が「中央」になります。

例外として、第5項は右側部分にはみ出して通行できる場合を並べています。その第4号が、追越しに関する次の規定です。

📜 道路交通法 第17条第5項第4号(条文の引用)

当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)

つまり、幅が6メートルに満たない道路で見通しがよく、対向車を妨げるおそれがなくても、黄色の実線のあるところでは、追越しのためのはみ出しはできません。

📊 センターラインの3種類(JAFの解説より)

線の種類 はみ出し通行 意味
白の破線 必要なときは追越しを含め可能 はみ出しが認められている場所
白の実線 原則として不可 右側にはみ出して通行できない場所。JAFによると、左側部分の幅が6m以上の道路、または道路交通法第30条の追越し禁止場所に引かれる
黄色の実線 追越しのためのはみ出しは禁止 追越しに限った禁止(標識令の「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」)
追越しではないはみ出しは? JAFは、工事や駐車している車を避けるために右側にはみ出す行為は「追越し」ではないため、黄色の実線でも、ウインカーを出してはみ出して通行できると解説しています(反対方向からの交通を妨げないよう、安全の確認は当然に必要です)。道路工事などの障害のため左側部分を通行できないときは、第17条第5項第3号にも規定があります。
追越しと、駐車車両を避けるためのはみ出しの違い
図:追越しのためのはみ出し(禁止)と、駐車車両を避けるためのはみ出し(追越しではない)の違い(自作イラスト)

2. 「追越し禁止」との違い

黄色の実線とよく混同されるのが、標識の「追越し禁止」です。両者は禁止している範囲が違います。

📜 道路交通法 第30条(追越しを禁止する場所。条文の要約)

車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分、および道路の曲がり角付近・上り坂の頂上付近・勾配の急な下り坂、トンネル(車両通行帯のない道路)、交差点・踏切・横断歩道または自転車横断帯とその手前30メートル以内の部分では、他の車両を追い越すため、進路を変更し、または前車の側方を通過してはならない。

黄色の実線(センターライン) 追越し禁止(標識・第30条)
禁止される行為 追越しのために右側部分にはみ出して通行すること 追越しそのもの(進路を変えて前の車の側方を通過し、前に出ること)
はみ出しの有無 右側にはみ出さなければ、この標示だけでは禁止されない はみ出すかどうかは関係しない
根拠 道路交通法第17条第5項第4号、標識令(102) 道路交通法第30条、標識令(314の2)

なお、道路交通法第2条第1項第21号は、「追越し」を、車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることと定義しています。

3. 車線のあいだの黄色い実線=進路変更禁止

車線のあいだの黄色の実線と白の破線
図:車線のあいだの黄色の実線は進路変更禁止。黄色の実線と白の破線が並ぶ場合は、白の破線の側から変更できる(自作イラスト)

車線(車両通行帯)を分ける線が黄色の実線のときは、「進路変更禁止」の道路標示です。標識令では、この標示の色彩も黄と定められています。道路交通法第26条の2第3項は、次のように定めています。

📜 道路交通法 第26条の2第3項(条文の要約)

車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によって区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。

標識令には、この標示の様式として、両方向の車線間の変更を禁止するものと、片方向だけを禁止するものがあります。黄色の実線と白の破線が並ぶ線は、後者の例で、JAF Mateは次のように整理しています。

通行している側 進路変更
黄色の実線側の車線 禁止(違反)
白の破線側の車線 変更できる

例外として、第26条の2第3項の第1号・第2号は、緊急自動車に道を譲るために道路の左側または右側に寄るとき(第40条)や、道路の損壊・道路工事その他の障害のためその車両通行帯を通行できないときなどには、進路を変更できることを定めています。

4. 時間で動く中央線「中央線変移」

時間帯で中央線の位置が変わる中央線変移
図:時間帯によって中央線の位置が変わる「中央線変移」のイメージ(自作イラスト。実際の標識・標示は道路によって異なります)

3車線以上の道路では、時間帯によって中央線の位置を動かし、混んでいる方向の車線をその時間だけ増やす「中央線変移」が行われている場所があります(リバーシブルレーン・可逆車線)。

項目 内容
仕組み 全幅3車線以上の道路で、中央線を時間帯によってずらし、交通量の多い方向の車線を特定の時間だけ増やす(沖縄県警察、JAF Mate)
どの線が中央線か 道路交通法第17条第4項により、道路標識等による中央線が設けられているときは、その中央線の設けられた道路の部分が「中央」。つまり、その時間帯の中央線が、そのときの道路の中央になる
表示の方法 その時間帯の中央線の位置は、標識と発光鋲で示される(沖縄県警察の例)
注意点 JAF Mateは、中央線が動く道路で、その時間帯の中央線より右側の車線(対向方向の車線)に入って右折しようとすると、中央線をこえて逆の車線を通行したことになり、違反になると整理している。国土交通省の調査では、この区間の死傷事故の平均件数は、通常の3車線以上の幹線道路の2.6倍(平成18〜21年、高速道路を除く)とされている

標識令の指示標示「中央線」(205)の様式にも、道路の中央以外の部分を道路の中央として指定する場合(常時指定するとき、日または時間を限って指定するとき)が定められています。なお、報道では、交通量の変化などを理由に中央線変移を廃止し、車線を固定する道路(東京都の中原街道、静岡市の国道1号など)も出てきています(トラフィックニュース、同)。標識と路面の標示をよく見て走ることが基本です。

5. 違反点数・反則金の一覧

黄色い線に関係する主な違反の点数と反則金です(普通自動車)。点数は警視庁の違反点数表、反則金は道路交通法施行令の別表第六で確認しました。

📊 黄色い線に関係する違反点数・反則金【普通車】

違反の名称 どんな行為か 根拠 違反点数 反則金(普通車)
通行区分違反 黄色の実線をこえて、追越しのために右側部分にはみ出して通行する(中央から左の部分の通行義務に違反) 道路交通法第17条第4項 2点 9,000円
追越し違反 追越し禁止の標識・場所で追越しをする 道路交通法第28条〜第30条(追越しを禁止する場所は第30条) 2点 9,000円
進路変更禁止違反 進路変更禁止の道路標示(黄色の実線)をこえて進路を変更する 第26条の2第3項 1点 6,000円

反則金は、大型車・二輪車・原付などで金額が異なります(施行令別表第六。通行区分違反・追越し違反は十六の項で大型車12,000円・二輪車7,000円・原付等6,000円、進路変更禁止違反は十八の項で大型車7,000円・二輪車6,000円・原付等5,000円)。

金額・点数について:反則金の額や点数は、法令の改正によって変わることがあります。この記事の内容は、道路交通法・同施行令の現行条文(e-Gov掲載分)と、警視庁が公開している点数表で確認したものです(2026年10月時点)。最新の内容は、警察庁・各都道府県警察の公式ページでご確認ください。

6. よくある質問

Q. 黄色の実線のセンターラインでも、工事や駐車車両を避けて右側にはみ出してよいですか?

A. JAFは、障害物を避けるための右側はみ出しは「追越し」ではないため、黄色の実線が禁止する行為にあたらず、ウインカーを出してはみ出して通行できると解説しています。反対方向からの交通を妨げないよう、安全を確認してください。個別の判断は、警察などにご確認ください。

Q. 幅が6メートルに満たない道路なら、黄色の実線があっても追い越せますか?

A. いいえ。道路交通法第17条第5項第4号は、左側部分の幅員が6メートルに満たない道路でのはみ出し追越しを認める一方、道路標識等により追越しのための右側部分はみ出しが禁止されている場合を除くと定めています。黄色の実線は、その禁止を表示する道路標示です。

Q. 黄色の実線と白の破線が並んでいる車線境界線は、どちらから変更できますか?

A. JAF Mateによると、白の破線の側からは進路変更できますが、黄色の実線の側からは禁止されます(道路交通法第26条の2第3項)。

Q. 中央線が動く道路で、右折のために対向方向の車線に入ってもよいですか?

A. JAF Mateは、その時間帯の中央線より右側にあたる車線(対向方向の車線)に、右折のために進路変更して入ると、中央線をこえて逆の車線を通行したことになり、違反と整理しています(第17条第4項)。標識と路面の標示を確認してください。

Q. 黄色い線が引かれている場所には、どんな傾向がありますか?

A. 今回の記事で確認した一次情報(道路交通法・標識令・施行令・JAF・沖縄県警察)からは、設置場所の傾向を断定できませんでした。現場の標識と標示に従ってください。

まとめ

黄色い線の3つの意味を整理します。(1)センターラインの黄色の実線は、追越しのために右側部分にはみ出すことの禁止です(第17条第5項第4号、標識令)。違反は通行区分違反で、普通車2点・9,000円です。「追越し禁止」(第30条)は追越しそのものの禁止で、違反は追越し違反(普通車2点・9,000円)です。(2)車線のあいだの黄色の実線は進路変更の禁止です(第26条の2第3項)。白の破線が並ぶ場合は白の破線側から変更できます。違反は1点・6,000円です。(3)中央線変移では、その時間帯の中央線が道路の中央です(第17条第4項)。

「黄色い線」と「追越し禁止」の標識は別のルールです。見分けられると、道路標示の意味が読み取りやすくなります。標識と路面の標示をよく確認して走りましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法令・反則金・基準は改正されることがあるため、最新の内容や個別の判断は、警察庁・各都道府県警察・公安委員会など公的機関の公式情報でご確認ください(2026年10月時点)。道路標示の形や色味は、道路や地域によって異なる場合があります。

参考(一次情報・公的機関・JAF): e-Gov法令検索 道路交通法(第2条・第17条・第26条の2・第30条)/同 道路交通法施行令(別表第二・別表第六)/同 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(別表第五・別表第六ほか)/警視庁 違反点数/JAF「センターラインの白色の破線と実線、黄色の実線でどう違うのですか?」/JAF Mate 黄色側から進路変更するのは、違反?/JAF Mate 時間によって中央線が動く道路で…/沖縄県警察 中央線変移(時間規制)が行われている道路について/警察庁 交通規制基準

図はすべて自作のイラストです(AI生成なし)。実際の標示の形・色味は道路によって異なります。

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