車のスモークフィルム、可視光線透過率70%ルールとは

車の窓にスモークフィルムを貼りたい。そのとき最初に確認したいのが、可視光線透過率70%という基準です。この記事では、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(第195条)の条文をもとに、どの窓が対象なのか、どう測るのか、基準を満たさないとどうなるのかを整理しました。

📋 この記事の要点

✔ 細目告示第195条は、前面ガラスと側面ガラスについて、視野の範囲に係る部分の可視光線透過率を70%以上と定めている

✔ 運転者席より後方の部分は、この基準の対象から外れる(運転席ヘッドレスト前縁より後ろの側面ガラス、後席の側面ガラスなど)

✔ JAFは、フロントガラスや運転席・助手席の窓に着色フィルムを貼るのは、可視光線透過率70%以上になるものを除き、原則として禁止と案内

✔ 基準に合わない整備不良車両を運転することは、道路交通法第62条で禁止されている

✔ 国土交通省は、2023年1月13日付の事務連絡で、指定工場での透過率の測定について示している(詳細は要確認)

1. 70%ルールの根拠:保安基準と細目告示

窓ガラスの安全性・視界に関する基準は、道路運送車両の保安基準第29条と、その細目を定める告示(第195条)にあります。透過率の70%は、細目告示第195条第3項に、前面ガラス・側面ガラスの基準として書かれています。

📊 細目告示第195条の該当部分(2025年6月17日版・要約)

条文 内容(要約)
細目告示第195条第3項第1号 前面ガラス及び側面ガラスは、透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであること
細目告示第195条第3項第2号 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上のものであること
細目告示第195条第4項 第3項の基準の対象外となる部分は、運転者席より後方の部分。後席側面ガラスや、運転席のヘッドレスト前縁を含む鉛直面より後方の側面ガラスなどが含まれる
適用の除外 二輪自動車、側車付二輪自動車、被牽引自動車は、第3項の対象から除かれている

📌 補足

JAFのクルマ何でも質問箱(2022年8月時点)でも、フロントガラスと運転席・助手席の窓への着色フィルムは、可視光線透過率が70%以上になるものを除いて、原則として貼れないと案内されています。

2. どの窓が対象になるのか

📊 窓の位置と70%基準の関係

窓の位置 70%基準 補足
前面ガラス(フロントガラス) 対象 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分
運転席・助手席の側面ガラス(ヘッドレスト前縁より前の部分) 対象 前席の側面ガラスは、基本的に対象と考えて確認する
運転席のヘッドレスト前縁を含む鉛直面より後方の側面ガラス 対象外 細目告示第195条第4項で、運転者席より後方の部分とされている
後席の側面ガラス 対象外 運転者席より後方の座席の側面ガラス(同項第1号)
後面ガラス(リアガラス) 第3項の対象外 第3項の対象は前面ガラスと側面ガラス。他の保安基準は別途確認

⚠️ 注意

「前席2枚だけでなく、その窓の後ろ寄りの部分も含むのか」など、境目の判断は車の構造で変わります。施工前に、施工店や運輸支局・検査機関で確認してください。

前面ガラスには、ドライブレコーダーなどを取り付ける場合の条件も定められています。細目告示第195条第5項では、乗車定員10人未満の乗用車などについて、ドライブレコーダーの前方用カメラなどを貼り付けてよい範囲が具体的に規定されています。フィルムに限らず、装置の取り付け位置も基準の対象になります。

3. 透過率の測り方と、フィルム選びの考え方

📊 透過率の確認方法

ポイント 考え方
基準は窓ガラス側の透過率 条文は、窓ガラスの視野範囲の部分の透過率を70%以上と定めている。フィルム単体のカタログ値ではなく、貼った状態の窓で判断する
もともとガラスに色がある場合 ガラス自体の透過率も影響するため、フィルム単体の数値が高くても、貼った状態の窓では70%を下回る場合がある(基準が窓の透過率であることからの考え方)
測定 専用の可視光線透過率測定器で測る。測定できる施工店・整備工場に依頼するとよい
指定工場での測定 国土交通省自動車局整備課の2023年1月13日付の事務連絡で、指定工場での測定方法が示された(内容の詳細は同事務連絡を要確認)

💡 ポイント

色の付いていない無色に近いフィルムは、透過率が高く、基準を満たしやすい傾向があります。ただし、製品ごとに数値が異なるため、実際の窓に貼った状態で70%以上になるかどうかを確認してください。

4. 基準に合わないとどうなるか

📊 基準に適合しない場合の扱い

場面 内容 確認状況
車検(継続検査) 保安基準に適合しない状態のままでは、検査に合格できない 保安基準に適合していることが検査の前提
道路を走行する 道路交通法第62条は、保安基準に適合しないため交通の危険を生じさせ、または他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両(整備不良車両)の運転を禁止している 条文で確認済み(e-Gov法令検索)
違反点数・反則金 整備不良の点数は、種類ごとに異なる(警視庁の一覧では、制動装置等が2点、尾灯等が1点)。窓ガラスのフィルムの場合の点数・反則金は、確認できなかった 要確認(警察庁・警視庁の一覧を参照)

⚠️ 注意

整備不良車両の条文は、「交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある」ものが対象と定めています。実際に取り締まりの対象となるかどうかの判断は、警察や検査機関が個別に行います。

5. 施工前の手順とチェックリスト

🧭 施工の進め方

1

貼りたい窓を確認する

前面ガラス、前席の側面ガラス、後席・後面ガラスのどこに貼るのかを決めます。

2

対象の窓は、70%以上を保てる製品を選ぶ

基準の対象となる窓に貼る場合は、貼った状態で70%以上を満たすことが必要です。

3

施工店に、実測してもらえるか確認する

可視光線透過率測定器で測れる店か、証明書などを出してもらえるかを確認します。

4

施工後の透過率を確認する

施工後の状態でも、窓ごとの透過率を測って確認します。

📝 施工前のチェックリスト

☑️ 貼る窓が、基準の対象(前面ガラス・前席側面ガラス)かどうかを確認した

☑️ 貼った状態で透過率70%以上になるか、施工店に確認した

☑️ 測定器で実測してもらえるか確認した

☑️ ドライブレコーダー等の取り付け位置も、基準に合うか確認した

☑️ 車検に通るかどうか、車検を受ける工場にも確認した

6. よくある質問

Q. 助手席の窓にもスモークフィルムは貼れませんか?

A. 前席の側面ガラスは、細目告示第195条第3項の対象になり得ます。運転席のヘッドレスト前縁より前の部分は、視野の範囲に係る部分の透過率70%以上が求められます。

Q. フィルム自体の透過率が70%以上なら大丈夫ですか?

A. 基準は窓ガラスの透過率です。ガラス自体の色などの影響で、貼った状態では70%を下回ることがあります。貼った状態で測って確認するのが確実です。

Q. 後席の窓を濃くするのは違反ですか?

A. 細目告示第195条第3項の70%基準は、運転者席より後方の部分を対象外としています。ただし他の保安基準に関わる場合もあるため、施工前に確認してください。

Q. 基準に合わないと、どんな罰則がありますか?

A. 車検では適合しません。道路交通法第62条は整備不良車両の運転を禁止しています。窓ガラスのフィルムの場合の違反点数や反則金は確認できなかったため、警察の公式な一覧でご確認ください。

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まとめ

窓のフィルムは、前面ガラスと、運転者席より前の側面ガラスなどで、視野の範囲の可視光線透過率70%以上が求められます。運転者席より後方の部分は、この基準の対象外です。貼った状態で測って確認し、迷ったら施工店・検査機関に相談してから施工しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。法律・制度に関する個別の判断は、警察・運輸支局・検査協会などの公的窓口や専門家にご相談ください。基準・手数料・期間は変更されることがあるため、最新の内容は各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。

アイキャッチ画像: Window tint car by Steevven1, CC BY 2.5, via Wikimedia Commons

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