車を取得したときに課税されていた「自動車税環境性能割」「軽自動車税環境性能割」は、2026年(令和8年)3月31日をもって廃止されました。4月1日以降に取得する新車・中古車の購入では、この税はかかりません。この記事では、国土交通省の「令和8年度税制改正結果概要(車体課税関係)」や総務省の解説、JAFの発表を確認し、何が変わり、何が変わらないのか、関連するエコカー減税やグリーン化特例、将来のEV・PHEVの課税方針までを整理します。
📋 この記事の要点
✔ 自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割は、令和8年(2026年)3月31日をもって廃止。3月31日までの取得分には、従前の例が適用される
✔ 毎年かかる「自動車税種別割」「軽自動車税種別割」は廃止されず、名称が「自動車税」「軽自動車税」になる
✔ エコカー減税(自動車重量税)は2年延長(令和8年5月1日〜令和10年4月30日)されるが、燃費基準の達成度が引き上げられる
✔ グリーン化特例(自動車税・軽自動車税)は、令和8年4月1日〜令和10年3月31日の間、延長される
✔ EV・PHEVには、令和10年(2028年)5月1日以降の車検から、重量に応じた自動車重量税の特例加算を求める方針。税率などは令和9年度税制改正で結論を得るとされている
動画でも解説しています。(YouTube「くるまのかーぎーくん」)
1. 環境性能割とは何だったのか、いつ廃止されたか
総務省の解説によると、環境性能割は、2019年10月1日に、それまでの自動車取得税に代わるものとして導入された税で、自動車の取得価額(課税標準)に税率をかけて計算し、税率は自動車が0〜3%、軽自動車が0〜2%でした。国土交通省の資料では、自動車税・軽自動車税の「環境性能割」は、自動車等の「取得」に課税され、課税標準は取得価額とされています。
📊 環境性能割の導入から廃止、関連する措置の時系列
| 時期 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2019年10月1日 | 環境性能割が導入された(自動車取得税に代わるもの) | 総務省 |
| 令和7年(2025年)12月19日 | 与党の令和8年度税制改正大綱で、環境性能割を令和8年3月31日で廃止する方針が示された | 国土交通省資料(大綱の抜粋) |
| 令和7年(2025年)12月26日 | 令和8年度税制改正の大綱が閣議決定された | 国土交通省資料(大綱の抜粋) |
| 令和8年(2026年)3月31日 | 自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割が廃止された。同日までの取得は、なお従前の例による。これに伴い、現行の種別割を「自動車税」「軽自動車税」とする措置が講じられた | 国土交通省資料、JAF |
| 令和8年(2026年)4月1日 | 環境性能割は課税されなくなる。グリーン化特例の延長期間が始まる(〜令和10年3月31日) | 国土交通省資料 |
| 令和8年(2026年)5月1日 | エコカー減税の延長期間が始まる(〜令和10年4月30日)。燃費基準の達成度が引き上げられる | 国土交通省資料 |
| 令和10年(2028年)5月1日 | EV・PHEVに対する重量に応じた特例加算(自動車重量税)を、この日以降に受ける車検から適用する方針 | 国土交通省資料(大綱の抜粋)、JAF |
📌 廃止の背景(大綱の記載)
与党の令和8年度税制改正大綱には、環境性能割の廃止は、米国関税措置が日本の自動車産業に及ぼす影響を緩和し、国内の自動車市場の活性化を速やかに図るとともに、自動車ユーザーの取得時の負担を軽減・簡素化するためと記されています。地方税の減収分は、安定財源を確保するための具体的な方策を検討し、それまでの間、国の責任で手当てするとされています。
2. 何が変わって、何が変わらないのか(3つの税の整理)
📊 3つの税の整理(国土交通省「令和8年度税制改正結果概要(車体課税関係)」の整理をもとに)
| 税 | 課税のタイミング | 課税標準 | 今回の変更 |
|---|---|---|---|
| 自動車税・軽自動車税(種別割) | 自動車等の保有(毎年) | 総排気量など | 課税は継続。名称が「自動車税」「軽自動車税」になる(環境性能割の廃止に伴う名称変更) |
| 自動車税・軽自動車税(環境性能割) | 自動車等の取得(購入時) | 取得価額 | 令和8年3月31日で廃止 |
| 自動車重量税 | 自動車検査証の交付等を受けるとき(車検時など) | 自動車の重量 | エコカー減税は2年延長。ただし燃費基準の達成度が引き上げられる |
※表は横にスクロールできます
国土交通省の資料では、種別割の額は、自家用乗用車(自動車税)の場合、年額25,000円〜110,000円とされています(排気量などで異なります)。環境性能割の最高税率は、自家用車(自動車税)の場合3%でした。
⚠️ 注意
「環境性能割がなくなった」からといって、毎年かかる自動車税(種別割)が安くなったわけではありません。廃止されたのは、取得(購入)のときに課税される環境性能割のみです。
3. 購入時の負担は、どう変わるのか
📊 取得日による環境性能割の扱い(令和8年度税制改正の大綱の記載)
| 取得した日 | 環境性能割の扱い |
|---|---|
| 令和8年(2026年)3月31日まで | 同日までの取得に対して課する環境性能割は、なお従前の例による(従来どおり課税の対象) |
| 令和8年(2026年)4月1日以降 | 環境性能割は廃止されているため、課税されない |
環境性能割は、取得価額に税率(0〜3%)をかけて計算されていました。次は、仕組みを理解するための説明用の計算のイメージです(実際の税額は、課税標準の算定ルールや軽減措置によって異なります)。
📊 環境性能割の計算のイメージ(説明用の数字であり、実際の車両の税額ではありません)
| 説明用の例 | 計算のイメージ |
|---|---|
| 取得価額が200万円、税率が3%の場合 | 200万円 × 3% = 6万円(廃止後は、この分の負担がなくなる) |
| 税率が非課税(0%)の車の場合 | 負担はもともとなし。廃止による差は生じない |
実際には、車ごとの環境性能(燃費性能等)に応じた税率が適用されていたため、廃止による負担の軽減幅は、車種や取得価額によって異なります。
🧭 購入前の確認の流れ
取得(登録)の日を確認する
令和8年3月31日までか、4月1日以降かで、環境性能割の扱いが異なります。「取得」の日の考え方は、販売店や都道府県税事務所(軽自動車は市区町村)に確認しましょう。
見積書の諸費用を確認する
4月1日以降の取得で、見積書に環境性能割の項目が載っている場合は、販売店に確認します。
自動車重量税(エコカー減税の対象か)を確認する
令和8年5月1日以降は、燃費基準の達成度が引き上げられるため、対象かどうかを、販売店で確認します。
毎年の自動車税(種別割)も、あわせて把握する
排気量などで決まる毎年の税金は、引き続きかかります。
4. エコカー減税・グリーン化特例:延長されたが、条件に注意
📊 エコカー減税・グリーン化特例の延長(令和8年度税制改正大綱・国土交通省資料より)
| 措置 | 対象の税 | 延長期間 | 確認できた内容 |
|---|---|---|---|
| エコカー減税 | 自動車重量税(国税) | 令和8年5月1日〜令和10年4月30日(2年間) | 免税・軽減の区分に用いる燃費基準の達成度が引き上げられる(令和8年5月1日以後、さらに令和9年5月1日以後の見直しがある)。詳細は国土交通省の資料で確認 |
| グリーン化特例(軽課) | 自動車税・軽自動車税(地方税) | 令和8年4月1日〜令和10年3月31日(2年間) | 自動車税は、電気自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド自動車が対象。軽自動車税は、電気軽自動車、天然ガス軽自動車が対象 |
| グリーン化特例(重課) | 自動車税 | 同上(適用期限を2年延長) | 一定年数を経過した自動車の税率を重くする特例の延長 |
※表は横にスクロールできます
⚠️ 注意
対象になる車種や免税・軽減の割合は、年月や燃費基準の達成度によって異なります。「以前はエコカー減税の対象だった車」が、今後は対象外になる場合があります。購入や車検の前に、販売店・整備工場で、その時点の適用条件を確認してください。
5. 将来の動き:EV・PHEVへの新たな課税の方針
令和8年度税制改正大綱には、電気自動車(EV)等に関する次の方針が記されています。現時点で示されているのは方針であり、具体的な税率は、令和9年度税制改正で結論を得るとされています。
📊 令和8年度税制改正大綱(与党)の記載の要約
| 項目 | 大綱の記載(要約) |
|---|---|
| EV・PHEVの特例加算(自動車重量税) | 自家用の乗用自動車のうちEV・PHEVについて、車両重量に応じた一定の負担を求める。令和10年5月1日を施行日とし、同日以後に受ける車検から適用する。新車の新規検査に係る分は特例分の課税を免除し、既販車は、施行日以後最初に受ける継続車検に係る分を免除。具体的な税率は令和9年度税制改正で検討し、結論を得る(PHEVの税率は、EVの2分の1を目安に設定) |
| EVの自動車税(種別割) | 令和10年度以後に新車新規登録を受けたEVの乗用車に対し、車両重量に応じた課税方式を導入する。具体的な税率等は令和9年度税制改正で結論を得る |
| 令和10年以後の自動車税・軽自動車税のあり方 | 自動車の重量および環境性能に応じた公平・中立・簡素な税負担の仕組み等について検討し、令和9年度税制改正で結論を得る |
📌 補足
JAFの声明でも、EV・PHV(プラグインハイブリッド車)への新たな課税について、令和10年5月1日を施行日とし、同日以降に受ける車検から適用する内容が示されています。JAFは、自動車税制全体の簡素化・合理化とユーザー負担のさらなる軽減を、引き続き要望していく考えを表明しています。
📝 購入前・検討中の確認チェックリスト
☑️ 取得(登録)の日が、令和8年3月31日までか、4月1日以降かを確認した
☑️ 4月1日以降の取得なら、見積書に環境性能割の項目が残っていないか確認した
☑️ 毎年の自動車税(種別割)が、排気量などによって変わることを把握している
☑️ エコカー減税・グリーン化特例の対象かどうかを、販売店で、その時点の条件で確認した
☑️ EV・PHEVを検討している場合は、令和10年度以降の課税の方針(令和9年度税制改正で結論)にも注意している
出典(公式など)
6. よくある質問
📚 あわせて読みたい
まとめ
自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割は、令和8年(2026年)3月31日をもって廃止されました。4月1日以降の取得では課税されず、購入時の税負担がその分軽くなります。一方で、毎年の自動車税(種別割)は続き、エコカー減税は延長されたものの燃費基準の達成度が引き上げられます。将来的には、EV・PHEVに重量に応じた課税を行う方針も示されています(税率は令和9年度税制改正で結論を得る予定)。購入時期・車種によって影響が異なるため、最新の条件を販売店・税事務所で確認しましょう。
※本記事は、国土交通省・総務省・JAFなどの公表情報(2026年9月25日に確認)をもとにした一般的な情報提供です。税制は今後の法改正等で変わることがあります。個別の税額・適用条件は、購入予定の販売店や、所轄の都道府県税事務所・市区町村にご確認ください。
アイキャッチ画像: AMLUX Showroom of Toyota by Dgjon, パブリックドメイン


コメント