車のエアコンには、外気導入と内気循環を切り替えるスイッチがあります。何となく使っている方も多いですが、この2つは車内の空気の流れが異なり、使い分けで快適性や安全性が変わります。この記事では、JAFのクルマ何でも質問箱と、JAFユーザーテスト(車内の二酸化炭素濃度の実験)をもとに、それぞれの向いている場面と、長く使うときの注意点を整理しました。
📋 この記事の要点
✔ 外気導入は、車内を換気したいときに使う。内気循環は、外気が入ることをある程度抑える(JAF)
✔ 内気循環は、トンネル内や、大型ディーゼル車の直後など、外気が汚れていたり臭ったりする場面に向く。冷暖房の効率も上がる(JAF)
✔ JAFユーザーテスト(2019年4月、乗員4人・窓全閉・各約1時間)では、内気循環の車内の二酸化炭素濃度は最大6,770ppm(市街地)。外気導入は常に約1,000ppm
✔ JAFは、運転中はできるだけ外気導入にするか、最低でも1時間に1回は換気するとよいとしている
✔ 花粉について、JAFのテストでは、外気導入でも花粉を心配する必要はあまりないという見解が示された。
📑 目次
1. 外気導入と内気循環、何が違う?
JAFのQ&Aによれば、外気導入は、外気を取り入れて車内を換気したいときに使うモードです。一方、内気循環は、外気が入ることをある程度抑えるモードです。切り替え方法は、スイッチ式・スライド式など様々です。
📊 外気導入と内気循環の違い(JAF クルマ何でも質問箱・ユーザーテストの内容を整理)
| 項目 | 外気導入 | 内気循環 |
|---|---|---|
| 空気の流れ | 車外の空気を車内に取り込む | 外気が入ることをある程度抑える |
| 向いている場面 | 換気したいとき。冬のガラスの曇り取り | トンネル内、大型ディーゼル車の直後など、外気が汚れている・臭うとき。冷暖房を効かせたいとき |
| メリット | 車内の温度を外気温に近くできるため、曇りが取れやすい。換気ができる | 冷暖房の効きが上がる。排気ガスなどの臭いが入りにくい |
| 注意点 | トンネル内では、排ガスの影響で、一時的にCO₂やCOの数値が高くなることがある(JAFテスト) | 長時間続けると、乗員の呼吸で二酸化炭素濃度が上がり、眠気・頭痛の原因になることがある |
📌 補足
内気循環のボタンだけがある車では、ランプが点灯しているときが内気循環、消灯しているときが外気導入です(JAF)。ただし、AUTOエアコンやマニュアルエアコン、製造年度や車種によって方式や動作が異なるため、取扱説明書で確認してください。
2. JAFの実験で分かった、二酸化炭素濃度
JAFは、2019年4月3日に、同じ車種2台を内気循環と外気導入に分けて、東京都内の高速道路、郊外・山道、市街地を各約1時間走行するテストを実施しました。各車に4人が乗車し、エアコンフィルターは新品、テスト中は窓を全閉で、乗降なしの条件です。
📊 JAFユーザーテストの結果(2019年4月3日実施)
| 走行ルート | 内気循環(CO₂濃度の最大値) | 外気導入(CO₂濃度) |
|---|---|---|
| 高速道路 | 4,520ppm | 約1,000ppm前後 |
| 郊外・山道 | 4,730ppm | 約1,000ppm前後 |
| 市街地 | 6,770ppm(外気と比べて約5.5倍) | 約1,000ppm前後 |
酸素濃度も、内気循環では最大で約1%低下しました。乗車した人の中には、眠気や軽い頭痛を感じる人がいました。JAFは、東北大学大学院の永富良一教授の話として、いくつかの研究報告によるとCO₂濃度が3,000ppmを超えると疲労感の増加や注意力の低下、眠気や頭痛を訴える人が増えること、短時間では問題がないという結果もあるので一概には言えないことを紹介しています。
⚠️ 換気の目安
同教授は、CO₂が増えるほど影響が大きくなるのは明らかなので、運転中はできるだけ外気導入にするか、最低でも1時間に1回は換気するとよい、と話しています(JAFユーザーテスト)。結果は、道路状況・天候・車種などにより変わることがあります。
3. 場面別の使い分けと、花粉の考え方
📊 場面別の使い分け(確認日: 2026年9月25日)
| 場面 | 目安 | 出典 |
|---|---|---|
| トンネル内、大型ディーゼル車の直後 | 内気循環に切り替える | JAF Q&A・ユーザーテスト |
| 夏、炎天下から乗った直後 | まず窓とエアコンを全開にして走行し、熱気をある程度追い出してから、窓を閉めて、エアコン+内気循環を使う | JAF Q&A |
| 冬のフロントガラスの曇り | 乾燥した外気を取り込む外気導入が効果的。エアコンで除湿するとさらに効果的 | JAF Q&A |
| 外気温が比較的高い雨天時 | 外気の湿度が高いので、外気導入ではなく、エアコンと内気循環を併用する | JAF Q&A |
| 渋滞中や長距離ドライブ | 内気循環を続けたままにせず、外気導入に切り替えて、車内の空気を入れ替える(最低でも1時間に1回の換気) | JAFユーザーテスト |
花粉について。JAFユーザーテストは、排ガスや花粉を嫌って空調を内気循環にするドライバーがいることを背景に、花粉の量も測定しています。テストでは、車内に置いたプレパラートに花粉を確認できたものの、わずかな量でした。JAFは、最近のエアコンフィルターはある程度花粉を除去できるため、外気導入でも花粉を心配する必要はあまりなく、衣類に付着した花粉や、乗降時に車内に付いた花粉を除去したほうが重要だと思われる、としています。
💡 ポイント
花粉の季節でも、内気循環のままにしておくと二酸化炭素濃度が上がります。エアコンフィルターの状態を確認し、乗り降りの際に衣類の花粉を払うなど、車内に持ち込まない工夫も大切です。フィルターの交換目安は、JAFによると、1年ごと、または走行距離10,000kmごとのいずれか早いほうです。
4. 内気循環を使うときの手順とチェックリスト
🧭 内気循環を使うときの流れ
外気の状態を見て、切り替えを判断する
トンネルや、前の車の排ガスが気になる場面では、内気循環に切り替えます。
内気循環にしたら、時間を意識する
JAFは、最低でも1時間に1回は換気するとよいとしています。渋滞や長距離では、こまめに外気導入に戻します。
眠気・頭痛を感じたら、外気導入や休憩を
内気循環を長く続けたときに、眠気や軽い頭痛を感じる人がいました。無理をせず、外気導入に切り替えたり、安全な場所で休憩したりしましょう。
フィルターと操作方法を確認する
エアコンフィルターの汚れ、スイッチの表示の意味は、点検記録や取扱説明書で確認します。
📝 外気導入・内気循環のチェックリスト
☑️ トンネル内・排ガスが気になる場面で、内気循環に切り替えている
☑️ 内気循環を、長時間続けたままにしていない(最低でも1時間に1回換気)
☑️ 眠気・頭痛を感じたら、外気導入や休憩に切り替える
☑️ 冬のガラスの曇りには外気導入、雨天時には内気循環+エアコンを試している
☑️ エアコンフィルターの交換時期(1年ごと、または1万kmごと)を確認した
☑️ 車のスイッチの表示(ランプの点灯・消灯の意味)を取扱説明書で確認した
⚠️ 注意
二酸化炭素濃度の数値は、JAFの実験条件(乗員4人、窓全閉、約1時間)での結果です。実際の走行では、車種・乗車人数・走行環境で変わります。
5. よくある質問
まとめ
外気導入は換気やガラスの曇り取り、内気循環は排ガスの臭い対策や冷暖房の効きに、それぞれ向いています。JAFのユーザーテストでは、内気循環を続けると二酸化炭素濃度が最大6,770ppmまで上がり、眠気や頭痛を感じる人がいました。運転中はできるだけ外気導入にするか、最低でも1時間に1回は換気しましょう。花粉についても、テストでは外気導入でも心配は少ないという見解でした。この記事は一般的な情報です。操作方法は車種によって異なるため、取扱説明書で確認してください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。制度・料金・基準・製品仕様は変更されることがあるため、最新の内容は、公的機関・メーカー・各公式サイトでご確認ください(2026年10月時点)。
参考: JAF「クルマ何でも質問箱」エアコンの外気導入と内気循環は、どう使い分ければいいのですか?
アイキャッチ画像: Toyota FJ Cruiser air vent by Peter Stumpf, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons


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